【異世界女装漢児】帝都編其のⅰ【蚕室】

悪童非道の悪党事にも金と手間が掛かるのは当然らしい。

 

それも思った以上の手間である。
自分の容姿を変えると言う試みも、これも又中々と難しい物であった。
秤徹の中に鬼と住む齬人格も基本的な部分では徹の性質や癖を引き継いでいる。中身の人格が変わっていても
いまれ持った根本的な性質までは変化出来なかったという事だろう。全くの別人格であっても脳に記憶された経験や
蓄積された知識まで上書きしてしまったら只の呆けた人形になるのであろう。生活を営む基盤がないと成るからだ
隠して物事や悩み事にぶつかると徹は当て所無くも三歩すると言う癖を実行する。
三歩で有るけれでも其れもまた一癖あるものである。出来るだけ財布に多くの金を無理に突っ込むが
変わりに出来るだけ軽装にする。この日はTシャツ一枚にジーンズ姿。其の癖長く歩く事を考えて
ウォークングシューズではなく歩きにくいマウンテンシューズだ。これは何処に脚が向くか分からないからだ。
ちょっと短い遠足と徹が名付ける散歩は抱える問題の完全なる解決策を見つけるまで歩き続けると言う物で有る。
今回のその短い遠足の目的は妻と間男の近辺をうろついてもその正体を気取られぬ事で張る。
部屋の中を行ったり来たりと歩き回ってもこたえは出なかった。確かにてっとり速く変装すると言うのであれば
PCとD.P.Cの画面を漁れば其れらしき物はドサリと出てくる。だが其れも何故かピッタリとおさまらない。
眼鏡の形を変えたり髪型を変えるのはすぐに出来るかもしれないが元々眼鏡面であるからちょっと雰囲気が変わる
やもしれんと言う物であり、せいぜい印象がちょっと変わったと言うくらいにしか成らない様に思え成らない。
それでは感の良い妻・雪雨に気取られるのは必須だろう。何せ幾年かは一緒に生活してる相手である。
ちょっと印象が変わったからと言って夫の拙い変装くらいは看破して当たり前であろう。

徹の短くも長い遠足は会社の有る街から二つ先の陣房町の商店街までに及ぶ。
その時間およそ弐時間と二十七分。実質的には二つ先にある街まで電車で移動したと言うだけであるが
十分な時間をかけて移動しながらも考慮すべき問題の対処法を頭の中であれこれ考えるのは楽しくも
あり必要な事でもある。やけに時間を無駄につかってしまうのが徹自身が色々と見て回るからだ。
それほど遠くなくても生活拠点とは違う街に脚を踏み入れると成れば物珍しさに首が回る。
自分の街にも有るであろう移動屋台のクレープ屋を覗いても自分の好みのクレープを頼んでも
苺の変わりにブルーベリーが乗っかていたり、小腹が空いたと饂飩屋でカレー饂飩を頼もうとすれば
店主が内はカレーじゃなくて早死饂飩だと訳の分からない言い分でハヤシ饂飩を食べさせられる。
小さな驚きと変化に恵まれると心がざわつき楽しくもなってくる。
そして・・・遂に徹は問題の解決策の糸口を掴む。

