the.褌

「今日も秤・・・君と所か?」
「はい。貴方。火曜日と金曜日は秤さんのところですから」
夫婦の会話に出て来るように今日が火曜日であればその朝食の時間。
TVから流れてるくNEWSに耳を傾けながらもその妻が気持ちを込めて拵えた
朝食を夫が頬張る。
一度言いかけた言葉に踏みがるのはその名の読み方を間違えそうになったからだ。
倭之御國慣用漢字で掛けば確かに秤。しかしその読みは罷りまかりと読むらしい。
はかりと書いてまかりとは確かに妙であるが良く聞いてみると何処地方の出身で
村のほとんどが同じ苗字で有るにしろ何やら訛って秤を罷りと名乗るらしい。
どっちにしても夫はこの秤と言う名の青年は嫌いである。尤も一度もあったことはない。
何やら精神疾患を長く患ってもいるらしい。妻から聞いただけではなるが。
その妻。憂夏はその青年に仮がある。
今時の世情に貸し借り事に準じると云うのは随分と古風でもあるし懶怠者の戯言でもあろう。
言い換えれば恩があるとでも言うのだろう。
まぁ言ってしまえばちょっとした厄災に巻き込まれ不貞を強要された状況を助けてもらった。
そうは言ってもそこまで大げさな事でもないと思っても憂夏は確かに恩を漢じていた。
「言ってらっしゃいませ。貴方・・・」
型通りに分厚い胸板に手を添え軽く頬に唇を押し付け恥ずかしそうにうつむきながら
我が夫を玄関の向こうに送り出す。
欣勝寺彪寅。その妻憂夏。
二人が出会ったのは6年ほど前で有り弐年の交際期間を得て結婚に至る。
今時珍しい見合い結婚であり歳の差も大きい。
子は授かっていないが夜の営みがないわけではない。
むしろ頻繁に夫彪寅は妻の体を求めてくる。
妻憂夏の大きな尻に手を付いて突き上げるのが好きであったし
四つん這いになり尻を突き上げられば大きな乳房も前後に揺れる。
背後から乳房を鷲掴みにして絞り上げるのも夫は好きである。
体を貪られ激しくも嬲られる事に快楽を覚えてもそれが夫婦の愛と同一ではないことも
憂夏は良く知っている。夫が会社でそれなりの地位であり好き勝手にやってるとも知っている。
だから夫婦の関係は冷めていても体の繋がりだけと言っても良いのだろう。

冷めた関係であっても表向きで頬に唇を押し付けて送り出すと
憂夏は他の日には入らない朝風呂に入る。
それこそ体の隅々まで丹念に石鹸を擦って洗う。
充分すぎるほど時間を掛けて自分の体を磨くのは訳が有る。
主にそれはその日に行う事への予防策とも言える。大げさではあるかもしれないが。
尤も半分は確かに衛生面の問題ではあろうが残り半分は乙女心戀い心かもしれないだろう。
兎に角も時間を掛けて体の肌にうるおいをもたらす。
人妻であり夫の立場であればこそ外に外出と成ればしっかりと体裁を整えるべきかもしれないが
肌の潤いに掛ける手間寄りも薄い化粧で済ます。
普段はゆったりとした印象の衣服を好む憂夏であるがその日だけは動きやすさを考慮している。
長く伸ばし垂らす髪も頭の後ろに結って止める。
夫は長く伸ばした髪が好みであるからそれに合わせているが動きやすい方が今日は良い。
人様に合うと言っても相手は青年であるから肌の露出も抑えている。
人妻で有ることも一応に頭の角にもいる。
専用と言ってもいいくらいの少し大きめなバックに身分を証明する札をつけるのも忘れない。
あの青年の側に居るために態々と國が制定する資格をも取ったくらいなのだ。
「これで良し・・・っと」
気合一閃。憂夏は鏡の中の自分に声を掛けると高級マンションの玄関を出ていく。

