「跪けよ。僕の前に・・・」唐突であっても無理に呼び出した同級生の薊に壱雄いちおはぶっきらぼうに言い捨てる。
「嫌よっ、なんで私がそんな事しなくちゃいけないの」クラスでも美人で人気者の薊は即答で拒絶した。
「良いから、黙って言う事を聞くんだよ。この醜女ぶすの癖に」拒絶されるとわかっていても頭には来る。
「だから、嫌って言ってるでしょっ。誰が醜女よ・・・」
遺伝子の籤に当たった薊は生まれたときから醜女等と呼ばれた事もなかったから当惑するも顔を顰め
さっきよりも強く唾を飛ばして怒りを顕にする。詰め寄って胸を突くか顔を張るかと一歩前に脚を出したら
その膝がかくんと折れる。膝を居れば視界が下がり見開いた目の前に学友・壱雄の股間のあたりに顔が来る。
何が置きたかと意識の中で(えっ?)と声を上げたつもりで有るが声にはならず。
「口を開けて舌を出せよ。醜女の薊。許可するまでずっとそうするんだ」
薊の頭の中で声が響く。耳に聞こえる言葉でも音出もない。意識の中に湧き出てこびり付く言葉は力強くもドス黒い。
言葉を発し拒絶する前に薊は自分で口を開け少し長い舌をベロリと突き出して魅せた。
頭の中に響いた言葉は逆らえない呪言のように薊を縛った。従うべき呪言であり其れは命令であり絶対的なものだった。
「御前は僕の言葉しか聞こえない。僕の言葉に従うしか御前は出来ない。分かったな?」
そんなのは嫌と心中で叫ぶ代わりに薊は頭を動かしこくんと頷いてしまう。
少しの時間でも舌を口の外に突き出してもいれば唾液が貯まる。
この時は未だ知れずもそして何日経っても壱雄と言う漢雄は意地悪でもきつい漢で有ると知れる。
実際にはそうでなくも弐分とも四分とも知れぬ時間が経てば唇の縁に唾液が一杯に貯まる。
「随分と良い様だな。学友の皆に魅せてやりたいよ。・・・ほら。垂らして魅せろよ」
進学を目指す上位クラスのとのカーストでも下から数えるのが正解である壱雄の前に跪き口を開けて紅い舌を
突き出している。恥しさに頬を染める薊の顔にパシャリと光が跳ねる。
いつもならくりくりと良く表情の変わる瞳を驚愕に大きく開く。
(いや、辞めて。写真取らないでっ・・・)薊は顔を左右に降り舌を突き出した顔を取られない様にする。
「動くなっ。醜女。ブスの薊。まっすぐとこっち観るんだよ。ちゃんと其のブス顔魅せろって」
いつの間にかと問う前既に壱雄はポケットから携帯と取り出しカメラの前に舌を突き出す薊の顔を撮影して居る。
(やめて、辞めて。お願いっ)自分が何をしてるかよくわかって居るからこそ恥辱に耐えきれず逆らおうとする。
確かに意識では逆らってみても四肢は薊の云う事を聞かない。一瞬前には首を振れたはずなのに壱雄が発した言葉が
意識の中に届くと薊の頭はピタリと止まり、嫌がるところかきちんとカメラに映るように顎を少し上げても魅せた。

この学園のカーストと呼ばれる一種の身分制度には確かに力が有る。
だからこそ格下の壱雄が持つ携帯の前に膝を付いて傅き口を開け舌を出し涎まで垂らす姿は薊に取って屈辱であるし
消してくれと頼んでも壱雄はそうはしないだろう。若し、頭に浮かび刻まれる言葉に逆らう事が出来たとしても
記録媒体に残る証拠とも言える脅しのネタを握られてしまえば薊の心はポキリと折れ掛ける。
勿論、絶好の獲物を脅迫できるネタを自分の手に握った壱雄が其れだけで済ますはずもない。
「舐めた事は有るのかよ?確か彼氏もイたから舐めるのは得意だろうな?ええっ。ドブスな薊さんよぉ」
憎たらしくも下品な笑いに顔を引く付かせながら壱雄が無遠慮に問いかける。
「いいえ、舐めた事はないわ・・・・」舌を出したままだから上手く喋れない。それでも薊はちゃんと答える。
「まじかよ。お高く止まってるくせに。フェラもして事ないのかよ。よし、舐めろよ。俺の竿」
薊の応えに興奮する壱雄は携帯をしまうと期待に身悶えしながらズボンのベルトをカチャカチャ外し一気に下ろす。
最初からそのつもりだったのだろう。学級内カーストでも上位に君臨する薊が自分に逆らえない状況でも有る。
存分に楽しんでやるぞとばかりに薊の顔の前に火照り固く成りつつ一物を突き出してくる。