「いらっしゃいませ~~~。お初の御方ですかぁ~~~」
「ええ。そうですけど・・・。僕でも大丈夫ですか?」
恐る恐ると店のドアを半分開けて半身だけのぞ開かせ問いかける。
「全然大丈夫ですよ。むしろ逸材ですよ。逸材っ。ささ。此方へ
取って喰ったりしちゃうかもですけど。うんうん。きっと大丈夫」
「ぐはっ。取って喰われちゃうのか?僕っ。とっ取り敢えずお手柔らかにでっす」
少々声を張って相手の冗談に調子をあわせたのは店の雰囲気を察してである。
商店街の割と真ん中に堂々と聳える雑居ビル。
怪しげな地下への入ぐしのけばけばしくネオン輝く看板には【女装サロン・初心者歓迎】の文字があった。
女装・・・。女装サロンとは何ぞや?
言葉尻をなぞるならば、男性で有りながらも女性の衣服を好んできる一種の性癖を持つ者。
ざっくりとしたイメージしか頭に浮かばないが其の様な性癖を持つ物はそれなりに要るのかもしれない。
何せサロンなどと言う商売が成り立つのがその証拠でもある。
ざっと考えても女装趣味を持つ輩と言うのは恐らく家族の姉や妹の下着や肌着、普段彼女等が身につけている
衣服に興味を持つのだろう。最初は興味だけであろうが其れは当然に加速する。
機会も直ぐやってくるだろう。くすねた一枚の下着の香りは甘く切なくも高揚をあおり自制の効かぬ
欲望に負けそれを手にとり自らの体につけてしまう。違和感があっても当然だ。
女性用の下着は漢が正しく着用出来るようには成っていない。それでも其の違和感が堪らない。
然し、其れで快楽と衝動が収まるはずはない。加速し増殖して行く欲望は次の段階へと導いていく。
ところが直ぐに壁にぶつかる。
一枚の下着に収まらぬ欲望は平板胸を覆うブラジャーと成りスカートとブラウスに成る。
衣服が整えば次は顔であろう。姉の化粧品をくすねても限界はある。通販で買い求めても
使い方も良くとわからない。誰かの手ほどきが必要に成ってくる。
湧き上がる欲求を抑え切れずに街を徘徊すれば何れたどり着くのが女装サロンである。