未だ戦時中の世情の中半地下鉄を二本に乗り継ぐと成れば中々と時間も掛かる。
憂夏ほどの美麗な顔つきと肉付きの良い四肢の持ち主であればこそ
車内の漢共の視線が刺さるのは当たり前であるし
中にはちょっとばかり触って見ようと席を立って近寄ってくる馬鹿も多い。
その手がはっと止まるのはよくあることだ。
憂夏が肩に掛ける鞄の縁に認識章がブラブラと揺れている。
【倭之御國帝国・特殊介護免許習者】
白いカード一枚に一文。紅い文字で書かれた文章。
それは態々、御国の役人か準役人のみが携帯を許される資格証であり
下手に痴漢でも試みようなら後でえらい目にある。
嫌よ嫌よも好きの内と漢の勝手な妄想など所詮世迷い言であると名言している。
お前だって好きでしょうがないだろうと盲言吐いても相手が國の資格もちだと成れば
思うようにはいかない。被害に合っても黙っていてくれるはずもないのだ。
実際に被害にあったとして女性側はその旨を上に報告する義務が生じる。
報告を受けた上司は憲兵隊に当然報告するし半地下鉄の車内でとなれば
顔を隠すことなど出来ないから面が割れる。
そうなれば今日上手く憂夏の肌に触れても後日憲兵隊がやってくる。
後は自分の妻に罵され犯罪歴もがお前についてくる。
気恥ずかしくも愚かに振り上げた手で頭を誤魔化し愛想笑いですごすご引き下がるしかない。
憂夏にしてみればこの札一枚で漢共の嫌らしい視線から身を守れる事が有り難い。

今では随分と見慣れてしまった商店街。
帰り際に夕飯の食材や惣菜を買求める事も有るから馴染みの店の店員が声を
掛けてくれる事もあれば夫の好きな味の惣菜屋に顔を出す事もある。
憂夏自身が好きなデザート菓子を売っているコンビニの脇を通り過ぎる。
時々見かける若者が脇の店外灰皿の脇にただずみこっちを観てるのは気になっても
その奥の路地奥に曲がれば目当てのマンションとなる。
ある意味警備の厳重なそのマンションはいくつかの理由で堅牢さを誇る。
教えられた暗証番号で扉を開け中に入れば目つきの鋭い管理人がひょっこり頭を下げても来る。
人気のないエレベータのボタンを圧して五階はあがって二度通路を曲がると目当ての部屋だ。
表札代わりに小さい紙がペタリと貼られそれには流れた文字で秤徹と書きなぐってある。
秤徹とかいてまかりとおる。
まるで語呂合わせでも有るかの様な名前を関する青年こそが憂夏が世話をする者である。
「こんにちは・・・。徹さん。欣勝寺です」一度息を呑んで意を決して吐き出しす言葉に
「はい・・・。どうぞ・・・」と蚤が鳴くほどに小さな声が帰ってくる。
ガチャリと音がしドアロックが開く。
「おじゃましま~~す」
自分でもすこし上ずってる声が響く廊下をスリッパに履き替えて奥間へと進む。
ふわっと空気が震えドアを開けると其処に彼が居る。
一見すれば異様な姿でもある。常識がないとも言えるだろう。
午後で有るのに部屋のカーテンを硬く閉め一応に灯りはともしてあるが暗く落としてある。
ほとんど裸にであると分かるその立ち姿。
手には黒いゴム手袋を嵌め下半身にはボクサータイプの下着を一枚。
身につけるものが下着一枚であればこそ少し背も高く引き締まった筋肉も目に止まる。
暗がり佇む部屋の中にゴム手袋と下着一枚で真っ直ぐと立ちうつむき加減でぼそりと声がもれる
「宜しくお願いします・・・。憂夏さん」
「はい・・・。準備しますね」決まりごとで有るかのように短く会話が交差する。

