地雷系女装地下アイドル・杖鼓



「うぉ~~~~。錠鼓ちゃわぁ~~~ん」
「俺の嫁になってくれぇ~~~。錠鼓ちゃぁ~~ん」
「何だとぉぉ~~。錠子ちゃんは俺様のものだっ。貴様如きのオタクにさんぞっ」
「オタクだからこそ。ぼっ。僕が錠鼓様を世界で一番幸せにできるんだ」
いかにも安っぽい雑居ビルの地下。寧ろ普段は倉庫代わりの場所にこれも又、手作りで無理矢理こしらえたステージの衝立の前で
長い黒髪を揺らし歌い踊る少女のめでその辺の山猿如きの男たちが異様に興奮し血眼になって声を張り上げる。
ともすればステージで踊る少女の声等、彼等の耳には六禄にとどいてないのかも知れない。
およそ二十人も入ればいっぱいとなる其の部屋に軽く倍をこえる漢達が鼻息荒くも少女が微笑む度に
歓喜に咽び吠えるのは戦争中の帝国漢児としては恥にも勝るだろう。
「今日はみんな有難う。又、会いましょっ」
漢共の熱狂冷めやらずの鼻息の中、規定の曲を歌い終わったのかそれとも会場の使用時間の限界が近いとでも言うのだろうか
言葉にすれば言いたいだけいった。それらしく言えば決められた曲数はきちんと歌ったとでも言うのだろうか。
地上四階建ての古びた雑居ビルの地下でそれこそ芸能歌謡界の最底辺で歌を披露する血獄釜杖鼓は手短に声を上げ客にペコリと
頭を下げると意外にも早足でステージの裏側に身を滑り込ませた。
「おつかれさまでっす!杖鼓さん。今日も最高でした!俺、感激しちゃって」
ペコりと頭を下げ腰を90度にも負けずと降りタオルとスポーツドリンクを付き人の斎藤が突き出してくる。
「タオルは嫌、御化粧落ちるから嫌っていってるでしょ!此の御馬鹿斎藤っ」
たった今ステージを終えれば化粧をした肌にも汗が滲みのる。当然に直ぐにでも拭き取りたい衝動に駆られるが
未だ、誰が見てるかわからないのだ。気を抜けるはずもないし油断等できるはずないのだ。
「今日も良かったわよ。杖鼓ちゃん。来週もそのちょうしで お願いするわね」
十分に熟れた声で杖鼓の総括担当の島海老鋭恐子が声を掛けてくる。
「来週はお休みを貰えるって約束だったじゃないですか。恐子さん。約束はちゃんと守って欲しいです」
杖鼓に寄り添う様になってまだ日もそれほど出ない斎藤に変わって杖鼓の事をよく知る恐子は少しだけ濡れた
ウェットテッシュ手渡してくる。
どんなに言っても約束を取り付けてもどうぜ保護にされるとわかってるのだろう。
恐子にぷぃっとそっぽを向いてテッシュだけ受け取ると汗を吸い取るためだけにそっと顔に当てる。
ステージ用の少々べとつく化粧を落とす事が出来るのは帝都都心の外れの自宅にたどり着いてからだ。
それまでは我慢しなければならいし窮屈な思いを強いられる事になる。
戦争中であっても帝都の民の楽しみ娯楽は数にもあっても、その中でも劇場に通う芸能関係の物はやはり人気が高い
TVやそれに類する物も悪くはないのだろうが態々自分の脚を動かして其の場所まで通い自らの推しの芸能人を間近に
感じられるのは至極の楽しみである。
何より楽しみの一つにはその日のステージが跳ねて終わりTV局や劇場から出てくる芸能人の生の姿を間近で観れるのも
ファンには醍醐味となるのだろう。大抵の場合は事務所側もよくわかっていてそれも含めてその日の業行を決めているのも多い。
駄が然し、最近突如とひて芸能界の最底辺に新星の如く現れた血獄釜杖鼓の場合は少々違う。
「アタシ、此の仕事に向いてないから」と悪びれもぜす公言する血獄釜杖鼓。
其の容姿でいえば小顔でもあり幼顔でありながらもパッチリとした目つきに筋の通った小鼻。
愛想は悪い癖に偶に微笑むと形良い唇からのちらりと除く八重歯。何より機嫌悪くむっとしたときに歪んで突き出る家鴨口が可愛い。
背は意外にも小柄であり引き締まった四肢は学生時代に水泳をしていた影響だとプロフィールには記載されている。
「杖鼓ちゃんてさっ。デビュー仕立ての頃より胸大きくなったよな?」
「小生は杖鼓殿が巨乳で在っても貧乳であっても受け止めるでござる。但し、下着は絶対、白っ。純白しか認めないで御座る」
杖鼓のデビュー時から筋金入りの古参者と新たに杖鼓の魅力に取り憑かれた者の間で交わされる言葉ありきのように
不自然ではないもの最近一回りも大きくなったのはないかと言う乳房は人並みよりもやや大きいだろう。
最底辺であっても芸能に携わる者であれは外見容姿は大事でもあるしその性格も観る者、推す者にとっては大事な要素だろう。
否然し。血獄釜杖鼓のファンをな自覚する者は我慢と忍耐を強いられる事が多い。それも極度の我慢で在る。
