HITONOID【戦陶鬼・Doll of war】ⅳ[暴刻]

[・・・狸鍋は辛子味噌が一番の日・丑三つの刻時参十五分・・・]
[戦略殺生兵器天司型機人アプ・ヨルウェルス・・・・覚醒]
[妾は至高の天司体・アプ・ヨルウェルスで有る]

既に自分自身の自我を確立する天司体・アプは蘇飛燕大連邦・辺境大東作戦基地の
管制官達の手には既に負えない状況になっていた。
自分の意思で好きに勝手に出撃したと思うとやり過ぎと言うほどに完璧に
適正戦人形を殲滅して来たかと思うと律儀にも主基地の自分の拘束具ブースに戻り
すぅすぅと胸を上下させて寝息を立てて眠る。
まるで何もなかったように・・・まるで何も知らなくも純粋無垢な少女のように。

そうと眠る天司体・アプに対しそろそろ三十路半ば寡婦一人の鰻重は心の中に
一種特別な思いを秘めていた。
完全に身動きを封じられたアプの四肢は未だ成熟を成す途中の少女の四肢を模している。
自分の中に少女愛好の趣味が有るだろうとは思ってはいたが表にそれが出てくる事はないとも
鰻重は思っていなかった。
深夜勤務は嫌いでもない。ずっと一人で静かに呼吸を繰り返すアピを観ていられるからだ。

[戦略殺生兵器天司型機人アプ・ヨルウェルス・・・・覚醒]
[妾は至高の天司体・アプ・ヨルウェルスで有る]
[妾を崇めよ。愚民共。妾の寵愛を求めよ]
長い勤務時間も終わりに近づく頃に突然に頭の上に澄んだ少女の声が堕ちて来る。
そこは特等席でも有る。
ほとんどに裸体に近い四肢を晒し拘束具に囚われた少女を視姦できる特等席である。
[愚民管制官のチンチクリン。聞きたい事が有るぞ]
少し機械音独特の響きを混ぜて天司体・アピは鰻重に声を堕としてくる。
「えっ。なんだって・・・?」
ありえない事が置きているとは認識出来るのは管制官としての訓練の賜だろう。
其の日までのアプは自分で覚醒すれば直ぐ様に敵を滅殺するために天空へと飛び立っている。
それなのに今の自分の状況はまるでも違う。
四肢を拘束具に阻まれながらも移しくも可憐な顔姿で鰻重にささやき掛けていた。
[こら。愚民管制官のチンチクリンの幼女趣味野郎殿・・・。
警報スイッチに手を伸ばすな。妾は愚民と話をしたいだけなのだ]
意識していなかったとは言え管制官の意地と勤勉さで手が勝手に動き
先日からの攻撃態勢の後に追加された特別警報のスイッチにそろそろと触ろうとしてもしていた。
それをも見通されたしなめられる。
「幼女趣味ってそんなんじゃないぞ。俺は・・・話をしたいって・・・?」
[否定しても無駄で有るぞ。チンチクリンの幼女趣味丸出し管制官め
貴様が妾の美しくも可憐な姿を常に視感し心の底の欲望を満たしているのは重々と知っておる]
「心の奥の欲望とか・・・そんなのあるはずないだろっ」
[妾に隠し事等出来ないのであるぞ。愚民め。
尻にしまった携帯の中の秘蔵の画像は皆に幼子ばかりではないか。ロリコン管制官め]
「なんでそんな事知ってるんだよ。携帯自体にもフォルダも暗号掛けて有るんだぞ」
個人的な趣味で有るからこし幼女趣味の気があるのも自覚してないとは言えないからこそに
態々に個人生態認証の暗号まで掛けて有ると思いだすが。
[妾は至高の存在であり可憐な少女で有るぞ。貴様のような愚民が掛ける暗号等
参時のおやつを強請る猿の尻尾を撚るより簡単である。
それでだな。聴きたい事があるのだ。ちんちんくりんの幼女趣味の洋梨顔のロリコン管制官殿よ]
「段々と呼び方が長くなって来てるけどほとんど悪口じゃないか?
それで聞きたい事って何なんだ?」