秤徹・・・。
暗がりと静寂を好む漢はまだ若い。二十歳と二つ年月を重ねたくらいである。
非常に特殊な病を幼き頃から患ってもいる。
対壁症候群。病名からは想像し難い物であるがわかりやすく言えば自閉症の類であろう。
精神的な疾病であるがそれに咥えその四肢と健にも異常がある。
徹自身が自分の世界に留まればその筋肉の力は常人と同じであっても
抑制され限界を超えると常人のそれを遥かに凌ぐ力が爆発する。
尤もそれ以前に徹の扱いは簡単ではない。
自閉症の類であるからそもそも他人との会話が成り立たない。
常に自分の思考世界に屯するので外界との接点を持たない。
自分基準ですべてが動くから社会常識が通用しない。
憂夏が世話を始める前は髪は伸ばし放題でボサボサ。
肌に垢がたまるほどにまともに風呂にもはいらない。
食事は気が向いた時だけであるし何時間も好きな事に没頭する始末である。
御國としても税金の搾取対象として一人の国民であり大事な資源でもある。
それ故に制度的にも援助の対象ではあるのだが大体にして人との接触をも嫌う。
憂夏を受け入れているのは自分が手を差し伸べたからでもあり
強引なまでの憂夏の誠意が影響してるのかもしれない。
只それだけである。
大体にして徹は自分の事は気にするが容姿は全くもって気にしてない。
初めて徹と出会った憂夏は随分と困惑したもので有る。
悪行懶怠者から助けて貰った物のその姿には当惑然りであった。
冬へと向かう季節であったのに薄汚れたTシャツ一枚に短パンだった。
なんとか洗っては居るのであろうが伸び放題にしたままの髪を顎髭
足元と言えばなぜか草臥れたビーチサンダル姿であった。
一応のお礼と頭を下げた物のやはり近づ気難い印象である。
それでも助けて貰ったお礼に何かしないと行けないと考えると
憂夏自身も驚くほどの行動力を発揮する。
聞きづらくもぼそりぼそりと言葉を発する徹の背を押し
自宅のマンションに半ば強引に押し入ると以外にも部屋がきちんと片付けられて
居る事に気がつく。すぼらにも投げっぱなしなのは自分の容姿位なのだろう。
「洗面所お借りしますね」わたわたと駆けずり回りお湯を沸かす
「ぼっ・・・僕・・・」物言いたげな徹の話もあまり聞かずに
洗面器に湯を貯め暖かくしてからタオルを浸し顔を拭き出す。
きれい好き掃除好きな憂夏であればこそ我慢できない部分でもある。
「まぁ~~~。実は結構な美男子ですのね」
手を動かしながらもクスクスと笑っては微笑む憂夏。
タオルを擦りつけ汚れが堕ちるほどに観えてくる徹の顔は確かに美形であった。
顔から首まわりまで手を動かすと徹がもそりと動く。
出会って弐時間も立ってない漢女であるにも関わらずも
徹は草臥れたTシャツを脱いで捨てる。
顔と首を拭いてくれるなら当然それ以外の場所も吹いてくれるのだろう。
そんなつもりなのだろう。奥面も恥ずかしさも全くなくと当然で有るかのように
晒された四肢は見事に引き締まっている。きちんとか欠かさず鍛えているのだろう。
人妻であるからこそ夫もいる。されども男性経験がないわけでもないし
実弟の世話も良くしてる。少し吃驚したものの漢の上半身を拭く位は良しとする。
背徳感がない訳でもないがその部屋に二人しかいないのだから黙してしまえば人知れず。
其れで終わってくれればと期待してもやはり終わらない。
体の前を拭き終わり後ろに回って背を拭き終わり正面に戻って湯おけにタオルを浸すと
徹が二度目にのそりと又動く。今度は真っ直ぐ立ち上がる。
「これ以上は・・・」当然の如く憂夏は断る。
上半身は兎も角に人妻の身で有りながら他の漢の肌を拭く。
しかもそれが股座と成れば拒絶して当たり前だろう。
「欣勝寺さんが・・・」意地悪げに眉を寄せ眉間に皺を寄せる。
後からしればこれはすごく怒っていると示しているらしい。つまり癖である。
自分の事は棚に上げ憂夏が勝手に始めたのだから全部拭いてくれるのは当たり前と言う事である。
その時、徹の事は良くと知らなかったので漢女の間柄で意味する事だと思っていたが実は違う。
徹はその精神的疾病の影響で強い欲を持たない。
食欲・物欲・性欲その他諸々に対する関心と欲求が薄いのだ。
この時にも徹にしてみれば顔と半身をきれいに拭いてくれるのだから他のところもそうであろうと
言うだけの極めて単純な理解である。それゆえに一切の羞恥心はない。
「私・・・夫持ちの身ですから・・・。こっ。今回だけですよ」
背徳に心を鷲掴みされながらも逆らえないのは徹の放つ雰囲気とでもいうのだろうか。
何処か人の心を鷲掴みに圧迫する気配に迫られる。
憂夏の何処かに痩せ型の体躯の癖に引き締まる四肢の誘惑に耐えきれなかったもあるだろう。
今回だけと言っても一向に自分では下着を脱がない徹。
憂夏は致し方なくも自分の指でその下着を剥ぎ下ろす。
だらりと曝け出した徹の一物は何とも言えぬものである。
決してよく云う大きい物とは言わない。性器の大きさはその背丈と体格に準じて比例するから
特別大きいとかは実際にはあまりない。
それでも憂夏は徹のそれから目が離せないでいた。夫の居る身でありながらも
夫を裏切るという背徳に心を掴み潰されても憂夏の瞳は一物に吸いついて離れない。
致し方ないと自分を騙しても布切れ一枚の向こうから伝わる夫以外のそれの感触が
憂夏の手に伝わるとぞくぞくとした背徳と快楽が背中をこする。
徹の其れは特段に大きいという訳でもないはずだ。形のそれも人によってちがうだろし
それでも吸い付いた目線を離せないと云うのは端に憂夏の好みなのかもしれない。
「助けて頂いたお礼ですからね。今回だけですから・・・」
「はい・・・」自分に釘を刺した憂夏の言葉を真に受ける徹がボソリと答えた。