「そっ。それじゃ、杖鼓さん。又明日午後です。明日は雑誌の撮影ですので・・・」
言うべきことは毎日あまり変わらないものであっても間違えば上司の恐子に怒られるから斎藤は手帳を見ながら確認して告げる。
「うん。又あした。明日こそ梅しそ蜂蜜ドリンクかってきてね。あれ喉にいいんだから」
「今日はすいません。事務所のストック切れちゃってて。近くのコンビニにも・・・」
今朝の失態の気まずさを思い出しながらも絞り出した言葉が届く前に杖鼓はスタスタと在るいて消える。
小柄でほっそりとした杖鼓の後ろ姿が廊下を曲がるとそこからは斎藤も総括担当の恐子も踏み入れることの出来ない世界だ。
「御嬢様。お勤め、否お仕事ご苦労御座いました。今日も素敵でありやした」
角を曲がると狭い廊下の先には数人の漢共が待っている。どいつも一瞥せずとそれと分かる黒ずくめの背広姿は懶怠者である。
「お世辞とかいいから、褒められると背筋がむず痒いの」幾ら低い作りとは言えその天井に届くかと言うほどの頭上から
強面懶怠者が声をかけてくるともなればそれとしって慣れてもいなければ気後れも当たり前だろう。
杖鼓が嫌がるとはわかっていても巨漢の懶怠者はそれと声をかけなければ気がすまない。
それまで歌謡や芸能に全く持って縁も縁もない裏稼業の生活をしてきた彼にとって潤いと新たな生きがいを与えてくれた杖鼓に
感謝の意を其の都度伝えること抑えることが出来ない衝動であった。
杖鼓が痒さに耐えきれずっと時をびくりと伸ばすとホット若衆が梅しそ蜂蜜シェイクを手渡してくる。
もちろん五分前に葉を磨き口の中をきちんとゆすいだ上で杖鼓の舌が火傷しないようにと口をすぼめてふぅふぅと域を吹きかけて
適度に冷ましてからだ。さらに勿論持余命な熱さを感じないようにと紙ナプキンを巻くのも忘れない。
手渡せれたホット若衆が梅しそ蜂蜜シェイクに右手を添え左手でストローの先を抑えながらちょっと行儀も悪くズズっと音を立てて
吸い上げると其の酸っぱさに眉をい染めてぐいっと若い衆の胸前に付き戻す。
(うわっ。杖鼓さんが口を杖kたストローだ。それにいい匂いもするってば)
突き返されたカップにうっすらとまとわりついくのは恐らく杖鼓の香水の香りだろう。甘ったるくもどこか涼しげにそれは漂う。
「お前の仕事は常に清潔感の在る好青年である事だっ。だらしない格好は一生涯出来ると思うな」
組に入り杖鼓の担当となったその日に身儀礼にするための大枚と今怒気流行りの美容院のカタログ雑誌を20冊ほど渡された若衆が
越に浸り杖鼓が口をつけたドリンクのストローをじっと見つめている脇でこれも又懶怠者で在るはずだが妙にナヨナヨした別の漢が
杖鼓の後ろからさっと服を広げて被せてくる。それは布がやたら多い頭巾付きのケープみたいな感じの物であり
ともすれば童話に出てくるケープみたいなものである。その色は漆黒の黒で在る。
それも又勿論。懶怠者でありながらも痩せて背が高くも軟な体格でそれらしく見えるからと言うだけで他の芸能事務所や商業広告の世界で
スタイリストの修行を二年以上も積んだ輩であり、杖鼓専属でありながらも巷ではひっきりなしに声がかかる売れっ子でもある。
今日のケープの存分に腕を振るった一品であり杖鼓の希望通りに頭から脛のあたりまでしっかりと隠すのが目的であっても
風に揺れてたゆる黒い生地の上には濃淡の違う黒糸で杖鼓が何気にイタズラ紛いに書いた
天使の姿であってもその顔は猿が牙と舌を吐いて垂らす一見キワモノとも見える印が縫い込まれてもいる。
ともあれそれを頭からかぶればステージ衣装はすっぽりと隠れるし大きめの頭巾となれば遠目ににも杖鼓の顔も表情も
たやすくは見て読み取れはしないだろう。人前で欲望の対象であればこそそれが終わると全て覆い隠してしまうのが血獄釜杖鼓である。
黒く染めたケープの袖裏からヒョイっと細く白が伸びると朝から晩まで清潔感を絶やさない好青年懶怠者が手で温めたドリンクを渡し返す。
杖鼓を守る数人の懶怠者たちはそこからが正念場でもある。
「うぉぉぉ~~~~~。杖鼓ちゃわ~~ん」
「俺のよめちゃ~~~~~ん」
「拙者のものである。拙者の嫁である。お前なんかにやらんのである」
「杖鼓さ~~ん。こっち向いてぇ~~~」
どす黒い自分かってな欲望と悲鳴にも似た声が混じれば杖鼓の人気に一つでも在るだろう。
其の世界の頂点ともなればTV局や大手芸能会社が運営する劇場であろう。
それらであれば警備も十分に行き届き自分たちが守る杖鼓との距離も長く遠い。
否然し、知名度があっても所詮は地下に潜って目が出たばかりの血獄釜杖鼓であればそうも行かない。
得に今日の会場は小さな雑居ビルの地下倉庫である。