(いやっ。こんなの嫌っ)殆、威勢の性器を初めて観る薊の前の一物は異形にも異様にも移れば筋の通った鼻の奥に
むせ返る様な独特な匂刺激を運んでくる。拒める者であれば顔を背けたいがそんな事は出来ない。
「早くしろってば、手を使うなよ。ちゃんと口で奉仕するんだぞっ」
そもそも奉仕しろと言われても上手くできないと薊は思う。俗に言うフェラチオと其の言葉を知ってはいても
どうすれば良いのかなんて解らなかった。
それでも体は勝手に動いた。
起てた膝のまま前に出ると目の前の壱雄の一物にべチャリと舌をつける。
「うへっ、気持ちいい。どブスの薊のフェラ気持ち良い」態と薊に聞こえるように壱雄が唸る。
べちょりと舌が亀頭にふれるとれろりと涎が垂れる。べろりと舐めると舌裏を返してれろりと舐める。
(いやっ。こんな事したくないのにっ)
初めて舐める漢の竿は厚くも硬かい。薊の舌が触れるたびにピクリと跳ねて顔似ぶつかる。
上手く舐められない喰らいに其れは暴れるから仕方なく口を大きく開けて亀頭を口の中に咥える。
「わかってるじゃないか。このドブス売女奴。自分から亀頭咥えるなんてやっぱり好きなんだな。漢の竿
そうやって咥えたまま舌で舐めるんだ。全部舐めろよ。旨いだろ?俺の竿、大好きだろ?」
もうお前は俺の物だと言わんばかりに壱雄が嘯くうそぶ
「うん。美味しい。壱雄君の竿美味しい。私、壱雄君の竿大好き」
口の中に亀頭を咥え其の先端に舌を押し付けながらであればはっきりとした言葉にはならない。
それも薊の意思とは正反対の言葉を嬉しそうも薊は口にする。
「我慢できねぇ、もう駄目だ。こうしてやる。逆らうなよ」
壱雄が妙に釘を刺したかと思うといきなり頭が抑えつけられ腰を前に突き出す。
じゅぶりと音がし薊の涎が跳ねると口一杯に壱雄の竿が無理に入ってくる。
一気にも長い漢の竿の根本まで咥えされられえづくが容赦はなくも
壱雄は前後に腰を降り出した。じゅぶりじゅぶりと口の中で竿が暴れる。
(射精されるっ。壱雄君出すつもりなんだ。私の口の中に)
頭の中に浮かんだ言葉が繰り返し反芻されると薊の背筋が凍る。
もとより壱雄はそのつもりである。自分の欲望を満たすためだけに薊の口の中に一物を差し入れ
薊の意思などお構いなく前へ後ろへと腰を振る。満足に身動きできないように確りと頭を抑えたままだ。
もはや既に抵抗する気迫も心の何処にも見当たらず薊はされるが儘に口中を犯される。
どんなに嫌がっても壱雄の言葉が薊を縛り体は言う事を聞いてくれないし
漢の竿に自分の口を侵されていると言う事実に頭が麻痺して何も考えられない。
否応なくも受け入れると薊は自分の口で壱雄の竿の味を覚えようとさえし始める。
一度受けれいてしまえば苦痛が溶ける。口の中に突っ込まれる竿を自分でもしゃぶる様に成ってしまうと
壱雄が勝ち誇りニヤリと無様にも嘲笑い、頭を抑える速度が上がる。其れも少しの間だ。
薊は口が口をすぼめ一物を自分で啜りしゃぶり始めると其れは口の中で一回り膨らむ。
こぼっと弾けたと思うと口の中に独特の苦味が広がる。
嫌悪感に苛まれながらも薊は受け入れ其の味をも楽しんでしまう。
其れが前兆であるかのように壱雄が吠える。
「うぉぉ~気持ちいい。どブスの薊の口に出してやる。全部だしてやる。呑むんだぞ。一滴残らずだ」
言われた言葉が頭の中に広がり一杯に成り薊はこくんと頷こうとするが、その前に一物が熱く身震いすると
漢雄の白濁がごぼりと薊の口中に吐き出される。それは何度も繰り返される。
ごぼごぼと止まらぬも射精し白濁が注がれ、あっという間に口の中に一杯に成る。
その白濁をごくんごくんと喉を鳴らし薊が飲み込んでいく。初めてであれば喉の奥に引っかかる物であろうが
薊は苦労しても言われた通りに注ぐこまれる白濁を呑み込み、ズルリと口から一物が引き抜かれると
唇からこぼれ出そうになる残りの白濁をベロリと舌で舐め取っても魅せた。
「有難う。壱雄君。美味しかった。この味好き。又、呑ませて。お願い・・・」
何かに縛られるわけでも無く心に浮かんだ言葉を素直に薊は吐き出しす。
