私立学生結社秘匿学園・私立五蝶擁学園


地雷茸鉦鼓は地味である。しかも性格もオタクで暗い方だ。根暗とも言うだろう。
学園壱と言ってもいいだろう。例え巨乳であっても尻が大きくてもである。
大体にして名前だって地味である。地雷茸と言うのも当人は気に食わない。
粗祖父の時代に地方の漁村から出稼ぎに来て倭之御國帝都に居を構えたらしい。
地味と言うよりは変わった名前であるが其れよりも鉦鼓は自分の容姿が気に食わない。
地味な顔つきであるのに人一倍乳房が大きいと思えば尻も大きい。
しかし目立たない程に地味であるから大きな乳房も尻もやっぱり目立たない。
確かに目立たないし旧友の間であっても話題にも噂にも登らない。
全く持って目立たない鉦鼓であるが人も羨む秘め事がある。
秘め事と言ってしまっても半ば公然でもあるからやっぱり秘め事と言うのは偽りかもしれなない。
帝都公立第二軍事高等学校・商業簿記課にて学業に専念する鉦鼓であるが学園で受ける其の授業は
昼食を食べてから始める五時限目までのものである。
通常であれば朝からお昼まで四時限と昼食を挟んでもう弐時限の合計六時限ある。
鉦鼓は最後の壱時限を端折る。有り体いえばさぼりとも言う。
だが然し、其れは公然と認められたさぼりでもある。
尤も、クラス壱に目立たない地味な鉦鼓がその日の最後の授業をサボったとしても全くもって
誰も気づかない。級友ところか教師でさえ其れである。
昼食後の壱時限を眠気と戦いながらなんとかやり過ごすと鉦鼓はさっさと荷物を纏めて席を立つ。
帰り支度をすませて廊下に出れば最初の頃はその時だけは目立つたのだろう。
咎める輩も数人はいたものであったが
「私立五蝶擁学園に通ってるから」と一言吐き捨てると他の者も参歩下がって黙り込む。
中には腰を九〇度に曲げて深く頭を垂れてお辞儀するものさえいた位である。


地味ではあるが巨乳巨尻の鉦鼓は昼食後に学園を抜け出すと最寄りの駅から電車に乗る。
急ぎ足には2つ目と通う五蝶擁学園の始業時間までに間が少ないからだ。
元々特殊教育機関の為にそれぞれの生徒の事情をも考慮し口煩くはないのではあるが
只に申請書を出したから誰にでも入学出来るものでもないから鉦鼓自身も出来るだけ急ぐ。
二つ先の駅へと急ぎ足ならば喉も渇くも我慢するのも厭わない。
私立五蝶擁学園。
倭之御國でも著名な教育機関ではある。
自分が参加すべき授業に間に合うようにとその私立学園に到着するも入稿するのは専用の裏口からである。
何しろ今は他校の制服であるからまずは専用の制服に着替える必要もあるからだ。
裏口であれば生徒には裏玄関とも呼ばれみなそれぞれに急ぎ足で構内に入ってくるが
其の先は小さくも狭い個室のロッカーである。鉦鼓を含め他の生徒も同様の個室で普段の衣服から
専用の制服にと着替える。
この学園の制服は変わっている。
主に二通りの形式のとなるのだが、一つは他校とは違うも他の生徒と同じような既製品のデザインの制服。
もう一つは生徒自身が自分の好きなデザインを選べ専属の仕立て役が仕上げる専用の制服である。
生徒は何方も選ぶ事ができるし、個人々の趣味趣向に合わせて選択が出来る。
浮世の世情の習い個性を排除した汎用の制服。
対すれば自分の好きな趣味趣向と個性を押し出した制服。
目立つ目立たないの差はあれども学内では大差はない。
鉦鼓は自分でこの学園への入学を望んだわけではないが朝に通う学園の教師に強く進められて
此処に通ってもいる。何なら願書も費用もその教師が世話を勝手に焼いたと言っても良い。
鉦鼓がこの学園の面接を仕方なくも受けた時、制服をどうするかとも聞かれたのであるが
当然に皆と一緒の汎用の物を希望としたら、真っ向から面接担当管に反対される
「貴方にはそれは似合いません。むしろ其のような制服を着るべき者であるはずが有りません」
っと背筋をビシッと伸ばして言い切られ、意味も回らずもでは其れで小さく応えるのが精一杯であったが
鉦鼓自身は意味がわからない。自分は制服を着てもどうせ目立たないのだし関係ないとも強くも思う。
だが然し。
今となっても所謂、誂品の制服を自分が着込む理由もわからないではあるが気が引き締まるのは確かででもある。
今では一人でもきちんと着れるようになったが、最初は大変だった。
其れまでに黑皮布の衣服とか着た事など一度もなかった。
年頃であったも一応のやり方は知ってはいても面倒くさいとばかりおもっていた化粧も練習が必要であった。
学園に初日に通った時に着替えを手伝ってくれた数人の先輩と係の教師の手腕がすごすぎた。
その時はまだ中途半端に伸びた描いを綺麗に三つ編みに結い上げられる。
学生の本文であれば学業であれども此処では容姿も心情こそが全てであると断言され
容姿は特に自身がないと小声で言えば手鏡ををぐいっと突き出される。
係の教師が化粧をほどこした鉦鼓の顔は別人だった。
自分の顔を指さしてこれが私と鏡を覗き込み聞き返したくらいである。
鉦鼓にしてみればかなり濃い。この学園の学生にしてみれは少しまだ薄い化粧であっても
鏡の中の鉦鼓は単純に美人を越えている。美麗であるもどこか人を嘲笑さえも厭わない顔つきでもある。
「地雷茸鉦鼓さんは、其の名前はともかくも其の魅力は他人を睨み殺し痛めつける視線に御座います。
どうせなら漢も女も雄も雌も睨み殺す勢いでお行きなさい」
全身黑皮衣服で固め着込んだ鉦鼓を称賛した係の教師が満足げに頷くが
「あの私、超近眼なだけで・・・。人を睨み殺すとか無理ですぅ」
突拍子もない言葉に怖気ついたのを着替えを手伝った女子学生が笑ったのを覚えてる。


ともあれにも黒皮の誂制服を着込む地雷茸鉦鼓は着替えを済ませて急いで教室へと向かい歩く。
廊下を歩く雑踏宜しくの学徒達は鉦鼓の気配を背に感じるとさっと脇へのけて道を開ける。
鋭くも悪鬼恨み如くの視線を背に感じれば首を縮め慌て廊下壁に身を貼り付けて退け道を譲る。
他学徒にとって悪鬼恨みの如くの眼差しであっても鉦鼓は別に意識してるわけではない。
前期の通りに超近眼なだけである。朝に通う学校では瓶底かと言うほどの分厚いレンズのメガネを
賭けていればこそ、外せば何観みえないから自然と眉が真ん中により目つきも悪くなるだけである。
鉦鼓が廊下を歩けば雑踏学徒共が道を左右にわって退ける。
なんとか時間に間に合えばそそくさと決められた席に座る。
教室の全体から見渡し真ん中から割って後ろへ少しの位置であれる。真ん中寄りであるのは幸いでもある。
何せ超近眼であるから少しでも黒板に近い方が良いがそれでも教師の字はあまり良く見えたこともない。
私立五蝶擁学園。
しりつとは読まずわたくしりつである。私立五蝶擁学園。
倭之御國でもその帝都においてもこの学園は特殊である。
存在こそ覇として其の名を誰もがしるが、その実情は特殊であり知られぬことも多々にある。
最初に常にその学長が故人である事、続く副学長は健在であるが名前をたどっても其の姿を観た者おらず。
学園の政事を司る輩はいても一定以上の者は姿を見せず教育長が全てを賄うがこれもまた謎めいた人物である。
それですめばわかりやすいがそうともいかない。
学徒の想い描く志こそが國の運命を開いて刻む。
故に学徒の想う事こそが全てであり、其れを血を流し支えてこそ帝都民の誉れ
生と性、血と命を削り糧を足蹴にしてこそ明日の糧
称えよ、尽くせよ。愚民共、導く者こそ我ら成て候。
短くも学詩でありこの学園の信条である。
まったくもって分かりづらいのではあるが、これは一種の差別主義の言動である。
今の時勢こそ禁呪とも言われつつある物であるがこの学園にそれは根強い。
男尊女卑・女尊段卑・子尊大人卑・其の逆然り。
人種に依る差別・年齢における優劣・排他主義・外國排他主義・民族差別。
あらゆる思想と意見がこの学園内では許されている。
世情では法と法令において捌くべき事であっても此処では平然と許容されている。
言語に依る闘争は基より、時には拳による暴力沙汰にも目を閉じる事さえある。
昨日も今日もきっと明日も学園敷地に内包される専用病院に学徒は運び込まれるのだろう。
言うにことなくも差別があれば格付けも列記とある。
それは教鞭を取る教師から始まり雑多事を担う用務員まで、警備員然り。
学園に通う学徒は当然の至極当然に。
目に見えぬ位を示せば格付け。言い直せば学内カースト。
各付けはその個人の思想・言動及び行動に基づき、其れに賛同する者が集まれば派閥となる。
派閥が大きなくなれば其の長人の人気は上がり各付けも比例して上がる。
学園でも有数の派閥にでもなれば其れに属する者にも大きな恩恵が与えられる。
私立五蝶擁学園。
一歩との門を歩きでれば浮世世情では絶対に通用しない差別制度が根底に渦巻く学園。
それが私立五蝶擁学園であり地雷茸鉦鼓は嫌々でも其の学園に通っている。
尤も話しとしてそんな者があるとは知ってはいても鉦鼓は理由も変わらずにいる。
大体にしてこの学園に入学して通って弐ヶ月位であろう。
自分に各付けがついてるとはおもってもいないかった。
なにしろ自分がなんで此処にかよってるのかもわからないし、元より友達もいない。
朝に別の学校に通い、午後遅くにこの学園に足を運びきつい黒皮布の制服を着込んで
その日の残りの弐時限を黙って聞いてやり過ごす。
超が付くほどの近眼であるから真っ直ぐ黒板を睨みつけノートは一切とらない。
背筋を真っ直ぐに伸ばしただ黒板を睨みつける。
教師の言ってる事を聞けば大体の内容は理解も出来る。特に支障は感じてもない。
其れをやり過ごすと青春の真っ只中の四肢であるから腹も減る。
学生食堂で一本鰊饂飩を所望し、食後に欧州取り寄せの紅茶と小さい丸柔菓子を口に入れる。
時に柔菓子を口にもぐもくとしてると視界の角に影が映り込み頭を垂れる事もある。
おそらくは知り合いかとおもっても、記憶にも無いのではあるが何回かぞれが続けば
自分が着込む黒皮布の制服を着込む時に何日か手伝ってくれた女性とであるとも思い出す。
それでも特に話す事もないし、愛想を振りまく理由もないから顎を上げて辛く一瞥するにとどめる。
指して深い仲であるなら其れくらいが礼儀であろう。
食事を済ますと自分で板盆を持ち上げ返却口へはこんで食事を終わらせる。
何故かその時も雑踏に列を作る輩の後ろに並ぼうとすると、さっと人波が左右に割れて退けてしまう。
自分ではよくわからないが楽であるからそのままにしてもおく。何故であろう。
何故であろう?と言えば一度だけ騒ぎなった事があった。
四日か5日と少し前。
使い古された食堂の発券機を前に立つといつもと様子が違う。違和感という程度のものではあったが。
何せ鉦鼓は近眼である。
近眼であるから発券機のボタンの文字は読みにくい。
マジックでかいてあるのは良いが顔を近づけて読むのは何となく嫌でもあるし恥ずかしい。
だからボタンの下地の色で判断する。ボタン列の左から数えて四列目の上から四番目。
それが一本鰊饂飩のボタンである。一個右にずれて指を弐つずらせば紅茶と丸菓子の券が出てくる。
香ばしい一本鰊の饂飩を甘しょっぱい饂飩の汁。其れをすすった後の熱い湯気上がる苦めの紅茶と
蜂蜜のかかった甘ったるい丸柔菓子。忙しく過ごす学園生活のいっときの癒やし。
其のはずであった。
湯気上がる饂飩椀の匂いを楽しみに食堂をよこごり配膳の列に並ぶ。
この時は気もゆるむのか殺気紛いの視線もなりを潜めるのか人の尻の後ろにならんだが
いざに、愛想の悪い賭け声が鼻に付く職人に食券を魅せてからいつものうどんコーナーに
辿り着く前にそそくさとさっきの輩が戻ってくると黄色い卵の塊がドンと乗せられる。
良くわからかったがそれと分かればオムレツである。しかもやたらと大盛りである。
がっちゃんと大きくも感高い音が食堂の床に響く。オムレツであればこそ紅いケチャップも飛沫と跳ねた。
「きゃっ、なにするの!!」鉦鼓自身も驚くほどに鋭い声が空気を切り裂いた。
油断もしていたし考えもしなかった。自分は一本鰊の饂飩が食べたいのである。
紅いケチャップがたっぷりかかった黄色いオムレツではない。
ましてや饂飩の配膳コーナーまでまだ五歩程の距離もあったから板盆を支える手も緩んでもいた。
「なにするの?当然にこんな事するなんてっ。乙女に恥ずかしいおもいさせるなんてっ」
大きな音が響けは皆の注目が集まる。ましてや各付け厳しい学園で粗相等は餌である。
「なにするって?
貴下が注文したんだぞ?オムレツ。今日も元気だ。そうだ、食べようオムレツ漢祭り大盛りセット!
貴下が頼んだんだよ。この半券が証拠だよ!。自分の粗相だろ。?ちゃんと片付けてくれよ。
忙しいんだよ、こっちは。ほれっ」あるまじくもその配膳係は勝手に言い捨て拭き布を棚の上に叩きつける。
「なんですって?私奴は一本鰊の御饂飩が食べたかったのですっ。
決してオムレツが食べたかったわけでは有りませんのっ。
なのに貴方が勝手に。・・・・そんな私が悪いって言うのですか?
何かの間違いだとしてもそんな乱暴に盆の上に食べ物を奥くと言うのはどうなのですか?
かよわい乙女が支える盆の上に。普段から貴方はそうしてるですか?
人を敬いもてなす気もちはないのですか?」
ぎりぎりと睨み返せばタジタジと掛け声が鼻につく配膳係は後ろに下がるが
其の目は自分が間違ってないとばかりに鉦鼓渡した半券を指で突く。
其れ以上、鉦鼓は声を上げなかった。何かの行き違いはあったのだろうが
食べ物を落としてしまう等と醜態を晒すのは恥ずかしいし其れ以上目くじらを立てるのは
もっと恥ずかしいとも思ったからでもある。
それでも掛け声が鼻につく配膳係の漢を其れこそ睨み殺すほどの視線を投げて指すと
近場の盆置き場から拭き布を手に取り自分が落としたオムレツの元へと戻ると
汚したこぼした床を布で拭き、幸いにも落ちた皿の衝撃にも耐えたオムレツを其れらしく整え
席につくと其れこそにしとやかに清楚にと残ったオムレツを平らげて魅せる。
ただし、鉦鼓はオムレツとか卵とは嫌いだったし内心はきつくても頑張ったと言うのだろう。
戦時中でもあればその日の食事にもありつけない輩もいると知っての事でもある。
本来であれば大恥を描き泣き出しかったが乙女の意地でもあった。


