【稀なる恥辱求めて然りの従徒騎士団】


屈辱こそ正義。恥辱こそ我等の誇り、陵辱こそ祝福で有る。
世間浮世の常識も寒風吹きすさぶ辺境の果の又に奥【稀なる恥辱求めて然りの騎士団】が収める土地では通じない。
人の世の営み街まで降ること専用の武装馬車を駆っても弐週間。
幾らと金貨袋を山と積まれても其の半分の道のりで大抵は泥鰐族の餌になってしまうと皆が知れば
物資の補給に馬車を連ねる根性のある商人も多くはない。
隊隊にして【稀なる恥辱求めて然りの騎士団】の根城に済むあの騎士団が尤もに恐ろしいと皆が口にする。
美しい顔を四肢は棘があるのは当然、どころか漢であれば精を搾り取られて腹上死。
残った四肢は食い散らかされて骨までしゃぶられる。女であれば夜伽とばかりに三日五日も輪姦され
飼いならされれば家に自ら決めて家に帰らずとなる。したがって騎士団の根城に物資を運ぶ輩は
必然的にも年端の行かぬ少年・少女が雇われることになるが、今度は泥鰐族が大口開けて待っている。
これにしかり、騎士団の根城にたどり着くのは極めて至極に難しとなっている。
【稀なる恥辱求めて然りの騎士団】
積雪久しいこの地の奥谷において更に北の山と谷を越えて国境を責め立てる泥鰐族の脅威から
国の入口を断固と守る騎士団。その期限こそ良くと知られず、おおよそに二百五十参年前に設立されたと
言われているが、その設立者は随分と偏屈であった一人の錬金術師だと記録には残る。
其の頃は積雪もまだうず高く、寒くもあった頃であり隣国からの侵攻もなかったらしい。
僻地にのこされた掘っ立て小屋の家に偏屈な錬金術師が一人住み着いた。それだけであった。
だから彼は本当に随分と偏屈でもあり生活力がまったくなかった。
当人曰く・・・
(僕、都会っ子だった・・・・)と後悔の残滓を羊皮紙の角に愚痴として記録している。
一人寡婦の山ぐらしとなれば生活の営みから慰めも欲しくもなるのだろう。
山に困った本来の目的は錬金術を極めると同時に名声と金銭を得るためであったが
いつのまにか金を石から金を生み出すところか材料から人を生み出すことに変わってしまう。
彼は確かに偏屈であった錬金術に置いては天賦の才を握りしめてもいた。
石ころを変質させて金を生み出す其の術は石から人を生み出す。
言葉に語弊があるのは認めよう。然し、それは正しい。
正確にきちんと説明するならば生み出された物は確かに人種人類そそれと同じであり
健全な肉体と精神をも宿していた。偏屈な錬金術士はやはり寂しかったのだろう。
所謂に漢と言う性をもつ其れを作らずも雌形だけであり、それらを従徒と呼んだ。
自らの主人に仕える者達である彼女は皆に否応なく美麗な顔立ちであり豊かな四肢をもっていも居た。
自然厳しい極寒の世界で互いの四肢を温めあう錬金術士と従徒の女達。
徐々に愛情が歪むのには時間もかからかったろう。
彼が老齢を迎える頃には従徒達の数も増え多様な愛情表演も受け入れるようになっても居た。
其の頃からだろうか。
奥北の峰を越え泥鰐族が顔を出すようにもなる。
初めての遭遇は悲惨な物であったとも記録に残る。
錬金術によって生み出された従徒達は戦という物をしらなかった。
戦の勝敗がすぐに付けばあとは戦利品の分配である。
女と雌の四肢を持っているなら当然に泥鰐族に蹂躙され陵辱される。
力なき者の宿命である。泥鰐族にとっては黄金郷だろう。
豊かな四肢を持つ女をいつでも好きなだけ嬲れる。
腹がすけば眼の前の乳房を千切って喰らえば良い。白く丸い尻肉に牙を立て咀嚼すれば良い。
猛る股間が疼けば従徒の穴に入れて犯し、腹が減らばその肉を食らう。
外は寒くても建物のなかは天国の如くの黄金郷であったとも彼等の伝承にも残ってる。
だが其れも長くは続かない。
われら至福の黄金郷をも見つけたりと伝承にのこっていても彼らが其れを享受できたのは
多分短い期間であったろう。精々数ヶ月、若しくは精々壱年前後である。
数日と続いた戦の最初に彼の錬金術師は餌肉となって勝者の胃袋に収まったがそれで全部は終わらかなった。
彼の偏屈で都会っ子の錬金術師は其の研究を完全に完成していたのである。
泥鰐族が責めった居た場所は質素な掘っ立て小屋ではなく、多少は小さくも黒鐵と岩で立てられた城であった。
建築を生業とするものからみれば、類もないほどに独特な様式を元に作られた城でもあろう。
問題は其処の地下にある。
普段は魔物や動物を狩って其の肉を食とする泥鰐族。確かにその戦で彼らは人の肉の味を覚えたが
其れ故に黄金郷と捉えるのも当たり前である。
怯えるも刻まれる快楽と蹂躙され四肢を齧られる恐怖にやはり、慄く雌の従徒。
本能に忠実でありその性と食を満たす彼らであっても無骨であってもばかでっはない。
最初こそもしくは暫くの間、それに気がつくまでに時間を要しただけである。
汗と血汁が浸しおひる城の岩床。たった今食いちぎった雌の首が転がる。
だが、何処かで見覚えがある。本の少し前、おそらくは三日と置かずの其の日に
同じ顔の雌を犯し、其の腸を喰らい首を千切って床に転がした。
その雌とたった今転がした首は全く同じだった。
思い返せば喘ぎ声も尻を高く突き出す姿勢も犯して欲しいと強請る顔の表情も同じだった。全くに。
妙にもおもえば不思議である。ゆっくりと辺に顔ををめぐらせば驚愕に目が見開く。
信じられずとも態々指を指して数え確かめる。
ひとつ、ふたつ、みっつ、あれと、それと、あっちと彼奴。
同胞達が犯し食らう雌共の顔が全く持って同じなのだ。
動転し呆然とわからずにいたが、同胞共が犯し食らう雌達の間を歩いては覗きも込み確かめてみる。
餌場と寝床を兼ねる恐らくは謁見場の其の場所は結構に広い。
雌が五十人。同胞が参十匹くらいは居ただろう。
あちこちで喘ぎと悲鳴があがる謁見の間。それは絶え間なく夜月が深けるまで毎夜に続く。
我等、泥顎族は雑食である。
美食家で有るも狩りにも拘りもある。元より自分達の土地は貧しくも寒くも獲物も少ない。
二日三日とかけて獲物を手に入れれば肉も腸も皮も骨も丸ごと食らう。
我等が喰らえば餌の血の一滴も残らず啜る。此処でもそうである。
乱暴に雌の四肢を貪り肉をくらえば全部である。豊富な餌場であっても長い間の性はかき消えない。
物には数がある。資源には必ず限りがある。当然だ。
だが、此の鐵城の雌共はどうなのだろうか?
ひとり、ふたりと食らっても其の数は減らないのかもしれない。
だが然し、それが一夜に弐十人ならどうだ?三十人なら?
何しろ泥鰐族共が一夜弐夜ではすまずと雌どもの四肢と肉を食らうのだ。
当然に其の数は減っていくはずである。
仮にである。
泥鰐族が城に攻め入った時。五百程の雌が居たとする。
災難と争いで命を貶した者が百とすれば、残りは四百。
直様に陵辱と食事が始まったとして参十匹の同胞が雌の四肢を弄び食らう数が一夜に六十と数える。
月が沈み日が昇る間に一匹が二人嬲って喰らう。
最初に四百の雌が残っているならば、単純に言って六日と一日位で雌は居なくなるはずだ。
だが気がついた一匹が六本の指を折って日巡りを数えても二十日は立っている。
つまり雌の数は千と弐百は必要となる。そんな数の雌が此の城に居たと言うのであろうか?
そこまで大きな城でも無いはずだった。何処かに隠れているとでも言うのだろうか?
訝しむも不思議にもおもった泥鰐族はいつも自分もしてることを思い出す。
鐵城の謁見の間。
中央に座する玉座から見据え壁をみればそえは緩やかな半円を描いて他と隔てている。
玉座の正面には自分たちも其処かからせめこんできた大廊下へ続く大扉がある。
其の左右に小ぶりであるが扉もある。更にそれら隣にもまた扉。
謁見の間には都合五つの扉が据え付けられている。
同胞の一匹が、ついさっきに食らったばかりの雌の肉を牙に挟まかからと爪でほじくりながら
さて、今宵はもう一人くらい嬲って食らってやろうかと半円の壁扉にドズドズと歩み寄る。
最初は壱番右の扉の取手を引こうとするも気が変わったのだろうか、やっぱりこっちと
右から弐番目の扉取手をごつい手で握る。
そうだ。あの扉の奥にいるのは自分も好みな女がいる。尻がでかくて肉が旨い。
ひときわ大きな声で喘いで尻を突き出して鳴く雌がいる。
隣の扉は媚び得た声で泣くが一物を入れてやると喜んで自分から股ぐらをおしつけてるる雌だ。
城のでかい雌は二日前に犯して食らったし怖がる女は昨日だった。
そして今日も尻のでかい雌を犯して・・・・喰らった。
あれ?