懶怠者に絡まれ徹と出会ってから数日がすぎる。
思わぬ厄災に絡んで夫以外の体を拭き上げると言う行為は憂夏に取っても秘事で
その日に夫に求められ夫と体を重ねたが夫の名を幾度も呼んで喘ぐが
憂夏の頭の中では自分の体を弄る夫の姿は徹の物であった。
主婦で有ればこそ一連の用事をこなしてしまえば以外な事に時間を持て余す。
あの漢の事が一度気になりだすとそれは止まらない。
きれい好きな憂夏にしてみればあのまま放っておけば又ものとのずぼらな風体に戻るのも気になる
「せっかく綺麗なお顔してるのに・・・放って置くのも・・・やっぱり気になっちゃう」
一度言葉にしてしまうと思いが止まらなくなる。
ごそごそと急いで身支度をするとそそくさと半地下鉄を乗り継ぎあの部屋に脚がむかってしまう。
非礼失礼と思いもマンションのセキュリティータワーの前でウロウロとしてると声が届いた。
「欣勝寺・・・さん?欣勝寺さんですか?私。秤徹さんの介護を担当してる者です。
それでも上手くお世話出来てないんですが」
マンションの玄関口の向こうからパタパタと小走りに駆け寄ってきた小柄な女性は
次の言葉で事情を説明する。
「私奴。稲火狩媽媽李と申します。
御国の介護局に努め得る公僕です。徹さんと担当してるのですけど
全然上手く行かずにこまっているんです。どうかお力添えをお願い出来ないでしょうか?」
意味も事情も全くわからずに少し怖がる憂夏の手を此処であったが百年目の親の仇とばかりに
ガッチリと握り顔を寄せて愛玩する稲火狩媽媽李の瞳は真剣其の物である。
「どうして。私の名を・・・」
「徹さんが言うんです。憂夏さんが肌を拭いてくるからって」
「えっ・・・?まともに口をきいてくれない徹さんがはっきりと憂夏さんの名を
私なんか三ヶ月も通ってるのに名前所か廊下までしか入れてもらえないのに・・・」
事情がわからなずも自分が必要とされている事に少し嬉しさを感じ
「少しだけならお手伝いしますけど・・・」
「有難う御座います。早速行きましょう。参りましょうっ」
一度握った手を離すまじと更に力を込めて憂夏の体を無理に引っ張っていく。
この時憂夏は初めて徹の事情を聞かされる。
対壁症候群。一種の精神疾病の類で自閉症とも言われるが徹の其れは
かなり特殊な種類の病である事。
自ら他人の肌に触れる事を良しとせず嫌い。
どうしても触れなければ成らない時は薄手の黒いゴム手袋を嵌める。
通常は其れで済ますが外出時にはちゃんとした物をも好むらしい。
かと言って手以外の場所が触れ合ってもあまり気にならない事も有るらしい。
徹にとっては手で他人の肌を触る事が禁呪であり。その手が自らの聖域とも観て取れる。
人肌にふれる事以外でも手袋をしないで何かに触るのも嫌がるのでやはり気になるのだろう。
又、他人との会話も好まない事も多い。
稲火狩媽媽李いなびかりももりが徹の担当になって三ヶ月。
未だ名前を呼んで貰った事はなく部屋に招き入れてくれても玄関から今に続く廊下の縁までである
目に見えぬ線が有るようにも感じられそれ以上奥へ入ろうと一歩踏み出すと
それに合わせて徹が一歩奥へと動く。媽媽李が一歩下がると徹が元の位置に戻る。
媽媽李が幾ら丁寧に優しげに話しかけても帰ってくるのは・・・・を並べた沈黙だけである。
「こんにちは・・・・徹さん。
欣勝寺憂夏です。お体を拭きますね・・・」
「こんにちは。憂夏さん。お願いします・・・」
あろう事かそれと知っていたのか憂夏立ちが部屋に入ると其処には
黒いゴム手袋を嵌め下着一枚のままで徹が立っていた。
本来であれば介護人の媽媽李を追い返したなら何か来てないと風邪の一つも引くだろう。
「と・・・・徹さんが喋ってる。しっしかも頭下げてお願いしてるん」
徹と恐らくは同じくらいの年頃でる媽媽李は廊下の縁でわなわなと体を震わせ呻く。
そんな媽媽李の仕草を不思議と思うも徹が自分を受け入れてくれるを憂夏は嬉しくも思う。
「すごい・・・・何処かで経験が有るんですか?憂夏さん」
「夫持ちですからこれくらいは普通でしょ?」
他人を拒絶する事を常とする徹であるはずが憂夏の言う事は聞くらしい。
上半身を拭き終わるとそれ以上は若い女性には目の毒で有るとばかりに
手を伸ばし体の向きを帰ると、徹もそれにわせて体を回す。
「お尻。可愛いの・・・・すごく・・・・あっ失礼しました」
國の公僕介護人であるにも関わらず若気の到りで思わず口走った言葉を媽媽李が謝罪する。
まぁこれだけ筋の覆った四肢であればプリプリのお尻は当然に注目をも集めるだろう。
これは介護であると言い聞かせてもやはり徹のそれに触れると云うのは悦楽でもある。
特に又、若い女が園様をじっと観てると成れば尚更刺激的でもあろう。