それから二日程、鉦鼓は食堂に通わかない。
オムレツをひっくり返したのは事実だし、発券機のボタンのいちがおそらくは変わったでもあろう。
それでも端を描けば恥ずかしい。購買部で蜂蜜ずんだ餡たこ焼きパンと紙パックの御茶で御腹を誤魔化す。
「地雷茸鉦鼓さん。
否。地雷茸鉦鼓様っ。お待ちをっ。鉦鼓様とお呼びしても?」
例のオムレツ転倒事件から数日。廊下で声がかかる。
鉦鼓は慌てた。誰かに声が描けられるとも思ってなかったし。其れが誰かと思えば目線鋭く睨み返す。
「ああっ。その、睨み殺しの視線っ。なっなんとも心地よくも。
しっ失礼。私奴。昼安藤みさきとお申します。どうぞそしなに。ああ、そんな汚物を視る様な目つきで・・・
きゃ、もっとにらんで・・・・あっすいません。個人的な趣向で御座います。
お、お許しを頂ければ御用の詳細をお話します。
も。勿論、蜂蜜ずんだ餡たこ焼きパンと僕、お茶君梅人参味も確保してい起きました」
買い出しへと急ぐ鉦鼓を引き止めた女学徒の手には鉦鼓が狙う商品がしっかりと収まってる。
蜂蜜ずんだ餡たこ焼きパンの方は数が多くても僕、お茶君梅人参味の方は壱日の入荷本数が
決まってる。学徒にとっては貴重品である。早く列になるぶか購買の叔母さんに賄賂を握らせるかの
何方かである。わざわざ鉦鼓を引き止めたなら後者を選んだのだろう。
果さて?昼安藤みさきとは何者か?
何故に鉦鼓を呼び止めたというのだろうか?其れに許すとは何か?
おそらくは鉦鼓に対してなにか話したい事があるのだろう。
否にしかし呼び止めたのだから話せば良いのではないか?要件があるのでれば。
なのに許すとは何であろう?発言を許可しろとでも言うのだろうか?
鉦鼓も昼安藤みさきもこの学園の生徒である。記章も同じ弐学年。
時に位の違いなど感じない。あるとすれば其れこそ格付けとでも言うのだろう。
それにしてもである。鉦鼓は自分の格付けなんて知らないし興味もないし
無論、学徒派閥なんそに興味もない。気になるのは暫く食べていない一本鰊饂飩だけである。
「許して上げるわ。話してごらん。昼安藤みさきとやら」
許しを求められたなら与える立場は自分なのだろう。
なんとなく気恥ずかしさを堪えごまかし眉間に皺を寄せて声を下す。
「きゃっ。其の様な鋭い眼光で・・・こほんっ。
下知を頂きありがとう御座います。鉦鼓様。では、まず・・・」
ぎりりと鋭い視線の鉦鼓に睨まれ何故か声を上ずらせるみさきは持っていた
蜂蜜ずんだ餡たこ焼きパンと僕、お茶君梅人参味を鉦鼓の貢ぐと手を示して促す。
「先日の一件で御座いますが、学園食堂部から謝罪の意が届いて降ります。
鉦鼓様に御不幸を及ぼした根本的な責任は食堂部にあると・・」
表立って噺をするのも憚れるとでも言うのだろうか。
みさきと言う女学徒は礼儀正しく一礼し鉦鼓を人影久しい喫茶室の角の席に誘う。
「例の件って?オムレツをぶちまけた事かしら?
あら・・・有難う。きれいな御顔ね。貴方・・・・」
緩やかなでも雰囲気を壊さない程度のテンポで奏でられる音楽の中で喫茶室の席に
腰をおろした鉦鼓の前に好んで食する欧州お取り寄せの紅茶と丸柔菓子の皿が用意される。
淑女の嗜みとばかり声の抑揚を抑えて給餌してくれた女学徒に言葉を一応は掛ける。
「まっ、鉦鼓様は馬の尻尾髪がお好きなのですか?
私奴も明日から馬尾髪にしてこなけれれば・・こ、こほんっ。失礼。
仰せの通りで御座います。
悲報!そうだ!食べようオムレツ漢祭り大盛りセット。床にぶち撒けられる大事件の件で御座います。
確かに学内新聞の見出しを堂々と飾りましたが・・・・すでにそれも削除済みで御座います。
「悲報!そうだ!食べようオムレツ漢祭り大盛りセット。床にぶち撒けられる大事件?
学内新聞の見出しって・・・どういう事かしら?妾の知らない所で?
大事になってるのかしら?詳細をお話しなさいな。昼安藤みさきさんとやら」
「め、滅相も御座いません。そんな下々の私奴に名字等もったいないで御座います。
い、戌とでも呼び捨てにして下さいませ。鉦鼓様。
悲報!そうだ!食べようオムレツ漢祭り大盛りセット。床にぶち撒けられる大事件ですが・・・」
随分と大事になっているらしいと内心に焦るが顔にでず。寧ろ怪訝でも能面を繕い砂糖を落とした
苦い紅茶を匙でかき回しながらみさきとやらの噺を聞いてみる。
その内心穏やかではなかった。
女学徒みさきが口にする内容は寝耳に冷めて久しい御湯であるし自分の知らない所で
騒ぎになっているのは気持ちの良いものではない。
「ひっ。鉦鼓様っ。そんな醜漢共の汚物と決めつけて睨み殺す視線を・・・。
ああっ。私奴・・・我慢出来ません。ちょっと・・・御華をつみに・・・
はっ失礼しました。私事で御座いますが・・・」
いちいち時々に変な会話が挟まれるのは鉦鼓の耳に届く言葉があまりに唐突であり
果さてどうしたものかと内心とうわくればこそ、其の表情がきつくみさきを睨むからである。
其の彼女の噺を要約すれば次と成る。
あの日、心勇んで鉦鼓が発券した一本鰊の饂飩の券は其れではなかった。
確かにそうだ!食べようオムレツ漢祭り大盛りセットの物である。
此処だけを見れば当人の意思はともかくも確かにオムレツのものであれば
給餌をしたか声がいちいち鼻につく漢の責任でないと言える。
だが然し、何故に鉦鼓が一本鰊の饂飩とオムレツを間違えたかと言うのが疑問でもある。
はたからみれば鉦鼓が間違っただけとも言えてしまえば給餌係の漢に罪はない。
結構大きな音で盆をひっくり返せば粗相をした鉦鼓に嘲笑の視線が突き刺さり
ともすればその格付に影響が出るかと思えば事は其れだけでは済まない。
事の顛末は確かに学徒新聞の記者が格好のスクープと筆を握り掲示板に張り出される。
すぐに黑頭が屯すればスクープを取ったとばかりに記者は喜ぶも
幾つかの嘲笑が辺を包んではあったが其の直ぐにこれもまたすぐに怒声が上がる。
「鉦鼓御嬢様が盆を倒したのは何故かしら?
あの鉦鼓御嬢様があんな粗相を人前でするかしら?」言わずと知れずも昼安藤みさきである。
「何かの間違いではいのか?
あの鉦鼓御嬢殿が粗相を起こしたのは事実であっても。
納得が行かぬな。あの鉦鼓殿が・・・信じられん」成人男性とも変わらぬ巨躯の漢が漏らす
「そうですよ・・・。地雷茸鉦鼓様が人前で粗相をなさるとかありえませんわ
もし其れが事実であっとしても盆をひっくり返すなんてよほどです。
何かあったやも知れませんわ」また誰かの声が辺に届く。
「貴殿もそう想うか?間違いではないのか?
例え事実であっても小生は納得出来ぬ。この記事を描いたのは誰であるか?名乗り出られよ」
「事実であってもうわべだけでは有りませんの?
学徒新聞に乗せる程の事であればちゃん詳細を調べ上げたのでしょうか?
でっち上げいい加減とは言いませんが詳細が抜け落ちているのではないですか?
黙っているわけにもこのまま放って置くわけにも来ません。新聞部はどこでした?」
確かに多少の誇張はあったやも知れぬが大まかには其れが事実でもあるだろう。
「淑女の粗相を嘲笑の的にするとは下賤の輩にも劣る所業であるな。
事の真実も確認せぬと成れば学徒新聞と言えども捨て置けん。
ましてや鉦鼓殿の名誉事となれば尚のこそ、此処で立ち上がらんと成れば漢の恥である。
鉦鼓の粗相と嘲らう輩も確かにいれども其れを良しとせぬ声が多数と上がる。
実際に声を上げたのは岬と御山の如しとばかりの体躯の漢児学とと長く伸ばした髪を
馬尾にゆった女学徒の三人であったが実際に新聞部の廊下の詰め寄った時にには
更に漢児女児と数人が群れへと集う。
ガラリとあけた新聞部の扉と言えば其の勢いで木枠が歪み彼等が帰った後には
其の扉はキチンと閉まらなく成るほどに歪んでしまい風通しがよくなったのもしょうがない。
「御免申す。
先に掲示板に張られた学徒新聞の件。
悲報!そうだ!食べようオムレツ漢祭り大盛りセット。床にぶち撒けられる大事件である。
随分と面白可笑しくと書いてあったが意義がある。詳細をお尋ねしたい・・・・」
「誰が書いたのです?あの記事を。貴方ですか?お前ですか?」
「鉦鼓様が粗相をするはずがないのですわ。もしそうだとしても何か事情があったの屋も知れませんわ」
「そうだぞ。鉦鼓様だぞ。あの清楚で可憐で人を見下し睨み殺す御嬢様が失態を犯すのは有りえん」
「理由があるにちがいありませんの。ちゃんと調べたのですか?」
「鉦鼓御嬢様は一本鰊の御饂飩を食するのが常なんだぞ。其の日に限ってオムレツを頼んだ理由を調べたのか?」
「確かに鉦鼓様は大食いである。あの一本鰊の饂飩の椀は大きいだぞ。
野球部の僕らでさえ全部食らうには覚悟がいるんだ。しかも御嬢様は汁も全部飲み干すんだぞ。
あんな塩っぱい汁を一度に呑み切るんだぞ。すごいだろ!ああ。あの御姿を二日も魅せて頂けてないんだぞ
あのたべっぷりこそ淑女の嗜みだぞ!我らの至極眼福の時を奪いやがって!この野郎」
最初に楔を切ったのは確かに山の如くの体躯漢児であるが最後まで言い終える前に
他の物がずいずいと身を乗り出し口々に声を荒げて新聞部の輩ににじり寄る。
「えっと、我が新聞部としてはめ、綿密な取材を心掛けておりまして・
けして片方の言い分というよりは、面白おかしくとも・・あのその・・・」
ここはどう足掻いても怒り心頭で喚く黒頭の輩の前では立つ瀬はなかった。
新聞部の部室の中でいざに乱闘となる時に其れだけではすまずにと。
これもまた別のも者が動く。極めて冷静に物事を見つめ考える輩であったし
其の各付けもそこそこであればこそ派閥には属せずも冷静な漢児である。
勿論、彼一人ではなくも数人の者が其れに習う。
一種の頭脳派とでもいうのだろうか。
鉦鼓がオムレツを乗せた盆をひっくり返したのは事実である。
だが何故ゆえにである。
何故にオムレツの乗った盆とひっくり返したのか?
予想してなかったに違いない。少なくても一本鰊を食べようと鉦鼓は思っていたに違いない。
二日目前もその前もともすればめったにところか饂飩を菓子のメニューを変えたことがない鉦鼓である。
その日に限って苦手な卵料理を食べようと何故に想うのであろうか?
一本鰊の饂飩を食べようと思っていたこそ真っ直ぐに其の場所に脚を進めていたのである。
所が突然に盆の上にドスンと思い大盛りのオムライスの皿が乗せられる。
当然に思いかけずに盆に重さがかかりバランスが崩れる。
多分それが正解でもあろう。
「ふむ。可笑しいな。この発券機。記憶とどこか違う」
頭脳明晰を自負する漢児が顎に手を添えじっと発券機を睨んでる。
「一本鰊の饂飩は其処じゃないよ?
先週まではその場所にあったけどさ。季節柄冷やし中華を初めたろ?
だから順番がずれたのさ。しょうがないだろ?」
声をかけたのはいちいち言い方が鼻につくあの給餌の係の奴だ
「なんだって?冷やし中華をはじめたから順番を発券機のボタンの位置を
ずらしたと言うのか?新しいメニューを足したから鉦鼓さんの好きな饂飩の位置を変えたと。
新しく増えたなら壱番後ろにすればいいじゃないか?
鉦鼓さんは近眼なんだぞ?超が付くほどの近眼なんだ!文字なんか禄に観てないんだぞ。
やっぱりお前のせいじゃないかっ。お前が悪い。お前の責任だぞ」
事の事実に頭脳明晰の漢児も珍しく声を荒げ給餌係の胸に指を詰め寄る。
これが事実である。
時期も悪かった。上司に言いつけられ期間是限定メニューの冷やし中華を
発券機のメニューに加える。期間限定だし当然に売れてほしいから壱番目立つ場所に
張り出すのは商売であろう。だから配膳係の漢は気を使い壱番目立つ左上に其れをつける。
同時ように売れ筋を並べ直した方が良いか自分有りに考えた結果として
鉦鼓の好物の饂飩のボタンの位置がずれた。
一本鰊饂飩がオムレツにかわった瞬間がこれである。
時に商売気は仇にも成る。超近眼の鉦鼓はともかくとしても
季節限定の冷やし中華を目立つ位置にした事により以外に苦情が増える。
忙しい学園生活でつい習慣でボタンをおしたら食べたいものじゃなかった。
発券機のボタンのいちがずれたことに気がついても他の商品の多くの位置も擦れていたから
騒ぎにもなる普段より列も長くとなれば混雑にもなる。
冷やし中華に罪はなくても其れを張り出した給餌係の責任であり
何よりも盆をひっくり返す羽目になった鉦鼓は悪くもなく責任は食堂課にあると意見も多くなる。
詳細が判明すると食堂課課長が正式に謝罪の意を示し給料の減額とも決まると
学内掲示板にも其の旨が記載される。
「と、言う感じですが御座いますが。
鉦鼓御嬢様は下々の謝罪なと元より足蹴にして気にせずで御座いますでしょうし
結果的にあの給餌係は前からいけ好かない輩であると同志女学徒からも声がありましたのです。
御嬢様の人を敬いもてなす気持ち。彼奴にはなかったようで御座いますわね。
故に学園からは追放。勿論帝都からも通報となれば缶詰蛸工船でも雇うことないやもしれませんわね。
何しろ鉦鼓御嬢様に恥を欠かせたとなれば生かしておく価値もございませんわ。ざまぁ観ろでございます」
「わ、妾が受けて仕打ちは妾が我慢すれば良い事だから・・・。
いなくなってくれれば気も楽になるけど。学園追放とか缶詰蛸蛸工船とか随分と・・・
まぁ~。妾の為に尽力してくれた御仁方がいらっしゃるなら有難うと伝えてくれたら嬉しいわ」
「もぃ、もったいないお言葉で御座います。
機会が有りましたら御声の一つも投げて睨んでやって下さい。
至極の喜びに皆も喜び悶えるにちがいあありませんわ」
思いも知れず影で鉦鼓の為に奔り回った輩がいるのなら頭の一つも下げるべきかとも思い
素直に言葉にしたが、なにやら理解不能の返答がみさきからは返ってくる。
御礼の代わりに睨み倒すとかそれが至極の喜びであるとか鉦鼓の常識からはわからない状態でもある。
「貴方も有難う」
紅茶のお代わりをカップに注いでくれる女学徒の小綺麗な顔を真っ直ぐ見つめて声を掛けると
やはり超近眼の為に自然と眉が寄って釣り上がる。
「め、滅相も有りません。そ、そんな鋭い眼光で睨んて頂けるなんて・・・私奴・・・至極至福で御座います」
鉦鼓としては視力が悪いから目付きが悪いのは否めない。
其のせいで他の者は睨まれていると勘違いするとでも言うのだろうが、それにしても睨まれて尚に
悦にしたり身悶えするとは一種独特の壁とでも言うのだろうか?
鉦鼓はあまり性と言うものに縁が無い。大体にして朝に通う普通の学校では地味な学生でもある。
心の何処かで興味はあっても鉦鼓に振り向いてくれる輩もいないからである。