ステージを終えてさる推しの姿を観れるチャンスを逃さすものかとファンの輩は先程よりも血眼でもあろう。
「え~~~。ファンの皆様にはいつ血獄釜杖鼓を応援して頂いて有難うございます。
今日のステージも無事に終わり頑張った杖鼓を褒めて上げて下さいませ。又、プライベートに気を使っていただければ幸いです」
あまり距離の無い路地無欲に黒山蟻のように集るファンに向けて総括担当の恐子が口脇に手を当てて出来るだけ大きな声で吠える。
「杖鼓様~~~~~。愛してるぅ~~~~」
「結婚してくれ。結婚!結婚!」
「おっ。お金払うからちょっとだけ。ちょっとだけっ」
トオすれば行き過ぎで下品な声がかかるのは杖鼓が地下アイドルで在るからかも知れない。
天上のアイドルには届かぬ手も地下に潜る杖鼓になら知名度欲しさにふりむいてくれるかもしれないのだ。
そんなファンの気持ちを無下にするのも杖鼓である。
跳ねたステージの熱が収まらぬファンとの心づもりとは裏腹に杖鼓のそれは疲れと冷たさに覆われ足取りも重い。
それでもなんとか四肢を引きずり黒塗りのヴァンに乗り込む。
その手前の一瞬、極わずかに首を捻りファンの黒山蟻が集る向こう路地に首を向け頭を下げたのがせめての救いであった。
「うぉ~~~。頭下げてくれたぞっ」
「おっ。俺をみてくれたんだ。俺をっ」
「違う。私よ。私を見つめてくれたのよっ。もっもう駄目。卒倒しちゃう」
自分勝手にそれぞれに思い込み激しく騒ぐ輩を尻目に黒いヴァンに滑り込む杖鼓と警護の懶怠者。
ふっくらとした後部座席に身を沈め
「ふわぁ~~~。疲れたし。もう嫌っ。来週はパスしたいの。せめて曲数減らしてほしいのぉ~~~。
休みちょうだいよ。おやすみ頂戴な。もう無理。あっ。大熊さん。後よろしく」
例の巨漢の懶怠者が窮屈に肩をすぼめ杖鼓の文句が社内に響くと清潔感耐えない若衆がヴァンのドアを閉める。
杖鼓が一息ついて大きなケープの頭巾を細く白い指でめくりひょっこり頭を出すと出発の合図だ。
「近藤、出してくれ。気をつけてな」雑居ビルの低い天上なら頭の毛もこすると言う大熊に声を掛けられた
混同と言うこれも又運転がうまそうだからという理由で国際Aクラスのレース免許を習得させられた近藤は
合図を受け取っても後部座席の杖鼓の様子をきっちり自分の目で確認してからやっと頷きアクセル軽く踏む。
「金城くん。今日のステージでどこ見てたの?あたしより優香ちゃんのおっぱい見てたよねっ?
そりゃ優香ちゃんのおっぱいのほうが私よりおっきい物ねぇ~~。変態。変態金城くん。
あっ。お醤油取って。お醤油。それと唐辛子も。変態金城くん。」
「じ、自分変態じゃないっす。女性の魅力はおっぱいだけじゃないっす。
それに自分は杖鼓さん一筋っす。浮気なんかしません」
ステージが跳ねた後の杖鼓は饒舌で事もある。人前で自分の歌声を披露するとも時に踊ると言うのにも慣れず
ある意味絶えず苦痛と抑制の中に身をおけば一つのステージが終われば数日は開放される
その喜びから普段は陰険でさえ在る杖鼓でも此の時ばかりは冗談を飛ばす。但しそれが本当に冗談で済めば幸運である。
「ウソウソ、絶対観てた。Eカップの優香ちゃのおっぱい観てた。変態金城くん。
変態って言えば・・・ほら。順若頭の笹藤さんよね。自分の精子で愛人さんに歯磨きさせるだってよ
漢の人の性癖って不思議よね。組の上まで登ると変態度数もあがるのね~~。
それに比べて。まだ可愛い方なのかしら?近藤さんのは・・・。」
ハンバーガー、お寿司、みたらし団子にかつ丼と梅しそ蜂蜜ドリンク。
それなりに広い車内に据え付けられたテーブルの上に並べられた食べ物は数も多い。
そこに数人の輩が集えばまるで宴会でもあろう。
だが機嫌よく嗤う杖鼓の口から出るのは罵詈雑言。どこから仕入れてくるのじゃ自分たちの上司の悪口初め性癖まで
遠慮なくことごとく暴露されては当人は兎も角、次に顔も観る時どの顔すれば良いんだと皆が呆れる。
あやゆく新妻との性癖が暴露に至ると言うところで近藤はサイドミラーにちらりと観たかと思うと
恥のかきすて動揺をスゥっと息を吸って飲み込み助手席の巨漢大熊に声をかける。
「大熊さん。もしかしたら」
「むっ。本当か?この前の奴なら沈めたはずだが」
国際Aクラスの腕前を持つ近藤に促され巨躯をよじって自分も確認するが近藤が言うような気配はい。
「だかぁら~~。絶対そうなのっ。
優香ちゃんは絶対Mだってば。私が睨むと下向くけど口元が歪むのよ。
われは絶対欲しがってるのよ。金城君じゃだめよ。清潔感ありすぎるもの。あたしの言う事なら聞くかも?