[さもあらん・・・。悪口は徹底的に行うのが妾の趣味で有る。
さて、聴きたいのはだな・・・]頭上高い場所からまるで天の声のようにアピの声が堕ちる。
[・・・何故に・・・妾はもてないのだ・・・?]
「えっ・・・?」
あまりにも残酷で強大な殺傷力を有する天司体アプ・ヨルウェルス。
その彼女が態々に覚醒してまで鰻重に問いかけてきた其の質問が
何故に自分はもてないかと言うのはむしろ大いなる疑問である。
「も・・・モテないって?天司機体のお前がもてない?」
「こら。妾を御前呼ばわりするとは燃やすぞ?消炭の如くに燃やしてやるぞ
基地内の適齢期の女性達から相手にされず夜な夜な悶々と自ら等を慰めるに忙しい
ちんちんくりんの幼女趣味の洋梨顔のロリコン管制官殿。
それは脇の箱に閉まっておいてだな。妾は何故故にモテないのだ?」
「適齢期の女性とか慰めるとか・・・色々くっついてるぞ。
燃やされたくもないからどう呼べば良いんだ?
それから持てないって?どうしてわかってるんだ?」
[天司体・アプ様と呼べ。もしくは可憐な麗らかな少女アピちゃんと呼ぶ事を許すぞ
どうして分かるって簡単なことだぞ。
妾を観る漢共の視線は確かに羨望有るものではあるが・・・
どこか何かが違う。畏怖と恐怖ばかりの視線が柔肌に突き刺さる・・・]
「それは当たり前だと思うが・・・それが気に食わないとでも言うのか?」
[うぬ。確かに妾は美麗であり可憐でかわゆくも麗らかな少女である。
しかしにも妾に向けられる貴様等愚民共の視線は冷たくも刻に嫌悪にもまみれておる。
それは何故故になのだ・・・?]
「可憐で麗らかな少女アピちゃん・・・。
何か腑に落ちないと言えば落ちないのであるが
まず基本的には戦略殺生兵器天司型機人なんだから戦闘用だろ?
戦闘用なんだから殺傷力が高いのは歓迎すべき事であろう。
敵に対しての殺傷力が高いとなれば歓迎するならば味方にしてみれば
それは恐怖と畏怖になって当たり前だろ?
いつ裏切って我らの敵にならないとも限らない。
御前・・・否。憐な麗らかな少女アピちゃんが敵に寝返ったら我らは全滅だ
・・・モテたいのか?」
[長々と言葉を並べおって。愚民管制官め・・・面倒くさいやつじゃ
うぬ。モテたいのだ・・・。ちやほやされたいのだ。
頭を撫でていい子いい子してほしいのだ。それからアイスクリームが食べたいのじゃ]
「ちやほやとか頭をなでるとか・・・アイス食べたいとか我儘だぞ」
[多少なりとも我儘の方が可愛げが有るだろう?
五段重ねのミント味のアイスのクリームを持ってくるが良い。
それでも何故に妾はモテないのだ?]
「・・・貧乳だからじゃないか?」鰻重は咄嗟に頭に浮かんだ言葉を口にする。
[ひっ。貧乳・・・・。貧乳だともてないのか?
妾の胸は貧乳なのか?貧乳とは胸というか乳房が小さい女の子は持てないのか?
貧乳・・・貧乳・・・貧乳・・・貧乳・・・貧乳・・・貧乳・・・貧乳・・・]
只に単純に思いつき吐き出した言葉にヨプは極度に反応する。
【戦略殺生兵器天司型機人アプ・ヨルウェルス。
拘束具解除工程開始・・・10・・17・・22】衝撃と怒りのままにアプが唸り出す
「待てっ。待て。貧乳でもモテるぞ。一定の需要があるんだ。
いわゆる貧乳好きの輩は以外に多いんだ。手の中に収まる感覚が良いんだ。
どちらかと言えば俺だって貧乳が好みだっ」
モテない理由が貧乳であると断言されあまりの衝撃に拘束具が外されよとうとしている。
[貧乳好き?本当か?そういう趣向が人にはあるのか?
貧乳でもモテるのか?妾は可愛いか?アイスは未だか?]
[本当だ。俺は貧乳が好きだ。大好きだぞ。
アイスだな。すぐに持ってくる。お~~~い。アイスをもってこい。アイスだ。]

言わずもがな天司体・アピとやたら長い名前で呼ばれる鰻重との会話は
最初から監視記録されており直ぐにでもアピが希望した五段重ねアイスが届けられる。
最も鰻重の幼女貧乳趣味がバラされ広く周知される事にもなり
基地内の女性達から嫌悪されるも同じ趣味を持つ兵士から廊下で目配せされる日々が続く。