「鉦鼓様っ。
何も鉦鼓様が其のような事をなさらなくても宜しいのではないですか?
下々の愚行などほって置けば宜しいのです。何も鉦鼓様がわざわざ・・・」
昨日、喫茶室で昼安藤みさきが少々大げさに話してくれた事柄に鉦鼓は想う事があった。
済んだ事だと一蹴するのは容易い。戯言一つと嗤い捨てるのも簡単だった。
それでも自分の知らない所で恥を書いた鉦鼓の為にあれこれと尽力し走り回った輩がいると知れば
御礼一つと頭を下げて魅せるのも淑女の嗜みであろう。
「人知れずも報われやもと知りつつも尽力を尽くしてくれた輩がいるのなら
乙女の対面など投げ捨てるなどたやすいものです。
・・・其れよりもうちょっと緩めてくれるかしら?呼吸できないわ?」
喫茶室でことの顛末を聞いた日の其の翌日に午前の勉学と昼食を
片付け私立五蝶擁学園の裏門をくぐると前日とは様子が違う。
裏門を通り抜け自分専用のロッカールームに続く廊下を歩いて進もうと思えば声がかかる。
「お待ちしておりました。鉦鼓様。
今日から此方がお嬢様の控え室となっております。奥でお着替え下さいませ」
「あ、有難う・・・・」
突然に声をかけられ驚いた鉦鼓は背を丸め鞄の柄を握ったまま小さく漏らす。
まだ、着替えも済ませてなければ普段の素姿の儘である。
それもまた素敵で御座いますとみさきが静かに微笑み鉦鼓を控え室と促す。
「鉦鼓様専用の場所でございますが、まだまだ手狭では御座いますの。
格付け派閥も直ぐに上がるでしょうから今、暫くはご容赦をお願いしたく存じます」
言ってる事が良くわからない。
大体にして外の学校の制服からこの私立五蝶擁学園の制服に着替えるだけの場所である。
昨日までは作りは他と違っても狭くもありロッカーと一枚の鏡があっただけの部屋であった。
其れがどうだ。
みさきが促したドアと通るとそれは随分と違う。
狭いのは確かであろう。それでも衣服を着替えるには十分な狭さである。
だが然し。作りが違う。
黒光り輝く色調でありながらも木造りを基本として尚且つに絢爛豪華でもない。
所謂欧州建築の一種、つまりは黑色を貴重とした落ち着きのあるゴシック調の部屋となっている。
以外にも窓際には鉦鼓が好む朱色の椅子が一脚と紅茶を置くためだけの小さな丸テーブル。
中央の人が達着替える空間を挟んで反対は大きめの黒塗りの箪笥が鎮座すれば
其の脇には壱枚鏡の姿観鏡が用意されてもいる。少し奥には鉦鼓の為だけにと用意される紅茶セット一式と
其れを入れる小型の厨房と丸柔菓子を保存する冷蔵庫。これも機能はそのままに外見は辺に溶け込むようにと
わざわざ木枠板を誂え雰囲気に馴染む物である。
つまりは、未だ狭くあっても部屋の主が心から落ち着けるように十分過ぎるほどに配慮されている部屋である。
私室と言うには十分であるがみさきに言わせればまだ狭くも何故に冷蔵庫が小さすぎるとも愚痴をこぼす。
「今日からこれをお付け下さいませ。鉦鼓御嬢様
鉦鼓様の手が浮世世情の下々共の誰ぞが触れたと知れず盆等で汚れるのは許される事では有りませんの」
先日、鉦鼓に紅茶を入れた女学徒が差し出したのは黒皮の手袋である。
確かに誰かが触れたものであればなにか付いてるやもしれないが大げさである。
差し出された手袋の作りは凝っていた。しっかりとした厚みもあるが指の動きと感触を妨げない生地の厚さであり
皮の質感も触れ心地も良い。鉦鼓の細指を柔らかくもしっかりと包んで保護し、尚且つに不本意に外れないように
手首の辺に細皮紐のベルトと金具が括ってもある。
皮手袋一つもそうであれば着込む制服も一新されている。
「そろそろ衣替えの時期で御座いますの専属のお針子がわざわざ用意したものです」
「せ、専属のお針子っているの?会った事無いわよ?
妾、ただの地味な女の子よ?なんでそんな事になってるの?」
昨日までは自分ひとりで着替えていたと言うのに其れもままならない。
紅茶係とでも言う女学生と確か食堂の角で目線を交わした事があるやも知れぬ女学徒が着替えを手伝う。
全身、頭の先から爪先一つまで、つまりは肌を晒すのは羞恥の果であるが着替えを手伝う二人にとっては
正に至福と悦楽の刻らしい。気恥ずかしくも憂いつつまじく身を預ける姿は支える者にとっては光栄でもある。
「感謝を述べ等ると言うのですか?
す、すなわち鉦鼓御嬢様感謝の儀で御座いますわね。
本当にそうなさるのですか?下々の者共こそ感謝感激ひよこちゃん印の雨霰で御座いますが。
御嬢様の御言葉を頂けると言うのですか?
私奴などこうして御嬢様のおそばにいるだけで卒倒思すると言うのに。
ええ、もう御嬢様のブロマイド財布の中に五枚ほど入れてます。
これだけで山盛り芋ご飯五椀行けちゃいます。体重計が天敵で御座いますの」
「鉦鼓御嬢様感謝の儀とか大げさよ。私なんて地味な近眼の女の子よ。
ちょっと貴方。それなに?私そんな顔でお菓子食べてるの?
恥ずかしいから辞めなさい。直ぐ消しなさい。ちょっとこらっ」
みさきが財布に鉦鼓の写真を忍ばせると告白すれば馬尾に髪を纏めた女学徒が恥ずかしそうに
突き出して魅せる携帯の画面には普段は清楚極める如しときつい顔である鉦鼓が
顔を崩し嬉しそうに頬を緩ませ好物の丸柔菓子を口にほ織り込む顔姿が写っていた。
「全くもって油断も好きもありやしない。
でも、まぁ美味しい紅茶いれてくれるし、其れは位は許してやるけど」
恥ずかしいのは変わりないが自分を慕ってくれるのは変わりないだろう
止めろと言っても自分の宝物ですっとしっかりと携帯を胸に抱え込まれては
其れ以上何も出来ないと渋々と鉦鼓は了承するしかなかった。
その日、五蝶擁学園の学園の廊下に伝令人が奔る。
確かに現代化が進む世情であれば勿論、学園内にも構内放送は完備されてるのも当然である。
「それでは頼みますね。
何しろ地雷茸鉦鼓御嬢様の初舞台で御座います。
もっともこじんまりとしたものに成るでしょうが。
こおは古き伝統に則って行うべきだと筆頭仕女学様が譲らないのです。
それではよしなにで御座いますわ」
「地雷茸鉦鼓御嬢様の感謝の儀知らせ奔りの件
これ確かに承り申した。我ら五蝶擁学園伝令部一同。
誇りと意地と誉を持ってこの仕事完遂させて頂く。
それと御嬢様に我らの参加もお許し頂けるようお伝え頂きたい。何卒である」
細身であれどもその脚には自身を強く持つ学徒が深々と頭を垂れる。
「承りました。確かに」と短く応えたのは鉦鼓専属の紅茶係の女学とである。
鉦鼓の前では緊張のあまりに声が上ずる満足に受け答えも出来ないくせに
他社に関しては鉦鼓譲りの威厳と冷酷さがにじみ出る。
女は漢によって変わるとも言えば身近に仕える者がいれば又、其れに似るのかも知れない。
世情の時間に合わせれば学生が六時間目の勉学授業に励む刻。
学園内の廊下を伝令部の部員が幾人と走る。
きちんとそれと正確綿密に定めだれた場所まで来ると仁王像宜しく背筋を伸ばし
両腕を背後ろに組んで胸を張る。大きくも肺を膨らませあらん限りの声で伝令を吠えて吐き出す。
【伝令】
これ然りと訓練にあらず。訓練にあらず。
本日、部活開始時間即ち午後壱十と七字と参壱十七分より地雷茸鉦鼓殿、其の人が
悲報!そうだ!食べようオムレツ漢祭り大盛りセット。床にぶち撒けられる大事件の件に置いて
尽力を尽くし解決に導いてくれた者達に向けて御礼の言葉を御延べされる、
つまりは鉦鼓御嬢様感謝の儀である。
参加資格はあの事件で地雷茸鉦鼓殿の為に実際に身を粉にし人力奮闘した者である。
事が不確かな為、あくまでも自分に観の覚えにある者のみでもあるが
虚偽はゆるすまじである。虚偽を働けば学園登録抹消となると知れ
場所は第弐旧校舎参階大廊下と成る。
尚、地雷茸鉦鼓殿のはからいでどうしても御姿を拝見したいと言う者がおれば
見学を御許可なさってもおる。其の場合は地雷茸鉦鼓殿感謝の儀執行委員会に
事前申請が必要と成る。携帯等からの簡易申請は許可してないから
第三校門脇に臨時設置される受付にて即時申請を受け付けている。
以上、鉦鼓御嬢様感謝の儀の伝令である。
これ然りと訓練にあらず。訓練にあらず。
背中に腕を回し己を律し声を張り上げると又に肺に息を溜め込むと伝令は
脱兎の如くと次の地点へと全身の四肢を唸らせ奔る。
その日、学園内の廊下を伝令部の部員が幾人と奔る。
「失礼、教鞭の師御湯道橋先生。
小生の退出を申請したい。許可願いたい」
「私も退出を申請します。許可下さい。身を清めなかれければ成りませんので」
「ぼ、僕もです。人力等してませんが御顔を拝見したいのです。
大浴場開いてますよね?あっ購買で石鹸先に買わないとだっ」
地雷茸鉦鼓自身に興味もない輩も学園内には多々と居るだろう。
名を知らぬ者もこれもまた多い。
それでも廊下から届く伝令部部員の声が響くと教員御湯道橋の教室でも
授業の途中退出を希望する者が手を挙げる。
ともすれば授業中の生徒に限らずも教鞭を取る者も同様である。
「あっ、今日の授業のこりは小テストにします。
つまりは自習ですわね。お化粧直してこないといけないから。
それでは皆さん。また来週」伝令が走り去ったと思えば新校舎の弐階で教鞭を取る職員が
自分で自分に退席を求め自分で許可し生徒には自習しろと断言する。
無責任極まりないと言えども感謝の儀となれば其れが大事とも成る。
鉦鼓は少し軽率過ぎたかもと苦く思う。
自分の粗相を正してくれた誰し知らずの輩であっても
否其れだからこそに頭を垂れて礼の一つもと思ったのはどうやら間違いだったらしい。
「鉦鼓御嬢様?
御自分の立場と影響力を自覚なさってますか?
一度御嬢様が動くとなれば富士後光の山の如くと成るのですよ?」
「富士御光の山の如くって大げさ過ぎない?
妾はただ御礼の言葉を言いたいって言っただけなのよ?
大体、妾の事なんて知らないだろうし興味もないとおもったのに。
なんでこんな事になってるのかしら?」
一言皆に感謝のお礼を告げたいと思いついただけで随分と大げさであると
鉦鼓はみさきと従学徒に苦言を漏らした。
「失礼ですが・・・。鉦鼓様は御自分の各付け順位をご存知ですか?」
控え私室で訝しげに声を上げたのは感謝の儀とやらをやりたいと言った鉦鼓の意を
組んで騒ぎ出したみさきと従学徒の三人が生み出した結果である。
その意と申請を受けて一切を仕切るとなった地雷茸鉦鼓殿感謝の儀執行委員会から
手続き書類を持ってきた輩である。まだ幼さが抜けない顔立ちであれば中等部の者だろう。
「自分の各付け?知らないわ。
興味ないっていうか?良くわかってないし私に注目する人もいないだろうし
それより紅茶のお代わり頂けるかしら?あっ丸菓子も苺魚肉が挟んであるやつね」
その日の授業に参加を許されず自分の控え室で待機を余儀なくされた鉦鼓は機嫌もよくはない。
只に礼を述べ頭を下げるだけのつもりがこの始末である。
事の顛末を知らされれば実際に件の件で実際に人力を尽くしたのは壱十と八人。
其れに今、鉦鼓の世話を無理にも担うみさきと長尾髪の女学徒と紅茶を入れてくれる女学徒を足しても
弐十と少しである。オムレツをひっくり返しただけの割には随分と多い輩が
鉦鼓の為に動いてくれたとなる。これは心して深々と頭を下げるべきでもあろう。
粗相一つの後始末にしては随分ととも思えるが問題は関わった人数よりも
鉦鼓自身の姿を一目観たいと感謝の儀を閲覧希望する輩の其の人数であった。
影響は大きく多岐に渡る。
まず、午後に夕方までの授業を退席希望する学徒と若干の教鞭者。
職員が詰める職員室でも同様であった。
中には嫁子供に鉦鼓の姿を是非に魅せたいと一度自宅へ帰宅し迎えに行くと
上司の制止を振り切って奔る教鞭者さえもいた。
普段は全く持って売れない石鹸とたまにちょっと売れるシャンプーとリンスはと
白タオルは伝令が奔った後に購買希望の輩が財布を握りしめて殺到し完売。
後に鉦鼓の所に何かしらの儀式を行う時には当日ではなく少なくても二日前には
事前告知して欲しいとで購買部主任から嘆願書の束が届きもする。
しっかりと苺魚肉の小粒丸菓子の菓子折付きなのも当然である。
購買部の波が引ければ大浴場だ。
格付けの高い者は其れぞれに個室をもてば浴室を完備してる。
だがそうでない者が集うは大浴場である。運動部のシャワー室に勝手に忍び込む者も居る。
何せ感謝の儀は突然だったし時間も迫る。
遠めひとめにと鉦鼓の姿をみるとなれば大事でもある。
関係者は身近で相塗れるから尚更の事至極当然であっても大廊下の向こうを歩く鉦鼓が
何かしらの拍子に此方を睨み漬け視線が絡むかも知れないのだ。
その時に身だしなみ一つ出来てないとなれば紳士淑女の嗜みどれ一つ出来てないと
睨み殺される所か足蹴にされて床上で転がされるかも知れないのだ。
一部の輩には確かにその手の壁を持つ者もいるやもであるが、それが褒美であっても
最低限の身手入れは済まして置くのが礼儀と皆が弁える。
大浴場が混雑すれば次はサロンと呼ばれる場所である。
此方は主に美しさと可憐さを大事にする女学徒達御用達の場所である。
肌や顔と髪、果ては爪先までと下着一式全般等の手入れを担う、
その日、伝令が走ると直ぐにサロンの入口張り紙が張り出される。
【本日の予約は全てキャンセルさせて頂きます。
本日は先着順の対応のみ、予め整理券習得の上、受付までお越しくださいませ】
その日の予約は全て反故にされ明日移行の対応となるが其れに意を反してもしょうがない。
突然の騒ぎと成れども地雷茸鉦鼓が姿を魅せると成れば誰でも観たいのは当たり前だ。
事前に予約をいれていたからと優先しろと言っても半ば暴徒化するやも知れない
女学徒相手では身の安全の保証も無理である。
「弐っ、弐百人?
人力を尽くしてくれた輩が弐十人なのよ?其の十倍の数が観に来るの?
弐十人もの人前に出るのも怖いのに其れを弐百人もの人頭が観てるって言うの?
其の中を歩いて感謝の言葉を述べろっていうの?無理でしょ?むりむり」
「せ、正確には弐百と五十と三人です。家族連れの教師の婦人と御子様がいらしゃるので」
あまりと数の多さに驚愕然り鉦鼓は眼光鋭くも魔眼の如し。
両目を爛々と其の瞳を輝かせ身を前にずいと乗り出し中等部の中等部の参時学徒を睨む指す。
「ご、ご、ご容赦を・・・。
臨時受付に申請された希望者の数で御座います。飽く迄儀式の閲覧希望数ですから
参加者を正しく加えれば弐百と七十禄人。それに執行員が十と八人・・・サポートがえっと・・・」
「そっ、そんなに多い人数の前で頭を下げろって言うの?
いくら感謝と言っても乙女に大恥かけとでも言うの貴方は・・・・・」
先日の粗相は自分の責任である。不意を突かれたのはしょうがなくも事故である。
それで恥を描くのはしょうがないだろう。
其れだからこそ恥の汚名を注ぐために奮闘してくれた輩に礼を尽くすのも又礼儀である。
否然し、事が多くなれば恥の上塗りである。都合三百と若しくは其れ以上の人頭の前で
乙女、鉦鼓が頭を垂れて謝罪の意を述べるとなればこれは見世物である。
「先日の粗相の上乗りを御前は演って魅せろと言ってるのっ?」
鬼火の如くに真っ赤に瞳を燃やしずいっと前に脚を踏み出せば幼い漢児が後ろに下がる。
「御前は妾に恥の上塗りをしろっと言ってるの?この妾に言ってるの?」
ぐいと脚と四肢構えにでれば漢児学生は後ろに下がる。弐歩も下がれば後ろは壁
ベッタリと後ろ壁に背をと四肢をみりや押し付け鉦鼓の鋭い眼光から逃れようにも
自分の視線は鉦鼓のそれに吸い付いて離れない。
がくがくと四肢が震えビクリビクリと鼓動が波打つ。
蒼色にも黑色にも視える鉦鼓の瞳が朱紅に燃える。
圧して迫る鉦鼓の顔と恐怖と其の妖艶な眼差しに耐え切れず下半身が震え全身が其れに習う。
「貴方・・・御名前は?」止めとばかりに漢児に意地悪にも名前を鉦鼓は訪ねて寄越す。
「ぼっ・・・・僕は・・・斎藤・・・・否。い、戌で御座います。
鉦鼓様の戌で御座います・・・・」深淵の其処から湧き上がる答えを漢児は素直に漏らす。
「そう・・・。妾の戌が・・・妾に恥を掛けと言い捨てるのね。
お仕置きが必要だわね。可愛くも厭らしい戌には・・・お仕置きよね?」
「はっ、はい。戌畜生の僕にお仕置きをしてくださいませ。鉦鼓様」
鉦鼓が鳴いて見せろとと言えば喜んで尻尾を振って鳴くやも知れない。
意地悪にも腹正しくも妖艶に唇を半開きにして次の言葉を吐き出そうとする瞬間
「取り上げ御免。地雷茸鉦鼓殿。
せっかくの楽しみを中断するのは気が引けるが。
童貞坊主には刺激が強すぎるかと。
この歳で鉦鼓殿の色気毒に当たられば個の後の人生が歪むであるぞ。
元に・・この坊主。まそれは脇に置いておいてだ。
小生、笊芝居團蔵と申す。これより先は地雷茸鉦鼓殿の護衛の任に当たらさせて頂く。
こらっ、みさき嬢も色毒気にのまれるてるな。平鞭を渡そうするな。
そんな物控えの間の箪笥にしまっておく奴がいるか?
何?必殺の棘鞭とし通好みの十手鞭もあるって?良いからしまえ。一番奥にしまっおけ。
お前もか?馬尾髪嬢。全くおつきの従学徒が主人と一緒に若造を嬲るとは情けない
さっさと紅茶と丸菓子をもってこい。冷静になってもらわんと儀式で人を睨み殺すところか
全員卒倒でもさせたら一大事であるぞ。お~~い。戻ってこい。鉦鼓殿」
普段は必要時以外断りもな淑女の私室に漢児が踏み込むのは気が引ける。
だが然し、それはそれこれはこれである。
今も今日こそは学年内ではほとんど無名である鉦鼓であってその美貌と才能は抜きん出る。
今はまだないに等しい名声と低い格付けに当人知らずと甘んじてはいるが
それはあくまでも今日までである明日には全く持って嘘のように変わるだろう。
笊芝居團蔵。
倭之御國古寺の家柄に続く者であるが先祖は妖怪怪異退治を専門とする輩の家柄。
と、嘘であっても聞かされていたが話半分は本当っだったのやもしれん。
半ば見境もなく中漢児を震え上がらせ色の毒気で飲み込んでしまうとはさもあらん。
周りも一蓮托生と飲み込む鉦鼓の眼光にもなんとか耐えられたのは家柄と地と
実家が寺であること團蔵自身も武士道然りの古柔術部の副将であるからだろう。
「そ、それでも気が進まないわ。なんで妾が・・・」
「安心してほしい。鉦鼓御嬢。否、御嬢に不快な思いは決してさせぬ。
それより旨いな。この梅昆布蜂蜜茶。お代わりを頂けるか?」
突然であっても團蔵が私室に無理に押し入って来なければ
其処まで大きくなくてもになったやもしれない惨事。
ある程度に團蔵は気配を察していたが鉦鼓達は事情にまだ疎かった。
事実。
とりあげ御免と叫んで持ち上げた控え室の外に袈裟投げの技で放り投げた中坊学徒は
結構に痛い思いで外床に投げ付けられるが体の事はよくわかるのだろう。
起き上がり四つん這いになっても身を起こし壁に手をついて四肢を支え
残影塗れに茹で上がる激情快楽に身を捩るも満身の力で四肢を動かし
廊下の角を曲がって果てる。
「た、頼みます。御頼みします。
しょ、鉦鼓様儀式の参列者に警告を・・・。
か、換えのパンツを・・・必ず持参しろと・・・。
中等部の漢児の参加を禁止に・・・。鉦鼓様しか愛せない四肢になっっちゃう。
ど、同志の貞操を・・・守って下・・あんっ気持ちいい。逝っちゃう。僕っ。逝っっちゃう」
助けを求め開いてが訝しげにも侮蔑の視線を彼に投げつけたが熱気漂う肌汗と
その下半身の黒染みを観て事の大きさを察する。
幸いか不幸か、伝統を汚すとなったとしても伝えなければならなかった。
今、その時は鉦鼓も私室で待機となっているが、その感謝の儀までの時間がない。
職員室に奔っても、元より伝令部に伝えるにも時間もない。
たどり着いてもそこから又、伝令が奔っててもそれこそ無理がある。
とっさの起点が其れとする。毎日電車で学園まで通っていたのが災いを防ぐ。
校舎廊下の時々に見かける赤い四角いボタン。緊急を知らせる警報である。
これは同時に職員室の警報機に直結しており数分であれば声を乗せて警告も流せる。
【緊急告知。これ訓練に非ず。訓練に非ず
地雷茸鉦鼓様・感謝の儀準備段階にして詳細不明成りとも
兼ねてからの噂の真意判明す。犠牲者壱名確認す。繰り返す犠牲者確認。
その者、至極悦楽快楽の中に身悶え絶頂に上り詰めて失神す。
祖の瞳。蒼く燃えると思えば黒く沈み朱色に染まれば人心惑わし絶頂の果に睨み殺す。
これ真と証明されたり。嘘と噂と侮るなかれ
尚、犠牲者幸せ者の辞世の句を引用す
(儀式の参加者は換えのパンツを・・・必ず持参しろと・・・。
中等部の漢児の参加を禁止に・・・。鉦鼓様しか愛せない四肢になっっちゃう。
ど、同志の貞操を・・・守って下・・あんっ気持ちいい。逝っちゃう。僕っ。逝っちゃう)
以上っ、緊急告知。これ訓練に非ず。訓練に非ず】
その日弐度目に記された鉦鼓の儀式の告知は収まりつつあるもそろそろ時間であると
待機を始める学徒達を動揺させる。
女学徒はともかくその他の者は換えの下着など持ってないだろう。
つまりは再び購買部には黑頭た屯し携帯用のぱんつところか緊急用の医療おむつ売り切れ御免である。
其の果は相撲部・運動部の外物干しに天日干しされる褌まで紛失騒ぎに至るのは
しょうがないとも言える。
「えっ?何?あの放送?妾の事言ってるのかしら?
妾、近眼なだけよ?何?逝かせ殺しの魔女?それ、妾の二つ名なの?
失礼だわ。もうちょっと格好良いのにしてほしいわ。
駄目?駄目なの?通り名は入学時に生徒手帳に印刷されるの?
知らなかったわ。ちょっと緩めてくれる?コルセット。
ちょっと食べすぎたかも?体重計持って来るのやめないさいよ?
睨むわよ。貴方。近眼なだけだけど・・・・」
自分が言い出した事の癖にその影響力知らずして思いの他事が大きくなってる事が
機嫌が悪くて性がない鉦鼓であるが、儀式を無事におわったら
帰りに駅前の商店街で豚豚骨蜂蜜餡掛け饂飩を奢ると團蔵とみさきが進言し
お代わり弐杯とたこ焼きと味噌汁、特盛牛丼追加と約束させ対面を保つ。