「秤徹さんですね?えっ。まかりとおるですって?
ふんふん。御村の仕来りで訛ってるんですね。うんうん。じゃ此方の席で。徹子さん」
流石の齬人格の漢も個の時ばかりはちょっと引く。自分の名前に子を付けられるとは思わなかった。
おずおずと及び腰で進められた席に腰をおろしてみる。外見は使い込まれた床屋の椅子にも見えるが
使い込まれた分座りごごちも意外と良いのは初めからちゃんとした物をつかってると言う事だろう」
「其れで徹子さんはどんな感じがお望みですかぁ~?女優風とかOL風とか学校の教師風とか?
色々できちゃいますけど。あっ。カタログ観ますか?雰囲気つかみやすいかもですねぇ~」
妙にテンションの高い店員の女性は外見は軽めだがプロであろう。
「おっ。おまかせでっ。えっと、僕とは別な感じの印象であればどんなのでも」
「ふむふむ。今の真逆な感じですね。でもちょっとクールな感じをのこしちゃったり?」
「はぁ~~~?よくわかりませんけど其れでおねがいします」
「云々。徹子さんは細めな眼差しで世の漢を嬲り倒す陰惑でのクールな御姉さま系が似合うかも。
云々。絶対に似合うですよ。漢の娘とか足蹴にお尻蹴飛ばすとか楽しそう。熊五郎さんお願い」
「いんわくってどう書くのだろう?いんわく?陰惑・・・?」
初めて聞く言葉の意味を考え込んで要ると床屋の椅子がガタンと倒れて背中が倒れ沈む。
「失礼します・・・」太くも極太の声が響くと倒れて伸ばした体制の顔に熱めの蒸しタオルが乗せられる。
女装と言うのは技である。女は化けると言われるが其の術は化粧であり化粧は技で有る。
だが然しっ。ありとあらゆる技の全てを施しても失敗する事は有るらしい。
倒された椅子の上に体を預け蒸しタオルが顔に乗せられる。一瞬垣間見た光景がちょっと怖い
体躯の大きい女装した男性が背中を丸め小さい蒸しタオルの隅を両手でも持ちながらも
其の顔に白塗りにべったりを塗りたくり頬にはまるで描いた様な丸の頬紅。
分厚い唇は真ん中にちょこんとおちょぼ口を紅い紅で描いてある顔が垣間見えた。
自分もそうなるのか?あんな顔にされるのか?まるで昔のTVタレントが能面顔に塗りたくり
理不尽な冗談を撒き散らして人気を博した番組から出てきたような姿であった。
後に何度かこのサロンに通った後に知る事になるが、この熊五郎の化粧は日替わりらしい。
其れも弥々と呼ばれる店主件主任スタイルリストの気まぐれでその日の化粧が決まるらしい。
ちなみに熊五郎自身は特に女装を好むわけでもなく性癖も至って普通と言う事である。
ともかくも・・・。
白塗りおちょこ口の熊五郎の化粧の腕は群を抜いていた。
蒸しタオルの上から顔の肉を圧して下げ特にまわしてほぐすフェイスマッサージ
多少軽く痛みが有るのは顔の肉が強張って要るからだろう。
其れが済めば床屋椅子が元に戻ると顔に下地化粧が塗られていく。
「普段からあまり肌の手入れはなさってないかと・・・。
否然し。これからは毎日の洗顔とマッサージが大事です・・・」説教じみつつも熊五郎が告げる。
「はぁ~~~。きっ気をつけます」野太い声で話す熊五郎であるが言って要ることは正しいのだろう
男性であっても歯磨きの習慣と同じ様に洗顔やマッサージ等の手入れは必須と言う事かもしれない。
なめらかな下地クリームを太くも丸い手で塗りたくっていくがその強さもちょうどいい。
時より前面に移る白塗りの化粧顔が観えてしまえば恐怖と苦笑が漏れ出るがそれは我慢する。無理に。
下地が終わればファンデーションと言うやつだろう。専用の道具で綺麗に伸ばされていく。
「ちょっと目閉じて頂けます?眉毛描いちゃうから」
基礎の段階が過ぎるとスタイリスト・弥々が後を引き継ぐ。
言われた通りに目を閉じると細い筆で眉が書き込まれるのが分かる。
「うんうん。こんな感じだけど。これからたたみかけますよっ」
書き込んだ眉の出来に納得したのか興がのったか弥々は声を出して宣言する。
言われるままに動かずにがまんしてると隣の席に人影が感じられる。
ちらりと除き観ると別の男性客である。仕事をサボるサラリーマンという所だろうか?
盗み聞こえる会話の中にはなにやら専門用語もまじり全部は分からない。
「ぬ~~~とっ。徹子さん・・・。
お顔だけにします?それとも全身にしますぅ?お顔だけに為さるなら
後はウィックを被ってもらってそれから仕上げちゃいますけど・・・」
「顔と?全身・・・・?」徹は困惑する。顔の化粧の他に何が有ると言うのだろう?
もとよりこれで完成とはいえないのだろうが。女装と言ってはまだ中途半歩でもあるやもしれん。
とは言っても初めての事であるから勝手も分からない。助けを求めて熊五郎とみれば云々と頷く。
「ぜっ・・・全身で・・・」ごくりと唾仏が動いて唾をのむ。まな板の鯉はやっぱり鯉である。
「はぁ~~~い。全身こーすですねっ。むふふのふ。これは眼福。眼福です」
意味もわからずに差し出された小さい弥々の手をとって引かれ狭い店の更に置く更衣室に詰め込まれる。
【只今、お手入れ中。関係者以外立ち入り禁止!何人たりとも覗く事なかれ】
狭い店であるし客も徹の他に一人である。誰が態々と覗きにくると言うのだろうか?
それでも警備宜しく、大きな体の前で腕を組み白塗りおちょこぼ口ので更衣室の横で
仁王と立つ熊五郎は真剣である。一種異様な風景なされど更衣室の奥は騒がしい。
「ちょっと待って。待ってください。そこはだめです。引っ張っちゃだめです」
「全身コースなのですよ。ぜ・ん・し・ん。今更断っても遅いですの
観念しなさい。徹子ちゃん。まずは下着。女心は下着からですよ。
勿論、各種大きさお稲荷さん対応可のTバックですの。こんな無粋な下着はチョッキンですっ」
「まって。本当にまって。各種大きさお稲荷さん対応可のTバックって何ですか?
お稲荷さんの大きさ対応済みってなんですかぁ~~?鋏は駄目です。鋏はぁ~~~
危ないから。お鋏はあぶないからぁ~~~。待ってくだってばぁ~~」
「縦縞のトランクスなんて時代遅れですよん。
ほらほら。ちょっきん!cyokkin!チョッキンなっ。暴れると象さんの鼻が怪我しちゃいますよん」
「お稲荷さんは大事です。ちょっと勘弁してください。僕のおパンツ。チョッキンは駄目ですぅ」
「もう遅いです。時代遅れのトランクスはゴミ箱行きです。
ふんふん。中々立派なおいなりさんです。ちょっと凶器なお稲荷さんで今まで何人の漢の娘を毒牙に?
さてっと。清楚な白が良いですか?それとも大人の魅力の黒っ!誘惑の紫と黄色とか?
さっさと決めてくれないと次の最終兵器がまっているんですからねっ。早く、早くぅ~~~」
「白・・で・・・純白の白で・・・てかっ何やってるんですかっ?
それは紫でしょ?魅惑の紫に黄色のラインってどんな色彩感覚してるんですか?変態ですよ。変態!
最終兵器って何ですか?この店に最終癖とか核爆弾とか有るって言うんですが・・・?うはっ、其れは」
「女装漢児の正義の味方。最終兵器で御座いますのっ!
さぁ~~~。徹子ちゃん。覚悟しなさい。これぞ女装。道の世界にようこそなのですっ」
「そっ。それは・・・・それが最終兵器・・・・未知の世界だ。いやん・・・待ってっ
か、覚悟がまだ。ぐはぁ~~~。いやいや。。いやん・・はずかしいの。いやん」
更衣室に響く阿炎狂乱の悲鳴と屈辱。背徳と一種の罪悪感の悲鳴と苦痛と喘ぎ声が届いて渡る。
ひとしきり暴れたとでも言うのだろう。観念したとでもいうのだろうか。
更衣室の幕の間からするりと覗く弥々の細腕にそれぞれに厳選された衣服が手渡される。
此処から先は秘密とでも言うように衣服の他にももいウイックが持ち込まれ
即席ところか最終的な仕上げが施されると更衣室の幕がサラリと開く。