今度、ノーブラでステージ立たせようかしら」
「そっそれはないですよ。あの人は御姉様ツンデレキャラで事務所が売り出しているんですよ。
それがMだとか杖鼓さんの言いつけでノープラでステージ立つとかありえないっすよ」
「絶対だって。優香ちゃんは背が高くて巨乳だけどぜったいMなのっ。
荒縄括って引きずり回したら泣いて喜ぶの。
なんならノーブラ、ノーパンでステージ立たせるのはどう?ねっやろうよ。林田さんい。いいアイデアよね」
場を盛り上げるためにとあまり飲まない缶ビールをぐいっと煽った途端に杖鼓に振られたスタイリストの林田は
ゲホゲホとむせ返り意表を突かれたとばかりに拳で旨を叩く。
つまりはステージ開けで重圧から開放され無邪気にはしゃぐ杖鼓の変わらぬ姿に大熊はほっとむねを撫で下ろす。
「ふむ。プランDの予備の2で行こう。それから權田さんに連絡を入れよう」
今日のステージは歌うべき曲数も多く興行主の段取りに不手際もあり面倒事が多かった。
やっと束縛と抑制からやっと開放された杖鼓に余計な煩わしさを感じ捺せたくはない。
杖鼓の感の鋭さは他社でお姉さんツンデレキャラの優子の性癖をどMとたやすく見抜くほど鋭いと承知であっても
なるべく穏便に気取らずに住む事にかわりない。
大熊はなるべくいつもと変わりない様子を保ち携帯を取り出すと太くてでっかい指で推しにくい携帯のボタンを無理に推す。
「今日こそは絶対に撒かれないからな。絶対、ものにしてやる」
スモークの掛かったヘルメットのこっちがわで伊東は知らずに声を出して決心する。
帝都の出版業界でももっとも低俗で購入を控えるべきとまで言われる三流雑誌の写真記者で生活を立てる伊東に
担当上司が言い捨てたのが最近、躍進はなだたしくも秘密も多い血獄釜杖鼓のプライベートの撮影である。
其の道一筋で名を上げて魅せると誓って帝都にのぼっても時代はかわり写真記者などやっとくれるところなんて多くもなかった。
地元で才能在ると褒められ近所で話題に登り親が誉と自慢におもって帝都に登ればそこそこの輩と対して変わらずなれば
行き着くところはそれもまた目に見えるだろう。
自分でもむいてないししそろそろ田舎にでも帰ってと思い始めた頃に言いつけられた地下アイドルのプライベート取材。
取材対象とされた地下アイドルの情報は想像とは十分すぎるも違いすぎた。
まず、その歌声と実力が地下アイドル等に相応しくないのだ。取材の前に興味本位で自前でチケットを買って覗いたステージ。
運めぐりて其の日は年に一度の聖夜の日でもあり、肌に合わぬ欲望むき出しで床を踏み抜かんと吠える客の怒声を水を打つ音さえ
許さぬとばかりにその目力だけで抑え込静かに歌い声を震わせた歌い上げたのが聖夜褒歌である。
その歌は暗くも狭い倉庫紛いのステージの壁を打ち震わせ、其の声が響けばどの罪人も罪を悔いて瞳を潤ませ涙を堕とす。
事実、何年も忘れていた涙を伊東自身が流すして旨を熱くすると思えば、涙一つで終わるはずもなく鼻水も止まらず
声を抑えズズと啜る。挙げ句には同じように涙と鼻水に咽ぶ小太りのオタクが気を使い真っ白なハンカチを貸してくれた
くらいである。それ以来、伊藤自身の本質的は見事に杖鼓に心臓を握られた思いである。
だからこそ、純心極まる歌声を持ちながらも公式な記録では弐年と半年の月日を経てもいまだ其の世界の底辺にとどまる
杖鼓の地位が不思議ではならなかった。それは調べれば調べれるほどに見えなくなっても来る。
まず所属する芸能事務所が地下アイドル専門で有る事。どこでスカウトしてきたのかも一切明かされずも
公表もされていない。地下アイドルであれば当然に予算などつくはずもない。
それは他のアイドルの様子を見れば分かる事であり、例え当人の容姿や才能があっても予算がかぎられるから衣装の質が
悪かったり箱と呼ばれるステージや劇場なんかも格安な場所とか時には路上でゲリラライブと勝手に称して行われる事さえ
少なからずも憚らずに行わえる事も在る。
だが然し。血獄釜杖鼓の場合はそれに含まれない。確かにアイドルの興行と言うには見窄らし場所が多い。
閉店真ぎわに閑古鳥が騒ぐライブハウスを初め絶対に使用目的が違うであろう倉庫を事務所の若手が片付け
なんとかそれらしくも見えるであろう位の体裁のステージ。だがそれは裏腹には音響にはえらく拘理が見える。
伊東自身は芸能や音楽に仕事上の関わりもあり知識も人よりは深い。
こういう場合、音楽機材等の設置や撤収はアイドルを売る出す興行主の芸能事務所が手を引くはずであるが
何やら違うとも見える。確かに会場に一番先に到着するのは専属のマネージャや助手と総括担当の女性であろうが
ひとしきり彼等に遅れて現れる強面の一団。見るからに大柄な体躯の者もいると逆に神経質そうな若い奴。
それを後ろから野太い声で罵倒にも聞こえる唸り声で吠える漢。感が良ければそれが懶怠者とも直ぐ分かる。
ひとしきり巨躯の漢が吠えまくった頃合いを知ってか音楽機材の業者がトラックをその日の舞台に横付けするが
これもまた随分と手の込んだ輩である。一律に例の猿顔の天姿の印を背負った作業着を着込むがどう見ても玄人だ。
帝都芸能世界でもその天上の輩を支える縁の下のちから持ちとでも言うのだろうか帝都国技館で行われるステージの
音楽機材を一手に担うような才能と腕を持つ輩が雑居ビルに忙しく機材を運び込む。
特にあの聖夜の日は著しくも雑踏の中に必要以上の機材や人員が注ぎ込まれ、伊藤自身はよく知らずとも