其の瞳。魔眼となりて淫眼と成る。
刻に機会巡りて相塗れる事あるならば、己を律し背筋を伸ばし真っ直ぐに立つがよし
女児であれば手は腰前で軽く組むが良しもある。漢児は太腿の脇につけて直立すべし
漢児ならやや上と天空に視線を固定し声を掛けられれたなら唾を飲み込み元気に答えるべし
女児であれば少々頭を下げて嬉しくも恥ずかしくもと声控えめにするが良し
許しを得られれば幸いの如し。問われた事に真摯に答えるべし
万が一にも機嫌を損ね睨まれたでもしたのなら。
嗚呼、我が身、一生に性癖歪むと覚悟し、素直に快楽に身を預けて溺れ堕ちるが良しとなり。
上半期下半期事に改定される各位生徒手帳に追加される生徒手帳及び職員勤務心絵に
其の都度追加される要注意事項にその日以来追加された地蔵岳鉦鼓の留意事項で有る。
尚、鉦鼓当人からもうちょっと柔らかい表現でお願いしたいと申請が幾度もあったが
これを学園執行部はその犠牲者の数と様態と踏まえ断固としてこれを変更することはなかった。
悲報!そうだ!食べようオムレツ漢祭り大盛りセット。床にぶち撒けられる大事件
それに付属する地雷茸鉦鼓殿の感謝の儀
私立五蝶擁学園。其の第弐旧校舎参階大廊下。
学園も後に校歴にも大きな催事であったと確かに刻まれる地雷茸鉦鼓殿の感謝の儀は予め設定された時刻より
三十秒ほど遅れて開始となる。曰く、くしゃみ我慢出来なかったの。喘息持ちだからと鉦鼓は言い訳する。
兎に角も近代風に増設されたた新校舎ではなく、古き作りの旧校舎でおこなれたのもわ理由が有る。
古い作りの建物であるが故に趣があり構造も特殊であった。
第弐旧校舎と第三校舎をつなぐ通路に堅牢な扉が往来を阻む。今は其の向こうに鉦鼓と一行が控える。
堅牢の扉のこっち側は大廊下となって居る。その正面の壁を背に今回の件に功労した人物達が
一定の間隔保ち仁王直立と四肢を律して立ち並ぶ。其の数はおよそ弐十人足らず。
事前に名を確認された者の数より若干に少ないのも後筆とも成るだろう。
大廊下の壁は上半分が透硝子で出来ている。つまりは大廊下を囲う四角条の細廊下からも
中央の大廊下を視る事は容易い。双方の半分が透硝子となっているから観覧には好都合である。
校舎の中央を太く幅広の大廊下が貫き、周りを細廊下がぐるりと囲いその奥が教室が並んでいる。
大廊下に功労学徒が並べば周りの細廊下にそれぞれの思いを胸に秘め閲覧希望の学徒共が陣取っている。
勿論、たわいもない女学徒に過ぎない地雷茸鉦鼓がただ一人。
幅広の廊下を歩き姿を魅せるだけの儀式である。興味も知らぬ戯言と嗤い捨てる輩も今は多い。
それでも其の名を知り、一度でも鉦鼓に睨まれた者にはこの上ない機会でもあれば
彼女にまつわる噂が本当なのかとからかい半分でも確かめてやろうと鼻息荒いやつもいる。
ひとつ鐘が大廊下に響く。
どこから大廊下の角から背の割と高い、しかも結構な美男子が歩み出て声を張る。
腕に赤い腕章を括っていれば学園の催事の一切を取り仕切る生徒会直轄執行部の係と知れる。
「本日、只今より、逝かせ殺しの学生魔女。蒼瞳魔眼と其の淫眼の持ち主地雷茸鉦鼓殿による
悲報!そうだ!食べようオムレツ漢祭り大盛りセット。床にぶち撒けられる大事件
それに付属する案件、地雷茸鉦鼓殿の感謝の儀を執り行う。
極めて単純に地雷茸鉦鼓殿が下々の学徒共の前に御姿をお魅せにな大廊下と歩くだけの物である。
多少なりと言葉を掛けられる事も有るやもであるが、全体の所要時間は約壱十分から
壱十弐分を予定しておる。厳粛な儀式であるから皆の者、静粛に拝聴するように。
執行部からは以上となる。っと次は警備関係の知らせである。宜しく」
「本日から、蒼瞳魔眼と其の淫眼の持ち主地雷茸鉦鼓様の近辺警護を任された
警備親衛隊の副総長の金堂小次郎太である。
何分、設立されたばかりの警備親衛隊であるから至らぬ所も多いとは思うでは有るが。
確かに本日の儀式は急事でもある意思オムレツの転倒と言う悲惨きわまりない事件ではあるが
当人、鉦鼓様は大変、心を痛めてもいる。名誉の為に奮闘してくれた者には感謝を述べたいが
必要以上に目立つのは恥だとも懸念しておられる。
さもあらん。恥の上乗りなど我らが捺せぬ、許さぬぞ。
この儀式は助けてくれた者への感謝を述べたいと言う鉦鼓様の真摯な気持ち故の物である。
それに乗じて物見見物恥を欠かせるとか冷やし好きの輩が混じっているとは思わぬが
もしもいるならば、即刻退席と強く進める。鉦鼓様を思う気持ちと腕っぷしだけは
人一倍自身があるいからな。それの輩は留意されたし。
尚、大廊下の横断には鉦鼓様と御付きの女学徒、警備学徒が遂行する。
それからどうしても鉦鼓様のお姿と声を記録に残したいと懇願されて
放送部から黒子衣装の放送員が参名随行と成る。此方はいないものと無視するようにと言われておる。
では、以上である。皆の者よろしく頼む。」
その日新設されたばかりらしい警備親衛隊の副総長とやらはにこやかにも礼儀かかさずず
じろりと辺を一瞥して確認を取ってから顎をしゃくり廊下門の前に立つ係に目配せする。
「し、親衛隊って何?警備親衛隊といつ出来たの?
副総長って?総長もいるの?えっ、さっきの柔道の人。お茶啜って煎餅パリパリしてただけじゃない?
えっ?親衛隊だけじゃなく従者部隊もいる?グラビア・アルバム撮影隊も?
ちょっとなにそれ?妾、近眼の地味子だってば・・・クシュン。クシュン」
予めに廊下大扉の前に慄然と立つ左右の取っ手がそれぞれに振り返った女学徒が手を伸ばし引き開ける。
一筋の光が差し込んで空間を照らす。
先ず、光あれ。其の姿観れれば漆黒の黑皮作りの学園服。
長く伸ばした髪を前で七と参に別けてたらし其の後ろできれいに三つ編みに括る。
直視するには危険な程に鋭くもぱっちりとsじた瞳とぎりりとつり上がった眉。
ピクリと動いて跳ねたのは下々の学徒の多さに驚いたのか?
物好き共奴と内心怒りを感じた故の事だろうか。
その直視に耐えられずも罪を犯した愚者の様に顔を染め受ける輩も居れば
まさに美麗な少女と魔女の拝謁然りとばかり恍惚と目を離させない者も多い。
すっと真っ直ぐに通る鼻筋と程よくも膨らむ鼻腔。薄化粧の頬紅は普段とも変わらない
小ぶりであってもぷっくりとした唇をちょっと開けば鋭い八重歯もちらりと覗く。
噂よりも小さいやも皆が感じる背丈が低いのは思い込みだろう。
それ以上に目立つのは双房の膨らみであるが噂以上に遥かに大きい・
黑皮つ作りであれば尚更に誇張されてるかともみえるが。あえてさらした肩肌とは逆に
ガッチリと覆った乳房は形もよければやはりに巨乳である。
魅せているのは肩肌だけであり少し先には柔らかな黑布作りの長袖グローブで腕を包み
手にも新調したばかりの手袋が括られる。
大きくも目が離せない乳房の下を少々にごついコルセットが四肢を固め
漆黒のスカートが腰と尻を包み隠す。
それでも・・・。
「皆様。今日は態々に集まって頂き有難う。
私立五蝶擁学園第弐学年学徒・地雷茸鉦鼓で御座います。皆様、お見知りおきを」
淑女宜しくとばかりに黑布のスカートの裾をつまみに軽く腰を追って頭を垂れて魅せる。
これがいけなかった。
儀式の後、従者部隊部長を勝手名乗る昼安藤みさきに鉦鼓は偉く怒られる。
「なんですか?御嬢様。冒頭の挨拶を貴族風にするなんて。聞いてませんよ。
あれはいけません。ずるいです。其の姿で貴族風に頭垂れたら可愛すぎて皆が卒倒したじゃないですか?
医療班が慌てふためいて大変でしたの。睨んでは人を卒倒させるし、今度は可愛さで人を病院送りですよ?」
「そ、そんな事言ったって妾も頑張ったのよ?
なんか良くわからないけど大勢の前で挨拶とか捺せられたら緊張するでしょ?
やっぱり貴族風に淑女らしく?え?駄目。駄目なの?
私の場合は下乳を腕組みし支えて黙って睨めば良いの?それだけで十人は卒倒する?
嫌々。近眼の地味子なんだからさ。睨んでも可愛くしても卒倒病院送り?
それじゃ妾って化け物じゃやない?否、魔女ですって。ちょっとこっちきなさい。睨んでやるから。
性癖曲げてやるから。もう歪んでるって?帰ってこれないくらい貶してやるから。こっち着なさいよっ」
儀式後の控室で演じる茶番こそ稚技である。
実際に冒頭の挨拶のみで事前の警告を無下にした中等部の学徒然り、話半分噂風を戯言と甘く観た輩は
単に近眼であるといるだけの鉦鼓の魔眼睨みに当てられその仕草に魅了され絶頂へと勝手に至ると思えば
意識喪失の失神となれば学園隣接の病院に担ぎ込まれる人数はけっこうと成る。
この件については学園生徒生徒会から弁明も許されず鉦鼓は原稿用紙五枚程の反省分を提出してる。
古臭くも未だ現役として生徒が学ぶ旧校舎大廊下。
其の窓枠に交互に位置をずらし件の事件の功労した輩が列を成す。
その中央を淑女の如く挨拶を済ました鉦鼓がクイッと顎を上げ越前に腕を組んで歩いて通る。
最初の人物の前に差し掛かると鉦鼓はあろうことかオカッパ髪の女学徒に声を掛けたる。
「漣ゆみさんね。最初に新聞に駆け込み部長の襟首を締め上げたそうね。
妾の為に人力してくれて有難う。妾に何か出来る事があるなら遠慮なく申して観て」
「しょ、鉦鼓様。お、御顔が近いですの。近すぎですの。
そんなに間近で観つめられたら・・・・・。で、出来ましたら文通などを・・・・」
「わかったわ、週一回の文通で宜しいかしら。有難う漣ゆみさん」
最初の人目こそきつい目線であったが尽力してくれた漣ゆみの間近まで顔を寄せ覗きこむと
柔和な笑みを浮かべて頬笑みによやかに週一回の少女との文通を承諾する。
あろうことかである。
予定ではできるだけゆっくりであるが功労者の列の間を歩きぬけ其の先で全体に向けてを掛ける。
それだけで有った。
否然し、気まぐれなのか。それで礼を尽くすに値しない行為であると考えたのか
鉦鼓は最初の女学徒と文通の約束を交わすと振り向いて弐番目の漢児の元へと歩み寄る。
「佐々木橋徹組ね。食堂の券売機の謎を問いた秀才と聞いたわ。
お陰でたすかったの。頭脳明晰なのね。羨ましいわ。何か出来る事が有るかしら?」
「おっ、御顔が近いであります。そんなきれいなで可憐な顔で見詰められたら・・・・・。
僕は、頭が良いとは言われますが、女性とのお付き合いが苦手であります。
機会が有りましたら一度食事など、御一緒させて頂き耐性を付けて頂きたい所存であります」
「まぁ~初なのね。あまり深いお付き合いは周りが許さないと思うから
学食でお昼程度で宜しいかしら?二人きりとはいかないかもだけど」
「至極幸せで御座います。鉦鼓様」
憧れの鉦鼓と学食で食事出来ると成れば人生一度きりであっても至高の刻であろう。
比較的個人的な異性のもうしでも快く鉦鼓ははにかんで受け入れる。
背後を固める従者学徒と親衛隊があからさまに機嫌が悪くもなる。
予め口頭であっても功労者の名とその内容を知らされたとは故。
それも一度きりと早口であったにもかかわらず、鉦鼓は其の名前と功労の内容を全て暗記していた。
実際に合間見る時にちらりと記章と名札を睨み瞬時に内容を思い出して声を掛ける。
都合約弐十人と少し足りぬであったも其の名と内容をおぼえているもも技の一つである。
これを気に無理な願いを押し付ける事も出来たやも知れないが何しろ鉦鼓の気まぐれである。
しかも極度の近眼であるから端正で妖艶な顔が間近に迫れば邪事を願う暇もない。
「席藤次郎君ね。出来る事は有るかしら?」
「自分は親衛隊の入隊を許可頂きたく存じます」
「そうなの?なんか適性検査があるとか言ってたわ。担当者に伝えておくから精進なさいな。」
「御意に!」
「鈴木野弥生さんね。出来る事はある?」
「は、ハンカチにサインを頂ければ」
「サインが欲しいの?私のサインとか価値ないと思うけど。字汚いし」
差し出された白いハンカチに従者学徒から手渡せれたペンでサインを綴る。
「あら。三崎門先生。外道愚か者の郊外追放と社会的抹殺の始末にご尽力頂いとか。
ご足労くださって有難うです。出来ることは・・・?
えっ。妾の吐いた靴が欲しい?大人の趣向で御座いますわね。
私物扱いに成るからそれは駄目ですって。代わりに財布に入れてる絆創膏でいいかしら?
私物だけど消耗品だし。それで我慢なさいな」
流石に履いた靴を欲しがれるとは怪訝であるとこの時ばかりは汚物変態を睨む勢いで
中年教師を睨みつける。
サインを求められれば字が汚いと遠慮がちでもハンカチやシャツに筆を走らせ
握手を求められれば相手の手をぎゅっと包んでにこやかに微笑む。
親衛隊や従者部隊の入隊が希望と成れば係の者に口添えを約束する。
若干であっても無理無用な願いを吐く者もあったやも知れぬがある程度は譲歩はしても
言葉巧みにやり過ごす。
元より鉦鼓の為にと人力を尽くした者達が作る列である。
無理は言っても無理強いは求めず顔を寄せて微笑み掛けられては願いを吐き出すより
今此処で会話出来てる事が光栄然り至福の刻である。
十と七、十と八、十と九と功労してくれた学徒に礼を尽くし言葉を交わし
願いを問われれば出来る範囲で快く行け入れる。
予定外にも時間は係るが最後の一人と言葉を交わし願いを約束すると
大廊下をわたりきり一礼しても扉の奥に身を隠せばこの儀式は終わりとなる。
予定外の事となっても無事に収まれば事なきである。親衛隊の輩もほっと安堵に肩を落とす。
全ての功労者との対面を済ませ廊下の角の四角木板のを踏んで振り返り
功労者を観覧の者に向けて一礼と挨拶をする。
其のはずであった。ところが何を思ったか鉦鼓は一八〇度に四肢を回すと思えば
左に約九〇度の位置で四肢を止める。
一瞬、視線を廊下床に貶したかと思うと顔を上げるとそれは悪鬼邪気の鬼の顔である。
黑皮布のスカートの裾を優雅な仕草で抱え持ちつかつかと皮靴の音を鳴らして歩み出す。
一歩、一歩と前に脚が進む其の度に眉が釣り上がり瞳が蒼くも光れば黑くと沈む。
紅くと燃えれば爛々と狂気纏て邪気を放つ。
近眼である。極度の近眼であればこそ良く見えないこそに目つきが邪眼のそれと成る。
「其処の貴方?
妾の顔に何かついてると言うのですか?其の太枠眼鏡の奥に何を隠してるのですか?
それと四肢を摘みに公衆の面前で慰めてるとでも言うのですか?」
眼光鋭くも脇廊下を歩けば人混みがさざ波の如くに分けて退ける。
悪鬼邪眼の鉦鼓の瞳が真っ直ぐに睨む漢は以外にその学級にでもいる平凡で目立たない輩に等しい
毒蛇に睨まれた蛙の如く、狩人猫に台所の角に追い詰められる袋鼠の如く。
其の睨む視線に耐えきれず悪事がバレたとばかりに覚悟は出来ても逃げ切れずも許されずもない。
「ぼっ、ぼっ、ぼっ、ぼっ、僕はただ、あのその・・・・」
がくがくと膝が嗤うと冷や汗が止まらない。
端正で美麗な顔も邪悪な魔女のそれとなればもはや鬼女でも有る。
「薄情なさい。私の姿を観て何をしてたと言うのですか?
もしくは何を企んで居たというの?言わなけれなければこの場で一生忘れなれない羞恥を与えてやるわ。
およそに二百人といくらかの前で精を吐き出しお漏らしなさい。このゲス野郎」
「ぼっ、ぼっ、ぼっ、ぼっ、僕はただ・・・」
特に何を企んで居たと言うよりは単純に逝かせ殺しの学生魔女とやらの真意を確かめてみたかっただけである
鉦鼓の善意と感謝の儀をじゃますると言うよりは個人の楽しみにためでも有る。
だが、手段は度を越えているやもしれない。盗撮である。普通よりも太い縁に仕込んだ小型カメラに
其の姿を収め自分で楽しむだけのつもりであった。
だが遠目にであえば気づかれないと思った矢先、其の儀式の終わりに鉦鼓は気づく。
コツコツと真っ直ぐに靴音を鳴らしスカートの裾を揺らし近づいてくるその度に
一度震えた膝が泣き止まないとなればガクガクと四肢が震える。
冷汗が止まらずに頬を伝うも涙も止まらない。到底に立ってられ廊下床に尻餅を付けば寒気が襲う。
真冬の夜になったのかと錯覚するものは夢かもしれない。寒気が襲い身震いが止まらない。
後、三歩とまでににじり寄り天空の上から顔を見下ろし魔女が覗きこむ。
妖艶にも卑しくも鼓動が早くなれば股間に熱を送り込み。どくどくと鼓動が長ければ股間が熱い。
じっと睨んで動かぬ逝か背殺しの近眼魔女がにたりと嗤えば邪気が爆ぜる。
「ぼく、・・・・」一言漏らしてどっと血流が股間を注がれ漢の性と弾けると
その心臓もひとつ唸って一瞬に止まる。
「情ない・・・・。
妾に見詰められて逝けるなら一生の思い出であろうに。
上り詰める前に勝手に四肢が爆ぜるとは・・・・。本当に情けないクズ野郎だわね。
笊芝居。後の始末は御前の最良で対処なさい。
それから此奴一人の所業と非ずかもなら、きっちり始末付けなさい。
公衆の面前での感謝の儀、それを邪な思いで視る奴がおるなら放って逝くべき有るものか
皆々様。とんだ茶番をお魅せして申し訳ない。
ご機嫌宜しゅう。どうぞよしなに。
機嫌も悪かったのだろう。許可もなく自分の四肢を何かしらの記憶媒体に収められたのなれば気も尖る。
油断したとも言えるやも知れなかった。
鉦鼓当人は息を整えだいぶ症状を緩めたつもりであるが、大分なだけである。
一礼と言葉を添えて頭を下げたつもりであれどあげた顔には未だに邪眼色眼がゆらりと燃える。
戯言事件もすんだおわったとばかりに油断した輩と聴衆の瞳を邪眼色眼が撫でる。
ううぅと唸って巨漢が股間を押さえて絶頂に唸る。
あああと喚いて四肢をまさずり少女が悶え崩れる。
未だ性の密を知らぬ若坊主などやり場のない身の火照りに耐えきれず泡を拭いて卒倒する始末である。
その瞳、蒼く燃えれば黒くと沈み紅く燃えれば餌人を絶頂へ導き逝かせて殺す
蒼眼色眼の学園魔女のなせる技である。


