【女装犯罪人】吾輩。人妻嬲り尽くして御座候

「又っ!貴方ですか?何度逝ったら分かるんです。屑の給料泥棒!」
一際大きな体躯であるがげっそりと肩を落とし猫背に背を丸める納曽利叡の前で
一際に大きな乳房の下を両腕で組んで支える女性課長が唾を飛ばして罵倒する。
周囲の同僚から見れば又今週も怒られてると鼻を鳴らして嘲笑う日常風景であるが
当の本人、納曽利叡に取ってはどうしようもない苦痛であろう。

納曽利叡・・・。
倭之御國のその最北端の寒村漁村生まれであるが
納曽利の名字を初見で読めるものは少ない。
普通に読めばのそりであるのだろうが元は昔に山賊崩れの家の者が寒村に流れ住み着いたのが
始まりであり地方の訛言葉ではのっそりである。
帝都に営む輩にはそんなのし知らんとばかりにのそりと読むが正解はやっぱりのっそりである。
納曽利叡・・・。
今に確かにこの瞬間には山とも見える体躯を無理やり縮めて震えているが
本来、常人よりも遥かに大きい背丈と太い腕を持つ。
とは言えその体躯とは裏腹に大人しい性格故にと感違いされるがそれは嘘である。
叡は罪人である・・・・。
当然に役人には捕まってるから咎務所に打ち込まれ一応の罪は洗い流しても居る。
それでも人の本質は簡単には変わらない。
犯した咎状は男尊女卑趣向からくる婦女暴行及び殺人未遂。
つまりは自分一人の欲望を満たす為に相手の同意を完全に無視し婦人を強姦し
更には殺傷行為にまで及んだ咎罪である。
殺人まで及ばなかったのは、いざ閉めた首の力が不意に抜けただけであり
殺意が消えたわけでもないし慈悲を恵んだつもりもまったくなかった。
既に猛る思いは吐き出したのだし後の始末が面倒になるのを嫌ったと言うのもある。
女の首を離すと叡はそのままに憲兵隊に連絡を入れ自分の処遇を決めさせた。
この御時世に人を殺めようとするだけで極刑を免れる事もないと知っていたにも
かかわらずである。それだけ女の具合が良かったとは思えぬが事の成り行きでもあった。
咎務所では模範囚を心がけ演じていたのが幸をなしたのか
世界大戦の戦が終わると思いがけず恩赦を受ける未となる。
なんで叡がそれを受けるとなったかは御上の気まぐれしかにならず。
詳細は語られるはずもなく。六年がすぎれば総合商社に職を得たが
性根が懶怠者と一緒で上辺だけ繕ってもぼろがでるのは当たり前。
確して毎週に大きな乳房を突き出した上司に罵倒される日々が今日も続いている。

総合商社ともなれば言わば気質の輩が集う場所である。
思い返せば就労面接の時に自分が咎人であるとも包み隠さず面接担当管に告げればに
当然といい顔はされなくて当たり前である。
似も関わらず納曽利叡は採用される運びとなるが前に座った数人の中に
嫌み垂々と毎週の如くに難癖をつけてくる女上司が居たのもうっすら覚えてもいる。
「どっこいしょ・・・やっと昼飯である・・・。これだけが楽しみであるな」
倭之御國にて一本か弐本の指に入るであろうと言われる総社ともなれば
社員が集う食堂もかなり大きい。
この時だけは納曽利の頬も緩みセルフサービス形式ではある食堂にいそいそと脚を運び
大きな体で盆を持ち背筋を伸ばして他の社員と一緒に列に並ぶ。
それぞれの曜日によって食事のメニューが変わるのも納曽利は楽しみにもしてる。
納曽利の体には似合わぬほどに小さく感じる盆の上には好物の早死ライスと鰊饂飩が乗る。
本音としてはそれに大盛り飯と餃子も喰らえるだろうとはおもったが
昼の休み時間も残りそこそこと成れば少しばかりの我慢は致し方なしという所だろう。
「さてに・・・頂きますで御座候」
大きくて丸っこい指で箸を取り上げ眼前で手を合わせ食前の挨拶を唱え
まずは大がつくほどの好物の饂飩の汁に箸を沈め白艶輝く太麺を救い啜る。
壱度啜る初めれば一心不乱に饂飩麺をずるずると音を立て納曽利は啜る。
喰する事を楽しみとすれば至福の時間である。
大食いであれば早食いでもありあっという間にも饂飩の麺をすすり終わり
ぐぃっと一気に器を持ち上げ甘くも塩っぱい湯で汁を一気に腹に納め
ぷはぁっと少々下品な吐息を吐き出しドンッと器を卓の上に戻すと
眼前の向こうの風景に納曽利は顔をしかめざる負えなかった。
勤務時間の其の中で壱番と幸せを感じる時間であれば周りの事など気にしてられない。
ともすればいつのまにかに納曽利の対向こうにあの女性上司が座っている。
思わずに目を丸く開き眉を潜める。
この食堂は広い。故に食堂卓の数も多ければ空き席もチラホラとあると知れる。
これも意地悪・虐めの類なのだろうか。
しかもたった今に納曽利が啜り終わったばかりの鰊を乗せた饂飩に割り箸を沈めても居る。
女性のその仕草の手本とばかりに頬脇に掛かる黒髪を手で退けて支えながらも
厚ぼったくも色香の香る唇を窄めつるつると太い饂飩麺を音を立てて啜っても居る
其の姿は確かに色艶も匂いも香る仕草であろうが、何も食する饂飩まで被るとはなんとも言えぬ。
態々に同じメニューでも選んだとも言うのだろうか?
まぁそれは在り得まい。今日が鰊饂飩が出る日となれば確かに楽しみにする者も多いだろう。
何せこの食堂の饂飩は旨い。何処ぞの夜屋台の親父の腕に勝るとも劣らずであればこそ
それを楽しみにしてる輩も大いに違いない。
卓の対面の席に大きな尻を置いても態々食べる物等を同じにするのはありえない
単純に選んだ物が一緒だったのだろう。
納曽利はそれと勝手に決めて匙を握ると早死ライスを口に運び出す。

