【女装男児】女装家且来素子闊歩歩いて候:新章:其の弐拾弐


ポタッボタッ独特の音がズッス・クレイメン・オリンが頭からすっっぽりかぶる合羽に雨礫が当たる。
確かに雨に変わらないで有るが、䯢女の森御國ともなれば全てが違う。
「雨ではあるが・・・・吸血の雨とはさすが䯢女の森御國とでも言うのだろうか」
俗に䯢女の森と言われているも追われる身でもあるズッス・クレイメン・オリンが籠もる場所は
深淵の更に奥である。
こんなことにどうしてなったのだ・・・と分厚い作りの合羽のすきまからこれもまた分厚い
生地の手袋の中で指を動かし剣柄に手を添えブルブルと身を震わせると同時にはぁ~~と
白い息雲を吐き出す。
雨は雨と言っても魔森の深淵ともなればその力のせいでやっぱり雨も淀み濁る。
尤も言ってしまえば魔の森の生態系の一つであるのだが繁栄贅沢を極めた教団騎士団で
あるズッスに取っては苦くも苦しい。
魔森の空から雨として振って堕ちる雨粒の正体は蟲屑にしか過ぎない。もっと生態的には癖も強い。
親蟲が地中に卵を産み付けると弐年ほどは地面の中で眠り浮かし幼虫の次期がすぎると他の動物には悪魔と化す。
次期がくれば地面の上に這い出てきて最後の脱皮を行う。魔森に入り獲物を刈る狩人達はどんなに上質な獲物の気配を
見つけたとしても地面の上で這いずり回る蟲の群帯を見るときすびを返して奔り逃げて行くのが当たり前でもある。
個の蟲は群れる。地面の上に何千引き所か何万とも十万も百万引きも地面の上を絨毯の如く埋め潰す。
そうなってしまうと人種人類に出来ることはない。火を駆けて燃やせばなんとかなってもそれでは魔森が燃える。
森が燃えれば自分達の生活に害が及ぶ。それ以前に地面に出てきて一度脱皮すれば蟲共は狩りを始める。
脱皮し膜羽を得ると直ぐ様に天空高くを群れで舞い上がる。十万をこえれば百万に届くと思えば空が暗黒に包まれる。
膜羽の漢が魔森の空を覆えば空は暗く太陽も月も隠され覆われば蟲夜が訪れる。
彼等と同じ様に空を飛ぶ鳥類の肉を求め蟲が喰らい付けばあっという間に骨鳥となって地面に堕ちる。
虫共は群れの儘に獲物を求め魔森の空を埋め尽くし天空の獲物を喰らい尽くせば今度は大地だ。
土の上を這いつくばって歩く魔物や人種人類を餌にと空から堕ちて襲って喰らい尽くす。
ズッスは吸血の雨とぼやいたが蟲達は獲物に噛みつき皮膚を食い破りその下の肉を喰らいつくす。
天空から堕ちてくる蟲共は雨の如くであるが飽く迄もズッスが勝手に付けた名前だ。
地元の狩人が雨蟲の気配さえ嫌い避けてにげてもずっず達はそれも出来ない。
幾人かの犠牲を糧としてなんとか辻褄合わせの対処法として作られたのが厚手の雨合羽である。
教団騎士団としては随分と情けない格好であるが天幕の外に出る時は欠かせない。
頭からすっぽり被る合羽に騎士団の乏しい備品の中から引っ張り出してきた顔を覆う呼吸仮面。
分厚い合羽の上から盛り上がりがわかる乳房と大きな尻は確かにズッスの自慢でもある。
尤もズッスがその四肢を晒し快楽を貪る事を許されるのはもはや形骸と成りつつある教団騎士団の教祖だけである。
ズッスが剣と盾と自分の四肢を捧げる教団は有る國の都でその覇者となっていた。
数える日も面倒な位の前になってしまうが教団自体はその頃は信者も多くお布施と言うなの稼ぎも多かった。
帝都のどこを観ても教団の教印が刻まれ信者もひたすらに多く誰もがその名を知ってもいた。
繁栄極まる程に流行り確固たる地位刻んだ教団であったが、、それを収める教祖も人である。
信者が貢ぐお布施は金である。人は金に目が眩むと欲が増す。
金に目が眩べは抑えも効かず欲に塗れれば更にも歯止めも効かぬが、災いも起きる。
全くの効果もご利益もない信仰を押し付け帝民に示し教え込んだ故に事件が起きれば
教団教祖は帝都を終われ、否応なくも追従と余儀なくされたのがズッス達教団騎士団である。


ズッス・クレイメン・オリンは、湿った重厚な雨合羽を押さえつつ、剣の柄を握り直した。