「もう一回位、一瞥すればよかったかしらん。サービスで」
「な、な、な、何を言ってるんですか?鉦鼓様
気が向いたからって予定にもないのに、下々の者にいちいち声をお掛けになるところか。
眼力すざまじくも不埒者を見つけて成敗。此処はよろし良いので御座います。
それでも睨みすぎで御座います。漢の性ところか体中の体液溢れ出して脱水症状で
外の大学病院に緊急搬送されたのですよ?CTUでスポーツドリング大量点滴中なのですよ?
うわ言で鉦鼓様の戌。僕は戌っと理由わからない事口走って辞世の句が僕は戌って・・・
どんだけ睨んだんですか?この変態邪眼の色欲魔女!
そ、それだけなら未だ、ましですの。
宜しいですか?執行部の簡易報告書によりますとね。
不埒者の成敗は見事であっても。呼吸を整えるのを忘れ・・・
迂闊のも振り返って口上述べるも凛々しく勇者の如し。
されど邪眼色眼の御力すざましく・・・・顔を上げてにらめば快楽に溺れて卒倒者五名。
右を見れば弐年生と教員が十と八名。妻子持ちが弐名卒倒。
左に戻れば年上参年性が弐十弐名。快楽に悶絶し隣り合う輩と思わず乱交状態ですよ?
親衛隊そうでで殴って気絶させる大惨事でしたの。
そこでやめればよかったのですの。なんでもうい一回右をみるんですか?
横断歩道渡ってるじゃないんですよ?しかも中央から右に視線走らせたから被害増大ですの。
最初の一波を懇親の理性で耐えきった兵を又、襲うとは言語道断。
耐えてやったとばかり息をつく兵を二度目に色眼が襲えば行き果てるのは当然で御座いますの。
其の数参十と八で御座います。睨みすぎです。これはもう災害で御座います。はぁはぁ・・・」
「そ、そんな事言ったって。近眼なだけだし・・・。あっ。パフェのお代わりくれる?」
「駄目ですっ、当分の間、オヤツ抜きで御座いますの。この変態色眼使いの魔女のくせに」
「が~~ん。この学園のパフェ美味しいの!食べたいの!ふとってもいいの!
みさきちゃんの意地悪。寮に忍び込んで寝顔睨んでやる」
「そ、そ、そ、そ、其れは無体ですの。御無体ですの。
夢の中で快楽に溺れちゃう。帰ってこれない。いやん、素敵。そうじゃなくって・・・ぜえぜぇ」
地獄茸鉦鼓の感謝の儀。
当人は先日にやらかした粗相を恥とも感じ、彼女の汚名を晴らしてくれた面々の尽力に報いたいと
言う気持ちだけで感謝の儀へと緊張しつつも望むんだのは良し
されど邪念等しくも其の姿を盗撮して個人々で楽しむべくと愚行に及んだ愚者の発見と征伐の其れも
確かに見事ではあった。
問題は自らは近眼であるとしか認識してない鉦鼓が熱冷めぬその邪眼色眼で思わずに
控える聴衆に邪眼淫眼を使ってしまったのが厄災をも引き起こす。
自分では一息ついたとばかりに顔を上げれば、例え燻る邪眼淫眼であっても一般人には影響が強すぎた。
顔を上げ聴衆に向かって微笑べばバタバタと漢児も女児も快楽に
四肢を火照らせあっという間に登りつめ卒倒する。
右に顔を向ければ怪異の如くの視線に晒され未だ性の密をも知らぬ輩が湧き上がる欲情に溺れて転倒する。
あれれ?と思って左を観れば年上の輩が激情のは手に乱交紛いに暴れ出す。
其の場で目を閉じれば良い物の、どうしたものかと顔を戻せば又、なんとか耐えた輩が悶絶の果に行き果てる。
其の数、百に届けばその日感謝の儀に参加した聴衆の半分近くが地雷茸鉦鼓の邪眼淫眼の餌食も成る。
「こ、コンタクトにしちゃだめなの?そうすれば私も視えるし迷惑も・・・」
「駄目です。絶対に駄目です」
「其れは行かぬな。邪眼淫眼あってこその鉦鼓殿である」
「鉦鼓様が我慢すれば良いんです。睨むのを我慢すれば良いんですの。
でも、ちょっとは睨んでほしいのです」
自分の視界の悪さの解消を含め提案すれば周りの全員が唾を飛ばして激怒する。
これでは立つ瀬もないとばかりに専用のソファの上で何故か正座をしいいられ
背を丸くしてぼそぼそといじけ梅昆布茶をズルズル啜るのが精一杯の鉦鼓であも有る。
【邪眼淫眼の学徒魔女様親衛隊入隊希望者応募事項のお知らせ】
邪眼淫眼の学徒魔女様親衛隊入隊希望者の方へ
先日の魔女様の感謝の儀以降、その魅力と邪眼淫眼に魅了され親衛隊及び従者隊への
希望者が殺到しております。新設されたばかりの部隊と成るため事務処理が追いついてもおりません。
又、学園内に置ける魔女様の学園各付けも正式に裁定されておらず現状ではこれ以上の人数を抱えることも
ままならない状態の為、本日現在は入隊希望者の方々にはとりあえず申請のみを許可しています。
先ずは申請書必要事項を記載の上、邪眼淫眼の学徒魔女様親衛隊まで届けて下さい。
又、どうしても学徒魔女様の御姿を身近に感じたいという方のために
各種グッズを購買部特設売り場にて販売して下ります。御利用下さいませ。
学徒魔女様親衛隊
二日三日とたてば少しは落ち着くかと思ってなるべく地味に目立たぬようにと
電車を下り道路地面を見詰めて歩き、学園の裏門にたどり着くと人列が出来てる。
「地雷茸鉦鼓様。御登校っ」
鉦鼓の姿を見つけた途端、門までまだ距離があるというのに号令ラッパの如くに声が響く。
「お早う御座います。鉦鼓様。今日も御美しゅうで御座います。御嬢様」
「ちょっと、何よ。貴下達。未だ門くぐってないわよ。プライベートよプライベート」
学園内に脚を文れる前から学生門の前で列を作り鉦鼓の登校を親衛隊の面々が迎える。
「従者学徒と言う者。主人の登校をお迎えするのは当然で御座いますの」
「壱と、弐と、参と、・・・・十と八、十と九。弐十人こえてるじゃない?
どんだけ暇なのよ。いつからまってるのよ。恥ずかしいから半分くらいにしてよ」
「其れは成りません。御嬢様御出迎えの儀は人気職なのです。希望者が殺到してるのです」
しとやかに一礼と頭をさげて歩みよる筆頭従者学徒に鞄荷物を取り上げっられ
恥ずかしさを抑えきれずにもぶせんとした表情で構内へと脚を進める。
「こっちじゃないの?妾の部屋は北側でしょ?」
「否で御座いますの。御嬢様。
大体にしてあんな厄災ひきおこして置いて今までと同じで済むとおもってるとは昼行灯ですわ」
「自分の名前と掛けてる?ぷぷっ。お茶目さんね。
怒られるの?また怒られるの?反省してるのよ。これでも私。もう反省文描きたくないし」
「全くもう・・・」
自分の名前とかけた懇親のギャグで最近は落ち込み気味の鉦鼓を元気付けようとすれば
対して笑ってもくれない。いじけても良いが其れよりやるべき事も確かに多い。
「此処が今日から鉦鼓御嬢様の控え私室となりますの」
歩む廊下から雰囲気が違っていると鉦鼓は地味な制服を着込んだままに歩きながらも感じていた。
二つ目の門を曲がるまでは他の校舎と同じ作りでもある。
其の先は雰囲気が一変する。
黑と朱を貴重とした木材と布生地で彩られる別世界。
灯される明かりの類も近代的で冷たい蛍光灯は一切排除され、温かみのある黄色灯が灯される。
タイル石の床材は薄く油を塗って又磨き上げる木目調のものと成れば靴音の響きも心地よい。
廊下正面にはは鉦鼓の顔をと眼をモチーフにした印が刻まれた個人印が刻まれた重厚な扉がある。
「お早う御座います。御嬢」
既に昼食も取って久しい時刻であっても朝の挨拶ともなれば違和感もあるがこの学園の礼儀でも有る。
野太い声を絞り親衛隊総長が扉取っ手を引けばそこから先は邪眼淫眼の学徒魔女の新しい私室とも成る。
「あらまぁ~~。びっくらこいたわ。すごいじゃない?
妾っ、偉くなったの?格付けかわったの?ちょっとすごいじゃん」
「こ、この度。正式に学園から鉦鼓様の格付けが審査・確定されたのですが。
その前に言葉遣い治りませんか?下々の者が当惑するので」
最近は口を開けば先ず小言ばかりのみさきがぶぜんと諌める。
「そんな事言ったって未だ着替えてないし。素が出るのよ。
地味でヲタクの鉦鼓様だもの。人気でないかしら?・・・・それで?」
態となのか、それとも天然なのかドキドキ小ボケとかます鉦鼓の姿を顔を伏せて従者がわらう。
ともかくも最近やっと成れてきたと言わんばかりにわざとらしく前に一歩と脚を進め姿見鏡の前に立つ。
「先ず最初に購買部からお礼の感謝状が届いております。
邪眼淫眼の学徒魔女様オフィシャルグッスが爆売れしてると・・・・」
「ああ、あれね。この間の儀式の時の写真よね?今どきブロマイドとか買う人居ないと思うけど」
成れて着たとはいえ未だに自分の四肢を他人に預けるのは抵抗が残る。
着替えひとつ自分ひとりでさせてもらえないのかと苦く思うが拒否すれば
今度は従者の子が泣き出すとも知っている。
「否っ。参枚綴のフォトカードですね。既に完売でして。いつの時代の人なんですか?御嬢様
今の売れ筋はにっこり微笑む魔女様写真集です。一冊八千園とお高いのですが正に爆売れですの。
魔女様応援左うちわでポイポイも中々の好成績です。此方は既に3千枚を売り上げています。
あとは魔女様のお胸の形爆乳饅頭ですね。これは主に教職員が大人買いしてるみたいです。
内包されるおまけカードが闇取引で十萬園を超えるとか?
あと下々庶民の味方防災系アイテムの魔眼淫眼のアイマスクですね。
これはバリエーションが多いのでコレクターズアイテムなんです。
デザイン部の勝利ですね。私奴も愛用していますの。
御嬢様の邪眼を遮るのに最適・・・あっ。睨まないで。睨まないで下さいせ。怖いから・・逝っちゃうし」
当人の知らずのその時に思うよりも随分と多くも種類の商品が出回ってるらしい。
自分の乳房の形を模した饅頭とかちょっと嫌だなともうも形を取らせた事もないから
其の辺は適当に作ったのだろう。納得はできなくても良しとはしておこう。
「肝心の学園格付けで御座いますが・・・・52位で御座います」
「あらん。意外と低いのね。20位くらいかなって思ってたけど人気無いんじゃん。妾」
「否、笑顔が可愛くて優しくっ僕を包んでくれそうな女性ランキング52で御座います」
「え?それって只、漢に媚び売るってことよね?でも人気ないわね。やっぱり」
「続いて
お姫様だっこしたい女性ランキング。45位。
ああ、其の脚で踏んで嬲ってもっと虐めてランキング堂々の2位。
放課後おしゃれなカフェで一緒のドリンクをのみたいランキング27位
割烹着が似合うから俺の朝ご飯をつくってくれランキング5位。
うれしはずかしホワイトデーにネクタイが欲しいランキング38位。
平鞭より棘鞭で嬲ってピンヒールで〇〇潰してほしいランクング3位」
「な、なんか随分か色々混じってるけど其れって各付けと関係有るの?
どれもいまいちな気がするけど」
「以上、朝のワイドショーアプリに勝手に御嬢様様の名前をぶち込んで導き出した
今日の運試しランキングから抜粋ですの。ぷぷっ。
いやん、睨まないで。逝っちゃうから。おもらししちゃうから。
学園の正式各付けは・・・・な、七位です。御嬢様」
みさきのおふざけに乗せられて真面目に聞いてしまったと
ばかり睨み倒そうかと思うのを途中で止める。
私立五蝶擁学園総合各付け第七位・地雷茸鉦鼓。
耳に聞けばその格付順位がどれ位のものとは判断も付きかねるが。
実際はかなりの高位である。学園の生徒数はおよそ弐千と五百。
其の中で第七位となれば確かに高い。付与される特典も増えるし派閥とも認められる。
これにて確かに学園ないでも鉦鼓は無視できない存在の地位を得る事になる。