形の良い唇から涎を垂らすも見上げる薊の顔にぴかりと携帯のフラッシュが弐度光る。
今度は顔も背けずに薊は壱雄の望みに応え携帯にむかって口を開け舌を出し妖艶に微笑んでみせ

「お願い。壱雄君。入れて。入れてよ。なっ、生でいいよ。孕みたいの・・・・」
薊は人よりも大きい乳房の間に壱雄の一物を挟み扱きながら強請る。
態と口を大げさに開け唾液を垂らし竿を濡らすのも忘れない。
「お願い。犯して。犯してよ。壱雄君。私を犯して・・・」妖艶にも誘い強請る薊は必死だった。
最初に壱雄の白濁を呑まされてから弐週間と二日。確かに其のあの次の日に薊は壱雄に犯され
処女を奪われたが、それがどういう意味で有るかを理解出来るまで時間がかかった。
つまりある意味、出遅れたと言う事でありその分自分の達場が悪くなっていた。
それを解消するには壱雄に気に入って貰わなければならない。壱雄に快楽を与え続けなければならないのだ。
薊は気づき知るまで時間がかかった。当然、壱雄は教えてもくれなかった。
薊がよく知る学園カースト。それは当然に学内だけではなく学級の中にもある。
もっとも其れがふたつ有るとは薊は知らなかった。
言わば表と裏と言うかよく知られる表のカーストを一つとすれば裏のカーストが2つ目。
表のカーストがその個人の成績や容姿人気でランキングが決まるが明確な物ではない。
そもそもカーストなんて目に見える物でもないし、その順位が高いからと言っても精々羨ましがられるくらいだ。
だが然し、2つ目のカーストとその制度には明確な基準があった。身分制度でもある。
其処にはいくら表のカースト順位が高くても裏がわには関係ない。
もっと詳しく言うならば派閥さえもある。カーストには高順位の者が居る。
多くはMasterと呼ばれ下位の者はその言葉と命令に従う。
下位の者はMasterが望む事に応えなければならない。逆らえば順位が落とされる。
順位が圧していけば取り返しが付かなくもなる。一度順位が落ちればもとに戻ることは殆どない。
堕ちるところまで落ちれば奴隷となる。もっとした間で落ちれば主人なしとなり誰様何様の言葉にも逆らえない。
そうなればもう成すすべもない。主人なしの奴隷を狙う輩は多く。性の捌け口にされる。
壱雄をMasterとし薊は奉仕するが、その順位は微妙な所だった。
壱雄は極々最近にMasterとしての順位に上がったらしい。それ故に抱える下僕も多くはない。
正確な事は教えて貰えないから誰が何人壱雄の下僕かわからないが薊の順位は第三位だった。
その上二人の下僕がいるし、Masterにもランクがあり一度に抱えられる下僕の数も決まってる。
壱雄は活動し始めたばかりであり抱えられる下僕の数は未だ三人のみである。
故に壱雄が他の雌を気に入り手をつければ薊が真っ先に追い出される。
そうすれば野良奴隷となり皆の玩具にされて輪姦される。其れが学園を卒業するまで毎日続く。
だからこそ薊は必死にい壱雄の竿を扱いて涎を垂らす。


(声に意思をのせる・・・。心じゃないんだ。意思なんだ。重く響かせるんだ・・・強く・・・重く)
壱雄は上手く行かない態に苛つく。あの女教師に馬鹿にされた言葉が頭から離れない。
「あのクソ女、絶対ものにしてやるっ」収まらぬ怒りを載せたまま、もう一度、声に意思を乗せ吐き出す。
壱雄の竿を咥え喘ぐ薊が焦って居るように其のMasterとなる壱雄も又に焦っていた。
理由は一つ、【声】が上手く仕えないからだ。それに嘘もついている。
「才能はあるわ。でも、其れだけ。惨めなものね」
ついさっきまで自分に向けられた興味と声に惑わされるもその女教師に翻弄され目の前で弄ばれたと成れば
怒りも収まらない。なんとも情けなくも項垂れる自分の竿に壱雄は情けなくも怒りに塗れる。
【声】
それが何なのかと言うのを他人に説明するのは難しい。
人が意思の疎通を図るための声を意思を載せた声とは違う。
言葉の形式だけで言うならば他人に何かをさせるのを命令とも言う。対等な立場な関係の者同士ではなく、
その関係に上下の関係が形成された状態であれば其れは容易い。この関係であれば言う事を相手に聞かせるのは簡単だ。