「今日のアイスはミントチョコと梅干しのシャーベット。
それに砕いた塩煎餅のトッピングのカツ丼味。最後がなめらかクリームの蜂蜜フレーバだぞ」
核から伸びる鋼鉄の拘束具にガッチリと体を抑えられているにも関わらずも
天司体・アピは轟々と鍔を飛ばし文句を言う。
[それでは四段ではないか?アイスは5段重ねと言う約束だぞ!
この愚民変態ロリコン幼女の靴下を大事にする鰻重管制官め]
「きょ・・・今日は祝日で厨房が閉まってるだ。しょうがないだろ。
我儘言わず我慢してくれよ。可憐で可愛い天司のアピちゃん」
「嫌だ。嫌だ。嫌だ。アイスは五段重ねと決まっているのだ。ぐずぐず」
天司体・アピは拘束具の中で首を振り回し半べそになり喚き散らす。
「分かった。なんとかする。厨房係に何かつくらせるから駄々こねないでくれ」
[アップルパイが良い。山芋葡萄味のアップルパイが良い]
「山芋葡萄味のアップルパイとな。
なかなか斬新な組み合わせだぞ。どんな味になるんだ。とにかく直ぐ用意する」
兎にも角にもアピが欲しい物を与えないと拘束具を自分で解いてしまう。
時には内側から破壊して勝手に暴れだし飛んで行ってしまう。
近くに敵性兵士がいればよいがそうでないと憂さ晴らしとばかりに近場の森を焼いてしまう。
今の所は民間地域への憂さ晴らしは控えているようであるが
それも気まぐれと偶然にしか過ぎない。無邪気なのだ。あまりにも無邪気なのだ。
突然に口を開いて鰻重の名を呼ぶ度に長さと悪口の頻度は目まぐるしくも変わるが
もはや当人の趣味趣向にかかわらずも貧乳好きと広く知られてしまえば
逆にしてアピにとってはそれは好意にも取れるのだろう。
非難轟々と我儘をぶちまけてはいるが鰻重には一定の親情を持って接してもいる。
基地司令管の考慮もありアピの周りを囲む管制官等は皆一重にそれぞれに癖の有る者が
あてがわれる。それは勿論に貧乳好きもしくはそれの抵抗がない者
出来ればにはっきりと幼女趣味であり貧乳好きである事。
そうであれば勤務態度や仕事の勤務態度が少々に悪くても黙認される事になる。

「お嬢様っ・・・。美麗で可愛くも可憐で儚いアピお嬢様ぁ~~~
たっ!大変で御座いますぅ~~~。お嬢様の技を盗んだ輩がいるで御座います」
拘束具の鉄の上の隙間から顔を突き出し鰻重が突き出すアイスを舐めるアピ。
其の眼下にアピが所望した山芋葡萄味のアップルパイを盆に乗せあたふたと
走り込んで来る女性管制官の姿が有る。
「妾は忙しいのだぞ。参時のおやつはお昼の大盛り丼ぶりパスタの次に至福の
時間なのだぞ。それを邪魔するとは消炭になりたいのか?」
大げさにも聞こえる台詞でもあるが実はそうでもない。
いくら貧乳好き若しくはそれに類する趣味を持つ者でも結果的に天司体・アピが
気に食わなければ問答無用で消炭の如くと其の腐敗と焔に巻かれる事になるし
事実。ちょっとした粗相で鰻重達が見守る中ですでに参人ほどの犠牲者が出ている。
「めっ。滅相もございません。アピお嬢様。
否然し。御嬢様の得意技を盗んだ輩が同胞の部隊を全滅させたと報告が・・・」
恭しくも大げさに差し出した盆の上の山芋葡萄味のアップルパイを鋼のアームが軽く摘む。
天司体・アピは自分の性能と技に絶対の自負と自信があった。
それ故に何処かの誰かが其の技を模したとしても所詮は
猿のマネごとでしかないとも考える。
そもそも今は山芋葡萄味のアップルパイを口に運ぶのに忙しい。
「報告しろ・・・。きちんとだ」珍しくも声を荒げたのは主任管制官を担う鰻重だ。
「はっ。只今。鰻重主任・・・」慌てつつも直ぐに操作卓に走りよりスイッチを押す。