見違えるという言葉が其処にあった。
女装の極みと言う変怪が其処にある。
スルリと更衣室の向こうから出てきた徹子と呼ばれた女性。
以外にも背が高いが細身でもある。
少し気に肉が付いてるがそれは筋肉が張ってるだけで決して太いというわけでもない
黒艶輝く髪を長く伸ばし半肩を晒し胸元で幅広の生地をリボンの様に縫い上げが薄黄色のブラウスを着込む。
軽く視線を落とせばあろうことか胸が山と乳房が膨らむ。
細い腰は締り膝下丈の青いスカートが揺れれば伸びる脛の毛も綺麗に手入れもされている。

思わず語りと椅子から立ち上がる半分化粧をした男性は今の自分の姿も忘れ。
「おっ。お嬢さん。ぼっ僕と。結婚してください。幸せにします」とプロポーズする始末だ。
「初めての御方ですので、先ずはお知り合い程度からお願いします」
呆然自虐に項垂れる半分化粧の男性に頭を下げるがその声のトーンが変わり女性の声そのものでも有る。
「仄か静藍ってのはどう?源氏名だけど・・・」弥々が神妙なふりをして告げてくる。
「仄か静藍?私の名前は静藍・・・?」


仄か静藍・・・。
それを正せば秤徹という人物の中に巣食う齬人格と言う漢が目論む悪事の支障を解決する為に思いつき企んだ
女装のである。否然し、其の度は本来の目的以上に効果を生み出す。
本来、女装と言えば一種の性癖の延長であろう。
幾らにも化粧の技術がすすんでも外観を変えて見てもそれにも限界はある。
身体的特徴と心理的な要素は元の性別を上書きするのは難しい。
それ故に限られた空間の中で女装を楽しむのが無難であり。その姿ままで外界に出ていくのは危険でもある。
所が仄か静藍はそれを凌駕する。
出で立ちが美しくも麗らやかで何処かその表情が冷たさを宿してはいても何処をどう間違っても女性であり。
道行く者もが視線を送り漢がその乳房を姿を視姦しても女性が憧れの眼差しを突き刺しても
其の正体に気づき至る事はなかった。秤徹は仄か静藍と言う女性を完璧に演じていた。