私立五蝶擁学園第参年学徒生・御味噌麹鞠子。
学園正式格付け其の五位。
小柄で細身であれば着痩せするタイプで押さえつける衣服を脱げばドンと大きく乳房が突きでる。
其の反対に以外にも尻は小さめである。
背も高くも無く童顔であっても睨み殺しの邪眼魔女よりも年上である。
世間でも目立つ風貌を好み自然な色合いよりも派手なピンクに染めた髪をその日の気分で
結い上げるがたいていは頭の上で二つのお団子髪を好んでる。
学園格付けが最近、目立つ邪眼魔女よりも高いから連なる輩も多ければ私室も大きい。
他の者が三十人は入るだろう空間を私室とするし家具も誂え品が多い。
邪眼魔女とは違い学園の寮に居を構え朝から夕方まで授業にも参加する。
幼顔で小柄でもあり明るい性格が講じれば人気も高くて当たり前であるが
鞠子自身の本性は外見と似つかわない。。
知る人のみ知る。その事情を知るからこそ惚れ込む輩が多いと言える。
鞠子は処女でもある。その解釈と定義をどう判断するか難しくても鞠子自身は処女だと思ってる。
処女だからと言って嬉し恥ずかし漢肌知らずとか熱く滾る漢汁を知らないわけでない。
むしろ四六時中まみれてると言っても差し支えないだろう。
肌を合わせた漢の数を途中まで数えて三〇だった。
学園に押し込められる前だから、今ちゃんと数えたら百位は超えるはずでもある。
他の上位格付け者と同じ要に連なる者も抱えるが全員が漢児でもある。
鞠子を好きになる女性も女児など学園にも外にもいない。
鞠子を慕い囲う漢児達は全員その四肢狙いである。
細身な四肢の癖に突き出る乳房。漢竿を細指でしごき厭らしく舐め回す長い舌。
童顔の鞠子が自分の竿を長い下で舐め回し張りのある乳房を握らせ嬲らせる。
気楽を欲しがり強請るあの表情が堪らなくも唆る。
だが然しそこまでだ。
「入れてっ、入れてっ。早くいれてっ、私の壺に貴方の竿入れてっ」
期待と快楽に溺れ、我慢できなくなれば幼い顔で必死に懇願してくる。
時にはソファの上に腰をおとしパックリと脚を開いて雌壺を晒して強請り
刻には床の上で四つん這いになりぐいっと突き出した尻に手をついて肉を押し広げ
ぬらぬらとてかる雌壺に竿の先端を差し込むと、ドンと衝撃が股間を襲い
あっと思った瞬間に漢濁が弾けて飛び散る。
「又ぁ?又なの?プロレス部の癖に情けない・・・。
私に入れる前に勝手に行き果てるなんて勘弁してほしいわぁ~~
もう良いから、あっち言って。しっ、しっ、しっ」
鞠子を囲う漢達の中化で壱番体力勢力と自負する漢でさえ。
前戯としてもって精々七分。当然、挿入まで至った事など一度もない。
それも鞠子自身が手を抜いてである。
快楽に酔えない鞠子とその逆に漢共は竿を入れるず寸前と言えども其の快楽はすざましく
絶頂然りるも刻まれる快楽は忘れられずと次に又、声を賭けてもらいたいとそれぞれに貢ぐ。
囲う漢の数がそのまま格付けに結びついてるとは言い難いが動く金銭も大きければ
送られる物も多ければ貢物とはこれであろう。
御味噌麹鞠子。
学園二つ名で呼べば鐵門の処女。
アイマン・メイデンと呼ばれて久しい。
自分の境遇が気に食わないの毎日の事であっても時々と言うよりは毎日湧き上がる疼きの中でも
地雷茸鉦鼓の最初の事件の時は気にしなかった。
どっかの田舎者のぽっと出た女ががセンスの悪い二つ名を名乗ったかと思えば
なにやら食堂で粗相を起こしたらしいとか。噂は聞いても漢の竿を弄るのに忙しかった。
2つ目の感謝の儀。そのものにも全く興味もなければ当然に参加もしない。
所詮格下順位の酔狂な遊びだと鼻で嗤って捨て置いた。
それでも心中何処かに引っかかりもある。
随分と大げさな儀式とやらの最中に其の姿を特殊なメガネで盗撮されたと聞いた。
もっとも、何かの拍子に当人が気がついて其の場で捌き病院送りにしたらしい。
その時使われた太枠眼鏡のカメラには思い当たる節がある。