千般彩瑠璃女史・・・。
納曽利が就労する商社・其の第参営業部・資材課主任の彩瑠璃女史。
事あるごとにも毎週、若しくは毎日。朝に午後に就労間際にも
態々納曽利の姿を見つけては意地悪虐めを強いてくる上司である。
尤も納曽利自身が不器用なのもある。
本来は粗暴荒事。本性が懶怠者のそれに類するのを無理に気質の世界で合わせているのだ。
何年立っても上手く行かず営業成績も悪ければボロもでる。
第参営業部といえば参つ目の課で有り、他に壱課もあれば弐課もある。
当然成績と成果を凌いで削れば不器用で粗暴の営業成績が良いはずもなく
部署のお荷物・給料泥棒と罵られるもいつのも事でもあろう。
その口火を真っ先に切って堕とすのが千般彩瑠璃女史となる。
早死ライスの飯山を崩す納曽利の前でしとやかに饂飩麺を啜る仕草は
まるで漢の欲を掻き立てるに違いないのではあるが納曽利は興味を示さない。
大体に千般彩瑠璃女史は人妻でも或る。
確か納曽利が課に配属される壱年前に倭之御國政府の高級官僚と籍を入れたと伝え聞いた。
それから弐年とも成れば人妻の匂い芳しくもそろそろ子を授かっても不思議ではないのだが
漂う色香りに惑わされ夫持ちの妻を手籠にも愛人にもと妄想する上司の輩も多いと聞く。
それも其のはず黒艶光る髪を少々長くに伸ばし結上げれば
ぱさりぱさりと揺れる睫毛と切れて長くも鋭い目。
あの瞳で睨まれればそくりと背筋が凍る。
すぅっと通った鼻筋と小さめの小鼻は何処か幼さを漂わせるも
厚ぼったくも紅い唇は色香を極める。
まかり間違いあの唇が虚ろに開きちろりと舌をだし漢共の一物を舐め頬張れば
さぞに快楽を得られるだろうと漢雄共は妄想の果に白濁をも吐き出すに違いない。
失敗を繰り返しては肩を堕とす納曽利にかぎらずも廊下ですれ違う輩は
彩瑠璃の四肢を心の奥で堂々と視姦する。
濃紺のスーツの胸元を開けば大きくも張り出す乳房は観るものを圧倒する
まるで山だと誰かが揶揄すれば根本を縄で縛って歪に形を歪ませ
突き出た乳肉に指を立てて喰い込ませその先端を噛じり嬲りたいと欲に塗れる。
突き出した乳房を嬲れは其の胴は細くも締まり漢好みの四肢をなるし
尻を甚振る趣向を持つ輩には思わず口の中に唾が貯まるほどに大きくも
桃のように丸い尻も突き出る。
人妻となる彩瑠璃を力づくで殴り倒し床上に四つん這いにし突き出した桃尻を
手のひらでバンバンと腫れば尻肉もびくびくと腫れて跳ねる。
若しかしたら彩瑠璃自身もそうされるのを好み瞳を潤ませ声を上げ喘ぐかもしれない。
そうと思えはたまらず熱く猛る自分の物を扱いて果てるのも容易いだろう。