空は既に灰黒く、群れを成した蟲夜の羽音が森全体に反響する。
数百、数千の黒い影が、天空を埋め尽くす日は近い。
「……全員、構えろ!」
ズッスが叫ぶと、仲間の騎士たちが剣と盾を抜き、仮面越しに互いの顔を確認した。
誰も笑ってはいない。生き延びることしか頭にない。
第一波が落ちてきた。
雨粒のように降り注ぐのは、巨大な幼虫――膜羽を持つ前段階の蟲たち。
ずぶ濡れの草地に叩きつけられ、音もなく跳ね回る。
剣を振れば頭蓋を割ることも可能だが、数が多すぎる。
盾を上げ、合羽の縁で顔を守りつつ、ズッスは仲間と縦に連携しながら後退する。
「右、膜羽二匹! 狙え!」
指示が飛び、仲間が飛び掛る。
剣が火花を散らし、盾が蟲の突進を受け止める。
しかし、幼虫の触角が鎧の隙間に絡み、腕や脚に噛みつく。
「くそっ……っ!」
痛みを押し殺し、ズッスは片手で剣を振る。
切り裂くと同時に、滴る血が雨粒と混ざって黒く光った。
そして第二波――空を覆う膜羽成体が舞い上がった。
黒光りする羽を広げ、獲物を捕らえるために旋回する。
その羽音は低く、地面にまで振動が伝わる。
「皆、散開! 空を見ろ!」
ズッスの声に従い、騎士たちは分散し、攻撃範囲を広げた。
膜羽の蟲は、まるで嵐のように襲いかかる。
飛び掛かる群れを受け止めるだけで息が上がる。
ズッスは剣を水平に構え、飛び掛る一匹を正確に斬る。
切り裂かれた羽は空中に舞い、他の膜羽にぶつかる。
一瞬の混乱が生まれ、仲間たちはその隙に攻撃を加える。
だが、群れの数は減らない。
「……増えている……?」
ズッスの胸に寒気が走る。
空から降り注ぐ羽音の密度が増し、視界がほぼ真っ黒になった。
雨粒と膜羽、幼虫が入り混じり、もはや地面も空も区別がつかない。
「くそ……ここで死ぬわけには……!」
ズッスは叫び、雨合羽の下で鍛え抜かれた腕に力を込める。
剣を振るい、盾を突き出し、仲間の背を守りながら前進する。
雨のように降る蟲を斬り払い、群れを押し返す。
だが、魔森は待ってはくれない。
蟲夜は絶えず群れを増やし、空も地面も埋め尽くしていく。
ズッスは、今までの騎士団としての誇りも、帝都での栄華も、すべて忘れ、ただ目の前の「生」を握りしめるしかなかった。
「ここで死ぬ……か……いや、まだ……!」
ズッスの剣先が、雨と蟲の混沌を切り裂いた瞬間、仮面越しの目に、かすかな希望の光が映った――。
ではズッスが蟲夜の「中核」に切り込む、緊迫感あふれる反撃シーンを描きます。
明治期の雰囲気と、スチームパンク的な戦法も少し加えて緊張感を強めます。
ズッス・クレイメン・オリンは、群れを押し返しながらも目を見据えた。
空を覆う膜羽の黒い渦――その中心に、光を帯びた巨大な蟲の背が見える。
「……あれが中核か……!」
仲間の騎士たちに指示を飛ばす。
「私が切り込む! 全員は側面を守れ! 逃げ道を作るんだ!」
ズッスは合羽の下で息を整え、蒸気で動く補助関節を駆使して加速する。
剣の刃を雨で濡れた地面に打ち付け、跳ね上がった水滴と蟲を蹴散らしながら進む。
中核に接近するほど、膜羽成体が猛烈な速度で襲いかかる。
ズッスは剣を振り、盾で防ぎ、同時に手元の小型爆薬――教団が密かに開発していた火薬装置を投げつけた。
「っ……くそっ!」
爆発の閃光が膜羽を焼き、数匹が地面に落ちる。だが中核は揺るがない。
「……この力……!」
中核は他の膜羽と連動し、嵐のような風圧と羽音でズッスを押し返す。
しかしズッスは倒れず、仲間の防御網を利用して巧みに突進ルートを確保した。
「剣を縦に、力を一点に集中……!」
ズッスは叫び、剣先を中核の胸部に突き刺す。
蒸気の補助関節が振動を増幅させ、刃は蟲の甲殻を貫いた。
「ぐっ……!」
中核が悲鳴めいた羽音を上げ、群れの動きが乱れる。
その隙に、仲間たちが側面から一斉攻撃。
小型爆薬と火炎弾が群れを分断し、空中で渦巻く膜羽は次々に墜落していく。
雨のように降り注ぐ蟲夜の勢いが、初めて鈍化した。
ズッスは剣を抜き、呼吸を整える。
