主徒漢児・従徒女子


最近ちょっと御尻にお肉ついたのよねっと恥ずかしげに額にシワを寄せながら目玉焼きの乗った皿を
母が煩蠅冱郎の方に圧しやってくる。(もともとおっきい御尻してるくせに)
幼き頃にあまり厳しく躾られなかったせいか未だに箸の使い方がちょっと下手クソな煩蠅五郎は心の中でぼやく。
昨日とも一昨日と同じ日常の風景であってもその日の冱郎は機嫌が悪かった。
多々でさえ細い目を更に細めてジト目になるのが悪い癖だと妹にいつも嫌味と責められるが
特に今日は機嫌が悪くも更に目を細めていつもよりもジト目が冴えれば機嫌はやっぱり悪いのだろう。
学園弐学生の春ともなれば新学期になると他の学徒が心踊るその日であっても冱郎は気が重いらしい。
周りの学友に指を刺される位には十分なほどに冱郎は暗い性格の持ち主でもある。
背も高くはないし細身でもある。ジト目であるが上に実は童顔でもある。
猫背であるき目つきの悪さと俗に言う根暗か陰キャの上にヲタク趣味が上乗せされれば
学級ところか学年・学園においても名を馳せるヲタク・陰キャと皆が知っている。
「はぁ~~~。なんでこんな事しないと行けないだろう。杞憂だし憂鬱すぎる・・・」
高くもない背にその日有る行事に使ういくつかの道具をリュックにミリやり詰め込んで
トボトボと背を丸めて学路を歩いて行く。


都営桜桶雌主徒雌従徒学園高等部弐学年。
非常に癖の学業内容を生徒たちに就学させる学園であるが元より入学するのも難しい。
学園の名にも含まれる雄主徒・雌従徒。主徒と従徒。
漢であっても女であっても主人となる者とそれに仕える者。
普段の生活から夜の営みまで主人に尽くす従者。その術を若年男女に教えるのがこの学園である。
主徒従徒と言葉は知れてもそれを好む趣向を実際に行う輩はそう多くもないだろう。
勿論この学園にも主従科の他に一般学業を教える普通科や商業専科・ひたすらに体を動かす運動特科も有る。
結構に大きな学園であるから冱郎が通う主従科の生徒は纏めても百と五十暗いがせいぜいだろう。
「はぁ~~~。なんでこんな日が来るんだろう・・・・憂鬱だっ」
脚どり重く学園入口を示す門がみえてくると尚更に冱郎の脚は重くなる。