「なっ!何てことしてくれたのっ!給料泥棒!納曽利・・・君」
最後に敬称を無理にくっつけたのは最近の世情を気にしての事だろう」
但しいくら敬称をつけたとは言え全身をわなわなと震わせ
声を上げて罵倒してくるのは変わらずもいつもより怒ってる。
正に怒髪天の如く顔を真っ赤にしてればこそ今にでも机の上の何かを投げつけてきそうな勢いだ。
「突っ立ってないでっ。さっさと行きなさい。謝ってくるのよ。お客さんに。
速く行けってばっ。ウスラトンカチの給料泥棒め。疾走っていけ!このおでぶ」
大きな乳房を揺らし叱咤激怒されれば部下の納曽利も堪らない。
小言大目玉を頂戴するのは気持ちの良いものではないがそれはいつでも出来るだろう。
今は起こしてしまった失敗へ対処するほうが先だろう。
そうと成れば早い方がよい。大きな体躯と其の背を九と十の角度に腰を折り曲げ
上司に頭を下げるとドタドタと足音を鳴らし脱兎の如くと走り出して行く。

商社の営業車と言えば当然に乗る者の成績によって左右される。
失敗ばかりで其の成績が最階位に近いと成れば中古のポンコツと決まってるし
人一倍体躯の大きい納曽利が乗るにはやっぱり窮屈な小型車である。
これも又巨漢を無理に小型車の座席に埋め前かがみでハンドルにしがみついて
やっとたどり着いた得意先の工場倉庫。
遠目傍目から観ても其の一角に屯し声を張り上げて騒ぐ一段が居るのはすぐに分かる。
「すいませんっ!すいませんっ!ぼくが発注ミスを・・・!」
普段ならきちんと白線の中に収めて駐車するのも其の日は適当であり
兎にも角にも屯する得意先の輩の場所に駆け込んで腰を折り納曽利は頭を下げる。
「おおっ。納曽利君かぁ~~~。来てくれたのは嬉しいが揉めていてねぇ~~~」
普段は無愛想で短い言葉しか語らない担当の祭佐々重と言う漢が声をかける。
「いやっ。ボクのミスですからこの度は本当に申し訳なく。
誠に御免なさい。ボクの首一つで勘弁して頂ければ・・・何でもしますから!」
「いや・・・。まるで御山の様の君に謝れれても此方がが怖いんだが。
それにどうして君があやまるんだ?発注のミスはこちらだぞ?」
「へっ?それは違います。ボクが工材の数を間違えて発注したのでは?」
「嫌々・・・。発注数は間違いなく参百であってるんだ。
問題は型番違いなんだよ。それもそっちのせいじゃなく内の担当者の責任だ。
よりによってイの参番型と伊の参番型を間違えたんだ。
ダブルチェックを常にと言っているんだけども聞き違いと言うか思い込みと言うかだな」
「え?数はあってるんですか?イの方と伊の型はまるで違いますよ。
国内仕様の物と国外出荷ようじゃないですか?それは全く違いますよ」
自分のミスではないと正しされ安心したのは良いが今度は事の大きさに気づく。
双方の型番の違いは明白である。しかも工場の生産スケジュールは決まっているから
兎に角生産しなければならない。かと言って加工すべき材料がないと言うことに成る。
そうなれば生産に遅れが出る。それも又不味い事である。
「確かに内に回ってきた伝票の型番は伊の参番でした。個数も参百個。
ぼっ僕が間違ってないとしてもこれは大事ですよ?」
工場の担当者が見せてくれた発注伝票にも確かに伊の参番型三百と記載されている。
そうなれば納曽利はミスを犯してない事になるし胸をなでおろしきすびを返しても良いのでは
あろうがそれではどこか落ち着かない。
頭の隅にどうしてこうなった?自分がミスなどしていなければなんで
彩瑠璃女史が鬼面で激怒しているのだろう?誰かが何かしこんだのだろうか?
幾ら鬼面如くに仁王を立っても何もない所で煙も立たないだろう。
否然しそれでも今はそれどころではない。
「えっと。分かりました。必要なのはイの参番型三百個ですね。
壱度には無理ですから少々スケジュールを伸ばして頂くとしても
いつまで数を揃えればいいんですか?」納曽利は覚悟を決めて祭佐々重の顔を覗き込む
「何?出来るのか?此方のミスなんだぞっ。君が請け負う必要は或るまい。
否然しだ。そうであれば確かに助かるのも事実だ。ちょっとまてよ・・・
なんとか工程をずらして・・・今日の夕方までに五十。明日に百五十
参日後に残りが揃えば遅れは取り戻せるが・・・・其の次直ぐに二百は入るぞっ」
「えっとぉ~~今日中にイの参番型を五拾十個を用意します。
残りの百五十は明日までに残りは参日後ですね。でっ四日後には更に弐百ですね。
分かりました。用意します」背を丸め黒皮の手帳に必要事項をしっかりと書き込む。
「出来るのか?たったいまから四日後まで工材五百だぞ!出来るのか」
「ええ。揃えますっ!」愛用の手帳を胸のポケットにしまうと振り向いて走り出す。
「おぃっ。納曽利君。イの参番型だぞ。イの参番型。で間違うなよ
時々君は小ぼけかますんだからなっ。きをつけるんだぞぉぉぉ~~~~」
脱兎の如くは行かずともドスドスと道路を踏みしめ車に飛び込む納曽利の背に声が飛びかかる。