同じ顔の雌が同じ扉の奥にいる。二日目に喰らった雌と同胞が扉の奥から引きずり出した雌は顔だ。
嫌がり悲鳴をあげ身を捩る姿も二日前と同じである。
果さてと頭を巡らせても皆目解らずに頭を捻るのが精一杯である。
単純な事である。
泥顎族が夜な夜なに喰らう雌は人種人類の女性ではなかった。
偏屈な錬金術師が釣り上げた従徒である。実際に胃袋に収める彼等に其の味を聞いてみるのも一興であっても
人種人類と従徒では根本的に違う。
従徒は母と父を持たない。
従徒は生まれない。生産される。
従徒は人の容姿を四肢をもっても、人ではない。
鐵城の地下工房で機人と呼ばれる者等によって生産される。
原料を錬金術の技によって加工され従徒ととなる。
刻の状況だけをみれば半円壁の大扉以外の扉部屋の奥に予めそれぞれの形の従徒が収めされている。
主人の呼び出しに答えて部屋を出て行くように設定されているが
何かしらの事故や不慮の災難により従徒が死亡あるいは消滅するとその個体と同じ者が
地下の地蔵工房で生産されるだけである。
だからこそ部屋の奥にはいつも同じ顔の雌がいるのである。


[大叔母]と呼ばれる一種の思考回路は随分と思案した。
事有る事にその日時を書庫に記録するのが最初の仕事で有るがその日その時に外界からやってきた輩を
理解するには時間がかかった。照らし合わせる記録が書庫にはなかったからである。
同時に失った物も大きかった。それは自分を含め従徒に取っても主人である錬金術師である。
尤も。
[大叔母]はやがて自分も死ぬだろうと皮肉交じりにぼやく錬金術師の死と言うのも理解していない。
動かなくなる。停止する。その後の処理に寄って消失するとだけ認識して居た。
それは確かに突然であったし驚いたが起きた事はしょうが無い。
主人が消失しても自分自身は稼働してるのだから予め決められた基準に則って行動するだけだ。
だが、それでも外から来た輩の行動は理解出来かなった。
確かに彼らの姿は書庫には類似する物はなかったし、彼等を主人と認識するには基準を満たしては居ない。
思いあグレてる間に従徒達にも被害が及ぶ。
主人においては少々歪んでは居たし書庫に記録されている概ねの常識から外れる事はあっても
従徒の四肢を貪りくらうとまでは行かなかった。
[大叔母]は思考回路であるから大きさはともかく箱の中にいるだけであり自分では動けない。
限られた空間では書庫に記録できる情報も極々にと限られる。
彼らは鐵城の広間に陣取り昼は昼でばかりしてるくせに月が登ると目をこすり起き出して
従徒が待機する扉を開けて彼女らを引きずり出して性交に及び食事する。
それの繰り返しである。とても奇妙である。寝て犯して食らって寝る。
なんの生産性もない時間を過ごす。
彼等を主人と認めなくても従徒の消失を放って行くには行かないから彼等が一定の時間に
貪り喰らう従徒の数を数え予め余計に従徒を生産し予備としている。
暫くはその状況を維持するのも良しとしていた。
ある時から[大叔母]は熟考した。
自分達の主人とは到底に呼べぬ外訪者は以外にも問題を起こしてもいた。
[大叔母]は人種人類の精神を模倣されていても感情を理解する事はない。
状況を分析して書庫に記録された文章と照らし合わせて打開策を導き出し実行する。
自分は箱の中で動けないから必要があれば無骨であっても手足を持つ機人に仕事を押し付ける。
随分と探し回って外界の果に転がっていた情報からやっとのことで外訪者の情報を得ることが出来た。
態々人種人類の姿に偽装した機人を数体程、外世界に出して得た情報でもある。
どうやらあの外訪者達は害虫類らしい。特に一定の居住地を持たずも各地を周り
自分の腹を満たす事が頭に浮かばない害虫類らしい。
多少の知能は持ち合わせてはいてもである。
問題は自分が管理する従徒達の消耗が激しい。予備も材料の備蓄も十分にある。
然し、此の状態がずっと続くともなれば噺は別である。
今の現状がずっと続くならばいずれは従徒の材料も枯渇するかも知れない。
喜ばしい事でなければ対処が必要になって当然である。
泥鰐族の一匹がのそりと立ち上がる。ついさっき雌一匹を陵辱し其の肉も喰らったばかりである。
今宵は少々、腹が重いと感じるのは喰い過ぎだろう。
それでももう一匹の雌くらいは嬲りたいと下腹部が疼く。食べ切れなければ腹が空いたらにすれば良い。
そいつはかつて狩り場で片目を失っていた。まぁちょっと運が悪かっただけである。
直ぐに食らいつくには大きい体躯の大穴熊と対峙した時に仲間内に良いところを魅せてやろうと
尻込みする仲間の前に脚を踏み出したのである。結果的には仕留めたもの熊爪の餌食に片目を失う。
くれてやったと声を出して嗤えば、それ以来仲間内では結構一黙置かれる地位を得ている。
その片目の泥鰐族が昨日と同じに雌が潜む扉取手を掴んで開く。
勢い一閃。
どすっ。と鈍い音が成ればぐちゃりと顔に先端を鋭く削った樫木棒が突き刺されば残る片目が潰れる。
「ぐあっ、」鈍痛激しくも其処は恥。飲み込んだ苦悶に大顎が開く。
一跳、一閃。
扉奥の部屋から跳ね飛び出る一匹の雌は体躯を崩す泥鰐族の前に裸の儘に着地と同時に四肢を丸め屈み込む。
四肢に込めて溜め込んだ力を床の上を蹴って吐き出せば突き上げた樫木棒が下顎に突き刺さる。
強靭屈指の顎で獲物を噛み砕く泥鰐族。噛み砕く力であれば類する物はいない。
だが其の下顎の裏は弱点である。大体にして上下の顎に樫木棒が突き刺さっていれば
「ぐぐぅ」と唸るのが精一杯だ。
扉から出てきな雌はそれが致命傷にはならぬとは重々に承知である。
一度噛みつかれたら死傷確実の必殺の噛みつきを封じただけでもある。
次の言ってこそに雌の必殺であった。
あろう事かに泥鰐族の上と下の顎を細腕で掴むと一気に押し広げる。
既に両目を失った泥鰐族には何が起きてるかの把握はし辛い。
自分の四肢に伝わる痛みだけである。
自慢の大顎を何かが抑えると抵抗むなしくも一気に押し広げられる。
「あ、顎が・・・顎が・・・・ぐへぇ~~~」
血気盛んに侮蔑言葉を吐き出す暇もない。物にも生物にも特徴がある。
[大叔母様]に言わせれば構造である。
獲物を噛み砕く強靭な泥鰐族の顎であっても生物の構造がある。
特に頻繁に動かす部位には丈夫であっても以外に単純でもある。
「うぎゃっ」既に潰れた目から涙が流れ無理やり開けられた顎には涎と体液が漏れ出る
ゴキッっと音がして必要以上に開いた顎が外れる。
もはや二度と閉じる事は出来ないから、此の場を生き延びても獲物は狩れないだろう。
飢え死ぬしかない。そして其れは無理でもある。
見えない目から涙を流し涎が泡を吹く外れた顎から全裸の雌が樫木棒を脳髄目がて突き刺す。
一閃。
渾身の力で突き刺した樫木棒は脳髄を貫く。
絶命に至る其の瞬間にピクピクと四肢を痙攣させる泥鰐族のその頭に。
又、一閃。
今日のその時まで自分と同じ姿の姉妹達の四肢を陵辱し貪り喰らった獣の脳髄を樫木棒で突き刺す。
既にぴくりとも動かなくなった魔物の頭に恨みと悦楽に溺れ
更に又、一閃。
「姉妹達の敵をっ。顎を引き裂いてしまえっ」
目の前の遺骸から鋭槍とかした樫木を抜き取り怒声を上げる。
其処に人種人類がたまたま居合わせたとしても、それは確かに一瞬の出来事と称するだろう。
昨日まで、否についさっきまで従順で愛玩と慈悲を求め瞳を濡らす雌が変容する。
半円に閲覧室を区切る扉から飛び出しきた雌共は数人である。
確かに武器と呼べる樫木の槍を手に握ってはいても数では遥かに叶わない。
床に手を付かせ尻を突き出させた雌の股間に竿を埋めては居ても。
嬲ったばかりの雌の乳房を千切ってやろうと腕を伸ばしていても。
同胞が襲われたとなれば動き遅くても其の数は参十引きを超える。
戦さ場であれば人種人類を百は屠る数である。
扉から出てくる樫木槍を握る雌共、そして今も此の時に泥鰐族の一物を雌壺に加える雌。
頭を抑え込まれ苦しみながらも其の竿を口一杯に頬張る雌。
力と体躯で勝る泥顎族。けして負けるはずもなく。有利とも思わ得れる。
だが然し、それは狩りであった。
息苦しさに竿を咥える雌の口に力が籠もる。其の力、万力の如し。
「ぐげっ」一気に閉じられる口は固くも猛る一物を食いちぎる。
あろうことか口に含んだ一物を雌は禄に咀嚼もせずに喉を膨らませ飲み込むにんまりと嗤う。
まるで旨い食い物を喰らった猿の様に。
血管が敗れ、ぷしゃ~~と吹き出す血飛沫を全身で受け止め淫猥に嗤う雌。
一物を食いちぎられ狼狽し喘ぐ泥鰐族が体躯を崩すと其の頭に疾風の如く樫木槍がぐさりと刺さる。
どすんっと倒れれる泥鰐族にさっきの雌が覆いかぶさるとそのまま顎に手を掛けると
満身込めて引き開く。既に遺骸になりつつ泥鰐族の顎を引き裂いて又嗤う。
突然に扉から出てきた雌が同胞を狩る。
慌てる若い泥鰐族は慌てる。群れの中ではまだ若くも臆病な所も有る奴だ。
それでも覚えたばかりの雌の味と快楽には溺れてもいる。
だが隣で一物を食いちぎられ顎を裂かれた同胞を目の当たりすると恐怖に身が凍てつく。
自分も同じ様にしているのだ。自分は小柄な雌を床に手を付かせ尻を突き出せてる。
当然に雌穴に自分の一物を根本までずっぷりと差し込んでいる。
急いで引き抜こうと思った。それと考えて四肢を後ろに下げようとする。
所が離れない。抜けない。自分が下がった分雌の四肢がこっちについてきたくらいだ。
つまりはこれも又、万力の如しの如く。雌が襞に力を込めて竿をがっちりと挟み込んで離さない。
小柄な雌の顔がゆっくりとこっちを睨む。
妖艶で有ればこそ、鬼女の如くに淫猥な嗤みを浮かべてる。
「おっ、御前・・・」こんな時に部族語ではなく雌共が使う言葉が漏れたのは不思議である。
小柄雌はにんまりと嗤うとぐるりと体制を入れ替えた。
一瞬の奔技である。小柄であるも豊満で大きな乳房を床に圧しつけて四つん這いになっていたはずだ。
それが目に追えぬほどの速さで乳房を泥鰐族に見せつけ淫猥に笑う。
「な、何を・・・ぎゃん」痛みはあとからやって来る。
訳わからずとも小柄な雌が楽しげに動かす目線の先を追って痛みの理由を其れと知る。
「ねっ、捻れてる・・・・俺の竿が捻れてる」表現の難しい言葉である。
何とまぁ。小柄な雌は泥鰐族の竿を雌襞でがっちりと挟み込んだまま。
最初こそは床に四つん這いになり。次には四肢をぐるりと回転させて上向きになっている。
若い泥鰐族の竿を咥えこんだまま百と八十度四肢を回し入れ替えた。
もともと体躯の思い泥鰐族である。両の脚で体躯をささえているから動かない。
だがしかし、小柄な雌が体躯を回せば竿が捻れる。
「まっ、待ってお願い・・・・待って・・」
何がおきてるかと察して思わず声が漏れるも恵まれる慈悲はない。
又ににんまりと小柄な雌が嗤うと四肢を回転させて床に乳房を押し付ける。
「びぇ~~」竿を襞に挟まれたままに回転されれば根本が捻れる。
ある程度に力弱くに絡みつく襞なら此の上なくも快楽だろう。
竿を雌襞が咥え撫でるのだ。だが違う。渾身と万力の如くに閉じた襞の儘に四肢を回転せれば
根本から捻れる。快楽などはない。竿がねじれるのだ。
「止めろ・・・止めて・・・止めて下さい」
何時もは雌共が口にする言葉を真似るが意味はない。自分も其れを無視にして来たからだ。
ぐるんっ、ぐるんと上へ下へと小柄な雌の四肢が入れ替わり回転する度に
若い泥鰐族の竿は捻れる。参回回ってもなんとか耐えたが勢いの激しい四回目で竿が千切れる。
絶叫を上げて倒れ掛かる若い泥鰐族の頭にぶすりと樫木槍が刺さり脳髄に穴が開く。
じゅるりと槍が抜かれれば小柄な雌が直様に顎に手を賭けて渾身の力で引き裂いてしまう。
黄金郷。
そう呼ばずとも格好の餌場であったはずである。
恐らくは数分で勝敗がついたと思わえれてもそれは戦にもならなかかった。
従徒達の一方的な蹂躙である。
従徒達は其の大半の泥鰐族の顎を引き裂くと多くの遺骸を凍てつく外隈にゴミの如くと捨て去る。
いつまでも御前達の下に這いつくばり尻など振ってやるものかと宣言と魅せしめである。
だが数匹は手元に残す。
[大叔母様]の意見である。今度の対策の為と言われもした。
そのうち数体は実験の為に解剖されたり検体として処理される。
後の記録には残した数匹を使って従徒との交配み試みられたともあるが
まぁ拷問であろう。
いぜれにしても泥鰐族の黄金郷の噺は潰えた馬鹿噺話としてなって久しい。


一時はこれこそが黄金郷か質のやたらと良い餌場と泥鰐族が思い込んだ礼の件から凡そ百年近く
[大叔母様]は過去の記録を見直すも暫くの間は停滞の刻を過ごす。
表向きはである。
年に数えて百年、豪雪降りしきる冬を数えて百回。霊峰極める山岳を遥か地上の街から見上げれば
なにやら鐵で出来たとも見て取れる塔が観て取れる。
誰が巣食うかもしれずともいつしか人は黑鐵塔城と呼んで久しい。
同じ頃合い、峰向こうの土地から鰐姿の魔物族が山を越えてくる事も多くなった。
まっすぐには峰を越えずも長くも曲がる山道を迂回しつつ群れをなしてはこっち側の土地に降りて来ては
村や街の家畜と人を襲い蹂躙する。其の被害も確かに甚大になりつつ有り土地を治める領主も
大戦の準備を余儀なくされてもいる。
近隣の人々が大鰐族と呼び始めたその種族は確かに以前に[大叔母様]の従徒を餌場にした泥鰐族に
連なる種族ではあるが、其の頃の彼らと比べると其の姿に変化もあった。
あれから数十年。峰向こうの土地で何があったかは記録にもないが恐らくは餌も枯渇の憂き目にあったのだろう。
有るいは単独で群れをなしていた泥鰐族自身が種族戦争の果に間引きされたか混じったか
歴史流れる時間には随分と短い間に世代が変わり混じり合ったとでも言うのだろう。
以前から獰猛で貪欲であった種族でがあるが、其の四肢も顎も大きく牙は鋭くも力をもましていた。
知恵もついたと言うのか危険察知の習慣でも有るのだろうか。
かつては良質な餌場であったはずのあの場所には一歩たりとも近寄りはしない。
尤も彼の噂の真意を確かめようとした輩がいなかったわけでもないのだがかつては小さな城があった場所には
白骨化した先祖同胞の骸が転がっているだけであり周りに樫木の槍が突きっさって頂けである。
興味本位で其の先へ進むの若い奴を戦者の重鎮が止める。
「あれは、墓じゃないぞ?勲章だ。そして警告だぞ?