目の前には倒れた中核と、散り散りになった膜羽たち。
まだ完全ではない――群れの残党は確実に反撃してくる。
だが今、ズッスは確信した。
「……まだ、俺たちは戦える……!」
灰色の空に、吸血の雨が激しく降り注ぐ。
だが、ズッスの胸の中には小さな光――勝利への希望が芽生えていた。
では、ズッスが中核撃破後に残存する蟲夜の群れと戦術的に戦う、長編バトル展開を描きます。
魔森の暗黒と明治期らしい武装・戦術を組み合わせ、緊迫感をさらに高めます。
中核を貫いた瞬間、空の群れがわずかに動揺した。
しかし、魔森の蟲夜は一匹でも残ればすぐに再編される。
ズッス・クレイメン・オリンは、倒れた中核の傍らで剣を握り直した。
雨と蟲の羽音が、耳をつんざくように降り注ぐ。
「残党は……左翼に集中か!」
仲間の声を聞きつつ、ズッスは状況を冷静に分析する。
群れはまだ数千単位。空中に浮かぶ成体の膜羽が、降下して再度襲いかかる準備をしている。
「……仕方ない。群れを分断するしかない!」
ズッスは即座に作戦を決定した。
まず、地面に設置された教団の蒸気罠を誘導する。
重い雨合羽の下で補助関節を駆使し、片手で爆薬を投げ込み、膜羽の進行を妨げる。
炸裂の閃光が暗黒の空に反射し、群れの一部が錯乱した。
「全員、翼を狙え! 下から攻めろ!」
仲間の騎士たちは、ズッスの指示に従い縦横無尽に動く。
飛び交う膜羽の羽を斬り落とし、幼虫が地面に落ちた瞬間を狙う。
雨に濡れた剣が光り、盾が蟲の突進を受け止める。
ズッス自身も、飛び降りる膜羽の背に飛び乗る戦法を取った。
補助関節の力で空中に跳び上がり、剣を深く突き刺す。
羽が破れ、飛行力を失った蟲が森の地面に叩きつけられる。
「よし……ここだ、皆!」
仲間たちが一斉に攻撃し、空中の群れを分断する。
羽音が混乱し、残存する膜羽は徐々に高度を下げる。
ズッスは群れの中で旋回し、弱った個体を次々に切り裂く。
そのたびに蒸気が噴き上がり、合羽が湿気で重くなるが、彼の動きは止まらない。
やがて、空は完全に群れから解放され、雨のように降り注いでいた蟲も散り散りになった。
森の奥にわずかに残る残党を、ズッスは剣の先で指示する。
「全滅させるぞ! 逃がすな!」
最終的に、空は静まり、地面には倒れた膜羽と幼虫の残骸が散乱する。
ズッスは剣を掲げ、胸で荒い呼吸を整えながら、雨合羽を滴で濡らしつつ仲間たちを見回した。
「……まだ生きている。俺たちは……勝った……」
だが、森の深淵は静まり返っても、魔森の暗黒は消えない。
吸血の雨はなおも降り注ぎ、蟲夜の残党はいつ再び襲いかかるか分からない。
ズッスは胸中で決意する。
「……この森を、俺たちの手で生き延びさせる……!」
灰色の空に、吸血の雨が落ちる。
だが今、ズッス・クレイメン・オリンと教団騎士団の残存兵たちは、初めて魔森に勝利の感覚を得ていた。
では、バトル主体の長編として、戦闘後の余韻と次なる脅威への展開を描きます。
今回はズッスが戦闘の疲労の中で魔森の秘密や蟲夜の脅威を感じ取り、戦略を立てる場面です。
空が静まり、雨粒が滴る中、ズッス・クレイメン・オリンは膝をつき、剣を地面に突き立てた。
胸の奥で荒い呼吸が落ち着きを取り戻す。
周囲には仲間たちが倒れ、滴る雨で濡れた剣と盾が散乱している。
「……ふぅ……一時的には止められたか……」
だが、魔森は静かすぎるほど静かだった。
空は灰色のまま、吸血の雨はなおも降り注ぐ。
そして、地面の奥深く、蟲夜の残党たちのうごめく音が、微かに地鳴りとして伝わってきた。
「……まだ終わっちゃいないな」
ズッスは剣を握り直し、雨合羽の裾を払った。
蒸気で補助関節が軋む音が、静まり返った森に小さく響く。
仲間たちが集まり、倒れた仲間の手当てをしながら、ズッスは声を低く落とす。
「今回の戦闘でわかったこと――群れは分断されても、中核が生きていれば再編される。奴らの本拠は、森の奥深く、もっと暗い場所にあるはずだ」
「……じゃあ、どうするんです?」