其の世界は著名極まりない腕を持つ職人が態々に脚を運び上手くいかないとばかり嘆くも終いには
杖鼓自身が笑みを漏らすほどの音質を狭いてボロいステージ空間に生み出している。
詰まる所。
血獄釜杖鼓が歌うべき環境はどこであれ天上極める歌い人に遜色無いほどに突き詰められた環境が作られる。
無理と限界はあるだろう。それでも一介一人の地下アイドルが声を絞り歌うには見合いほど以上の空間がこしらえられる。
それを担うのは興行を立てる芸能事務所ではなく最初の搬入から数刻遅れて舞台に入る血獄釜杖鼓を囲む黒服の懶怠者達である。
確かに主だった表で興行をおこなうのはあのやたら化粧の濃い女性担当者が所属する会社なのだろう。
だが然し、がっちりと其の周りを固めるのがあの黒服の懶怠者達。
どういう理由が在るにしろ表立って歌えないほどの裏の事情があるに違い。
三流芸能写真記者・伊東は個々が己の正面場とばかりにぎゅっと唇を噛んでバイクのアクセルをぐいと絞る。
夜帳が墜ちても晴天然りであれば星が瞬く。
前回、前々回の如く雨雫もなければスモークバイザーの向こうを滑る目当ての黒いヴァンとはそこそこの距離も在る。
まるで自分の脚と変わらずとばかりに手を掛けている十分にカスタムしたバイクの調子も良い。
これなら見つかって速度をあげられてもみうしなう事にはならないと頭に浮かんだところで獲物のヴァンが交差点を曲がる。
無理にハンドルを切ったわけでも無いのだろう。信号待ちにひっっからない程度に加速した其の先で曲がっただけだ。
伊東は焦らない。黄色から赤に変わる捕まれば弐分以上も足止めを食らうであろう信号機の手前5メートル手前の裏路地に
ハンドルを切って入りこむ。こちらはちょっと無理をしたので車体が軋みタイヤが悲鳴を上げる。
脇を並行して走っていた車のど運転者が何事かと驚いたかも知れない。
皮まずも裏路地に滑り込んむ伊東のバイクはアクセルが絞られ加速する。
慣れてなかれば怖いと感じる程の速度と左右を挟む路地のコンクリートの壁。
ビルの合間であろうからもし三叉路弐でもなっていてひょっこり子供でも出てきたら事故になるだろう。
それでも伊東は構わないと思う。無論。土地勘があればこそ出来る芸当でもあれば其の場所は只の路地であって
人通りは極端にないと知っていての行為でもある。狙う獲物に突き放されてもいなかれば伊東も入り込もうとは思わない。
「あいつだな・・・。違いないだろう」
後部座席で未だに猥談に華を咲かせる杖鼓達の姿を確認しつつも大熊は路地から飛び出して来たバイクに目を向ける。
「ああ。あいつですね。何回か観たことがありますね。
ほら。ヘルメットの後ろの芸能会社のステッカー。三流会社の写真記者と言う所でしょうね。
どうします?・・・轢きますか?」国際Aクラスの腕を持つ近藤なら事故に見せかける位朝飯前だろう。
「あいつかぁ~~~。この前もついてきてたなぁ。見逃してやったというのに。素人が。
否、杖鼓がのっているからな。弐号車と權田さんに任せよう。無理しないでおこう」
「ちょっと位、引っ掛けて腕の一本でも潰してやれば懲りるんですよ。ああ言うのは・・・・。
でも權田さんに任せたほうがいいですね。あの人ねちっこいし。くわばら。くわばら」
腕の良い運転手ならバイクの接触事故でも偶然に見せかけて事故を起こすのもお箸にを握るより簡単だろう。
それでも大熊の言葉を聞いて意見を呑んだのは権堂と言う名があがったからだ。
脛に傷在る懶怠者ものが関わりたくないと呪詛を履くほどの人物なら相当に厄介に違いないだろう。
少しスピードを出して裏路地を抜けたと思えば運悪く狙う獲物の三台前の車の横だった。
急に飛び出したからやっっぱり二輪のタイヤや軋むしぶつかりそうになった車の運転手に睨まれる。
それでも丁寧に手を上げて謝罪の意思を示し、確かに危うく事故になりかけたとばかりに息を肺に満たし
怖かったとばかりに道端にバイクを止めいき抜き去ってしまった杖鼓が乗る黒いヴァンをやり過ごす。
ヘルメットで隠してるから見えはしないとわかってはいても一般人が懶怠者を追いかけるとなると
事がことである。黒塗りのヴァンが脇を通り過ぎる時バツが悪とばかりにバイザーを手で抑え下を向く。
まぁ観ていないとは思ったがそれでも誤魔化して奥けば心が落ち着く。
自分が思うよりも年のため十分にやり過ごす。車の台数で数えて七台位の距離である。
追いかけるには少々厄介であるが、ちょっとアクセルを絞れば追いつけないこともない。
なんとかなるだろう。勝負はこれからだと睨んだ時に・・・。
「そこの赤いヘルメットのバイクの人。車両から降りてエンジンを切りなさい。
何をきょろきょろしてるだね。今どきそんな派手なヘルメットに紫のステッカー貼ってる人いないよぉ~~。
そうそう。君だよ。君。何々?煩い?そりゃそうだろ。聞こえないと困るから。とりあえずバイクから降りてくれる?」
伊東の背後から突然、上がった声は金切り音に良く似てる。
地声もよく通るのだろうがそれ以上に手持ちの小型スピーカーを握り喋りまくる。
見た所、どこぞの交番に詰める警官であろう。やたらに背が高く細いと言うよりももっと細い。
細すぎて警官制服がダボダボに見える。警ら帽子もサイズが合わないのかぶかぶかだ。
「ちょっと君。バイクの癖に二丁目の交差店の裏路地通り抜けたよね?
あそこ先週から歩行者専用道路になったんだよ。えっ。そんなの知らない?
君が知らなくても天下の法律だからね。標識あったよ。それも知らない?