ここから前に進めばこうなるぞと先祖が教えてくれてるだぞ。御前それでも進むのか?」
突き放す様に吐き捨てられる言葉に若い奴は渋々引き下がるが結果的には彼奴は巣には戻らなかった。
今では朽ちて雪に埋もれるそれほど大きくない城にたどりついたらしいが遠目に覗いた斥候は
帰ってくると重鎮に声をかけられも首を振って答える。
「墓塚がひとつ増えただけだ。あそこに行くのは馬鹿だ」と吐き捨てる。
当然の如く。久しぶりの雄の四肢を散々に貪り尽くした後、顎を引き裂いて鐵槍を脳髄に突き刺して
此処に来るなと警告したのは勿論に彼の従徒姉妹にほかならない。
たゆる時間は留まらずも大鰐族の風体が変われば従徒姉妹達も変化を受けれいて久しい。
守るべき土地はあっても仕える主人・主徒は確かに居らずとも時は巡って止まらない。
「あれ?こんな所に行き倒れか・・・・?」
「馬鹿な霊峰高き我等の御山に脚を踏み入れる輩などおるまい」
最初に声を上げた従徒は黒髪長くも乳房が大きい従徒騎士。
二度目に言葉を発したのが白銀髪を短く刈るがやはり乳房の大きい従徒騎士。
甲乙つけがたい美しさを誇るが共に目つきがやたら鋭い。
「泥鰐・・・大鰐族の輩ではないのか?弐々焔殿。
「奴等が今更この近辺をうろつくとは思えぬ。峰下の村を襲うのに忙しいはずだ。弐々羅殿」
互いに独特の相性を呼ぶ声には互いを案ずる気持ちも籠もる。
「凍ってるな・・・・。半分」
「半分と言うより凍ってるだろう?このまま放っておいても・・・」
「あっ、此奴。雄だっ。雄。」弐々焔と名を関する従徒騎士が槍柄で下腹を刺して確かめる。
「何っ?雄だとっ。人の雄か?漢かっ?漢なのか?さっ、
竿は無事か?凍ってるじゃないのか?・・・・漢ならお救いせねばっ」
「竿はまだ無事らしい。大半は凍ってるみたいだが。
雄で漢ならお救いせなばならない・・・・・あっ・・・」
弐々羅が小さく漏らした言葉を受取り弐々焔が苦言の表情を浮かべるが時既に遅しでもある。
まぁきっと[大叔母様]が良策を思いついてくれるだろう。
【峠冬城守る騎士団に次ぐ】
我等斥候、北十字の上り道において人種人類の漢性発見せり。
簡易検査の結果であれど人種人類の漢性である。紛う事なく漢性である。
泥顎族とも大蟹族とも相違する。人種人類の漢性である。
御山の環境に耐えられずも当たり前に負傷状態著しく医療組成班の出動を申請する。
負傷内容。全身ほぼに凍結・凍傷状態・若干の腸損傷と右の先椀の喪失と左膝下以降の破損
詳細な検査を至急求む。尚、漢の竿は無事である。繰り返す。漢竿は無事である。
従徒の間で無言に交わされる特殊な思念信号は光の如しと早くに[大叔母様]の回路に届く。
瞬時にも全従徒騎士達に信号が回送されると同時に命令が実行される。
其の呼び名は外界とは違うも言ってしまえば黑鐵塔城。
其処に巣食うは現在は凡その弐千名の従徒騎士。それぞれ仕事に従事するが此処数十年程
寧ろに地下工房から生まれて専門職の其の技を発揮することなどなかった医療班。
しかも人種人類の医療知識と技術を有する執刀騎士と看護騎士。
彼女等は一瞬の戸惑いを胸に浮かべると床を蹴って疾走する。
「緊急看護鐵馬車に焔を入れろ!予備の電池を忘れるなっ」
「も、毛布をもって来て、毛布。お布団じゃないの!」
「否凍血液の在庫を確認しろっ。それは湯たんぽだ。」
「何?お湯を沸かすのかって?お産じゃないんだぞっ。でも風呂はわかせ!」
「産婆係を呼びに行くな?離乳食のメニューはって?
病院食だ。病院食!未だ先で良い。湯たんぽはいらん。湯たんぽは!」
弐々羅と弐々焔。
二人が地面に転がった人種人類の前にじっとたって待つ。
鐵槍を握る弐々羅の目が泳いでるのは理由があるが弐々焔も触れはしない。
[大叔母様]と黑鐵塔城の従徒騎士姉妹に連絡は入れたものの救助隊が到着するには時間も未だ掛かる。
「どうしたものか・・・?弐々焔殿」
「どうしたものでしょうね。弐々羅殿。
人種人類は私達と違って不凍血液では有りませんし、既に半分は凍ってますし・・・」
「ふむ・・・不味いな・・・・。ちょっと壊しちゃったし・・・・。
姉妹同胞に怒られるのは嫌だなぁ~~~」
豊満な乳房を揺らすも困っているのは事実だろう。
ふと、何と思ったのか其の四肢を堅牢に護る皮と鐵の鎧を剥ぎ取り始める。
「弐々羅殿?何を?」
「此のような状況の場合。人肌で温めるのが必須とかすかに聞いたことが有るのだ」
ガチャガチャと鐵皮の鎧を脱ぎ捨てると地面に横たわり転がる漢の四肢を抱きしめる。
「緊急の医療処置であれば仕方ない。此処は私奴も人肌脱がせていただこう」
正に人肌脱ぐとは地で行くと言うのだろう。白銀の髪と乳房を揺らし弐々羅を真似て漢の四肢を抱きしめる。
「さ、竿・・・。負傷者は無事であるか?状況は?」
雪飛沫をあげてまだ十分に速度の堕ちない緊急看護鐵馬車から医療騎士が飛び降りて吠える。
「状況は報告のとおりだっ。改善してるかどうかは我等には判別しかねる。後を頼むぞっ」
鼻息荒くも嘶きをあげる鐵馬から飛び降り緊急医師従徒と背中に大鞄を背負い転げ落ちる看護従徒に声を掛ける。
「思うように体温が上がらないのだ。なんとか頼む。」苦い思いで弐々焔が叫ぶ。
「任された・・・・。
然し、ひどいな。確かに。地面に転がされた漢の四肢は確かに凍りつき恐らくは脳さえも凍っているやもしれん」
其れに至らずとも血液が巡らなければ麻痺も残る。
少々手荒であっても強引に数名の従徒騎士の手を狩りて医療馬車に運び込む。
直ぐに処置が始まるが、直ぐには馬車を動かすことは出来なかった。
「詳細な検査は無理だとしても血液の大半は凍っています。勿論筋肉も。
完全な回復は見込めません。人種人類と同様の処置では改善しません」
医療馬車の振動は大きい。其の中で処置をするのは先ず危険が伴う。
患者の四肢はす凍傷を越えてかなりの部分が凍結状態である。
「ヒーターを入れろ?何っ。既にはいってると?
全開にしろ。オーバーヒートしても構わん。寧ろそうしろっ」
長い髪を揺らし必死に患者の処置に当るが安定まではこぎつけない。
うっすらと肌の表面が溶けてる様に見えるのは脱ぎ捨てた鐵皮鎧を着治す二人の従徒騎士の功績と言えるだろう。
直ぐに思い立たつと自分も衣服を脱ぎ捨て患者を抱きしめる。
その意図を察すると看護従徒も豊満な四肢を晒して漢を抱きしめる。
「従者っ。出せ。このまま出してくれ。
ここで十分あな処置できない。まにあわなわない。
[大叔母様]にすがるほかない。早く出せ。」
自らの四肢で患者の四肢が台から滑り落ちないように抱きつき抑え込むと喉をからして吠え叫ぶ。


「紐・・・紅い紐・・・紅い細紐・・・・」
一応に一連の処置が施された漢が無意識に言葉を紡ぐ。
「紐・・・?赤い紐?」
「正確には紅い細紐であろう?弐々羅殿」
「そうであるな。紅い細紐がどうしたと言うのだろう?弐々焔殿」
意識なくもうわ言で漢の口から漏れ見知らぬ紅い紐。
何か大事な意味が有るのだろうか?
解らなければ[大叔母様]に聞いてみれば良い。
だが然し、[大叔母様]の書庫にも紐の事は通り一辺倒の情報しか記録されていないなかった。
「紐と言えば細い糸を束ねた物である。
束ねるとか縛るとか言う使い方をするはずだ」
「紐を使って縛るのはものであるとか有る特殊な状況下に置いては括ったり縛るとか・・・?」
「何を括るのか?縛るのか?吊るすとはどういうことであるのか?」
弐々羅と弐々焔は漢がうわ言に繰り返すことばに本当されしばし顔を見合わせる。
「はっ。もしかして・・・身につける物ではないか?
紋章とかおしゃれとか・・・と」
「はっ。もしかして我等と同じ外界の騎士達が身につける正式な装具でないのか?
兎に角だ。騎士の証に違いない。キットそうに違いない。」
「だっ、だとしたら我等、騎士は正式な騎士には程遠いことになる。
我等は紅い紐で四肢を括っておらん・・・・。これは不味いな・・・」
「この漢が目覚めた時、正式な騎士団に保護されたと認めないかも知れぬぞ」
「それは困る。我等は非正規な騎士団はないのだぞ。認めてもらわなけれならぬ」
互いに顔を見合わせても言葉は発せずに心内だけで思考言葉が奔る。
同時に[大叔母様]にも報告が上がる。
「紅い紐・・・?弐千二百と予備に三百本?
峰上の騎士団は全く何をかんがえているのかわからんな。
それと古今東西の紐結びの教本とか何に使うんだ?全くわからんぞ」
峰上の鐵塔の騎士団が入り用とするの物を用意する契約を結ぶ峰中腹の天幕商人。
大抵の物は用意できるが紐だからといって何でも良くはないらしい。
長さも色も事細かく指定してる割に結び方を記載した教本も寄越せと言ってきてる。
なにやら随分と怪しげであるがいつも新品の金貨で支払ってくれるのだから
文句など飲み込むのが商売の礼儀である。
仄かに温かい感触が頬に伝わる。
恐らくは誰かの手指であろう。人肌が温かくも心地よい。
「痛っ。背中いたっ」人肌心地良くあったはずだが背中に激痛が走り漢は跳ね起きる。
飛び起きた瞬間に頬の側をさらり細髪が確かに触れたとおもったから自分の顔を誰かが覗き込んでもいたのだろう。
片目はあかない。右手も動かない。左足も失っているはずだから自分の脚で立つ事は一生涯出来ないだろう。
「痛い。背中が痛いっ」意識を失う前に痛めた四肢の箇所には背中を痛めた記憶はない。
それでも背中がひどく痛い。痛みに耐えかね跳ね起きて叫ぶと少し楽になる。
背中は楽になるが今度は尻が痛くなり始める。痛めた記憶の無い背中が痛いとなれば不思議でもある。
あまりの痛さに耐えかねて両手で顔を覆って泣き出したいくらいである。
それでも、自分は生きてると判ると自然に涙が瞳から溢れてくる。
「大丈夫であるか?御仁殿。
我等に出来る治療はすべて施してある。まだ馴染んでもいないだろうから違和感は残るだろう」
「その言い方では御仁殿も当惑するのではないか?
ここは専門家に任せるべきであろう。弐々羅殿」覆う手の向こうで少々固くもかしこまった女性の声が届く。
「御仁殿も意識を取り戻されたようですので状況をお知らせしますね」
今度は随分と柔らかな声がっ心地よく響いてくる。おそらくは看護を担当する女性の声だろう。
「此処は俗に峠冬城守る騎士団と名乗る場所の居城で御座います。
御仁は此処に至る道中で倒れて下りました。
此方は峠冬城守る騎士団の従徒騎士。弐々羅様と弐々焔様で御座います。
御二人が貴殿を見つけて此処まで運んでくれたのですよ」
「峠冬城守る騎士団・第二連帯班長。特殊従徒騎士・弐々羅である。宜しく」
「同じく峠冬城守る騎士団・第二連帯副班長。特殊従徒騎士補佐・弐々焔でですの
さっ、・・・・お体の具合は大丈夫ですか?」
其の名を呼ばれ自己紹介とばかりに姿勢を正し騎士団礼を二人の従徒騎士が返してくる。
「わ、私の名前はアイゼンホルプ・エドワルヌ・ソレーヌ。
助けてくてた事痛み入る。有難う。各々方」
随分と硬い寝台の上に半身を起こしアイゼンホルプと言う漢は深々と頭を下げる。
「それではアイゼンホルプ・エドワルヌ・ソレーヌ殿のお体の様態を説明します。
弐々羅殿、弐々焔殿が発見した当時アイゼンホルプ様のお体はほとんど凍って下りました・・・」
内容はともかく柔らかでしとやかな看護人の声は耳障りも良く心地よい。
厄災と死の淵から生還したばかりのアイゼンホルプに気を使ってくれているのだろう。
直ぐに医師がやってくるとも伝えられる。
発見時の自分の状態は何となく記憶にあっても詳細はわからなかった。
随分とひどく四肢を痛めたとは理解出来るがアイゼンホルプの頭には良く入って来なかった。
言葉に聞いた峠冬城守る騎士団とやらは随分と変わっている気さえする。
騎士団であれば騎士がいる。この騎士団では彼等を従徒騎士と呼ぶらしい。
誰かに仕えているのか?こんな峰高い御山で何を護っているとでも言うのだろうか?
