【構想無くして、小説も賭ける筈も無く】:壱・Obesity and hyperglycemia
禄畳一間に雑多に物が詰め込まてる。
其の大半が食べ物を買い込んだ時のビニールや容器。飲料水の缶の空き缶の類。
つまりはゴミである。それが山と積まれれば脚の踏み場なんて当然ない。
それでも食事をするための食卓用のテーブルとでっかい肉尻を乗っける座布団の周りだけは少し空間が確保されているどうやら部屋の主、煮豚噸蔵はむとんちゃくな性格らしい。同時に随分と食い意地の張った輩とも知れる。
今でさえ・・・。
地元でも其の味で覇を成す、つまりは大好物の桜屋チェーン店の牛丼二皿、汁だく大盛りをドスンと卓の上に置き
手を合わせて拝んで居る。拝むといっても大げさな物ではなく顔前で両手を合わせてごにょごにょと呪言を
口の中で呟いて居るだけであるがそれでも食前の儀式では有るらしい。
「我要开动了・・・」
何やら聞き慣れない言葉であり少々所かでっぷりと腹の出た体格の煮豚噸蔵にも似合わない言葉でもある。
それも其の筈で有る通り。それなりに事情を踏まえてみても漢言之御國においても珍しい言葉である。
我要开动了。これは煮豚の生まれたふたつ向こうの大陸言葉であるし、漢言之御國で食事を取る時に
並べる呪文言葉。米を作る農民や料理人に対して感謝を述べる風習は煮豚の里國にないし
それに該当するこ言葉もなかった。どうせ一人で食事する事が多いのだからと適当な言葉を当てはめて
唱えているだけある。更に言えば煮豚噸蔵のその名自体も親が付けた名前でもない。
煮豚噸蔵・・・。
地毛こそは暗いも黒色の髪であり実は癖っ毛である。寝起き等、ぐちゃぐちゃに跳ねて手を付けられない鋼毛でもある
其の色を欧州で好まれる金色もどきの色に明るく染めて居るのは、仕事柄だ。
顔立ちはこの漢言之御國の民の物とも違う。と言っても、噸蔵は肥満である。
肥満であるから顔は丸く大きくもパンパンでもある。硬めのレンガでバンバンと上下左右から何回か叩いて
整形でもすれば少しは痩せて形よくもなるのであろうが、まぁそれでも普通の顔と見えて久しい。
然しよく見ればこそ、犬食い宜しく器を抱え込みはぐはぐと箸をそそくさと動かし二皿目の牛丼をかっこむ
その耳がぴくりぴくりと動くのは、この漢言之御國に民にあらずと証明している。
当人は機嫌良く好物の牛丼の二皿目を食らうと成れば至極至福に在りてご満悦であるが
それに応えてずんぐり頭の両側の耳がぷくりぷくりと跳ねて動く。其の耳も住まう國の民に似ず長く伸びる。
煮豚噸蔵と成れば漢言言葉の読み名であればこそ、里國のそれは発音しにくいものであれば異国渡りの者であり
七つとも否に六つとも呼ばれる大陸世界の大地を塩海を渡りて何百里と飛ばずとも
此処の恩國に辿り流れた異国人である。それ故に他の御国、他種族他民族で有るのは当然で話せる事も場も風習も
此処の御國の者とも風体が違って当然である。
四つとも五つとも言われる大陸世界の其の弐つ目の隅っこ金槌で叩いて砕いた破片の島々。
そこが煮豚噸蔵の故郷で有る島々のことを知ってくれと云うのは説明するには面倒でも有る。
元々、弐つ目の大陸に住まう者達は癖の多い種族が多くも種類も雑多である。
多くは他の大陸の所謂に人種人類の容姿を有しているはずだがそうでないものもいる。
金槌で砕いて割った島々に営む民は特に変わっても入るが一応には人種人類にちかくてあっても
容姿や風習・思想・思考・宗教とありとあらゆるものが他の大陸出る者ともやっぱり違う。
煮豚噸蔵が尤も違いのが金槌で砕かれなかった大地に住まう精錬妖精種と言えるやも知れぬが
それも又然りに似てるには耳が長いと言うことくらいだろう。その他に類似する事柄を上げろと言われても
精錬妖精族と煮豚噸蔵の種族は塩海で別けて隔たれて入るし彼からから煮豚噸蔵達を見れば田舎者と蔑まされて終わる