名をつけて呼ぶなら其れは命言がちかいだろうか。相手との上下関係の状態に関わらず声に乗せた意思で言う事を聴かせる。
声に乗る意思が強く大きければこそ其の命言の力は強くなる。其れが学内裏カーストの正体だ。
その学園を支配するカースト、若しくは身分制度の根源といえるのは其の意思を乗せた命言の力だ。
Masterはその命言を使い下僕を集め力とし派閥を作る。
勿論、命言を仕えない才能の無い者は多いし、そもそも裏カースト自体知識ないない者も多い。
つい先日まで表のカーストで低い地位にいた壱雄もそうであった。
それがある日、突然の腹痛で保健室に駆け込んだ所であの女教員に弄ばれ其れと知る。
最も身の上に起こったことも其れがなんで有るかをも理解するには時間がかった。
命言と言う力と技はそのまま裏カーストの順位に直結してもいた。
それと知らずも居たほうが幸せな学園生活をおくれたやもしれないと悔いる事さえある。
かまってもらおうと必死な薊よりも壱雄のほうが苦労しているといってもいいだろう。
命言の技を覚え裏カーストの世界の中でMasterとしての地位を得た壱雄であるが、其れだけだ。
カーストの上に昇りMasterの位を得たとは言えども結局、其のMasterの中では三下格下にしか過ぎない。
自分の声よりもっと強い者は居るし、それらに命言されれば自分も其れに逆らえずもてあそばれる。
学園の裏カーストに関わる事は大抵に黙されて知る事さえ難しい。
Masterが何人居るのか?何個派閥があるのか?どんな物があるか?
誰がMasterで誰が下僕で手つかずの者はどれくらい居るのか?
大まかに言えばMasterは十人いるかどうか?その種類は多岐に渡るとか本当に大まかな噂でしか聞こえてこない。
命言にはいくつか特性があり、例えば勉学に力を発揮するのは勉言葉。成績優秀な命言であるし派閥だ。
当然、運言となれば運動に猛り、体を動かす事に才能が有る者が群れて派閥と成る
他にも音言もあれば音楽を慈しみ、金言は金銭を他人から巻き上げて財を成す。
教鞭言と言う者まであれば教員の派閥であり、何故か校長より用務員のほうが力が強いらしい。良くは知らない。
其の中で保健の女教師が壱雄に教えたのが命言の中の種類、婬言である。
確かにそれで高値の華であった薊を手籠めにはしたが後が続いてない。
壱雄自身が未だ上手く命言を使えないのが大きいだろう。特に婬言は難しい部類であるとも後で知る。
他人の四肢を縛り自分の思うどおりに動かすのというのはある意味至難の技である。
だからこそ薊を犯す時は必ず携帯で恐喝のネタを抑えるし嘘も突く。
女教師に技を仕込まれてから一ヶ月経っても薊以外の下僕を壱雄は囲えていないかった。

「自分で乳房を嬲れよ。ドブスの白湯さん」
「御断りします。壱雄君。大体これで三回目ですよ。命言ばかりに頼ってゴリ押ししようとしても
金言派閥弐位の私に効くはず無いでしょ。いい加減に諦めたらどうです。本当に馬鹿な人」
「むぐぐっ」其の日も十分に胆をねって吐き出した婬言命言に自分より一つ年上の白湯瑠璃はぶ然としてる。
瑠璃の言う通りに命言の力を借りて手籠めにしようと挑戦するのは確かに三回目だ。
自分では十分な鍛錬を積んだとは思うのだがその日も其れ以前も瑠璃が一応の命言の影響を受ける兆候はない。
「本当にデリカシーの無い人なのね。いきなりドブスとか自分で乳房いじれとか言われても
喜んで従う子なんて普通いないでしょ?寧ろそんなの押し付けるほうが馬鹿でしょ?壱雄君」
冷静に考えれば確かにそうである。そうであるが壱雄は又も焦っっていた。
薊との関係は相変わらずでもあり更に隣のクラスの女子も手籠めにして派閥の頭数は弐となる。
だからこそである。派閥の頭数をあと一つ増やせればMasterのしてのランクが挙がる。
その三人目を白雪瑠璃と決めたがこれが思うように行かない。
選んだ相手が悪かったと云うのは今となっては明白でも有る。
白雪瑠璃。
学園内の表カーストでも壱番か弐番となれば裏カーストでは金言を技とする金言派閥の弐位の地位にいる。