弐々羅、焔と名乗った其の女性棋士の姿にアイゼンホルプの目は吸い込まれ張り付き離れない。


第弐連帯班長。特殊従徒騎士・弐々羅
騎士故に凛とした顔つきである。娼婦で例えるなら嬲られ事に悦を感じる貴族が好む顔つきだ。
三角につり上がった瞳に筋の通った小鼻。少し厚ぼったい唇。少しはにかむと八重歯も覗く。
女性にしても背も高くもある。問題は騎士に有るまじくも其れに巨峰の如くに大きな乳房である。
其れこそ嬲られ趣味の貴族が其の乳房に挟まれて死にたいと声に出して懇願するに違いない。
腰の締りは細過ぎずもぽっちゃりでもないのは騎士としての鍛錬だろう。
だが持って生まれた尻の大きさまでは鍛錬でが小さくはならずとでも言うのだろう。
兎に角も大きな乳房と締まる腰に又、大きな尻肉となれば暇を持て余す貴族で無くても
しゃぶりつきたくなるのは当たり前だろう。
こんな山奥に隠して置くのはもったいない。これほどの美人なら娼館に通う貴族共が
鼻息荒くと軍を編成して攻めて来るに違いない。何故に皆放って置くの不思議でしょうが無い。
弐々羅と言う騎士の四肢からやっと目を引き剥がして隣に控える弐々焔という騎士に目を向ける。
アイゼンホルプは其処で初めて従徒騎士と言う物に違和感と疑問を強く覚える。
第二連帯副班長。特殊従徒騎士補佐・弐々焔。
それは一瞬前まで顔と四肢を穴の開くほどに視姦していた弐々羅と良く似ている。
顔つきも四肢もである。ともすれば唇の横にぽつんとある艶ほくろ位しか区別の方法が無い位だ。
しかも微笑む仕草までも全く同じである。
何か変だ。違和感にとらわれると漢の欲よりも常識と危機感に囚われる。
峠冬城守る騎士団・・・・。
それが得体に知れない疑念に変わる。
何氏とどうしても焼き付いて離れないのは二人が着込む鎧である。
素材とみれば何かの動物の皮を出来るだけ薄く鞣したものだろう。あまり見かけない物でもある。
四肢にピッタリと張り付いた黑く染められた薄皮の生地鎧。体の線がよく分かる。
弐々羅も弐々焔も四肢の線がよく分かる。まるで誘ってるかのようでもある。
此処が病室であるならば武器の所持はしていない物のあの四肢と黒皮鎧で剣を抜くのは難儀する日が居ない。
確かに要所要所には肩当てや胸当て、手甲脚甲などが装着してあれば確かに騎士の出で立ちであるが
どうしてもアイゼンホルプが納得出来ないと思えしまうのは紐である。
二人の騎士が鎧の上に紅い紐をくくりつけている。
其の紐は確かに何か重要な意味を示しているように思える。
我等こそは騎士団である。とでも宣言するほどのっ力強さがある。
だがそれは俗に言う亀甲縛りと言う縄技である。
縄と言えば亀甲。縄で括って責めるなら亀甲縛り。と言われるがそれは漢と雌の夜伽の話である。
もしくは罪を犯した罪人を捕縛する当方元来の捌きが源流であったとも記憶にしてる。
四肢を護る黒薄皮鎧に皮武具。騎士としては誉も高いだろう。
だが然し、赤い紐を亀甲に括る。
其れがなにを意味するのかと改めて問いてみるには尻が痛くてたまらなかった。


「御身助けて頂いて感謝しきれないのではあるが、申し訳ない。
尻に敷く物をもってきれくれないだろうか?此の寝台随分と固くて知りが痛む。
それから何か食べ物を頂け無いだろうか?助けて貰っ上に我儘ではあるのだが・・・」
今の自分の状況を考えると恐縮しかりではある。それでも傷んだ四肢で堅い寝台で寝るのも座るのも
あまりにきつ過ぎる。此処が騎士団の居城となれば快適さを求める習慣もないだろう。
食べ物と言う言葉を聞いて長い髪を揺らし看護婦が部屋を出ていく。
きっと温かい食べ物を持ってきてくれるだろう。
さて、もう一つの方は・・・。
顔を上げれば従者騎士弐々羅と目が合う。双子姉妹に思える弐々焔もじっとこっちを見詰めてる。
「敷く物・・・・?」
「敷く物ですか・・・?」
姉妹騎士の良く似た声が返ってくる。
「うぬ・・・?
そのどうやらこの寝台は樫木創りらしくも、其処に寝るとか座るとかなると
騎士殿は慣れていても私には少々きつくも。寝台の上に敷く物とか・・・・?
椅子の上に敷く物と言えば座布団とかクッションとか・・・。何か柔らかい物が・・・・」
「寝台が硬い。樫木でなく鉄板であるが・・・。
アイゼンホルプ殿は寝台や椅子の上に柔らかい物を敷くと言うのか?」
「柔らかい何かの上に寝たり尻をおいたりすると言う事でしょうか?」
「はっ?」真顔でじっと見詰め返してくる姉妹騎士にアイゼンホルプは困惑する。
弐々羅が言葉にした人種人類と言う言葉も随分と大げさである。
まるで自分達はそれとは似て異なるとでもいうのだろうか?
それでも話しは噛み合わない。
「っと、其の変にある布でもなんでもかまわない。
本来は寝台にも椅子にも藁とか綿とかを詰めた袋をし敷いて尻を置くのだが・・・」
「柔らかい物の上に尻を置く・・・・」
何かを反芻するように弐々羅が視線を下げて考え込む。
「ならば。私奴の尻に座るのはどうだ?
柔らかい尻の肉の上に座るというのはどうだろ?」下げた顔を上げると真剣な眼差しでアイゼンホルプに告げる。
「なるほど。それは妙案です。
椅子の上に柔らかい物を置いて座る。私奴達の尻の上に座れば良いのです」
其処には考えが及ばなかったと頷き弐々焔が頷く。
「はっ?何を言っているのだ?貴殿らは?
助けてくれた恩人の尻の上に座るとか出来るはずもないだろう?
人の尻の上に座るなんて。人の尻椅子にすわるなんて・・・。
確か雌尻椅子とも・・・嫌々、無粋過ぎる。これは失礼」
「尻椅子・・・・」
「雌尻椅子・・・」
要らぬ事を口走ったかと後悔するも既に遅い。
「失礼する。アイゼンホルプ殿」
良く似すぎる顔の姉妹騎士達は閃光の如くに動くと下半身だけではあっても黑薄皮の鎧を脱ぎ捨てると
大きくもやらかい桃色の尻をアイゼンホルプの前に晒す。
最初こそは眼の前で下半身の鎧を剥げば下着も視えるはずであるが其れさえも羞恥無く剥ぎ取ると
綺麗に手入れされた雌襞をも魅せつけ二人同時に同じ挙動で壁に向かい膝を下り
石床に手と突き膝を追って四つん這いに成ってアイゼンホルプの目に尻を並べて突き出す。
「さぁ~。雌尻椅子である。遠慮なく座ってくれ。アイゼンホルプ殿」
「私奴達の雌尻椅子ですの。これで痛くならないですね。
存分にお座りに成って下さい。アイゼンホルプ殿」
ぷりんと目の前にならんだ色艶輝く女の尻ふたつ。此の時此の場所でなければ正に眼幅とも言えるだろう。
「す、す、座れと言われても・・・困るのだが・・・」
「我等は峠冬城守る騎士団・従徒騎士である。
護り仕えるのが我等の誉。堅い寝台と椅子に貴殿を座らせる分けに行かぬ。
座ってくれ。我等の尻椅子に座ってくれ。アイゼンホルプ殿」
「使って頂けるこそが我等の存在意義なのです。ご遠慮なく尻を置いて下さい。アイゼンホルプ殿」
絶世の美女二人が床に四つん這いになり肌を晒して突き出して椅子になる。
それに座れと言われても、おいそれとは出来ぬのが常識であろう。
それでも信念さえ圧してくる騎士二人の勢いに気圧されアイゼンホルプはゆっくりと二つの尻上に座って魅せる。
「ああ・・・・なんて甘美な・・・快楽と達成感」
「あああ・・・奉仕の喜びに四肢の震えが止まらない」
「おおおっ、なんという事だ・・・・視えてる・・・・」
アイゼンホルプが所望した食べ物を調達して看護婦が部屋に入ってきた時
顔も性格も良く知る二人の従徒騎士と怪我を負ったばかりの客人はそれぞれの思いに囚われ声を上げていた。
アイゼンホルプには彼なりの事情があった。
其れ故に人近寄らぬ高々の峰を昇ったのだ。代償は覚悟の上である。
として当然、雪積もる峰にその代償を支払うことになる。
峰に登る前に右手を潰された。峰山に昇って二日目に崖から堕ちた拍子に岩に頭をぶつけて片目を潰した。
四日目に体躯も大きい鰐に似た怪物に襲われ片足を喰われた。
最後には息絶え絶えに地面に倒れ込み、後は氷塊の遺骸になるはずだった。
それがどうだ。意識ところか脳髄まで凍る塊であるはずだったのに今はこういして
自分の尻にの下には美麗な顔出しと豊満な四肢を持つ従徒騎士とやらが四つん這いで喘いでる。
不徳といえばそうであり歪み切った所業で有るはずの光景で有るはずなのに頼んだ食事を持って
きてくれた看護婦さえも嫌悪を示さずも寧ろに羨ましそうな視線を床の上で四つん這いになる従徒騎士に送る。
「良く聞いてなかったのが悪いのだが・・・
私を救出してく入れた上に治療までしてくれたとでも言うのだろうか?
随分と手間をかけて申し訳ない。・・・・そ、それからあの・・・。
何か温かいものを頼んだはずなのであるが・・・・」
視えなくなった右目が視えている。看護婦が手渡してくれた四角い食べ物もなくした手で受け取ることも
口に運ぶことも出来れば味も判る。結構甘ったるいし歯ごたえもあるがそれを食べ物と呼べるかは疑問であった。


「すまないが何か食べ物を恵んではくれないだろうか?」
ついには随分とへりくだった言い方になったが、それくらいはしてもいいだろう。
「食べ物ともうされたましたので・・・・私達が食べている物をお持ちしました」
何処が間違っているというのかといぶかしげに小首を傾げ看護の女性が答えを返す。
「こ、これが食べ物・・・・。肉とか野菜とかじゃなくて・・・?」
「アイゼンホルプ殿は肉とか野菜・・・を食べるのですか?」
「人であれば肉も野菜も食べると思うが・・・峰山であれば兎とか猪とか熊も食べられるのでは?」
「兎・・・猪と熊。動物ですよね?」名前奔ってるのだろうがそれを食べるとはと眉をひそめる。
「あ、あの・・・どうすれば?従徒騎士殿」
「わ、我等は、今、椅子である。椅子であるから話す口を持たぬ」何の快楽に身を捩り喘ぐが声が上がる。
「い、椅子とは家具でありますの。椅子が話してはおかしいですの」此方も又、溺れて声が曲がる。
「そ、それで御座いましたたら。私がお二人の代わりに椅子になります。
代わりにアイゼンホルプ様と話しを続けてくだい・・・・。」
噺の流れで今度は看護婦が椅子になると言い出す始末にアイゼンホルプは自分の耳を疑う。
雰囲気に飲まれてしまえば負けになるがそうしないと満足な食事にもありつけないだろう。
「それでは人種人類の者々は、肉と野菜を食事とすると言うことであるか?アイゼンホルプ殿」
「其の肉の元となるのが、兎と猪と熊という事ですか?
兎は良く見かけますが・・・・あれが食べられる物とは知りませんでした」
「いやいや、何か良くわからないのであるが・・・。兎に角だ。
峰山に長くこもっているのなら知っていて当然とは思うであるが・・・・。
先ず兎を捕まえて捌く・・・血抜きとか皮をはぐとか・・・殺生事であるが
我等が生きるには糧がいる。尤も手早くも手軽に手に入るのが兎であろう」
本当に噛み合ってもいないし珍妙でもある。
今度は自分が椅子になると言った看護の女性も先程の二人と同じに下半身の衣服を剥ぎ取り
座り心地も掴みっ子地も良さろうな尻を突き出し四つん這いになった。
気まずさもあれば恥ずかしさもあったがそうしないと話しが進まないので仕方なくも
看護婦の尻椅子に座り噺を進める。
「では、その兎と猪を刈ってくればアイゼンホルプ殿が食事が出来るというわけだな?」
「確かに私も肉を食えば少しは元気にもなるだろうが貴殿たちも食する事が出来るだろう」
「なっ、なんと?私奴も兎を食べられると言うのですか?・・・それは知りませんでした」
「急ぎ、[大叔母様]に申請しよう。騎士団を出撃させなければ。」
使命を得た騎士の様に頭をふって弐々羅が立ち上がると一瞬も遅れずに弐々焔も立ち上がる。


「兎とか猪までも知らぬとは?