とぼけても駄目だよ。バイクや車の運転中は道路上に設置された標識を確認準じて運転する義務あるよね
帝国路上運転法で定められてるんだよね。それにしても赤いヘルメットに紫のステッカー貼ってるって
どんなセンスしてるの?一昔前の暴走族でももうちょっときをつかうよ。はい。免許証魅せてくれる?」
杖鼓のヴァンに置いてきぼりを食いそうになって先回りしてやろうと裏路地を抜けたが標識は目に入らなかった。
そんなの気にしてハンドル握ってなんか入れは商売になりゃしない。
否然し、目ざとくも煩い警官は蛆虫無体に湧いてくると言うが痩せすぎて制服がぶかぶかな其の警官は別格だった。
「ふむ。伊東慶事さんね。職業は講縁者の写真記者。直ぐに変わったよ。社則なんだろうね。
ヘルメットに貼ってるステッカーね。貼らないと撮影許可降りないからね。最近は色々煩いしね。
まぁ。それは分かるけど違反は違反だね。えっ。勘弁してくれって?。無理無理。無理だから
市民の安全と生活と守るのは警官の仕事だからね。僕、正義の味方だからね。
君は悪者。いわば悪党だからね。きちんと裁かないとね。え?声が大きい?うん。態とだから態とだよ。伊東慶事君」
恐らくは自分とあまり年もかわらないと思えても痩せて背も高い頭上からハンドマイクをとおした声が余計にうざい。
実の事。懶怠者の大熊が声に出すも苦く笑い。あからさまに呪詛を唱えるほど言葉綺麗に敬遠するほどに
うざいくもねちっこくもやたら法規に拘りを魅せる警官こそあの權田と呼ばれる人物である。
帝都渋谷二丁目前の交番に詰める權田非狐丸こそがその人であり其の評判こそ法の番人の道に進まねければ
十年単位で家に引きこもるオタクがサイコパスかと線引が難しい人物でもある。
当然然りの如く、デビューしたての其の頃から熱心な血獄釜杖鼓のファンであるのは同僚もよく知る事実であり
事それが絡むと普段は真面目な性格のくせに裏腹にまるで神でも崇めるような熱狂ささえ魅せる。
故に杖鼓の身に起こる行き過ぎる輩の処理は法規で捌ける範囲であれば權田巡査が一手に賄う手はずである。
「え~~と。伊東慶事さん。もしかして僕のほうが年上かな?じゃ。慶事君
君駄目だよぉ~~。あんな裏路地バイクで疾走しちゃぁ~。交番配給の自転車で追いかける身にもなってくれよね。
鍛えてるけど。僕。鍛えるから大丈夫だけど。え?免停になる?点数危ないの?なんとかならないかって?
無理無理。無理だから。僕なんて下っ端の警官だからね。無かった事になんか出来ないから?
賄賂でもくれる?贈収賄成立するけどそれでも良い?大体君に逃げ道はないよん。
先月も一方通行逆走して切符もらってるでしょ?それから先週は近くの女性からストーカーだって
被害報告上がってるよ?えっ?此のバイクのナンバーと合致するよ?首振られてもこまるなぁ~~
交番で話聞かせてもらうから来てくれる?嫌だって言ったらバイク蹴るよ?高いんだよね?これ」
年下と知れればタメ口所が注意で住むはずもなく。思い当たるも遠からずその時は気にもしない事が
どうやら苦情になっていてたのも知らなかったが講習門前で態々メガホン型のスピーカーで
いちいち説教されてはたまらない。今となっては身元もばらされストーカー紛いの疑いが
運悪く確定にでもなればそれが仕事絡みと言い逃れようにも相手が訴えればそれまでだ。
法規違反とも慣れば罪は軽くても記録には残る。ヘルメットのステッカーをみれば雇われる会社は
一目瞭然に、当然連絡が行けば解雇は必須と先が見える。
これにて一見落着と交番の机の向こうで權田が胸をなで下ろせば
それに対する伊東はガックリと肩を落とし少しでも幸先よくならないかと逃げ道を探して頭を捻る。



運転手の近藤だけに伝わるように大熊が事の始めで告げたプランDの予備の2と言う暗号は普段の道順を余計に一回多く曲がっただけであった。
それでも誰一人とそのマンションの近隣に住む住人はそれとは知らないであろう杖鼓の自宅の前にヴァンがとまると
転ばないようにと大きな手を突き出した大熊のそれに感謝を重ねながら杖鼓は嬉しそうに声をかける。
「なんかあったみたいね。きを使ってくれて有難う。今度かわいがって上げるね。大熊さん」
事実上に組の頭の次と剛腕振るう巨躯の大熊を手玉に取るように悪戯に嗤う杖鼓の感はたしかに鋭いのだろう。
大きめのフード付きケープを頭からか被ったまま一刻も早くシャワーを浴びたいと小走りに入り口を入る杖鼓。
「いいなぁ~~大熊さん。可愛がっってもらえちゃって。俺なんてまだ。ソッポ向かれってぱなしなのに。
年が近いだろうから気を使わずに住む話相手にもなるだろうと清潔感を保てといいつけで怒鳴る大熊を
本気で物欲しそうに金城が羨ましそうに見つけてくる。
「この野郎。どこみてるんだ。若造のくせに。煩くするな。ご近所さんの迷惑だろうが。
見回りと戸締まりしてこい。さっさといけ。このウスラトンカチ野郎」
思いかけずも悪戯混じりに感謝の意を投げられた大熊は照れ隠しに拳骨を振り上げるがあからさまに大ぶりであれば
若くて運動神経もそれなりであろう年が近いだろうから気を使わずに住む話相手にもなるだろうと清潔感を保てといいつけで怒鳴る大熊を
本気で物欲しそうに金城が羨ましそうに見つけてくる。
「この野郎。どこみてるんだ。若造のくせに。煩くするな。ご近所さんの迷惑だろうが。
見回りと戸締まりしてこい。さっさといけ。このウスラトンカチ野郎」
杖鼓に金剛もいともたやすくにのけて飛ぶ。
「いいなぁ~~~。杖鼓御嬢に可愛がってもらえる大隈さん。カーテンの裏から見てますね。俺っ」
弐発め三発目が飛んてきても届かぬ位に十分に距離を取りつつもい行けられた見回りを済まそうとペコリと頭を下げ
その場を金堂が離れて遠ざかる。
懶怠者社会の上役にいわれたとは言え杖鼓の身の回りの一旦を担う金剛であればその枠割の重さはよくと知る。
帝都郊外の森林鬱陶しい木々に囲まれた住宅街の五階建てのマンション。
後筆することになるだろう杖鼓を取り巻く状況に起因するその住宅も十分に理由が在る。
決して大きくもない五階建てのマンション。その住人と言えば杖鼓を筆頭に其の周りを囲む懶怠者が全てである。
外観そこ築十と数年と見て取れるがその中身は金銭的にも相当な量を掛けて手が入れられている
近隣住民の老人たちが朝早くに犬の散歩にマンションの電柱前を歩く頃のには若衆が昔ながらの竹箒でから葉を鋤いて履いている。
朝が訪れれば新聞配達がマンションに入ろうとすれば絶えず控えているのだろうか?