「すごかったです。憂夏さん。
あの強情張りの徹さんを手懐けるなんてすごいです。愛情の成せる技ですね。
それとも年上が好みなのかしら徹さんって・・・・。
そうだ。憂夏さん。資格取ってみませんか?介護の」
「えっ。そんな難しい事なんて私に出来るかしら」
「出来ますよ。勿論、國の試験ですからそれなりにかもしれませんが
憂夏さんなら大丈夫ですよん。私が保証しますっ」
初めて徹のプリプリの尻を観て興奮してるのか公僕にあるまじきも鼻息を
荒くする媽媽李が何の根拠もないはずなのに勝手に豪語する。
媽媽李が告げたように御國の制定管理する介護資格は確かに難易度が高かった。
一人の努力だけは事足りずある程度で金銭も掛かる。
この時点で憂夏は夫に事情を話し了承を求める。
最初こそ夫は難色を示すも自分の妻を助けて貰った輩に礼がしたいと言う
憂夏の熱意もあったし徹と言う人物が性的に女性に興味がないと知れると
まぁそれならばと渋々に承諾する。
当然の如く妻が他の漢に熱を上げるのは好ましくないとも心内で思っても
それこそ憂夏に黙して自分がしてる事への後ろめたさがあったのは言うまでもない。
いざになんとか資格を取って正式にも徹の介護人と成ってみるとそれはやはり大変だった。
初めての介護という仕事でもあるし何しろ相手は筋金入りの徹である。
素直に言う事を聞いてくれる時もあれば其れは嫌だと頑固に眉をひそめる事も未だまだ多い。

「昨今、巷に蔓延る悪行三昧懶怠者の一味が制裁されました。
目撃者の証言によると懶怠者共よりも更に世間を賑わす自称正義の味方。
変態極まりない自警団が突如と現れ懶怠者を一網打尽にしたということです。
尚。この自警団の漢の格好は極めて変態的であり漆黒のマスクに黒手袋。
其れ以外は一応の世間体を考慮して純白の褌一丁と言う事です。
あまりの変態度の為、庶民の皆様は見かけても指を刺さずにそっとしておいてあげましょう」
昨日ともいつもとも変わらに朝の食卓のNEWSをが耳に届くと憂夏は音と立て味噌汁を拭き出す。
「どうしたのだ?知り合いか?」
「いえっ。そんな人は知り合いにいません」
何気なく問いかけただけの夫の言葉に血の気の引いた顔を晒し憂夏は頭を振る。
この時はなんとかごまかせたがNEWSが伝える人物に重々すぎるほどに思い当たる節がある。
その日は徹の所に通う日ではなかったがいても立ってもいられずに
憂夏は夫をそそくさと送り出すと慌てて自分も身支度に取り掛かる。
【褌仮面】
通う道筋がてら公衆の面前ではあった物の周りの事など頭に入るはずもなく

置字

天鼠 蛭姫ノ壱

天鼠 蛭姫ノ壱

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