否、名は知っていてもそれを食しないとはどういうことなのだろう?
それに先ほどの塊が食事とはどういうことだろう?此処まで常識が通じないとは・・・・」
「・・・・・・」
確かに一人事であったとしても聞いてはいるだろうと思っても
先ほど椅子と家具は話さないと決められたのかそれを守り自らにアイゼンホルプを尻に座らせた
看護婦の女性も又、こレは規則とばかりに一切に言葉を黙して口を閉じる。
「峠冬城守る騎士団の方々の御慈悲には頭が上がらない。
本当に感謝の極みである。有難う。それでも、もう一度話して頂けないだろうか?
動にも頭が追いつかないである。すまない」
顔の良く似た、否に口横のほくろ意外全くの区別がつかない二人の騎士を見送り
しばし部屋の中で看護女性の尻椅子に座り腕を組んであれこれと悩んでいると声が掛かる。
どうやら騎士団医師とやらが状況の確認と四肢の経過の確認をしたいと言う事らしい。
部屋に入ってきた使いの者は今度ばかりははっきりと驚いた顔であったから
やっぱり人の尻に座るなど悪趣味な行為であったと同時に反省したアイゼンホルプであるが
どうやらそれ自体が愚行で有るらしい。良くわからずではある。
全体的に黑鐵と岩で作られた峠冬城守る騎士団城は何処を観ても冷たくも空気も冷たい。
油断すれば寒さを感じ一晩過ごせば凍塊にもなるやも知れない。
騎士団医師が控える所謂、医局に入ると又に驚く。
「峠冬城守る騎士団医療部長医師・十七欄である。見知り置きを。
此処は医療施設だからな。患者の安全と快適さには万全を期したい。
然り、専用の椅子を要したのだ。遠慮なく座ってくれた給え」
「はぁ~~。それでは遠慮なく・・・」
それを椅子と呼ぶのなら確かに患者の安全と快適さを追求したものであろう。
台座は広く背もたれもある。肘置きだってついてるやも知れない。
それは二人の女性が床に四つん這いに成り尻を突き出す。
その背に更に二人の女性が腰掛け乳房さえ突き出し自分の体を椅子の背もたれに模している。
アイゼンホルプが台座となった尻に腰をおろし背もたれに背を預けることも
肘を掲げれば背もたれを模す女性が手を添えてそれを支えてもくれる。
さっきまでの椅子と違うのは座り午後地の良さと背もたれにあたる柔らかい乳房。
つまりは椅子となる女性達は全裸である。
歪んでいるとアイゼンホルプは心内で正直に嗤う。
まるで悪趣味極まりない何処かの貴族の様である。
然これも又当然というばかりに其の乳房を揺らし騎士団医師とやらはアイゼンホルプに経過を説明し始めてる。
「アイゼンホルプ殿は発見された当時、本当に死にかけたいたのだ。
恐らくは人種人類が有する医療技術では助からなかったろう。
我々でも手を焼いたと言うのが本当のところである。以前の様にとはいかないでもあろう。
右目は修復出来た。だが四肢を流れる血液の大半が凍りついては脳にも腸にも影響が出るのは必須である。
それに加え右手と左端の膝から下は既に破壊されていた。凍結が原因でもある。
何か小さな事故があったとも報告されて入るが些細な事出あろう。
不歩合は有るやも知れないがこうして生還できてるのだ。目をつぶって欲しい」
「あ。あの、先生。
右目は確かに記憶があります。崖から堕ちて岩に頭をぶつけた時に潰したので・・・。
右手も脚も感覚がなくなったのも覚えています・・・・。
では、何故に今、実が見てるし右手を握れるのでしょう?
それに何より私は此の部屋まで歩いてきました。自分の脚で。それは何故でしょう?」
アイゼンホルプが自分のくちで言葉にしたように潰れた目は視えている。
寧ろよく見えるく位だ。結構に近眼でもあったはずであるが対面する医師の笑みもきちんと観れる。
更にである。やましいと思っても椅子の右手で掴むとすれば医療雌椅子の尻肉をしっかりとつかめる。
ただ、全体的に疲れやすいのは確からしい。病み上がりといえばそうなのであろうが
先ほどの目覚めた部屋から医療室まで気高な距離を歩く事に放ったが何回か息切れをお越し
其のたびに看護の女性に支えて貰う。情けないとは思うが氷漬けの死にかけ寄りは遥かにましである。
「ふむ、右目に関しては新規で完全に制作し入れ替えてあるからな。
勿論、それに合わえて残った目も調整を施してあるからバランスよく見えるのだろう。
手と脚、それと腸。これも同様である。新規制作と移植である。
壱番思慮したと所は血液である。凍りついた血液のお陰で壊死し部分は置き換えたたが
こんどはそれに必要なものは人種人類のものでは相性が悪くてな。
結局は我々同様の銀血を輸血する事にしたのだ。我ながらないアイデアであるな。むふふ」
「目と手足を移植?新規制作って?
銀血とはなんですか?貴方達は人ではないのですか?
輸血とかしたと言うなら私もおなじになったのですかっ」
「あんっ、素敵」思わずにも強く握ったのが雌椅子の尻肉であり慌ててるが
アイゼンホルプを支える雌椅子は快楽に身を捩り声が上がる。
「確かに我等は人種人類とは似て非なる者と言えるだろう。
では何かと言われてもそれを私奴は明かす許可をもってはない。
恐らくは明日にでも[大叔母様]がお答えになってくれるだろう」
「な、なるほど。それまではあかせないと・・・・・なるほど」
「すまない・・・」
長いまつげをまたばかせ伏せる医師の顔は申し訳無さそうでもある。
「・・・・なるほど。判りました。・・・出来れば・・・」
凍りついたアイゼンホルプを救出してくれた騎士団を語る女性集団。
黒薄皮鎧に紅い紐と亀甲に括る女性騎士。
気がつけば看護してくれる女性は蒼い紐をやはり四肢に括っている。
最後に飲んだ言葉の先を汲みとったのか妖艶にまつ毛を揺らす女医も又、四肢に蒼紐をくくりつけてもいる。
自分の内側にある常識が通じないのは明白であり。失った四肢の代わりに彼等と同じ血液を
四肢に注ぎ込まれたとなれば自分もそれらと同じ一種の化け物になったとでもいうのだろうか?
「アイゼンホルプ殿!見てくれ。兎だぞ。これで温かい食事が出来るぞ」
「アイゼンホルプ殿。観てくださいまし。兎ですの。温かい食事が出来ますの。
それで・・此の次はどうればよいのでしょう?」
湧き上がった劣情に危なく負ける所であったがなんとか堪えたものの息が続かない。
「未だ、銀血が馴染んでないのだろう。当分は疲れやすいやもしれぬ」
意地悪下に最後に告げてよこした女医の言うとおり、部屋に戻る廊下の途中でいきが上がり
衣服の上に蒼紐を括る看護婦の手を借りて廊下の壁に背をついて休む。
「ちょっ。ちょっと待て、確かに兎では有るが。何羽取ってきたんだっ」
「えっと、私奴が三十匹。弐々焔が弐十九匹で・・・」
「それと弐々菜と弐々夜がそれぞれ十と八匹ですわ。その他に猪が十二匹」
「い、兎は匹じゃない。羽と数えるだっ。猪は頭って数えるんだぞ!」
重箱の角を突きたくはなくても間違ってるなら正すべきだと思わず叫ぶ。
「私奴が三十羽。弐々焔が弐十九羽です。アイゼンホルプ殿」
「それと弐々菜と弐々夜がそれぞれ十と八羽ですわ。その他に猪が十二頭ですの」
「とっ、取りすぎだ。そんなに一辺にとっちゃ、兎も猪も全滅するぞ。
糧をえる為には節度を保って入り用なだけにするんだ。無造作はいかん」
指摘されて言い直すのは律儀であるが此の騎士団の輩は度を知らないらしい。
「そっそれは困る。兎が御山から居なくなるのは困る」
「い、今からでも御山まに返して・・・」
「そ、それは良い。遺骸を戻しても腐るだけだ。料理すれば良いのだし皆で食べれば良いだろう」
言葉を告げれば素直に反応するがそれも又融通が聞かないらしい。
随分と常識はずれでは有るが雪つもりる山で逃げ回る兎を追いかけ雪まみれで
はしゃぐ姿はあどけない子供のようで楽しげでも有る。
「此処に切り目をいれて。こっちを持って力を込めると・・
一気に皮が剥げるだろ?腹も切り裂いてだな。腸と抜いて。
まぁ好んで食べる輩も居るのだが、今日は良いだろう。
脚に切り目を入れてどこかに吊るして置けば血が抜ける。
血抜きしないと肉味が変わるからな。うまい肉が食べたければ・・・
おい?それはなんだ?薪を持って来いって言ったぞ?鍋もない?
此処の連中は料理と言うのを知らんのか?」
取ってきた獲物捌き方を教えると従徒騎士達は直ぐ覚えて真似る。
問題は常識がないと言うのではなく知識そのものが無い事であった。
「釜がないって言うのは解せないが・・・・それは何だ?
釜がないなら焔を放つ物をとは言ったが・・・」
「か、火炎放射器で御座います。これしか思いつかなくて・・・アイゼンホルプ様」
焔を放つと言えば火炎放射器。
兎を灼くためだけに火炎放射器。なんともご豪快で有る。
「それしか無いと言うならそれでやるしかないのだ。
今から御前が焼き当番だっ。重大任務だからな。精進するだぞ!」
どこか偉そうに言い捨ててしまうのは教える立場となるからだろう。
「はっ、頑張りますっ。アイゼンホルプ様」
重大任務を与えられたとばかりに火炎放射器を抱えたまま幼顔の弐々菜と名乗る騎士が敬礼を返してくる。
確かに一種、壮観な光景とも言えるだろう。
それまでは栄養はあっても何かの塊であろう物を食して頂けであるから
まんぞくな食事ともいわなければ調理場もない。
もっとも兎と猪を捌い丸焼きにするだけだから少々広い空間があれば良い。
急ごしらえの調理場に割り当てられた場所に幾本かの鐵棒が組み上げられる。
倒れないように台座を組んだ上に天井を目指して鐵棒が掲げられ其の先にも同じ物が用意される。
鉄棒と鉄棒の間を眺めの鉄棒も又渡される。
「倒れないように。ちゃんと括るだぞっ。大事な食材なんだからな」
「はいっ。気をつけます。アイゼンホルプ様」
班長従徒騎士弐々羅に調理係と選抜された若い騎士見習いが元気に声を上げる。
隣では弐々焔が補佐と見張りを兼ねている。
なれないとは言えアイゼンホルプの指示した通りに内蔵を抜き血抜きされた兎が針金で吊り下げられる。
「今後は計画的な狩猟を行うように」と厳重に注意したもののその日の獲物は兎百羽居所でもある。
城に在中する兵には十分ではないとお言うことでも有るがそれは後で考える事になる。
それなりの数であれば調理も大変である。
調理棒に兎が吊るされると重大な任務を担う弐々菜の出番である。
何しろ戦闘用の火炎放射器を兎の丸焼きに使おうと言うのだから加減が難しい。
それでもきちんとした防炎装備を着込んでいるから鐵の達磨に視えてもしょうが無い。
勿論、料理かかりであるから真っ白なエプロン姿となれば滑稽でもあり可愛げも有る。
ゴウっと火の手が上がると弐々菜は慌てて火力を絞り、少々及び腰でも兎をあぶり出す。
最初こそおっかなびっくりであってもアイゼンホルプが焼き具合確認して頷くと
戦間合いとでも言うだろうか、頃合いを自分で会得したらしく手際よく兎の丸焼きを焼き上げていく。
未だ正式な配属に至らなかった従徒騎士見習い弐々菜がなれない大型の武器・火炎放射器を振り回して
焼き上げた兎の丸焼きの数匹の内、壱番状態の良いものがアイゼンホルプに届けられる。
未だ奥向こうでは弐々菜が火炎放射器を熱気が背中を炙ってる。
此の根城に壱番かけているものが従徒騎士達の一般常識。次に生活用品であろう。
皿という物自体見当たらなくもしょうが無いから比較的きれいな布を皿代わりにするしかなかった。
簡素作りの卓をアイゼンホルプと弐々羅・弐々焔。そしてう焼き上がった数に合わせて数人が揃う。
「良いか?従徒騎士達よ。
これが極々一般的な食べ物。兎の丸焼きである。
あっ、熱っ。こら弐々菜っ。焔線をこっちに向けるな!火炎放射器は的に向けるが味方には向けないだろ!
