僕が左四肢不随に成るまでの十邇日間

【第壱章・prologue】

ドスン・・・。
意外にも大きな音を立てて不壱の体は膝から崩れ堕ちる。
「あれ・・・?」
昨日と同じ冬朝のその時に寒さを除けようとファンヒーターの側に
座理込もうと屈む。それだけだ。昨日と同じように・・・。
ガクンと音が不壱の耳に届いたと思えば膝から力が抜け落ちる。
支える四肢が力を失えば不壱の体は崩れ尻餅をついて転がる。
ドスン・・・。
二度目に響く鈍い音は滑稽に尻餅をついて転がり
背中を後壁にぶつけた音だ。
「あれ・・・?」
突然の尻餅に不壱は訳もわからずに。
ただ呟く・・・。

天鼠蛭姫

天鼠蛭姫

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