目の隅の果に一瞬、綺麗な女性の姿が映り込む。
自分のす趣味趣向の範囲とは違うが同性に対しての憧れるくらいの感情は許されるだろう。
尤もそれも一瞬目の隅で追いかけだだけだ。圧迫される胸の刺激に体が反応する。
「辞めて・・・。辞めてください」
「煩いな。金払うからいいだろう。以外と巨乳だな」
商店街のコンビニの側道に続くレンガを模した壁。其処に少女は体を押し付けられ乳房を嬲られてる。
少女と見えるのは小柄で童顔で有るからで実際は近くの短大に入学したばかりの女性・東屋未樹和である。
未樹和は大学に入学してから同じ学内のサークルの知人にストーカーされていた。
今もその時ついに正体を表しつけ回した上げくに人目少ないくとも公衆の面前で乳房を揉みしだかれる。
「辞めて・・・藤堂君。お願いやめて・・・」
「嘘だろ?乳首勃起してるぞ。気持ちいいんだろ?俺にいじって貰えて嬉しいくせに。此方もいじっでやるぞ」
「駄目。人が来る・・・」コンビの側道であればこそ一見は人目に付かぬが店員が見回りにくるかもしれない。
未樹和は快楽に酔いながらも息を殺して飲み込む。
「声効かせろよ。未樹和。そうしないと本気で入れるぞ。俺のは太いからなっ」
「いやよ。いやっ。嫌なのっ」唇を奪おうと躙りよせるストーカーの顔を見ないように目を伏せる。
「きゃっ。・・・あんっ」いきなり雌壺に刺激が奔りそれが曲がると知れる指だとわかり声が上がる。
「あん。やめて・・・お願い」と哀願しても拒否にはならないだろう
「嫌も嫌よも好きなんだろ?俺の事。好きにきまってるだ。いつも俺をさそってるからな」
「そんな事ない。嫌いよ。嫌い。貴方は嫌い・・・ああっ」拒絶の意思を強く示しても許しにはならない。
お気に入りのパンティをずらしぐちゃりぐちゃりと音を立てストーカーの太い指が雌壺をかき回す。
押し寄せる快楽を堪えられず漢の胸に顔を埋めて喘いでしまう。声が漏れれば直ぐに大きくも成りかけ
嫌いであっても答えらずには居られず意思と倫理が溶けてしまう。
顔を上げたら唇を奪われ舌が入ってくれば答えて絡めてしまうに違いない。それで漢は満足しない。
図に乗って脚を開かせジーンズのチャックを下ろし猛る思いをぶちまけるに違いない。
後は時間の問題で未樹和自身も脚を開き受け入れてしまいそうだ。頭の芯がぼうっとして何も考えられなくもなる。
ぐっと握りしめた拳一つが拒絶の印と言えるのかもしれない。

「其処までにしなさいっ・・・嫌がっているでしょ!」
ガツンと鋭い声が快楽に酔いしれる未樹和の耳に届く。はっと我に返り手を突っ張って漢を突き放す。
「あっ・・・」と声が出て指が下半身から離れる。
「此方来なさいなっ。こんなところで強姦なんてしてると捕まるわよ。坊や」
涼しげであるが鋭くい声が届き、顔を向ければ視界の先にはぎりりと睨む背の高い女性が睨んでる。
淡黄色の半肩をさらし胸前でリボンのように布地が重なるブラウス。
其処に見えるは富士の御山かと目を疑うほどに盛り上がった乳房。
女性特有の細く締まる腰はそうであってもその先に膨らむ尻は細く締まって小さめである。
細身であるが胸は巨乳極まれりとも言えばそれと正しい。
スラリと長く伸びた脚には無駄毛は一切なくすべすべでもある。
「邪魔するなよ。てめえ。何者だよ。せっかく楽しんでるのに。此奴だって」
「何言ってるのよっ。人間なんだから性感帯刺激されれば好きも嫌いもないわよ。
五十超えた玄人相手でも一物弄られば貴下のおったてるに決まってるでしょ?」
よほどに起こってるのだろう。口を動かして言葉を発する前にズカズカと近寄ってくると
コンビニで買い求めたビニール袋を手首を捻って回すとびゅんと唸ってストーカーの股間に直撃する。
「うげっ」急所一撃に当たったビニール袋には不幸な事に玄米茶のボトルが二本入っていた。
それが唸りを上げて股間に激突すれば鈍い鈍痛と呼吸困難を引き起こすのは早々に容易い事に成る。
「相手が自分の事を好きだとか。無理に強いれば女も喜ぶとかファンタジーなの。
幻想よ。幻想なのよ。AVとか観て現実と混同するのは馬鹿な証拠なのよ。いい加減大人になりなさい。お馬鹿っ」
未だにいかりが収まらずボコンっと二度目にビニール袋で漢の頭を殴りつけて起こる。
「大丈夫なの?貴方。気付けないと馬鹿に隙みせちゃだめなのよ。こうゆう輩は馬鹿なんだからね」
「はっ・・・はい御姉さま」心の中に素直な言葉を吐き出し恥ずかしそうに未樹和は目を伏せる。






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天鼠 蛭姫ノ壱

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