こっちまで丸焼きになってしまうぞ。反省はいいから次を焼け。
えっと、どこまで話しったけ?
兎の肉は他にも食し方があるのだがこれが壱番美味い。
本来、織女方々であれば食事の作法も有るべきだとは思うが、今日は無礼講である。
存分に味わうとしようぞ」
木創りの卓の上に布とか紙を壱枚敷き、其の上に載せられた初めて見る兎肉の丸焼き。
興味津々であれども淑女の作法とか聞いた事も無ければ綺麗な顔をいっせにアイゼンホルプに向けて
こくこくと頷いて目を輝かせる。
「ここと此処をこう持ってだな。持ち上げ後は一気にかぶりついて食する。
食前と食後の挨拶をわすれてはならぬぞ。我等の供物となる兎に感謝である。
それでは・・・・頂きますで候」
「頂きますで候っ」元気で爽やかな声が幾つも重なる。
最初の数秒だけが辺を静寂が包む。つまりは焼き上げられた兎肉にかぶりつき引きちぎり
咀嚼する最初の一口の間だけである。
「うっ、うっ、うっ、うっ、うっ、うっ、美味いっ。美味い過ぎる。これが兎肉っ
従徒騎士弐々羅。一生の不覚。此のような食べ物を食べた事がなかったとは騎士の恥だ。」
「おっ、おっ、おっ、おっ、おっ、おっ、美味しい、美味しすぎる。
こんな美味しい食事は初めてでございます。一生の恥で御座いまの」
「うますぎるですのっ。卒倒しちゃいそうですわ」
「かっ、皮が美味しいです。噛むと汁がじわ~~って。美味しいの。美味しいの」
「もう、私奴これで良い。毎回兎肉で良い。これ意外食べ無くて良い」
弐々羅が感嘆に目を丸くして叫べば、弐々焔が感激に咽び泣く始末である。
同席する従徒騎士もそれぞれに歓喜すればもう兎肉しか食べないと声高らかに宣言する者も居る。
尤も兎一匹であるから彼女等には元足りないのかも知れない。結構な大食いとも言える。
アイゼンホルプが常識の範囲と残した骨屑であるが未だ肉もくっついてる。
弐々等も自分の前の骨をじっと見つめるがなにやらもじもじと四肢を揺らす。
「まぁ、普段は骨まで食する事もあまりないのだがもったいないと思うなら食べて・・・」
アイゼンホルプが最後まで言い捨てる前に疾風の如く自分が残した兎骨を喰らいつき
バリバリと噛み砕いて食べ始める。
目を丸くしバリバリと骨についた荒肉も口の中で咀嚼し味わいあまつさえ骨髄ごと喰わうとは
豪快な食事である。
アイゼンホルプもちょっと眉を潜めはしたが自分が残した兎骨を物欲しそうに見つめる
弐々羅を初め相方の弐々焔。そして結果的には卓を囲む部隊の者々全員に分けてやる。
「斥候八番隊・従者騎士、十十静。他、禄名入りますっ」
「良し、こっちだ。此の卓が御前達の食卓である。座れ」
「はっ、従徒食堂班長殿。失礼しますっ」
少々物足りないやも知れぬども此の日、弐々羅達が狩猟した兎と猪の数は峰城に屯する従徒騎士達の
腹を満たすにはかずが足りなすぎる。幸運に恵まれた部隊もあれば後日に回される部隊も有る。
それは山の兎の殲滅の危機も考慮され抜本的な対策が早急に行われるだろう。
今は兎も角である。
勇猛果敢に鐵槍を振るう従徒騎士達も上官に促されたとは食卓を囲うというのさえ初めて有る。
一日に弐度の食でさえ数秒の間に立って済ますが通例である。
しかも兎肉の丸焼きと聞かれてもそれがどの様な物であるかも未だ知らない。
その日峰城を震撼させた兎肉の丸焼きを食すると言う噂は耳にしても運良く食すると成っても
すっごく、すっごく美味しいとしか聞かされてなければ不思議さが胸に宿るばかりである。
「では、説明するぞ。
先ず、卓の上に有るのが食券なる物だ。これは貴様等が兎肉を食べる為に必要な物でる。
若しなくせば、兎肉は食べられない。手にする鉄槍の如くと扱え。良いな」
「はっ。我が槍の如くと扱います。」
戦さ場で掲げる我が槍の如くと言えば気合が入る。それほどに大事な物と言うことでもある。
食券壱枚なくせば兎肉の丸焼きは食せない。一大事である。
部隊全員が真剣な眼差しで自分の前に置かれた食券を睨み視線を外さない。
「今日の食券は兎肉の一匹丸焼きと猪肉串刺焼き一包みである。
食材の確保に現在は難点が有るため、対策が成さえるまでこれだけ有る。贅沢は言うなっ。
食べ方などは左壁に記載されておる。参照するように。
では、起立!食券持てっ、白線に沿って移動開始!焼き場列に並んで良しっ」
甲高くも鋭い号令に習い、席を立ち食券を握る。我が鉄槍の如くである。
上官が指差した場所を目視すればなるほど、床には白線が描いてあり整然と前の組が列を作る。
緊張隠さずに列になれべば意外と直ぐに斥候八番隊・従者騎士、十十静の版が巡る。
「はいっ、兎肉の丸焼きはこちらですよ。列からはみ出ちゃ駄目ですよ。順番にです。
あっ、食券の半分契りますね。半券と交換なんですよ。説明不足でした。御免なさい。」
何しろ係の者も少し前に任務と仕事を割り当てられたばかりである。少々の不手際は有るだろう。
槍の如くと大事に扱えと言明された食券を手渡し千切られるとは屈辱とも取れるが
返して貰った残りの半分には猪肉串刺焼き一包と記載が残る。
なるほど、係の者が食券の半分を千切ればその代わりに兎肉が渡されると言う仕組みである。
やはり未だ、皿がないから紙に包んだ兎肉が丸ごと手の上に載せられる。
「なっ、なんとまぁ。こ、こ、これが兎肉だとぉぉぉ」
「はぃ、止まらないで。進んでくださいな。後ろ詰まっちゃうから。
まぁ、みんな吃驚するですけど。行って、行って」
兎と言うのは小動物である。其の丸焼きと言うのは初めて観れば意外にもずしりと思い。
部隊班長と言う立場を忘れて声を上げれば後ろの副班長も手の中の兎に驚愕してる。
小柄な係に何度も促され卓の前に部隊が集まれば一斉に左壁の兎肉の丸焼き・正しい食べ方と
誰が書いたかしらないが可愛い兎の絵も添えられた説明書きに視線を送る。
数秒の沈黙の後、皆が斥候八番隊・従者騎士、十十静に視線を送る。
誰もが待ってられないのだ。十十静自身もである。
戦事戦場の如くも勇ましく吠えて果敢に号令を掛ける
「頂きますで候」
「頂きますで候」
十十静の号令宜しくも声が復唱され猪突猛進、脱兎の如く。
兎肉丸焼きに噛みつく十十静と其の部下。
先に食したアイゼンホルプ達とは違い彼女らは寡黙である。
余りにも其の旨さに驚愕し言葉を失ったのである。
その旨さと美味しさ。何せ火炎放射器で匠に炙り焼いた肉で有る。
皮はパリパリ肉は程よく噛みごたえがあれば汁がじゅわりと滲み出て口の中に油を漏らす。
たまらないと一心不乱に兎肉に喰らいつけば涎があふれると思えば瞳に涙が溜る。
余りの旨さに白目を剥いて失神する騎士も居る。それでも握った槍の如くに兎肉を離さない。
美味い香りに鼻腔をくすぐられ傍と意識を取り戻せば一心不乱に又喰らう。
一心不乱とばかりに兎肉に被りるけば正式な作法に則りその骨まで砕いて喰らう。
人心ついたとすれば大事に締まった食券を再び握りしめ猪肉の焼き場列に皆が向かう。
従徒騎士といえども乙女然り。それでも食に胃袋捕まれば獣肉に勝るものなし。
一連の食事が終わると落ち着きを取り戻した斥候八番隊従徒騎士の一同は
騎士団中央管理課にそのまま脚を運ぶ。
「担当直入に申し上げたい。残業時の夜食は今後どの様になるのだろうか?
何時もの栄養液袋食なのであろうか?」
「いや。残業を強いるのはそもそも規定職務外である。
今まではそれしかなかったからであるが。数日の後に新しい食材の確保作戦が実行される手筈である。
作戦が成功すれば夜食は栄養液袋食ではなくなる予定だ。
何せ時間外労働だからな。優遇処置が取られる事になってる」
「それは残業任務に付けば兎肉が食べられるという事であるか?」
騎士団中央管理課にも真面目であれば問いかける十十静も真剣である。
何しろ美味しい食べ物がかかってる。
「現在は兎肉の確保が優先事項となってるが
作戦の成果によっては他の食材確保も行われるらしい。牛の肉が最優先事項と成ってる」
「うっ、牛だと。それは美味いのだろうか?