この学園に入る前、鞠子は事件を起こしていた。所謂警察沙汰である。
御歳うら若くも壱十と七を数えたばかりの御味噌麹鞠子。
年頃であればこそ嬉し恥ずかし初め手の恋人が出来た頃でもあった。
其の出会い方も今どきの携帯アプリを使ったものであったが実際に顔をあわせた時は
その鞠子の可愛さに彼氏と成る漢は膝を叩いてガッツポーツを取ったのも印象的に覚えてる。
世には参度の密会で互いの四肢の相性を互いに確かめ味わうと言うが
彼氏は我慢出来ずにその日の内に鞠子の唇を求め乳房を弄つくす。
当然に最後までものにするつもりであったが
「会ったばかりだし。もうこの先は互いを知ってから・・・・」
「あっ、御免。でも我慢できなくて・・・・」
まるで獣の如くの勢いで突き出した乳房に又、手を伸ばすのとピシャリと手を払って拒む。
「もっと良く知ってからよ・・・・」冷たく言い放ったのは嫌悪かんからではない。
確かに気まずい雰囲気が流れたが寧ろ初めて与えられる強い刺激と快楽に溺れそうであり
自分の中の何かが変わってしまうのと其れを怖がったのだ。
その日こそ、ぷいと鱚を返してさっさと其の場を離れたが、
後日、携帯に届いた弐回目のデートの誘いには絵文字まで使って快諾の意を返す。
自分以外の他人に四肢を弄られる快楽が身を焦がすのを忘れられないのも事実だからだ。
今度こそは四肢を貪られるに違いないと十代特有の焦りと期待に四肢すぉ震わせ
彼氏の前に姿を現した鞠子の姿は独特でもあるが可愛い物である。
前回は少しばかりと色の浅い桃色であったがkンドはしっかりと濃くも髪を染め直し
お団子頭に纏めてると思えば前髪は割と無造作に流してる。
細い四肢をオーバーサイズの黒皮のジャケットで多えばロングスカートを纏い
やたらとごつい皮のブーツを履き熟してる。
ゴシック系と言うよりはアジアンスタイルに近いのだろう。
清楚可愛い系の女子を好む彼氏で有るが脱がせてしまえな一緒であるともほくそ笑む。
「どうしたの?そんな極太縁の眼鏡なんて・・・」
「ああ、僕実は近眼なんだ。前は忘れちゃってさ。ははっ」
「ふ~~ん。そうなんだぁ~~」
今どきの若者が好むデザインでもないし、何処か安物に視えるが気にかかる。
それでも其の日に怒るであろう十代特有の通過儀礼に気を取られ其れ以上は突っ込まないでおく。
映画でも観て雰囲気を盛り上げてくれるかと思えば軽く昼食にと誘われる。
「鞠子ちゃん。名前は?」
「え?御味噌麹鞠子・・・けどしってるでしょ?」
「いや、確かめたくてさ。スリーサイズは?」
「・・・・。」」小さな違和感が奔り鞠子は黙る。
「あっ。ごめんごめん。ついがまんできなくてさ。
休日は何してるの?ゲームとか?」
「携帯のゲームはたまにやるけど・・・」
デートにしては少しお粗末な雑踏黒頭集るファストフードの店で席についた途端に
あれこれと彼氏が聞いてくる。既に知ってるであろう事もあれば二人の関係には
関係なさそうでもあり、それでも随分と踏み込んで色々と置いてくる。
なんとなくも訝しくも眉を潜めると気配をさっしたのか
「そろそろ、いここうか?鞠子ちゃん」
「あっ。うん。でも食べ終わってないけど・・」
「良いから・・・いいから」


人生始めての漢児とのセックスとなれば緊張と期待に周りも見えなくなる。
警戒すべきではあった。其の予兆も確かにあった。
「なにこれ?貴下達誰っ?」
そんなに自分の四肢が欲しいのか?がっつきすぎじゃないのか?と疑えども
太縁眼鏡を途中で外した彼氏が鞠子の腕をグイグイと引き、体を入れ替え背を押したドアの先には漢がいる。
「お、来たぞ。来た」
「うへ、こりゃ上玉だぞ。早速剥いちまうぜっ」
「な、なにするの、止めてっ」
初めてのセックスであるなら雰囲気も大事にして欲しいと思えば何処ぞの雑居ビルの一室。
背を圧されつんのめりに跨いだドアの向こうは埃ぽくも独特の雰囲気と空気が漂う。
「止めてっ、止めてってば」自分は黙れたと知った瞬間こそもう遅い。
事が終わって改めて粗利を見回すまで数など数えてない。
二つ四つか其れ以上に漢共の腕が鞠子の四肢を這いずり回る。
小遣いをはたいて態々勝ったオーバーザイズのジャケットは直ぐに剥がされ
おしゃれ気分のキュミソールもめくられ直に乳房が揉みしだかれる。
「と、徹くん、なんとかして・・・やめて。お願い。」
自分の彼氏と信じた彼氏はにまにまと残酷にも口元を歪めどこから持って来たのか
割と大きな業務用のビデをカメラを構えて嫌がる鞠子の顔をずっと追いかけてる。
「だめっ、だめ。だめ。」身を織り上げて唾飛ばし首を振って嫌がってもカメラはしっかり回り込む。
「徹の言う通り上物だな。観ろよ。乳首勃起させてるんだぜ。気持ちいいんだろうよ」
「こっちの具合はどうなんだ?締まり具合を観ないとなっ」
「握らせようぜ。漢竿。しゃぶらせてやる。口開けろって」
獣の如くと盛る漢群れは一度火が付くと止まらあい。
最初に徹が仲間に魅せた鞠子の写真で直ぐ犯して回すと全員で決めた。
後ろ手にガッチリと四肢を抑えられ両方の乳房をそれれ違う漢の手が貪り嬲る。
足首を蹴飛ばされれば脚が自然と開き股ぐらにぐりっと指がってくる。
「あん。駄目」力任せに乳房を嬲られ乳首を潰されば喘ぎ漏れる。
「ほら観ろ、感じてるんじゃやないか?この売女」
「ああっ」バチンと痛みがはしれば尻を叩かれ咥えた指を雌襞が締める。
「おお、こいつはいい具合ふぁ期待できそうだ。そっちはどうだ?」
「へっ。こいつは相当な売女だぜ。感じてるに違いない。
ちょっと教えたら。自分でしごき出しやがる」
鞠子は確かに処女であるし其の日まで満足に漢竿等観たこともなかった。
誰かも知らない奴が鞠子の手を無理に引っ張り竿を握らせると上下に動かす。
理由もからず意さほど注意も向けず鞠子は機械的に動きを模しただけである。
なんの気持ちもはいってない動作であっても鞠子が竿を扱く視覚的な動作に漢は猛る。
鞠子はそんなことはどうでもよかった。絶え間なく乳房を弄ばれ乳首を拗られ潰される。
鈎爪宜しく曲げた指で雌壺を浅くもかき回される。
「だめぇ。だめぇ~」幾らこばんでも漢獣は止まらない。
可愛い顔にはカメラを構えたまま。彼氏の徹が自分の竿を鞠子の顔に押し付けてる。
まるで自分の竿の匂いと味を覚えさせようと顔面に押し付け先走る知るが鞠子の顔にうこびり付く。
嫌がっても拒めないとばかりに半開きになった唇に徹の鬼頭がめり込む
「舐めろっ、舐めろってば。鞠子」強引に腰を突き出し鞠子の口中に竿を差し込む。
それが号令なのだろう。予め決めていたのだろう。
股ぐらを弄っていた指がぬるんと抜けると密汁が床に滴る。
形よくも大き乳房とは裏腹にもほっそりとしたそれでいて締まりの良さろうな尻に手をつき
雌壺の入口にあてがい腰を一気に突き出し貫き通す。
「だ、駄目っ」声を上げるも快楽に耐えきれずと開けてしまった口に徹の鬼頭が入ってくる。
同時に熱くも濁る体液が潤ばし出る。一瞬だけ目の前がブルブルと震えた気さえする。
顔一面に匂いのきつ漢汁がほとばしったのも確かである。
だが其れだけだ。
「あれれ?どうしたの?」
素っ頓狂な顔で当然に止まった陵辱を疑問に思い姿勢を起こす。
その光景は異形である。
嫌ではあっても成すすべなくても、自分の望む相手でもなくも其れとは違った形であっても
漢と交わり性の密をこの日に知るのだと覚悟もした。
だが然し、荒い呼吸が収まりつつあれば周りを視ると一瞬前まで自分の四肢を貪って居た獣が
白目を向く所かもんどり打って倒れてる。かろうじて息はしてるのだろうか?
それでもカメラを持っていた徹は床に転がるが別人の様相である。
ぜえぜぇと呼吸粗くもかすかに逝きはてるも若くも鞠子と同じ年であったはずの顔には
皺が刻まれ毛髪が白混じりところか床に埃と一緒に散らばってる。
まるで木乃伊かと言うようにほんの数分で姿が変わるとも皮膚はたるみ老人班の肌である。
「何かしたの?天罰かしら?さっき食べたハンバガーに毒でもはいっていたの?」
怪訝にも何があってもわからずとよくとみれば摩訶不思議である。
ついにさっきまで鼻息粗くと鞠子の四肢を貪り付していた若人が今では老人の如く。
それでも気がつけば、未だに其の股間の竿は天に向かって屹立し膨張しては一気白濁を
天井にむかって弾けて飛ばす。
「あらまぁ~~。元気だこと。竿と玉だけ・・・・」
なんとも異形の光景に頭を捻るが周りをみれば又に皆同じ様で床に倒れてる。
「お、御前。何者だ。何者なんだ?
い、入れようとしたんだ。面に抜いて犯してやろうと・・・・
ビデオも取って逆らえないようにしてしつけてやろうと・・
で、でも。入れる前に。竿が勝手に射精するんだ。何度も何度も・・・・
うっ。又だ・・・もう駄目だ・・・・逝くっ・・・逝っちゃう」
壱と、弐とと数えてみれば全部で6人。がたいのいいやつから細いやつまで色々であるが
若き青春を謳歌すると言うよりはここで助かっても介護が必要だろう。
壁に寄りかかってなんとか耐えていた漢が性生活の最後とばかり白濁を吐き出すと
全身の力が溶けて消え人形の如くと事切れる。
「手を上げろ!動くな!神妙にしろ!」
「わ、私は何もしていま・・・・痛い。痛いです」
事切れた漢が人生最後の射精と一緒に携帯の緊急ダイヤルを押したのやもしれない。
若しくは鞠子を襲った暴漢の一人がお偉いさんのバカ息子だったのだろう。
兎に角、誰かがお上に知らせたのはたしかであるし其れも迅速に憲兵隊が駆け込んでくる。
「私は。何もしてません。被害者です。観れば判るでしょ?」
「状況からみればそうであっても俄には信じられないのです。御味噌麹鞠子さん」
「何せ貴方の証言は嘘が多い。
あんな老人10分前は十代の若者だと言われれも無理がありますよ」
「だってそうなんだもの。ビデオみれば判るでしょ?私がやられてるの写ってるでしょ?
それに当人に聞きなさいよ。噺聞けばいいじゃない
あともっとちゃんとした服ないの?ダサいのこの服。囚人じゃないんだから」
一応は強姦事件の被害者として無事に保護された鞠子であるが
その証言の信憑性には虚偽があるも判断される。
緊急の連絡は入って巡ら憲兵が現場に駆けつけるが其処にはうら若い少女が全裸で一人。
周りには異臭がすざまじくも漂うが被害者として転がるのは木乃伊の如くの老人ばかりである。
「みんな私を犯そうとして勝手に逝きはてたの!私は何もしてないってば」
当局が用意した衣服がきにくわないとばかりバンバンと取り調べ室の机を細身の少女が叩きまくる。
証言が真実であるとはこの時証拠に指し示す物はない。
少女が騒ぐビデオカメラは床に落ちた衝撃か映像が確認出来ていない。
鑑識課へ回されたが復元には時間が係るらしい。
不可解さは否めない。
一応の現場見識がはいってるが老人達が来ていた衣服等は歳にに使わずも若者が好む物でもある。
強姦の加害者と考えるが妥当であっても証拠が確定出来ていない以上。何とも言えないが
彼等の噺を今直ぐには聞けなかった。
関係者六人の内、意識が有るのは三人。一人は事情を話したがらず面会を拒む
内二人は昏睡状態である。
非常に残念なことに他の三人は息を引き取っている。寿命による老衰と
即効性の悪性癌。それから急性の肺炎である。
説明定かでるとしてそれが真実であろうとなかろうと複数の命が失われたとなれば
鞠子の証言をはい、そうですかと納得する輩は其処を探しても誰に聞いてもいなかった。


御味噌麹鞠子の処遇は随分と手間と時間が掛かる。
その供述に偽りがないと言うのは強姦魔達が撮影していたビデオの閲覧で直ぐには判明した。
結果的に鞠子が強姦の被害者で有ることは求められたが、状況を垣間見れば異常事態である、
肝心の所がビデオには写ってもいない。
彼氏だったと言う徹と言う若者はその日の最初から少々大げさな黒縁の眼鏡を賭けていたが
そのレンズはガラス板でもあった。黒縁のフレームに割と小型なカメラが仕込んであり
撮影した動画はリアルタイムに狭い範囲ではあって携帯へと送信される代物である。
だからといってやはり肝心な場所が写ってはいない。
今から犯すと決めた自分の彼女の四肢に興奮抑えられず邪魔だとばかりに投げすてたおかげで
いざに強姦のシーンは写っておらず、つまりは若者だった漢達が老人へと変容した瞬間は写っていない。
推測は出来た。
どうやら鞠子は漢の精を食らうらしい。大げさに言えばで有る。
その肌と四肢に触れる事は出来るし乳房を弄る事も雌襞を弄り倒すのも出来る。
問題はそのさきである。いざに漢竿を入れようとすると突然に噴水の如くに白濁を吐き散らし
幾度も幾度も止まらずに精を邪気出す。精こそは精力、生きるための力であればこそに
永遠と吐き出される精が尽きれば四肢は老化する。気がつけば精の力を喰らいつくされ
老人の姿と朽ち果てる。
警察も裁判所もその他の期間も納得も行かず説明も出来ずとの鞠子の身の上の証明がなされたのは
鞠子が私立五蝶擁学園に入学を許可されてからの事である。
最初こそ他の学生と同じ格付けを与えられもするが直ぐに変動する。
小柄で童顔の癖に巨乳。事煩くもついて回る精喰らいの壁。
入学前よりも話題になった漢六人の精を喰らい尽くしたとなれば
何だと、それなら自分も試してみようと鼻息を粗くも鞠子に挑めば当然に返り討ちにあって干からびる。
いつしかやっぱり門の処女。
アイマン・メイデンと呼ばれて久しい。