煮豚噸蔵の種族は確かに精錬妖精族に属し類する物の肌の色と長く伸びる耳の先端の形が若干って見えると言うだけで
あれば尚のこそ弐立つの種族を別けて違いをノベルのは極端にも難しいとも成るだろう。
兎に角にも二つの種族が其の違いを元に差別・搾取の種族同士の争いの種となっても他の國の民から見れば大差ない。
「噸蔵君っ・・・目線こっちに。云々。いいよぉ。いいよぉ~~
次はアンニュイな感じで・・・色っぽい!流石妖精界の新星!。世の女性の心鷲掴みだねっ」
態とらしくもテンション上げを大げさな声が階段の前でポーズを取る噸蔵に向かってカメラマンが声を掛ける。
只でさえ明るい色調の大型ショピングモールのメインストリートの階段の前で訝しげにも面倒くさそうにポージングに
勤しむ噸蔵。其の表情は広告業には似つかわずにも観る者に好感を与えると言う物でないだろう。
確かに商業誌、しかもファッション雑誌用の撮影であればこそ専属のスタイリストが発汗著しい噸蔵の肌を抑え
滲みを抑えて割り込めば、此処とばかりに隙を狙ってマネージャーの如月女史が駆け寄って耳打ちする。
「次のカットは女史と一緒だからね。ドサクサに紛れておしりととか触っちゃ駄目よ。
触るのなら私のお尻にして。サービスするから。良いわね。噸蔵君っ」
初めて会った時から猛烈に巨乳とでか尻をアピールしてくるマネージャー兼世話係の如月女史が強請り寄る。
「次はラストかっとだから。神羅さん。お願いしま~~す」
「は~~~い。煮豚噸蔵さん。宜しくお願いします」其の世代で尤も売れていると言っても良い若手モデルの
神羅結衣と言う女性が撮影スタッフが屯する奥から姿を魅せると一度立ち止まりペコリと挨拶すると
小走りに噸蔵の脇腕に手を通し態と乳房をぐいと押し付けて気を聞いてくる。
「云々・・・良いねぇ~。良いよぉ~~~神羅ちゃん。もっと顔近づけて。恋人的な感じでっ。
噸蔵君。例のポーズ。頂戴。いつもの奴やってくれる?」
やたらテンション高く声張り上げるカメラマンの要望に応え。無愛想にぶっきら棒に噸蔵は神羅結衣の腰に回す
反対の手で手指で作り眉を上げて要求されたポーズを作る。
Obesity and hyperglycemia.
この仕事に付いた時なんかポーズしてみてとマネージャーの如月女史に命じられて、なんとなく指を立てたり
おったりして適当に取ったポーズ。近い物で言えばピーズサインとか誰かを罵倒する時のそれに類するだろう。
巷の長い文や複雑な文言を略する傾向に合わせてなぞればO.A.Hとも言われる手指によるサインの形は
親指人指をぴんと伸ばし中指と薬指を中に拳に畳んで最後に小指を立てる。
肝心なのは中指と薬指の先をしっかりと手の平にくっつける事だ。こうすると人体の構造上、小指を完全に
伸ばして立てる事は出来ず。それがO.A.Hサインの意味合いを深くも形も独特の物になる。
Obesity and hyperglycemia….漢言の言葉に合わせれば【肥満と高血糖】となる。
映画のサイエンスフィクションに出て来る台詞回しやサインと同じでは有るが本家Live long and prosper
長生きと繁栄を願うものであるのに対しO.A.Hは不健康そのものを羅列したに過ぎない
容姿至上主義の一辺倒の芸能の世界において煮豚噸蔵という人物は異様な存在とも言える。
その人気は留まる事を知らず鰻登りではあるが、其の反対のアンチファンもこれ又に多い。
煮豚噸蔵は他のアイドルや俳優とは違い特段に美形ではない。
ぽっちゃりと言えば可愛いい様に間違って聞こえるやもしれないが、要はおでぶでもある。
顔のパーツや作りも極々平均的であり絶世の美男子でも到底にない。
容姿も月並みであればこそ違いを列挙しても耳の形が長くも少々尖って入るだけであり
耳が尖っているおでぶであり、挙げ句には寡黙で無愛想でぶっきら棒だ。
目つきだって細くも半眼に細めるのが癖であるから当然に目つきが悪い印象を与える。