仲間の一人が不安げに問う。
ズッスは仮面の奥で目を細め、森の奥を見据える。
「明日には、再び襲ってくる。奴らの群れを完全に叩き潰すには、中核を根絶するしかない。だが、それには俺たちが直接深淵に踏み込まねばならない」
その言葉に、仲間たちは息を飲む。
深淵――それは魔森でも最も危険な場所。
生きて帰れる者はほとんどいないと言われる。
「……分かった。俺たちで行くしかないな」
ズッスは剣を肩に担ぎ、蒸気で動く補助関節を調整する。
「雨合羽と補助装置は限界だ。森に潜むすべての危険を想定して、次の戦闘に備えろ」
雨粒が頬を叩く。
だがズッスの胸には、戦いを経て覚醒した感覚がある。
「……俺たちは、この森を生き延びる。そして奴らを倒す」
深淵の奥、灰色の闇の中で、蟲夜の羽音が再びうごめき始める。
ズッスは剣を握り直し、胸に決意を宿した。
「さあ、来い……蟲夜よ。俺たちはもう、恐れはしない」
吸血の雨は止むことなく降り注ぐ。
だが、ズッスと残存兵たちの瞳は、嵐の中心を見据え、確かな光を宿していた。
この先はさらに、ズッスたちが深淵に踏み込み、中核を討つクライマックスの戦闘 に進めることができます。
希望なら、次はその 魔森深淵での最終決戦シーン を描きます。進めますか?
では、ズッス・クレイメン・オリン率いる教団騎士団が、魔森の深淵で中核に挑む最終決戦シーンを描きます。
雨、蟲夜、スチーム装備、明治期の雰囲気を最大限に活かして緊迫感を出します。
灰色の雨は深淵の底まで降り注ぎ、森の闇をさらに濃くしていた。
ズッス・クレイメン・オリンは剣を握りしめ、仲間たちと共に湿った岩場を進む。
空気は重く、雨粒と蟲夜の羽音が混ざり、まるで嵐の中に閉じ込められたようだ。
「……中核はもうすぐだ」
ズッスの低い声に、騎士たちは頷く。
合羽越しに仮面が湿り、息苦しいが、全員の視線は決して揺らがない。
突然、暗闇から巨大な影が浮かび上がる。
中核――巨大な膜羽の蟲が、群れを従え深淵の中心に君臨していた。
その羽音は雷鳴のように響き、地面が微かに揺れる。
「……ここで終わらせる!」
ズッスは蒸気補助の関節を最大限に使い、剣を振り上げて飛び込む。
膜羽の中核が羽ばたき、空気の壁を作って攻撃を阻む。
ズッスはその隙をつき、仲間の一人が火薬装置を投げ込む。
爆発の閃光が中核の羽を裂き、一瞬だけ動きが鈍る。
「今だ、突け!」
ズッスは剣を深く突き刺す。
中核の硬い甲殻を貫き、羽音が悲鳴のように変化する。
しかし、中核はさらに強力な群れを呼び寄せ、残党が雨のように降り注ぐ。
ズッスは盾で防ぎながら跳躍し、剣を振るい、雨と膜羽を切り裂く。
仲間たちも散開して反撃。蒸気補助の力で加速した動きが、群れの数を凌駕する。
「全員、一気に攻めろ! 中核を分断するんだ!」
ズッスの指示で騎士たちが集中攻撃を開始。
中核は群れの指揮を失い、空中で翻弄される。
ズッスは最終技を放つ決意で剣を高く掲げ、雨粒と羽音を切り裂きながら中核の胸部に突き刺した。
――甲殻が砕け、羽音が悲鳴に変わる。
中核は空中でひるみ、残党たちも動揺する。
ズッスは剣を振り、仲間と共に連携攻撃を繰り出す。
一斉攻撃で膜羽の残党を切り裂き、地上に落ちた群れを踏み潰す。
やがて深淵は静寂に包まれた。
空はまだ灰色のまま、雨は降り続ける。
だが、吸血の雨の下で、ズッスと残存騎士たちは立っていた。
「……終わった……のか?」
仲間が息を切らせながら言う。
ズッスは剣を握り直し、雨に濡れた顔を仮面越しに上げる。
「……ああ。だが、魔森はまだ完全には鎮まっていない。奴らの卵、残党……次がある」
吸血の雨に濡れた深淵の底で、ズッスは仲間たちと共に次の戦いへの決意を固めた。
剣に宿る蒸気の力、仲間との連携、そして生き延びる覚悟――すべてが、まだ魔森を生き抜くための力となる。
「来い……魔森。俺たちは、何度でも戦う」
灰色の空に響く雨音と羽音――戦いは終わったのではなく、新たな局面を迎えたのだ。