やたらに元気で声を貼る若衆が声新聞を受け取る。杖鼓が好んで頼むのか近所の饂飩屋の出前岡持ちを受け取り預かるは
中堅クラスの組員だろう。かとってあからさまに懶怠者達が巣食うマンションという訳でもない。
近隣の住民との交流も比較的多いとでも言うのだろう。マンション前の少し眺めの横断歩道を朝に夕にと渡る頃には
朝の運動がてらにとばかりにやたらと大きな巨躯を誇る上役が黄色い旗の棒を握り顔を歪めて子供と談笑する。
マンションの周りだけではく近くの公園で遊ぶ子ども達になにかあっては大変だと放課後の時間には見回りすると思えば
苦労して商店街まで歩く老人夫婦の手を引き背をおして面倒を観てる。
昨年の春に変質者が出た時には駅からマンションの付近までよろ遅くも組員が態々パトロールして犯人逮捕に協力したくらいでも在る。
時に苦情の対象になる懶怠者であっても家の周りとその住人は自分達で守るとでも言うのだろうか
それが杖鼓に迷惑をかけてならぬと言う強い意思の現れでもあるのだろう。
「大熊さんって結構もててますよね。人妻に・・・。なんでですか?」とかき集めた落ち葉で焼き芋を焼く金剛がわざとらしく
聞いて来るくらいには強面剛腕を誇る大熊は人気の的で在るのは結構豆な性格が影響してるのだろう。
「知らん。そんなことより三丁目の板垣さんの地の小堀掃除してこい。金剛。
板垣さん。先月腰痛めてかがむとつらいそうだ。帰りに御嬢の好きな饅頭買ってくるの忘れるな」
「へいへい。若頭」又自分ですか?とでも言うような顔をしてみるが自分もマメな性格で消して嫌でもないと金堂は倉庫へと
道具を取りに歩いていく。
つまりは絶世の歌声を持つ少女が住まう城飛ばれずにも仁義に厚い懶怠者が住まう中古マンションと近隣住人とのつながりは深い。
売れない地下アイドルであればこそその舞台の間隔は不定期であったり逆にかぶる事も在る。
興行主としては逸材であっても名が売れてなかければ日銭を稼ぐ為に無理に仕事を入れる事も多々に在る。
「疲れたぁ~~~。突かれたのぉ~~。
聞いて聞いてぇ~~。大熊さんてば。今日のステージの最前列。又あの人いたのよ。
でっぷり小太りの薄らハゲのおじちゃん。年は五〇銃位の。早々あの人。平日の午後に背広姿でやってくるなんて変態だわ
あんな人の前で歌うのって気がめいるわ。本当に嫌になる。あたしって可哀想。次回も来るかと思うと嫌になるわ」
自室に入るなりそれなりに重量のあるケープを脱がせてもらい観が軽くなったと思えば口も軽くなる。
今時のその辺にいる高校生位と変わりない杖鼓は勢い良くも飛んで跳ねお気に入りのソファにどざりと身を堕とす。
「それから五列目の一番左端の人も嫌。怖いって言うから画用紙に色々書いて魅せるのよ。
それこそ自分の電話番号とかやらせろとか。私のファンって欲望の塊だわ。〆てやろうかしら今度」
その日のステージで無理に飲み込み我慢したばかりに個々ぞとばかりに文句を垂れ流す杖鼓の顔に
熱く蒸したタオルが押し付けられる。ステージの為に塗りたくった化粧はやはり濃い目で在るが
その小顔をなぞって落とすと現れるすっぴん顔こそスタイリストを担当する柳田には眼福だ。
文句を言えば口がすぼまり真顔とは程遠くもあるがそれがまた可愛い。
助手を務める新人はぼうっと見つめて手が泊まるくらいだ。
「でも。でもさ。お昼の唐揚げは美味しかったし。ドリンクを差し入れてくれたアシスタントの鈴木さんは可愛いかった。
ちょっと陰険そうでムッとしてるのか可愛いの。ああいうのを躾けて首輪つけて引っ張るのが良いの。
連絡先知ってる?聞いてきてよ。柳田さん。お・ね・が・い」
ステージで窮屈な思いを強いられば欲望も爆破するのか冗談か本気か知れずとも杖鼓はよく喋る。
健康とストレス管理をに執念を燃やし尽くすフードコーディネイターの後咲が作る特性のドリンクのストローを加え
横を向いてる間だけ杖鼓のぐちが泊まる。其の合間もスタイリストの柳田は程よく温めた煽るで嫌がりもしない杖鼓の四肢を弄り
疲れを取るためのマッサージを施して行く。
「杖鼓御嬢。お風呂湧きましよ。ちゃんと入浴剤とあひるちゃん入ってます。天然温泉大熊の湯です」
「有難う。大熊の湯ってうけるわ。あひるちゃんのかわりに褌一丁の大熊さんいたらどうしよう?