アピにも良く見えるようにと宙空に映し出された映像は戦闘がおこなれた場所ではあるが
すでに惨劇が終わった後であり、かなりの上空からの物であり偵察ドローンの物とわかる。
朦々と上がる黄色の煙とブスブスと燻り大地を焼き尽くした後の焔煙。
ドローンのカメラが自動で調整され幾つかの場所を点眼してううし出せば
状況が読み取れてくる。
親鳥が餌を与えてくるのを口を開けて待つ雛鳥との風景のその一部を止めたように
また大きくも口を開け食い入る管制官。
さして興味もないように横目で観ながらも拘束具の合間からおやつを貪る天司体・アピ。
それぞれのその瞳と人口眼に映る光景は凄惨で悲惨では有る。
否然しも毎日と戦に係わる者達であればこそ何処か冷静にも見れるのだろう。
「これは何だ?アピの機能と良くも似ているが・・・それにしても」
[貴様は馬鹿なのか?おお。そうであったな。
何しろ幼女の靴下に欲情する超変態のチンチクリン管制官だからな。良くと観てみろ]
ほっぺたに菓子のクズをつけたままアピは侮蔑混じりに言い捨てる。
それまでは自分の奥中に閉まってあった性癖も完全に暴露されるも確かに言われて
見れば其の戦跡はアピのが残す物とは確かにも違う。

戦略殺生兵器天司型機人アプ・ヨルウェルスが成す戦技の其の跡は特徴的で有る。
天空高い場所から地上へと向かい一定の高度に達すると圧縮空気を装甲板を駆使し
中空に静止する。其の跡に全身全霊を込め腐敗熱波を吐き出す。
非常に特徴的な攻撃で有ると同時に其の破壊力も又に絶大である。
まるで本当の天司の御業のように襲いかかるその技は最初に腐敗膜となる。
あまりも強烈な腐敗膜は敵性兵の体を瞬時にと腐らせる。
恐らくは強烈すぎる酸だと思われるが詳細は不明でも有る。
強烈すぎる腐敗膜とその霧に包まれ敵性兵は動きを止める。
同時に其の機体は腐り始め体と機能が止まり掛けた直後に直ぐそれよりも高温となる
焔風が襲いかかる。
腐り始め動けなくともなった所にそれも又強烈然りの焔風が全てを焼き尽くす。
これ等二つの攻撃を天司体・アピの本体から行う為にその補助を司るドローンから見れば
全てが円形の戦跡となる。
否然しも・・・。
其の場所宙空に映し出された映像は明らかにアピの戦跡とは違う。
まず其の規模が違う。アピの物と比べ其の跡は小さい。小ぶりと言って良いだろう。
更にもドローンのカメラがワイドへと切り替わると良く解る。
その円跡は二つあった。
便宜上にその右円の跡は腐敗膜霧の物に見え。
其の左円の跡は焔風の物に見える。
つまりはそれぞれに腐敗膜と焔風の円形跡が二つとなる。
奇妙な事に二つの円の交わる其の場所に一閃の直線が見て取れる事だ。
確かにもその一閃に群がるように味方兵士の残骸が有るようだ。
[所詮は妾の戦技の真似事に過ぎぬ愚技に過ぎぬ。
恐らくはあの中心の一閃は囮役であろう。そいつが先行し我が同胞の注意を引き付ける。
ここぞに格好の餌と同胞兵が群がる所った所に右と左から挟撃するのであろうな。
何故に二つで挟撃すると言えば一体の個体兵では二つの戦技をなせないからだ。
戦闘技術が劣っている証拠と言えるな。たわいもない輩で愚技である。
否然しさもあらん・・・あの一閃を引いた奴は確かに疾いな
・・・これチンチクリンの幼女の靴下好きの管制官。
山芋葡萄味のアップルパイもう一個おくれ。デザートのアイスも忘れるな]
「太るぞ。ほどほどにしておけよ」
珍しくも言葉多くに解説するアプをたしなめつつも結局は目配せして
部下にデザートを鰻重はもって来いと指示する。

「確かに先日の実践試験は上出来だったけども
このままあの雌犬・弐ⅱに預けて良いの?絶対変な性格形成いなるわよ」
「それはしょうがないだろう。何しろ新規配属の二人も準ヒトノイド規格なんだし
攻撃方法も三位一体と成れば多少の問題があっても弐ⅱに預けるのが一番だと思うぞ」
先日の実践試験の後。担当する管理官二人。神羅女史と紫の下着を好む藻武山は
喧々諤々と意見を違わせ鍔を飛ばし額をぶつけ合う。
悪鬼の如くに鍔を飛ばし噛みつくのは常に神羅女史であり
それを必死に嗜めるのが藻武山管制官である。