いや、まずは兎肉が・・・・、
わっ、我等、斥候八番隊従徒騎士。残業を希望する。夜勤も大歓迎である」
「うぬ、任務熱心騎士の誉である
その時は優先して貴殿等の部隊にお任せしよう。
「恩に着る。担当管殿」
兎ところか牛と聞かされては良く知らなくても美味い肉に違いない。
感謝と気合を込めて二人の従徒騎士はガッチリと握手を交わす。
【峰御山護る従徒騎士団】
その峰山に登り当然の如く凍え氷ついたアイゼンホルプは彼女等に助けてくれた。
死にかけたと言えば未だましで半分以上あと少し遅れれば絶命に至っていただろう。
命拾いしたのは確かであり今此の時に生きている事に感謝すべきである。
だが然し、峰御山護る従徒騎士団に属する従徒騎士達は常識が全く持って欠けている。
意図せずもアイゼンホルプが座る騎士達の尻椅子を初め、人種人類が糧とする食事ひとつ取っても
兎一羽、猪一頭、その料理法も味も満足に知らぬ所か灼くと言えば火炎放射器を持ってくる。
椅子がなければ自分の尻を突き出して座れと言う。
食事するのが一苦労であれば、さて一眠りするかとなれば又も苦労する。
翌日に大事な用事が有ると宣告されたアイゼンホルプが寝室となるべき部屋に脚を踏み入れると
それは大きめな寝台で有るが目覚めた時と同じように鉄板が敷かれているだけである。
此処で就寝すれば背骨が壊れるに違いない。
「我々、騎士団と人種人類のアイゼンホルプ殿との間では、
所謂生活要意識におおきな相違が有るようである。兎肉の丸焼き然り、
椅子の上に和やらかい何かを置いて座ると言う事然りである。
我等の知らない事でアイゼンホルプ殿の体を痛められては困るのだ。
我々の尻が椅子となるのなら、寝台の上でも役にたつだろう」
鉄板の寝台を前に横になるには気が引けるとばかりに頭を抱えていると
艶に濡れる従徒騎士・弐々等の声が耳に届く。気配を察すればいつも一緒にいる弐々焔も一緒らしい。
戸惑うこともなくアイゼンホルプの脇をすり抜ける様に軽装鎧をぱらりぱらりと床に貶していけば
当然とばかりに弐々焔も同じくとばかりに皮鎧が床に転がる。
靭やかにも艶に濡れる四肢を晒し寝台の上に腰をおろし手を広げアイゼンホルプを誘う。
「鐵の寝台ではアイゼンホルプ殿の柔腹を傷つけてしまうやも知れません。
我等が変わりを努めます。どうぞ。我等の上に横にお成り下さい」
皮薄鎧の上からでも美しくも色欲を誘うのに晒し全裸に肌を晒す。
互いに一度視線を交わすもアイゼンホルプの手を無理に引き寝台へ引く。
「ふ、ふ、ふ、布団であるが・・・。貴殿等の上で寝ると言うのは・・・・。
肉布団・・・・とでも言うのか?その困るだが・・・」
「肉布団・・・・。我等は肉布団である」
「肉布団で御座います。さぁ遠慮なく。私奴肉布団の上に」
ぐいと手を惹かれて弐々羅と弐々焔の四肢の上に頃付がってしまえば
大きな乳房が顔にぶつかる。至福の刻であるのは違いなくも更に上からも別の乳房が圧しつけられる。
鐵板の寝台の上に弐々羅と弐々焔が寝そべると其の絵にアイゼンホルプが横になる。
その上からまた別の女性二人が被さり四肢の体温でアイゼンホルプを温める。
勿論に体温だけでもなく、他の場所の血流さえも熱く滾るのもこれも然りである。
「助平・・・。アイゼンホルプ殿の助平。あんなに激しく乳房を弄るなんて・・・・」
十分な睡眠を取れたかと聞かれればはっきりとは応えられないとしても、それなりに休めたと思えば
軽めの食事の為に食堂に向かう廊下で耳元に弐々焔がこっそりと呟く。
平然と歩く弐々羅は部隊班長としての威厳を考えてのことだろう。
疲れていたとは思えるからそれほどではないと否定して見るが、言わずもが華やもしれない。
「個々からは御一人でお進み下さい。[大叔母様]お待ちに成っております」
従徒騎士と名乗る集団に助けられてから凡そ二日。
【峰御山護る従徒騎士団】その全てを統べる[大叔母様]と名乗る者。
助けてくれた事への深き感謝をノベルのは当然の事であっても、余りに常識からかけ離れる
従徒騎士団について確かめたいと心がざわつく。
[大叔母様]と其の名を口にする弐々羅自身の口調にも緊張が奔ると知れる。
城に暮らして日が浅いと成れば城の深くに続く階段を降りるのもかなりの労力を必要であった。
城の地下と言うにはあまりに巨大な空間である。
其処は長く続く階段をやっとのこ事で下りてたどると貴族達が夜な夜なに集う演劇場の其の倍は合うだろう。
ふと観れば其処には一人の女性が立ちアイゼンホルプを促し待っても居る。
大きく広がる空間の壁よりといえる場所であり、多くはないが階段を登ると演壇とも思える。
「お待ちしておりましたわ。アイゼンホルプ殿。此方に椅子を用意させて頂きましたの」
密やかに少し微笑んだかと思うと見知る顔の女性は自らの白衣をするりと床に貶す。
言わずと知れずもアイゼンホルプを診る女医で有る。
出来るならばと願うのを言葉にしなかったはずであるが女の感で察したと言うところであろう。
それまで椅子を模した者は下半身だけの鎧を脱ぎ捨てたが女医は全裸である。
豊満な四肢を存分に晒し床に手をついて四つん這いになり尻肉を突き出す。
「どうぞ。御使い下さい。貴方様の雌椅子で御座います」
女医自身もアイゼンホルプの姿を観てとり、其の噺を聞いた時に自分もやがてこうすべきであると
知っていたのだろう。漢の前で床に四つん這いに成り尻を突き出す行為に心が震える。
それと願ったとしても未だ気が引ける部分もある。一度座ってみたいと思った女医の四肢であっても
人の四肢の上に座るのは確かに抵抗もある。
[それが貴方にとっての椅子なのですね・・・・]
どうすべきかと考えあねいでいると後ろ背に韻を踏む涼やかな声が頭上から届く。
「否、一般的な物ではない。何方かというなら趣向の方が色濃いやもしれない。
失礼した。アイゼンホルプ・エドワルヌ・ソレーヌである。
【峰御山護る従徒騎士団】と[大叔母様]には此の身を助けて頂いて感謝の極みである
有難う。・・・・ついては不躾ながら幾つか聞きたい事があるのだが・・・」
[何なりとお聞きくださいな。アイゼンホルプ・エドワルヌ・ソレーヌ殿]
其の[大叔母様]声は韻を踏みそれまでに聞いた事のい響きと優しさに満ちている。
正し、その声はアイゼンホルプの遥か頭上から堕ちてくる。
アイゼンホルプは声のする方に向き直ってに四つん這いになる女医の椅子背に尻を乗せる。
そうなのかと知って演台上の正面と反対を向くはきっと正しい。
演台の正面に背をむければアイゼンホルプは壁際に顔と四肢を向けることに成れども
其処に[大叔母様]が居ると直感で知ったからだ。
それは巨大な円柱である。余りに巨大な黑鐵の円柱。
だが然し、その円柱には縄が括ってある。白い縄が幾重にも括られている。
弐々羅達。従徒騎士なるもの達が其の四肢に紅い縄を亀甲にくくれば。
アイゼンホルプの四肢を支える女医が括るのは蒼い縄。
【峰御山護る従徒騎士団】を統べる[大叔母様]が其の四肢と言う物に括るのは白い縄である。
人の世で言うならば趣味趣向の一端で有る筈の四肢に縄を括る。其の意味と目的は違うとしても
この騎士団では正式な証なのだろう。それと判れば誠意を持って敬うべきである。
「人であれぞどもそうでなくても助けて貰えば礼儀を尽くす。本当に有難う。
だが然し、それを踏まえてお尋ねしたい。
【峰御山護る従徒騎士団】とはなんぞや?
それと従徒騎士とは?騎士とはちがうのであるのか?
何故に女性しかいないのか?何故に常識知らずなのであろうか?
兎を食することも。椅子然り。寝所まで。武器は見かけても鍋も皿もないのだぞ
余りに浮世とかけ離れているのだ、不思議で堪らん。
助けて頂いた恩返しに私は出来るのか?」
矢継ぎ早に口をついて出る疑問を吐き出せば唾が枯れる。
[我等、峰御山護る従徒騎士団に属する者は私然り人種人類とは違うのです]
「はっ?こんなに美しくも豊満な四肢をしてるのに?人にあらずとな?
昨夜嬲った乳房は暖かったぞ?血の通う四肢であった。
解せぬ。あの四肢が人に非ずとは何者であるのか?」
アイゼンホルプの言葉に反応して支える女医が夢想に身を捩る。
「順を追ってお話ししましょう。アイゼンホルプ殿・・・」
「よ、宜しく頼む・・・」
端に常識知らずと考えていたが間違いらしい。女医の背に体重を乗せても
息を整え[大叔母様]の韻を踏む涼やかな声にアイゼンホルプは耳と心を傾ける。
「はぁ~~~~。なんでこうなった・・・・。随分と偉いことになったぞ」
[大叔母様]との面会はアイゼンホルプに取ってこの先の人生に大きな石を置いた。
約束と使命。勿論、褒美も与えられるだろう。
自分の四肢の状態も詳しく告げられるが完全には理解も出来ていない。
大げさに言えば半分は今までと同じ人であり、人種人類である。
それと同時に騎士団騎士と同じ部分もある。よく見える目。動く手と歩くことの出来る脚。
どれもアイゼンホルプが失った物である。弊害もある。
失った四肢を[大叔母様]の優しさで新しい四肢を与えられたがそれを動かす銀血液という物は
人種人類のそれとは相性が悪い。それ故に何やら体がだるい。疲れやすい。
銀血の量を増やせばもっと楽に動けるらしいが母からもらった四肢に影響も出るだろうと言うのである。
打開策が見つかるまで今の四肢の儘で折り合いを付けていくしかないということである。
それと地位。
過去の自分と其の所業を黙殺する代わりに冬嶺護る鐵城塔騎士団の団長を拝命している。
主徒団長と従徒騎士。アイゼンホルプが主徒成れば弐々羅、弐々焔達が従徒。
[大叔母様]との面会でアイゼンホルプと弐々羅達は主徒従徒の契約を結んだ。
彼女を従え命令を与え城を護る。同時に主徒は従徒を好きに扱う事が出来る。
所謂、主嬲従弄思想に基づき従徒の四肢を好きに嬲り弄り蹂躙も強姦も戌扱いも家具扱いも
人々の性癖の中でもっと意味嫌われるであろう事が従徒騎士には褒美と誉と心に刻まれる。
アイゼンホルプが望み欲することを全て受け入れて己の意思と心と四肢で奉仕する。
それが冬嶺護る鐵城塔騎士団の従徒騎士で有る。
[大叔母様]曰く、長く屯する刻が動き出したとも言われるが
まずは組織改革と初め生活用品の調達が最優先任務である。
日々と時間を経ていけば色々と変わって行くのであろうが、今はまだ急ごしらえの団長室に
脚を踏み入れるアイゼンホルプであるがあからさまにため息をついたし
結構、自分は欲深い漢であったのだとも自分を嘲笑いもする。
ざっ!と軍靴踵の音と胸前に腕を当てて騎士団正式敬礼がアイゼンホルプに送られる。
新たに騎士団新鋭隊に任命された弐々羅と弐々焔を初め全部で十三名。
部隊人数としてはもっと居るのだろうが幹部と専用の椅子を務める従徒達である。
どこかお客さん扱いであったアイゼンホルプであるが今は違う。
正式に騎士団団長ともなれば囲む従徒にとっては直属の上司で有り自分の主徒である。
心得も違うのだろう。皆がアイゼンホルプに忠義と愛と四肢を捧げると誓って居るのだ。
だからこそアイゼンホルプは図に乗ったと自分を諌める。
確かにちょっと気に食わない所もあったし、拘りもあるからどうしても許せなかったのだ。
謁見の間にて[大叔母様]との会合が終わり遂にさっき従徒契約が凍結したばかりに演台を下りると
見知る顔の弐々羅と目があった。隣には弐々焔が並び控える。
「御前、紐の結び方が間違ってるぞっ!しかも緩いではないかっ
朱紐は冬嶺護る鐵城塔騎士団の従徒騎士の証だぞ。紐が緩めば気も緩む。
それは信念と忠義不足の現れだぞ。しかも雌の証の乳房を隠すとは何事だっ。
愛でて貰ってこその乳房である。儂に視姦され犯さるのがそんなに嫌いかっ。
御前もゆるゆるじゃないか?儂に揉まれるが嫌でしょうがないとでも言うのか?
騎士団精神を叩き込んでやる。其処に直れ、雌従徒共」
激昂。瞳燃やして怒声を上げるとアイゼンホルプは剛腕熊の如しと弐々羅の顔を一度張上げ
よろけた所を襟首に掴み軽装鎧を契り崩す。ボロリと弾ける大きな乳房を鷲掴みにすると
波打つ乳肉を鷲掴みに揉み嬲る。空いた手が持ったいないとばかりに弐々焔の鎧を剥ぎ取り
ぐにゃぐにゃと弄り倒す。
「一切の抵抗を禁じる。雌従徒共っ」
「はいっ。受け入れます。一切の抵抗を自らに禁じます。我が主徒アイゼンホルプ様」
「了っ!で御座います。妾の主徒アイゼンホルプ様・・・ああっ」
鬼畜の所業とはそれだろう。
たったのさっき主従の近いを立てたばかりの者を犯す。
それも[大叔母様]と凡二千の数の同胞姉妹が見つめる中である。
軽装鎧の殆どを剥ぎ取られ床に転がされ床に乳房を圧しつけ被首を擦り付け
突き上げた尻に漢竿を入れられ犯される。しかも自分で四肢を揺らし自らの奉仕を命じられる。
弐々羅が雌壺での奉仕を命じられば弐々焔はアイゼンホルプの竿と漢袋を口で愛撫するように強要され
密かに気に入る豊満な乳房女医十七欄はアイゼンホルプの尻に顔を埋め尻穴をも舐めさせられる。
否応なくも苦悶と快楽に塗れ満たされていく欲望に悦楽が刻まれても行く。
度を超すほどの陵辱は留まる事なども無く、三つ四つと眼の前に並べ尽きださせ尻の雌壺と尻穴を
順番に犯しては未だ足りぬと辺の従徒の手を引いて竿を扱かせしゃぶらせる。
(儂、病人だったのになぁ~。激しい運動は控えなさいって。先生にいわれたのになぁ
でも、あの女医の舌使い絶品だったな・・・い、いかん。仕事しせねば)
とりあえずと然り妄想から意識を戻すと執務室に控える新鋭隊隊長弐々羅に声を掛ける。
「弐々羅隊長、報告を」
「はっ。先程の御寵愛、真に有難うございます。
至らぬ私を諌めて頂き光栄であります。これを気に一層の精進とご奉仕を約束します。
部隊編成。各部署の改革構想等、多岐に問題はありますが先ずは食料問題で御座います。
兎ちゃんの数が足りません。このままでは本当に御山から兎ちゃんがいなく成ってしまいますです」
「死活問題有るなっ。一度味を覚えてしまったからな。元には戻れないだろう・・ふむ」
ちらりと横目で姿をみればついさっきに壊した軽装鎧が修繕されている。
勿論、同じ鉄を踏むことなど無いから襟元はあっても乳房は丸出しである。
壱番に成れずも目のやり場に困るのがアイゼンホルプであるが控える弐々焔然り
他の者全員が乳房をさらけ出している。行ってしまえば先程に陵辱強姦した従徒騎士全員が
そのままアイゼンホルプ直属の新鋭隊に順次配属されている。
手当たり次第に手を付けるのは取り巻きを増やすだけであるとアイゼンホルプは思い知る。
「ふむ。食料の確保もだが、日用品もであるな。
兎の丸焼きだけでなく、儂はシチューも食べたいしな」
「う、兎ちゃんのシチューですか?面妖な・・・でも美味しそう」
乳房を突き出して身を揺らす弐々焔が目を輝かせて身を乗り出す。
「どっこいしょっと。そうだな。
丸焼きもいいが汁物も好きなのだ。鍋もそうだがヤカンはあったけ?」
「な、鍋は見つかりませんでしたが。やかんはみっつあるそうです。
何に使うか解らずと思案してるそうですが・・・・」
「やかんは湯を沸かすものだ。自ら湯を作る道具だ。あっ薪はどうなってる?薪は」
専用の椅子に未だなれるのか運悪く大きさの違う尻が並んでいるのか
自分の四肢を動かして座り心地を確かめる。
それもまた専属の従徒であり一人はあの女医・十七欄である。
十七欄の尻が大きすぎて反対側と釣り合いが取れてないだろうか。
後で言いつければいいやとも思うが、人の尻椅子である。
支える従徒も座るアイゼンホルプも慣れが居るだろう。
冬嶺護る鐵城塔騎士団。其の主徒アイゼンホルプが団長に就任してから数日。
城内は肌で感じるほどに騒がしくも変化も多い。
再編される部隊もあれば現状維持の従徒騎士も又、多い。
[大叔母様]第七近衛隊に所属する四々蛾は漢が嫌いだった。
確かに自分もあの刻に主徒に忠誠を誓ったが脳に刻まれる[大叔母様]の言葉有りきである。
四々蛾は泥鰐の粛清事変の後の生まれである。それ自体を知識には持っていても
身をもっては体感していない。漢と雄との性交など経験になければ忌みもしている。
謁見の間で怒った教育と寵愛。大抵の者は魅了されたに違いない。
自分の心と忠義と四肢を一人の漢に生涯捧げる。
主徒アイゼンホルプが求め欲しがる物を甘んじて全てを受け入れ奉仕する。
それに快楽と誉を四々蛾は見いだせていなかった。
故に城下廊下ですれ違う乳房をさらけ出したアイゼンホルプ直轄新鋭隊の従徒を毛嫌い模している。
「あっ、御前。儂の事嫌いだな。それもものすごく大嫌いだな。
まぁ、良い。じゃこれやってくれ。頑張って」
同胞姉妹を椅子代わりする等、言語道断とばかりに執務室に呼び出され任務を拝命となれば
見透かされる。睨んだつもりはないが顔に出たのだろう。
軽く手を降って四々蛾を追い払ったのは気遣いなのかもしれない。
親衛隊の取り巻きの中で毛嫌いする者等が声を上げれば即粛清となるだろう。
旧式であれど一応の敬礼を返して執務室を出て歩く。
「はっ?なにこれ?