仕事から多くの人と会うことも多いが無愛想で寡黙、ついでに人見知りと成れば初対面には印象が悪くて当然で
新人の女性モデルの中には睨まれたと思い四肢を震わせるのは未だ軽い方で、中には失神失禁の類まで及んだ者も
いたのは事実だ。初対面の者にはとっつきにくくも印象悪い噸蔵であるが何故か人気が有る。
従来の美形美男とも性格の良さ等が全く持ってその全部を覆してしまうのが色気である。
それは色気とも漢気とも言う。
一般に色気と言えば異性に足して感じる性的興奮材料の一つであるが噸蔵は漢性であるから漢気と示せば
それが濃い。濃密と言っても良いだろう。俗に言うむっとする色気とい言う表現が有るとれば
それに十とか弐十を賭けて更に五を足してやるくらいの漢気の濃さと雑誌には良く紹介されている。
以前。漢性化粧品のTVCMに起用された刻の時だ。
真っ暗で漆黒なスクリーンにゆっくりと顎を引いた褐色肌の噸蔵の顔が写し出され
上目使いで此方を見上げたかと思うと厚ぼったい唇から熱く吐息混じりに商品名を吐いて捨て
中途半端に伸ばした髪を無造作にかき揚げまぶたを閉じて頭を横に振って半開きに瞳流し画面が暗転する。
其処に堂々と商品名が被さると言う作品があった。
数日後に発売予定の商品の事前告知であったのだが、用意されたネットの予約サイトは10分で予約完敗。
14分でサイトがアクセス過多でダウン。それ所か販売店は元よりメーカーに苦情が殺到したにとどまらず
商品を求めて國を超えての騒ぎは販売前に暴徒と化して世間に騒乱の騒ぎを巻き起こす羽目になってしまう。
この商品が漢性向けの香水であったと言うのに買い求めた消費者の9割9部が女性であったのは言うまでもない。
これを機会に噸損は広告の媒体をネットや紙媒体だけに絞りTVCMは受けてはない。あまりにも影響が有りすぎるのだ
噸蔵の活動はあまりネットでも活発とも言えず主に紙媒体。かと言ってソーシャルメディアもコンテンツが
あまり更新されないのも結局は噸蔵が面倒くさがり屋であると言う一因にたどり着く。
其の目にしてしまえば忽ちに心を奪われて虜になると思えば、激しい嫌悪感に苛まれ離れて行く者も多いと言える。
随分と両極端な偶像人気とも言えるだろう。
「噸蔵さん・・・。この後若しよかったら・・・」
自分の出番の最初から自慢の乳房をずっと押し付けて来ていた神羅結衣が今度もあからさまな態度で誘う。
「えっと・・・。一人で居たいから」とそれも噸蔵は無下に無粋に断る。
「御免なさい・・・。又今度でも」握りしめた手を名残りおしそうにぎゅっと握りま押して神羅結衣は引き下がる。
絶賛売出し中の現役モデルの神羅結衣で、簡単には噸蔵の相手は出来やしない。寧ろそれでも難易度は高いのだ。
一度噸蔵が嫌えば次はない。業界のそれに準じて言えば共演NGと言う事に成るのだろうか。
「あの子とは相性悪いんだよ・・・如月女史」と噸蔵が一言漏らすとマネージャー業務を司る如月女史が
颯爽と携帯電話を取り出し疾風の如く釦を叩いてメールを送る。宛先は勿論、マネージメント会社のチームスタッフであり、それを受けとり確認すると疾風稲妻の如く✗てんリストと言う物に加えられてしまう。
一度✗てんリストに加えられと後はない。絶対にである。以前リストに登録されてしまったタレントを抱える
大手芸能会社が剛腕然りと噸蔵の会社に圧力を加えて来たことも有るが、それも又然りに
むかついた噸蔵はクレームを付けた大手会社まで態々出向くが、謝罪する所か其の会社に所属する女性タレントとは
未来永劫に一緒に仕事はしないと断言する。その影響は大きい。
たまにしかTVに出ない噸蔵であれども、此処ぞと言う番組には出演するのが常である。
半期に一度の歌の祭典には必ず顔を出し美声を披露する噸蔵であれば、大手芸能事務所であっても手駒のタレントを
其処に送り込めないと成れば致命的な被害にも成るだろう。
