演者・参怪橋怪助


「怪助君・・・今日の夜空いてるかな?」
「うんっ空いてるよ。デートのお誘いかなっ?やったね。」
「もしよかったら食事でもっと思ったんだけど・・・・怪助君って」
「うんっ。僕っ!誰とでも寝るよ。入れて欲しいの?入れたいの?
どっちでも受け入れるよ。僕っ!。あっ。入れてほしいんだね。顔紅くして可愛いっ」
屈託のない笑顔を浮かべ自分を誘う若者に腕を絡め微笑む怪助。
参怪橋怪助・・・。
好きな漢に誘われたのが嬉しいのか屈託のなくも悪戯ぽく嗤う怪助。
澁谷の街の横断歩道を渡りながら燥ぎながら仲良く歩くカップル。
何処にでもいるカップルであっても周りの日々とはなんとなくそれに気づきもする。
知られてる年齢よりも若く視えるのは小柄にも見えるし童顔であるし細身だからだろう。
地髪の色は黒であるが銀色に染めてるのは見た目を気にしての事だ。
人類生理学的には確かに男性であるが可憐な少女の顔つきでもある。
その割には何処か中性的でもあってもふとした時に見せる表情はきつく漢のそれでもある。
澁谷の街の歩道で嬉恥ずかしにはしゃぐ背の高い漢と怪助。
何方をみてそれと気づくかは別としても目立つ二人は一般人とは違う。
小柄で有るのに目立つ顔つきでも有るが何よりも立ち振舞や雰囲気がその辺の一般人とも違う。
御國の歴史でも十数年と続く戦事の果に疲弊する世間と世代の合間に娯楽としての演劇・芸能が華開く。
才が有る者が声を上げ手を広げては人の喝采を浴びては入れ替わり立ち替わりと消えていく世情。
人々の注目は歌謡や芸能と映画等に集まる事も多い。どうしても派手な場所と時に人目が集まる。
人気商売と言う物はそういう物である。
参怪橋怪助。
最初に声を上げ芸を披露したのは繁華街の場末のストリップBARだったと後の噺の種に怪助は嗤う。
女性の如くと幼くも可憐な貝付きに小柄な四肢。
手脚も細く靭やかな癖に胸板は真っ平らで女性の証の乳房の膨らみはない。
雰囲気が好きだからと着込むゴシックロリータ系のスカートの中の下着にはやっぱり漢の証が膨らむ。
列記とした漢性であったとしても生まれ持った容姿と仕草は女性そのものにも視えてしまう。
最初の演代はストリップBARのダンサー達が踊る合間の場繋ぎにちょっとした唄を披露する事だった。
初めて演代に立った日から怪助の唄と容姿は人気だった。
顔も仕草も衣装も可憐な少女と透き通る声の癖に、その呼称は何故か僕っ!。
屈託のない少女の顔なのに噺言葉は漢のそれであるし。得意の演歌を唄えば芸術の高みにも昇る。
容姿と離す言葉のギャップは兎も角、ストリップBARの演台で唄を唄えば目立ちすぎた。
ダンサーの踊りを見に来たのに合間に聞く怪助の唄に魅了される客が続出する。
客が入れば経営者は喜ぶがダンサーからは文句が湧いて出てくる。
ダンサー達が踊ってる時は客まばらであったり、携帯を覗きまくってまともに観てくれない。
怪助の出番が近づくと膝を正しせば、いそいそと財布を開けて投げ銭を握りしめる。
いつの間にかダンサーよりも人気が出てるのもあっという間であれば馴染の劇場を追い出される。
日銭を稼ぐ手段がなくなったと焦る怪助だが道をあるけば当然に人目を引き過ぎる。
手当たり次第に声をかけて雑誌モデルを漁るスカウトが目をつけて当然だろう。
怪助をスカウトした軽くと言うか今風に言えばちゃらい系に属する漢が務める会社では
胡散臭くも一歩間違えば放蕩者が絡む位、危な目の会社でもあった。
それでも嗅覚だけは鋭い漢は怪助の才だけな確かな物だと嗅ぎつけ会社にゴリ押し
怪助を持ち上げやっとの事で契約に漕ぎ着ける。
才能はあっても名も売れてなければ素人如きの怪助をどうやって売り出すかと頭を巡らせるも。
声を上げて唄えばその才は極めるが、まずは見た目が大事だろうと気乗りしない怪助に
路上でライブもどきを開催するようにと促す。
