兎ちゃんと猪君及び日用品の調達確保任務?
御山を下りて現地商人と交渉の上、食料と日用品及び物資の確保?
左遷?私、左遷なの?あ・・・・あの野郎・・・ぶち殺してやる。足首持って又裂きしてやるうぅぅ」
峰山護る鐵城から随分と下った窪み地を手間を賭けてそこそこ平らにした場所。
そこに陣取るのは近衛騎士団改め兎ちゃんと猪君食料及び日用品調達部隊。
率いて長とするのは四々蛾である、商人を相手に買付を行い目当てのものを調達するのが任務でるが
どうやら四々蛾は漢ところか商人とも相性が悪いらしい。
「そ、相場とやらよりも随分高いではないか?商人殿っ。
それでは私の予算を越えてしまうぞ。余りに高すぎる。なんとか都合をあわせてくれっ」
「それは来ませんな。部隊長殿。
何せ貴方がお求めなのはそこら辺の兎でもなければ猪でも有りません。
乳を出す乳牛とまるまると太った牛なのですよ。安い理由が有りません」
天幕の中で互いに一歩も譲らず声を張り上げる。
「そ、其処をなんとか・・・。乳を出す牛と太った牛の確保は勅命なのだ。
どうしても手に入れなければならないのだ。何とかたのむ。商人殿」
頭をた下げるということを知らない四々蛾は今にも飛びかかりそうな気配で睨む怒鳴る。
「そう言われましても、貴方がが合わなくても誰もがほしがる商品ですからな。
・・・・どうしてもと言うのなら、練習して頂けるなら考えましょう」
聞き慣れない言葉であるが忌みは深い。商人は邪な目で四々蛾の四肢をに眺める。
「れっ、練習しろと言うのか?御前と練習しろと言うのか?
従徒様に忠義を誓う私が御前で練習しろと言うのかっ?」
「そうですな。まずは軽くその口で練習して頂きとうございますな・・・・
それからじっくりっと・・・・楽しませて頂ければ値段も考えて・・・」
最後までい終わる前に背筋に悪寒と殺気を感じて後退りに天幕から逃げ行く。
「まっ、又失敗だ・・・・。それにしても商人とやらはどれも同じなんだろうか?
金貨と雌の四肢に目がないとは本当だったな。・・・・それにしても又しくじったぞ」
「四々蛾部隊長は少々堅いすぎるのです。せっかくの美貌と四肢を持っているのに。
あの主徒様さえ目を狙っていると言うのに羨ましい。
兎に角、雌の駆け引きくらいはしてほしいものです」
呆れ顔で補佐を務める四々蛾由が紅茶のカップを持って天幕に顔を出す。
最近、彼女が味を覚えた紅茶さえ峰山の城に上げるにはまだ数が足りず貴重品である。
「美貌で乳を出す牛も太った牛も手にははいらん。先ずは交渉が先であろう。
しゅ、主徒様が私を狙っている?お、おぞましい。それにあの商人が言う練習等出来るはずもない。
おぞましくも妬ましくも主徒様である。忠義と四肢を捧げる身であるのだぞ?
其の身でありながら他の雄に奉仕するなど有りえん」
手渡せれた紅茶に口を付けながら香りを味わうも其の目は自分の四肢を貪りにんまりと嗤う
主徒アイゼンホルプの顔を妄想しおぞまし顔に背筋を四々蛾は凍らせる。
犯してやった・・・。
昨今に話題の風体代わりの従徒騎士を。
何やら変わった集団が峰山から下りてきていると噂どおりも、彼等は商売と希望するらい。
主には食料品と日用品が多いとも言われていた。
珍妙なのは風体でもそうであれば思想だろう。一種の宗教とも言うのだろうか。
自らを従徒と呼べば主徒に仕えると豪語する。
つまりは心も四肢も主徒とやらに捧げていると言うが、中には心根の弱い者も居るらしい。
商人言葉で匠に誘えば欲しがる商品と引換に旨く操り誘い自分の竿を咥えてしゃぶらせてやった。
もっとも最後までは至らずも口中を犯しただけである。
それ咽ませようとした白濁はタイミング悪くも女が身を引きはなれた為に
其の顔を乳房に白濁が飛び散っただけである。
それでも御前は儂の竿の味を知り受け止めたのだから儂の者だと言い放てば
呆然とした顔つきでコクンと頷いていた。
あの調子なら直ぐにでも竿を欲しがり自分の元にやってきて強請る違いない。
味を刻んで躾けて後はどこかの娼館にでもうれば良い稼ぎになるだろう。
商人は夕べの常時に股間を猛らせ口元を歪め嗤いが止まらない。
深く心に刻まれた決意。ある意味与えれた感情と記憶。刷り込まれた忠誠。
いつかは愛でられ嬲られ弄り倒され犯される快楽と其処に至るまでの期待と妄想。
一度然りにともそれ。主徒の姿を観れば湧き上がる忠誠と奉仕の欲望。
だが然し、生まれ育った峰城から這い出て下地に下れば距離も遠くなる。
拒んでしまえばそれだけに思う気持ちは高くも深くに憎悪も交じる。
相反する気持ちと葛藤が四々蛾の心を焦がし焼く。
「なっ、何だと。主徒様が御視察に来るだとっ!聞いてないぞっ。
くし、左遷した相手には通達もなしかっ。」
まっ、間が悪かった。とても間が悪い。
やりきれない思いで紅茶を飲み干すと私室天幕を飛び出すが余りに急な来訪をなのだろう。
急ぎ特別に拵えられた主徒専用武装馬車が既に到着しているが通達も遅れたのか
何事かと遠目に見守る商人共の合間で従徒騎士達も右往左往に走り回るのが精一杯である。
弐連続きの武装馬車から先に脚を踏み出すのは主徒親衛隊の輩である。
四々蛾が峰塔城を出てから数日、其の城中で変化も著しいらしい。
黑薄皮鎧に黒い黑生地の外套を背に羽織る。
強く意思を胸に秘め、数日前とも風体も違うとも観れる。
馬車乗り板を逆に下り大地の感触を確かめる親衛隊従徒騎士が顔を巡らせ辺を一瞥する。
其の眼光の鋭さに商売人が慄くも、思わず脚をひくのも又調達隊の従徒騎士でもある。
きすびを返し其の辺とばかり親衛隊部隊長・弐々羅が指をしめすと
後続の馬車から同じく親衛隊隊員と実際に作業を担う係の者が笑笑と姿をみせる
直ぐに冬峰護る鐵塔騎士団・其の主徒アイゼンホルプの個人々天幕が設営される。
「冬峰護る鐵塔騎士団・其の主徒アイゼンホルプ殿が日用品の調達に馳せ参じた。
得に漢性物の下着。室の良い生地の褌を所望されておる」
「あの・・・ふ、ふんどしですか?・・・ふんどし」
「そうだ、一本布で出来た褌である。
何やら強い拘りが有るらしいのだ。怪我した時に包帯にするとか
興が乗った時に御名子の手を縛るのに都合がいいとか・・・兎に角、褌である。
貴様が調達隊隊長かっ?報告は後で聞く。まずは褌が先である。商人を呼べ」
確かに今回の出兵は食料と日用品の調達が最大の目的である。
それに何しろ峰冬護る鐵塔城に籠もるのは女性ばかりである。
憚れるも漢が入り用なもの等皆無であれば自分で調達せねばならないは正しいだろう。
「罰をお与え下さい。私奴に罰を・・・・」
主徒アイゼンホルプとの謁見を許された四々蛾はその個人天幕に走り居ると
頭を垂れ土の上に手を突き膝折って土下座し告白した。
「きっ、貴様無礼なっ」専属従徒の弐々羅がぎりりと睨む。
「ほっ。他の漢の竿をしゃぶりましたっ。
交渉が旨く行かず、焦り、言葉に惑わされるままに主徒様意外の漢の竿を手で扱き
口に咥え舐め回ししゃぶりつくし。漢の白濁を顔と乳房で受け止めたのです。
どうか。私に罰をお与え下さい。私の四肢に罰をお与えに・・・・」
「きっ。貴様・主徒様意外の漢の竿を咥え舐めまし奉仕したと言うのか?
従徒騎士の御前が主徒様意外の白濁を受け止めたと言うのか?」
「はい、其の通りで御座います」弐々羅の怒声凄まじくも、肝心のアイゼンホルプは釈然とせずにも
あまり驚いてもいないようすでもある。単に感情を隠してるとも視える。
浮世世情であればこそ漢と女、雄と雌の取った取られたは世間話にも等しい。
それよりも久しぶりに峰山を途中まで下り、用意された甘菓子を頬張る所であったから
邪魔した四肢を眉を上げてじろりとも睨む。
アイゼンホルプは兎も角として峰冬護る鐵塔城に潜る従徒騎士達と[大叔母様]の取って
四々蛾が主徒意外の漢に竿を咥え奉仕したと言うのは一大事ある。
主徒アイゼンホルプに忠誠と奉仕を固く誓い結んだ絆を切って裏切ったのである。
罰のひとつといってもそう安々と許される事でもないだろう。
「戌畜生にも劣る奴だな」
話を聞いた時はそれほどで無くても、後からじわりと怒りが湧き上がる。
「はいっ。主徒様。私奴は戌畜生にも劣る売女で御座います」
土塊地面に顔をこすりすけ自分が犯した裏切りの重さに耐えきれず泣きこぼれる。
「戌畜生に劣るなら衣服等着て言い訳がないだろう」冷たくも当たり前とばかりに弐々羅が吐き捨てる。
「仰る通りで御座います。戌以下の私奴が服など着て良いはずが御座いません」
戌であれば二本の脚で立ちがるのも間違いであろう。四つん這いのままに鎧を脱ぎ捨て
乳房も尻も突き出して地面にひれ伏す。
「雌戌ならば、外で飼え。何処ぞの雄戌にでも犯して貰えば良い」
「わんっ。わんっ」それが罰だと知れたとでも言うのだろう。
地面に顔と乳房を擦り付けたまま戌の如きと四々蛾は鳴き声を上げる。
遠目にそれは人と判る。
正確にいうなら戌の様に首輪を括られ地面に刺した杭に繋がれる女。
何かの罰で有るのは確実だろう寒空に全裸で戌の扱いと成れば与えられる罰にしてはきつすぎる。