「だからっ。イの参型だってば。カタカタのイ!お前はカタカタを知らんのか!
この唐変木め。イの参型の工材が今日の夕方まで欲しいんだ。
えっ?在庫が十個しかない?それでも良いから寄越せよ。僕の名前で直ぐ確保するんだよ
何?弐課の岬岬が先に確保してる?予備だろ?彼奴はいつも多めに確保するんだ。
多めに確保するくせに結局使わずに不良在庫にしてしまうだ。
良いから直ぐ寄越せ。本社に持ってこなくて良いから直接お客さんの工場に運んでくれ!」
岬岬には僕が話をつける。いいなっ!直ぐ運び出さないと首根っこへし折るからな!」
得意先の工場をアクセルをベタ踏みして走りだすと窮屈な車内で片手でハンドルを握り
空いたてで携帯を掴んで唾を飛ばす。
慌ててとまった御老体が手をあげて横断歩道の手前で止まりながらも
営業弐課の岬岬に直接連絡を入れ予備に確保していたであろう最初の工材を確保する。
次には嫌々ながらも電話を取った彩瑠璃女史に事の顛末を短く告げ
何か言いたげあろうにも唾を飛ばしながらも大声でそれをかき消し
営業参課の在庫としての工材を参十個手配してもらう。
それでも未だなにか言いたげな彩瑠璃女史の艶声を無視し無造作に携帯を切り
御老体が無事に歩道を渡りきったのを確認したらまたアクセルを踏み込む。
その時点で四十となれば残りは十個だ。
これはいきつけの中堅工場に車を走らせ到着すれば事務所に転がり込み
担当者の首根っこを掴んで恫喝ともいえる泣き落としでその日の残りを調達する
それが終われば直ぐに同工場の工場長に大きな体躯を丸め明日の分と明後日に
必要な数がほしいと哀願し土下座までもしてなんか都合したのが百と成る。
これでやっと当日分に足して百であるから百と五十。
期日までに揃えるべき数には到底足りぬと頭の中で数えるとまたも小型営業社に体を
無理に詰め込み今度は下請け町工場まで慌てて奔る。
総合商社となれば力任せに仕事を押し付ける事も多くもあるが納曽利は違う。
時に人情に熱い懶怠者まがいとなれば人の情けにすがるのもいとわない。
急な仕事であればこそ条件をつけられる事も多々にある。
参件もまわってそこそこの数を確保できたたが交換条件もあった。
何処をどう間違ったか町工場の主人の娘があまりモテない納曽利を気に入っていて
休日のデートに付き合うと言うのもあれば工員五人を帝都で噂の高級焼肉屋に招待しろと
言われれば最後の一人は息子の見合い相手を探してこいと突きつけられる。
兎に角にも下請け所か初見も一見でも目に付けば並ぶ町工場を片っ端から
あたっては砕かれつつもなんとかそれなりの数を揃え
期日までに得意先に納品してもらえるように脅し宥め持ち上げて手配する。

それでも自分で言い放った数には未だ足りなかった。
其の数正確に百と八十弐個となる。全部で五百が必要と成れど
事が露見して半日とそれなりの時間にそれ相当の工材を集めたのだから
毎朝、毎日と自分の机に呼びつけ怒鳴りまくる彩瑠璃女史も
褒めてくれると思うのは調子に乗りすぎかもしれない。
それに納曽利は腑に落ちない事もある。
発注ミスはあったとしてもそれは先方のミスであった。
それを良くも確認せずに彩瑠璃女史が納曽利のせいだといいきったのは何故だろう?
気に食わないのではあるそうにも解せない。
あの彩瑠璃女史が何の根拠もなくも非のないものを攻めるとは思えないのだ。
何か何処かに何かの思惑があるようにも思えるのだが
探りを入れるのは後である。何しろまだまだ工材の数はたりないのだ。

 

置字

天鼠 蛭姫ノ壱

天鼠 蛭姫ノ壱

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