種族差に寄る差異はあれども弐十代後半であれば当たり前に性欲もあれば猛て盛る。
里國で言えば五年も前に嫁を貰い子作りに励み家族を持つ時期でもある。
特に里國であれば一夫多妻が習わしであるのなら妻の二人や三人。
子の三人四人ではあればこそ噸蔵としては切なくもやるせなくも火照る四肢を持てます事も多い。
國の違いや種族の差から来る性癖に関しての影響も実は以外と多い。
包み隠さず他人事だからと言ってしまえば噸蔵は巨乳好きである。
詳しく述べれば、その傾向はあっても大きければ大きほどよいと言うものではなく。
噸蔵はEカップ位が丁度程よい大きさと捉えていて其処より二つ大きくなれば改めて眉を上げてじっと見つめる。
逆にそれ以下は未成熟の乳房と決めつけ全くもって興味も示さない事も多い。
腰は細い程に良く逆に尻は大きくも丸く肉厚な肉尻を好む。四肢の其れ以外に戻り顔を容姿の対象とすれば
童顔よりも成熟し冷たい印象の女性を好む。此れも又、里國の風習で年上が伴侶として大吉と叫ばれるのもあるだろう
ちょっと変わった風習も心得ているもあるだろう。
噸蔵の里國では成人の十五歳となると先ず最初の嫁取りを行う。これは見合いが多く早めに縁を結ぶのも当り前だ。
其処からが一夫多妻の本領で二人目以降は略奪婚が当り前と成る。誰かの伴侶を誘惑し嬲り貶しめ自分の物にする。
その醍醐味を味にしめて参人四人と伴侶の数を増やして行き専制家主として男尊女卑を貫くのが
噸蔵の里國の風習と仕来りである。
それを基準とすれば幾ら無愛想な噸蔵で合っても性欲を持て余していないとは言い切れない。
濃黒に染められた少し厚布のニット棒を深々とかぶり長い耳をお覆い隠し
一応の人目を気にしてか真っ昼間から態々に下野の繁華街で買い求めた以下にも貼ったもんのプランドサングラスを
鼻上にのっけて通い癖の有る喫茶店にの角席に腰を下ろす。
勿論、ニット坊の中に出来るだけ癖っ毛を突っ込むのも忘れははしない。
(僕はでぶ。只のおでぶのおでぶちゃん)と若干、意味不明な呪言をぶちぶちと繰り返しながら店の入口から
いつもの席に歩く間に何度も此心の中で繰り返すのは癖だろう。
成るべく同じ店に通わないようしてるが未だ、その正体がばれていない様子であれば店のスタッフが鈍感んなのか
そうと知っても客のプライバシシーに配慮しての気遣いかも知れない。又はやっぱり只のでぶなのか?
「いつものください・・・」注文を取りにきた給仕係の顔をも満足に観ないで告げ、変わりに置いて言ってくれた
水のコップを手に取り半分まで一気に飲み干す。残りの半分は飲薬する為に残しておく。
抗生淫薬。漢言野御國の其の首都の街に営みを求める噸蔵にはこの薬が欠かせない。
弐つめの大陸に住まう精錬妖精族。時に戦好みのエルフとも呼ばれる種族の親類で有る妖淫妖精族。
若しくは淫エルフ族とも呼ばれる噸蔵の種族は精力旺盛なのは証明済みであってもその実態はかなりに淫乱だ。
種族特製であればこそであるが、問題なのは其のフェロモン。雄が雌に対して優秀な遺伝子を残すために
振りまく目に見えない霧の様な者であるが実際には空気に混ぜた匂いの因子となる。
淫エルフ族の雄は耳の付け根かか細い筋の様は切れ込みが観られこれが鰓に該当する。
塩海の中で呼吸する魚類と同じ様な機能を持つが鼻や口から吸い込んだ空気が肺に溜まり吐き出す時に
独自器官の鰓袋を通る。その器官の中で個々独特の淫子が混ぜられ鰓から排出される。
実際には直ぐに空中の空気に溶け消える物であるから極端にと首筋に顔を寄せてクンクンとでも嗅がないと
中毒にはならないだろう。否然し、間違って異性同性に限らずも鰓から排出られた淫子を嗅いで中毒にでも
成ると取り返しが付かない。老若男女も雄も雌も問わずか限らず虜に成ってしまう。
非常に厄介な体質でも有るために、一日に弐回と噸蔵は抗生淫薬を飲むのを忘れない。例えうや嫌であってもだ。
置字