瑠璃自体はMasterでは無いが派閥の順位が弐位となればMasterへの忠誠心も強ければ影響ももっと強く受ける。
つまり既に他のMasterの配下にある人物に手を出すとなると相当に自分の命言の力が必要となるのだ。
そういう意味でも壱雄は甘く観ていた。
「じっ、自分で・・・」
「だから無理ですってば。いい加減にしなさいよ。このお馬鹿おたんこなす。
今日は帰らせて頂きます。出直してくださいませ」
情けなくもしつこく命言を吐き出そうとする壱雄を細くも柔らかそうな手を上げくるりときずびを瑠璃は返す。
自分の力及ばずに項垂れる壱雄の視線を背中に感じ瑠璃はしてやったりと悦に浸る。

「あの子どうしたのかしら?もう四日も立つのに・・・」
瑠璃は派閥の用事をも済ませ下駄箱の前に立ち小首をかしげる。
いつもなら、それをいつもと云うのは疑問があっても年下の命言使いは瑠璃をなんとしかしようと呼び出そうと
ラブレターならぬ呼出状を瑠璃の下駄箱に入れていた。御丁寧なことにボールペンや鉛筆ではなく筆ペン
態々達筆を披露してくるほどに子代わりが有るのだろうが、得てして帰って読み悪い。
今どき女子を呼び出すのに下駄箱にラブレターもどきの紙なんて確かに古臭い。
じれったい気持ちを更に二日ほど胸に抑え込みそれから瑠璃は待ち伏せする。
「うぉっ。こっ、こんな所で奇遇ですね。瑠璃先輩。あはっ」
「何言ってるよっ。私を手籠めにしようと狙ってつれてくるのは此処でしょ?ささっと口説きなさいよっ」
人よりもかなり大きな乳房を腕を組んで支え、態と誘惑しながらも壱雄の顔をぎりりと睨む。
「えっと、其の件はなかった事にして頂けると大変うれしく思いますです。
ほら、先輩もイケメンの彼氏もいるしぃ~。やっぱり他の派閥の方をお誘いするのは仁義に掛けるとっ」
「なにいってるのよっ?今更、仁義とか礼儀とか言える爽やか少年じゃないでしょ?さっさと命言吐きなさいよっ」
人影もない倉庫代わりの科学準備室でこれ見よがしに乳房を突き出し、ずいっと前にでて壱雄に詰め寄る。
瑠璃が前に出れば壱雄は一歩下がり、瑠璃が前に出れば又一歩と壱雄が下がる。
ついにドスンと背中を壁にぶつけて壱雄が横を向いて必死にその場をしのごうとしてるのがわかる。
「幾ら、命言が私に効かないからって。中途半端はよくないわ。
当然、効かないんだけどそれが楽しみなのよっ。貴方が焦って情けない顔を観るのが良いのよっ」
瑠璃は本音と漏らす。他人には効果があり其の力を借りて好きに女をいたぶる壱雄のそれが自分には効かない。
勿論、金言派閥の弐位であれば、単純に耐性があると云うだけではないし。身を守るためにの対策も施している。
それ言えに命言が効かず狼狽し顔を歪める壱雄を嘲笑うのに悦を感じてしまう。

「ほら、どうしたのよ。いつもみたいに命令してみなさいよっ」
きつく言えば唾飛沫が掛かるくらいの距離に瑠璃が詰め寄れば、観念したとでも云うように壱雄が俯き漏らす。
「たっ。勃たなくなったんだ・・・・。アレが立たないんだっ」
「へぇっ・・・・。勃たないって・・・・勃たない・・・・アレが勃たない?インポテンツ?」
「EDって言ってくれ。何度も言わないで」悦楽を示す羞恥よりも情けなさが先に立ち壱雄はそっぽを向く。
「EDって勃起障害よ?Erectile Dysfunctionの略。
貴方、命言がう無く使えないからって、インポテンツになっちゃったの。ぷぷぷのぷ」
一種の精神的な物を含む疾患を患ったと云うのが正解であろうが、経験も必要もない瑠璃は声高らかに嗤う。
「も、もう良いでしょ?好きに嘲笑ってくれて結構です。どうせ俺なんか・・・」
「性言を使う命言使いが年上の女性も手籠めに出来なくてインポテンツ!受ける。あははのは」
悪気は無いつもりで声を上げのけぞり気味で笑えば、其の向こうで壱雄が睨む。
其の原因を作ったのはお前だとでも云うように。事実そうであっても随分と情けなくも面白い。




天鼠蛭姫

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