大体にして魔女は常常に厄災に塗れている。大抵にしてその中心に魔女はいるのだ。
「今日は絶対行くのっ、新商品の鰊饂飩苺あんかけ特盛よ!
これを食べすして何故にこの学園に通う意味など有るのかしら!否、無いわ!
これぞ青春の思い出の味なの!」ずかずかと黒皮の靴を大下座に打ち鳴らし
逝かせ殺しの魔女・地雷茸鉦鼓が旧校舎の廊下を踏む抜いて歩く。
「御待ちになって下さい。鉦鼓御嬢様。
あれはまだ試作品で御座います。
正確には壱本鰊の苺餡掛け饂飩特盛辛味噌仕立て・試作品に付き医師の処方箋認定胃薬同梱版で御座います。
試食の際に胃の弱い調理人が、確かに美味かったが参日間おトイレに籠もったとい位ほどに辛いのですの」
ど、どうぞ。お控えに」食堂課が新規開発した商品のの噂を聞きつけて鉦鼓が廊下を闊歩する。
巨乳と肩を揺らし廊下を鉦鼓が闊歩すれば、従者学徒のみさきが後を必死に追って引き止める。
その後ろには馬尾髪の紅茶係学徒が続き、その後ろを何かあれば即に対処する厳つい親衛隊が続く。
学徒順位七位ともなればこれでも少ない方であるが、鼻息粗くも闊歩する鉦鼓行く手を阻もうとする者などいない。
阻む者はいないが見物人は四肢を廊下の壁にベッタリと付けて恐れおののく。
ひしひしと胸心に鉦鼓の姿をひと目観たいと衝動が湧き上がっても
下手に視線が絡めば羞恥の果に行き果てる。好奇心があっても保身の為に廊下のつなぎ目を睨むのが得策だ。
割れた人並みから人影ひとつがやって来た。
目ざとく気がついた輩は恐怖に慄く。そんな事が有るのかと疑いもする。
ひとつ影の主は学園各付け五位・御味噌麹鞠子。その二つ名こそに鐵門の処女。アイアン・メイデン。
全くもっての偶然である。
互いに意識したわけでもなければ示し合わせたわけでもない。
只にこの日、何時もの行動嗜好を変えたのは鉦鼓であり、食堂の新製品の試食にありつこうとしただけである。
準じて毎日の日課の漢漁りをその日も不発に終わりホテル四肢を持て余してもバイト先のメイド喫茶に
急ごうと鞄を抱え携帯の画面を覗き込んで歩くのは鞠子である。
新作の饂飩にありつこうと闊歩する鉦鼓。
バイト先の転生の厭らしい視線を期待する鞠子。
その二人が旧校舎の渡り廊下ですれ違う。
ふわりと甘い蜜の香りが鞠子の鼻腔に鋭く刺さる。濡れた雌襞に直接、鼻をくっつけて嗅ぐ匂いだ。
今、此の刻にギリギリの所で肩も触れず通り過ぎたばかりの女学徒の体臭だろう。
ずんっと股間から脳髄まで稲妻が奔った。
どさりと肩から鞄が床に落ちる。細指が携帯の重さに耐えきれず滑り落ちがちゃんと音が響く。
淫猥にも厭らしくも甘く香る鉦鼓の体臭に脳髄を貫かれて鞠子の四肢は固まる。
恍惚とした笑みが顔に張りついて剥がれてないのがわかれば通り過ぎる女学生を呼び止めてしまう。
「ちょっ、ちょっと貴方。御名前は?」四肢の震えがわなわなと止まらず。じっとりと肌が汗に濡れる。
「へっ。えっと。地雷茸鉦鼓ですけど・・・あっ、先輩ですね。御免なさいな。
急ぎの私用がありますので・・・・失礼しますわ」
突然に呼び止められても淑女である。眼光鋭く睨み返したのは超の近眼である。
「あっ、その眼差し・・・・・」ぐらりと四肢が揺らぐが自身も妖気に塗れる者である。
砕け落ちる膝と四肢に芯力を注ぎ込んで耐えてみせると、よほどに急いでるのだろう。
さっさと歩き去ってしまう鉦鼓の背中と大きな尻に視線が喰い付いて離れてもくれない。
「地雷茸鉦鼓ちゃん。・・・・犯されたい・・・・入れてほしい」
ポツリと漏らした欲情が抑えられなかったのは妖気纏う者の弊害でも有るのだろう。
此の日の被害は又に神代であった反省分を長く欠かされたのは鞠子の方である。
壱本鰊の苺餡掛け饂飩特盛辛味噌仕立て・試作品に付き医師の処方箋認定胃薬同梱版にありつこうと
旧廊下を闊歩したのは未だ良いが、当然に最近は自重すると言う事を嫌でも学んだ鉦鼓は
なるべく睨ままいで視線を泳がせる技を習得もしている。
それでも見ず知らずの先輩学徒に呼び止められ思わず瞳を細めた途端に放たれた鋭き淫眼。
放つ光が先輩だけではなく当然に二人を観ていた周りの学徒を無慈悲に襲う。
これも又、最初から目をそらして居れば大事なし、なんとも学習能力のない輩と苛まれようとも
学園順位五位と七位。鐵悶の処女と逝かせ殺しの魔女が相まみれたのである。
その様と二人の美しさに目ところか心まで奪われるのと拒む輩など学園にいるはずもない。
それはそれと脇においても又然り鐵悶の処女・御味噌麹鞠子の妖気・淫気も又然り。
一瞬放たれた鉦鼓の淫光より四肢からむっと湧き上がる鞠子の淫気も又然り。
淫光と淫気に当てられた周りの学徒は堪らない。
自分の四肢を弄るところで済むはずもなく学園一に御堅いと言われた秀才学徒さえ
自らの竿を固くし周りの女学徒に襲いかかり、其れまで愛する人に捧げると守ってきた操も
嫌よ、嫌よ。もっとと喘いだ女学徒の尻穴でちらし精の味を知ったのを皮切りに
咳をきったか橋を渡ったかその日の内に商売女の味を覚え三日も立てば男妾の技を身に着ける。
彼一人の話で済むはずもなく。淫猥な匂い立ち込める煉獄の如くに辺を染め替える
張本人の鞠子は原稿用紙二十枚の反省文を執行部に提出する事になるが
当人はあまりに気にもしないでいるらしい。
何より想い人が出来たと嬉しそうにも苦く嗤って魅せてもいる。


鞠子が丁寧にも綺麗な字で反省文を書いてからその弐日後。
「この間の饂飩。美味しかったけどちょっと辛かったわね。
付け合せの華辣椒の方が味がしみてて良かったわ」
「さ、さすが。色気よりも食い気の青春小僧の鉦鼓御嬢様で御座いますわ。
あまりにも平然としたお顔でお食べになるので、まさか甘口だったかと勘違いした
試作係の料理人がやっぱりちゃんと作ったとばかりにおトイレに駆け込んでおりましたの。
辣韮に蜂蜜の味噌あえかけるの止めて下さい。そっちの方が美味しいって言うのは何故ですか?」
その日もそろそろ帰宅の鐘が成る頃だろうと喫茶室の角の宅で雑談にふける鉦鼓。
「地雷茸鉦鼓さん・・・・。
ちょっと個人的にお話ししても宜しいかしら?」
その最初から艶に濡れた声が鉦鼓の耳に届く。
「あら。鞠子先輩。妾に何か用ですが?」
突然にも鉦鼓が陣取る卓に近づく者が御味噌麹鞠子であれば
厚ぼったい唇からもれた個人的という言葉に鉦鼓と同伴して席を囲む女学徒と新鋭隊も
するりと席をたって空間を作る。
何か用ですかと問われれば返すのは必然である。だが少し間が空いた。間延びとも言っていただろう。
それでも・・・
「鉦鼓ちゃん・・・・。
私と・・・・・・
でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、
でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、でっ、デートして。
嬲って、虐めて。揉んで、乳房、揉んで、乳首潰して、引っ張って、噛んで、
雌壺に指入れて、掻き回して、ぐちゃぐちゃに掻き回してピストンして。
竿入れてっ。妾の雌襞に鉦鼓ちゃんの竿入れて突きまくって。
犯して。妾を犯して、戌にして。四つん這いになるから尻穴に竿をぶち込んで
尻肉掴んで叩いて。鳴くわ。ワンワン鳴くから私を犯して戌にしてっ。お願い。」
「お姉様ったら欲張りで御座いますわね。叶えて差し上げますから。
こっちへいらしゃいな。鞠子お姉様」
「有難う。私の愛する鉦鼓ちゃん」
午後もそろそろに深くもなる時の喫茶室
鉦鼓が鞠子の手を引き膝にのせると鞠子は自分で脚を開く。
直ぐ様に互いの唇を求めて下が絡む。
鉦鼓の指手が四肢を弄り股間に伸びれば鞠子の手が鉦鼓の乳房を弄ぶ。
「其処まで!其処まで!
お楽しみは参回のデートを済ませて互いの気持ちをはっきりさせたからだ
軽はずみに四肢をまかせては駄目である」親衛隊総長の野太い声が跳ねる。
「つ、衝立を・・・衝立を、持ってきて下さい。だれか。
よ、妖気がもれてますの。御嬢様。ただ漏れですのっ」
「鐵悶の処女殿だぞ?御相手はっ。こんな事があるか!眼幅である。
否、そっちの取り巻きは何してる?なに?全員強制解雇された?
もう、自分は鉦鼓様の戌になるから解雇?なにふざけた事言ってるんだ、此の人。
仕事しろ。仕事。取り巻き共っ」
「ちょっと、衝立。未だ?淫猥過ぎるのっ、あん。漏らしちゃう。
あっ。無理。漏れる。誰か購買から・・・換えのおパンツ・・」
「ひ、引き剥がせ。もうこなったら武力行使だ。
引き剥がして。隔離しろ。厄災少女共め。ブラを外そうとするな!
眼幅である。いや、毒だ。眼幅であっても毒である」
「も、もれちゃった。ああん。いろいろ・・漏らしちゃった・・・」
「執行部に連絡を。生徒会に・・・・
会長が失禁してるだと。あまりに刺激つよすぎて失禁ところか卒倒しただと?
な、軟弱者め。相撲部呼んでこい。あっ儂もだめ・・・・す、も、う、ぶ・・・・」


告知・逝かせ殺しの魔女・鐵悶の処女、若き二人の交際に付いて
逝かせ殺しの魔女・地獄茸鉦鼓殿、鐵悶の処女・御味噌麹鞠子殿の交際に付いて
私立五蝶擁学園生徒会・執行部は学園校則、猿ノ第三章園の弐に則り二人の交際を正式名な物と認める。
但し、他学徒が同伴、若しくは観てる前で不順位性行為については強く自重を求める。
違反が確認された場合は原稿用紙二十枚以上の反省文の提出を義務とする。
尚、二人の青春と進路を踏まえ下記に置いてデート行為を容認する。
以下逝かせ殺しの魔女・地獄茸鉦鼓殿、御味噌麹鞠子殿デート予定項目
一日目
午後十三時三十分、第二校門裏手集合。
同日壱十四時、駅前商店街・僕も私もやぱっぱり焼きそばカフェにて逢引開始
雑談及び見詰め合うのみ
同日壱十五時、駅前商店街。嬉しはずかし、でも僕まだ童貞・ 大人のお店[勝負下着技は水色褌]にて買い物
デートに向けての必需品の購入
避妊具・貞操帯・ローション・竿代用品等。
同日壱十八時解散
二日目
前日同様午後十三時三十分、当校第四保健分室集合。
同刻より保険体育教鞭者・佐々木育郎氏によ正しい性教育講座受講。
生島京子教鞭者による正しい女性同士の愛し方。愛されかた受講。
その後、実習
解散
三日目(参回目のデート)
午後十三時三十分集合
場所私立五蝶擁学園特設会場にて。
性交許可
(心ゆくまで愛し合ってね。但し緊縛プレイは四回目以降)


「此の学校の執行部って頭可笑しくない?
生徒個人の営みをなんで全生徒に告知するわけ?しかも学園新聞に掲載とかっ」
学園から正式に恋人同士、基はカップルで有ると認められた鉦鼓と鞠子。
「良いことじゃない。鉦鼓ちゃん。公認カップルなのよ。
其れにみんなが観てくれるのよ?燃えるわ」
学年違いの授業中こそ離れてるが其れ以外はべったりな鞠子が悪戯に嗤う。
「そ、それよ?デートの予定というか項目まできっちり決められるしさ。
初日から変よ?買い食いは良いけどあのお店って店員さん全員レズよ?レズビアン。
買い物のお店がいきなり大人の店って何よ?入り用な物が貞操帯ってどういう事なのよ」
「あっ、それは私の壁よ。性癖。付けてみたくって・・・・むふふのぷ!」
「なにそれ?御姉様ってちょっと変態なのね。付けてあげるけど。」
「やん。やんっ。うれしい。戀しい鉦鼓ちゃん」
「はい。其処まで。デートが終わるまで清い交際が前提ですの!」
ともすればソファの上で四肢を寄せ合いキスしようとする鉦鼓と鞠子を
ムッとした顔で従者学徒ひさえが慌てて制する。
「意地悪っ。愛する少女の恋路を邪魔する悪魔奴」
欲情する香りと雰囲気を邪魔するみさきが職務とばかりに制して邪魔とする
逝かせ殺しの魔女・鉦鼓と鐵悶の処女・鞠子。
学園公認となったカップルであるがその行動は執行部から細かくも口を出される。
理にかなってる部分も多く、口では文句を言っても従わずはいられないのも未だ事実でもある。
迂闊にも鉦鼓が睨べは漢が行き果てる。
鞠子がその気になって肌をさらせば漢も女も淫気に当てられ、又もや逝き果てる。
二人が本気で身体を求めあい欲に溺れれてしまえば二人が放つ淫気は計り知れないだろう。
密閉した空間でもなければ漏れた淫気が辺を襲う。
人知れずも乳繰り合う若い恋人同士・鉦鼓と鞠子の営みが辺を襲えば厄災を引き起こすに違いない。
十分な換気と設備が事前に必要となる。だからこその執行部の管理が必要とでもなるのだろう。
















私立五蝶擁学園。
極めて個性豊かでも有るが色々と問題を抱える生徒達が通う学園。
有るものは其の魔眼で人の色欲を煽り逝かせ倒すとなれば
彼女と親友以上の付き合いをする有る物は最近まで処女であったが
迂闊にその肌を触らせれもすれば性の極みに追い込み快楽の果に病院に送りにもする。
最近はこの件が話題であるがそれどころか全く持って関係も話題にもならない生徒も沢山いる。
所謂、下々の者とも言われる生徒達も多い。
藻部山鍾馗。
俗に扱いを示すことばに聞きにくい読みにくい名前、もぶやましょうき。
面倒くさいのは其の名前だけ出る。