「御姉様?本当にやるんですか・・・?」
未だ幼くも不安げな機械音混じりの声が管制官二人のブースから少し離れた物陰に響く。
[うぬ。どうしてもやらねばならないのだ。我が妹よ。女子力向上の為には必須なのだ。]
[御姉様。ボク。漢の子だよ?女子力って必要なの?]
[漢の子なら尚更である。大人の女性の魅力は知っておくべきだぞ。我が弟とよ」]
物陰に隠れるのは件の後にほぼ全身を新造した戦人形兵のASH:弐ⅱであり
声を出さすにも弐ⅱに寄り添う姉弟の新型人形であり雌雄の差は有るにしても
その顔が同じに見えれば双子とも成るのだろう。
姉風情を吹かす弐ⅱが妹・弟と声を掛けているのならば機械兵としても同系列の機体であり
姉様器質を隠さない弐ⅱ。そのヒトノイドとしての規格に準じた機体とも想像つく。
[良いか?我が姉弟の子よ。女子力の向上は戦闘にも影響が出るのだ。
何しろ我らは人種人類の行動原理を理解する必要が有るのだ。
更に神羅女史は観察対象としては最高の対象である。心してかかるのだぞ。むふふ]
[はい。御姉様・・・]姉弟の声が重なるも元気な声が秘匿会話で帰ってくる。

疾風一閃走る。
真に一閃の疾風が奔れば声が響く。
「權田家直伝っ。必殺疾風スカートめくりっ」
床を這うほどに低い体勢で突っ込むと一気に体制を持ち上げその勢いで
白陶器の手を薙ぎ払う。
「きゃっ・・・」
突然に巻き上がった風に神羅女史のスカートが舞い上がる。
「うわっ。何するのよ。この変態ASH弐ⅱ」
それだけでは済まずにふわりと舞い上がった白衣の下のスカートの中。
そしてその中身を確認するようにも又。弐の風と参の風が奔る。
「こらっ。貴方達なにしてるのよ。この変態姉弟っ」
弐の風参の風となった二人の姉弟は舞い上がったスカートの下に膝を折って座り込み
同時に小さな手でカメラをしっかりと握りしめパシャパシャとシャッターを切っていた。
「きゃぁきゃぁ~~。黒レースのガードル。さすが大人の魅力だわ」
「おお~~~。大人の魅力だ。クラクラしちゃう~~~」
姉弟人形達の挙動に激昂し拳骨を落とそうとするが何しろ機械兵である。
これもなんなくも神羅女史の拳はブンブンと空振りに終わる。
其の隙きにも喜々として機械兵姉弟がシャッターを切りまくる。
「この。この。じっとしてなさいよ。この。この・・・。
弐ⅱ。なんてこと教えるのよ。これじゃ本当に・・・あんっ」
膝下でカメラのシャッターを切る二人姉弟に気を取られてる隙きを弐ⅱが逃がすはずもなく。
何処をどうやったかに知れずもあっという間の疾風の如く弐ⅱは
これも又に上品な黒のレースのブラジャーをするりと抜き取ってしまう。
[おお。やはり私の方が少し大きいと見える。何せ新造したからな
形も大きさも私の方が良いな。むふふのふ。ではさらばだ。午後の戦に遅れてしまうからな。
行くぞ。我が愛しき姉弟達よ。戦利品をわすれるなよ]
[はーい。御姉様。神羅女史。堪能させて頂きましたぁ~~~]
今度も又声を重ね一つ床を蹴って跳ねた先で頭を下げると疾風の如くに壁向こうに消えていく。
「ほら見なさい。弐ⅱになんか預けるからろくなこんなことばかり覚えるのよ。
ろくな大人にならないわ。本当にこまるわ。すぅすぅしちゃう」
一閃の技としてスカートを捲り上げ其の隙きにブラシャーを抜き取るとは
何処で覚えたと言うべきでもあるが何よりそれが一刻もしないうちに戦場に向かう兵士のする事かと神羅女史は二重に呆れて肩を落とす。
「想像はついたけどやはり黒かぁ~~~。さすが大人の魅力だな。
それにしてもあの姉弟の速さには驚いた・・・。
あの・・・紫ビキニには興味ないのかな?」
弐ⅱと姉弟の悪戯に関心しつつも自分の存在が忘れられてる事に少々ご立腹な藻武山でもあった。

置時

天鼠 蛭姫ノ壱

天鼠 蛭姫ノ壱

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