縄でしばられたらどうしよう。そのまま押し倒されたら明日の撮影に後残っちゃう~~~」
疲れてるはずなのに風呂好きなのはやはり倭ノ御国の性だろう。金剛が遠目から掛けた声に元気に風呂場へとは減る。
「大熊さん。トランクスじゃないんですか?褌なんですか?意外です」
「嫌・・・。そのなんで知ってるんだ。杖鼓御嬢は・・・アハっ」
杖鼓を囲むスタッフの内か健康至上主義の後咲は女性である。
その後咲に下着の種類を知られるとなんとなく気恥ずかしくもある。
大概にして杖鼓にかかわってから組の懶怠者若頭を務める大熊の立場と株は恥と気まずさに塗れる日々が圧倒的に多い。
なんとも困ったものであると大熊は剃り上げた頭をポリポリとかき上げるのが日課となってもいる。
「でっぷり小太りの薄らハゲのおじちゃん。年は五〇位の人
それから五列目の一番左端の人も嫌。怖いって言うから画用紙に色々書いて来る人」
懶怠者大熊と肩を詰め寄ってヒソヒソと声を潜めても其の背丈に差がない女性が喉を絞り
なるべく杖鼓の声質とにせて指を曲げ引用であると示して話す。
杖鼓の守り役を担う一団の内、陣頭を切るのが懶怠者・大熊であればこそ。
それを下影から支えるのが伊集院である。先程の後咲の親戚でも在る彼女は人妻でありながらも
旦那をほったらかすもいとわずに大熊と一緒に杖鼓を支える。
なにかとストレスを抱える杖鼓の良き理解者と親友の立場を崩しもしない。
「でっぷり小ぶりの薄らハゲの方は調べがついてますよ。
毎回来てるし迷惑行為ギリギリでしたので身辺調査してました。三ツ江重厚のちょっと上の役職ですね。
杖鼓ちゃんに入れ込んで離婚の危機に陥っているそうです。
画用紙漢はノーマークでした。恐らく今日が始めてなのか。今まで後ろにでもいたかもですね。
どうします?ふたりとも沈めますか?それと売ってしまいますか?」
女性であっても懶怠者世界に染まれば道を外れててもきにしないのかそれとも杖鼓の為とでも言うのだろうか。
どちらにしても危ない話を平然と口にする。
「杖鼓が可愛いのは分かるが雲の天上であるからこそと何故に気づかかないんだろうな。世の漢共は。
いかんせん。なんとかしないと御嬢が気味悪がるが・・・・。
薄らハゲのおじさんは割り出して写真を自宅と会社に送ってしまおう。
いい年して地下アイドルに熱狂してる姿を奥さんと会社に知られれば社会的抹殺にも等しい。
直ぐに大人しくもなるだろう。会社を休んでアイドルにハマるくらいは法規には触れないしな。
画用紙漢は・・・、そうだな。女でもあてがって消えてもらう。手早く済まさないと来週もあるからな」
「わかりました。下の者にそう言っておきます。
大隈さん・・・褌なんですか?トランクスじゃなくって。可愛いですね」
「ぐはっ。盗み聴きはいかんぞ。プライバシーの侵害であるぞ。伊集院さん」
杖鼓を囲む状況は目まぐるしくも動いていく。その時その日の対応が後に響くが
ちょっとした所でプライベートが絡んでくるとなれば大柄な大熊でも調子が狂う。
情けなくも又に気まずさが大熊の胸に湧き上がる。
ホカホカと温かい湯気を細白い腕の肌からたゆらせ杖鼓がガラス張りの窓辺に座る。
離れた場所から超望遠鏡でも使えば長い髪をタオルで巻いた少女が火照る四肢を休ませる姿を
其の目に焼き付けることもできるかも知れない。
そこまで余計な心配等せずとも良いかもと大熊は苦く思う。
「御嬢。あまりそこに長いあいだいるんじゃないぞ。アイスばかりじゃ腹が冷えるぞ」
未だ慣れないが気遣いのつもりで自分で作ったばかりの湯豆腐の蜂蜜あんかけが入った小鉢を差し出す。
自炊紛い等、懶怠者家業時代には御名子共の戯言とばかりに投げておいたが他のスタッフの手が空かない事も多い。
とにかく杖鼓の事を一番知っているのは大熊であれば、手を動かすのも悪くない。
それに約得とでも言うのだろうか。世間様や杖鼓を愛してやまない輩などは絶対に見れない姿が間近で見れる。
「最近太ったの。だから胸もおっきくなったの。ちょっとよ。ちょっとだけだってば」
口を尖らせて吠える杖鼓の乳房は以前よりは確かに大きくも視える
薄手の黒いキャミソールの生地の下で呼吸と一緒に盛り上がる乳房は艷が乗る。
学生時代は水泳を嗜む程度だったと本人は言うが大会で表彰台に登るのが面倒だったと言い捨てる所から
その成績は州でも指折りに違いない。
それなりに乳房が大きいせいで上位には食い込んでも優勝を逃すのは結構あったとも嗤うが乳房から
視線を落とせばきちんとしまった腹筋と細くも靭やかな尻と四肢が目を楽しませてもくれる。
観られてるかもと気づいてキャミソールの布を引っ張って整えるも可愛いヘソまでは届かない。
キャミソールと同じ生地で作られた黒いレースのパンティが臍下を包みのでは在るが
そこは秘部である。文字どおり杖鼓。血獄釜杖鼓の秘密はそこに在る。
端的に言えばそこは少しこんもりとしてると言えばわかりやすいだろう。
通常のお名子のそれととは違い緩やかではあっても隆起が在る。
それが何を示すかを理解するに時間と知識がいるだろう。
大熊であってもやはり漢である。当たり前の事ではあるが。その視線に気づいたのだろう。
「大隈さんのエッチ。変態。・・・・扱いてくれるの?」不意に顔を上げ大熊の目を物欲しそうに見つめ返してくる。
「たまってるのか?・・・」まるで漢同士の猥談のような言葉が大熊の分厚い唇から意図せずも漏れる。
「ううん。今日はそんな元気ないので御座る。一人でいじって慰めて寝ちゃうもん」
どこか気恥ずかしくもあっけら感としてぐっと一度伸びをするとぴょんと内テラスから跳ねて降りる。
そのまま聖域とも言える自分の寝室へひたひたと裸足のまま歩いて杖鼓が潜り込む。
「やれやれ。又からかわれたか」ある意味特別な儀式とでも言うそれを一瞬頭に浮かべるが
戯言忘れるべしとばかりに頭を振って大熊は窓辺に置かれたままの食器に手を伸ばす。
極東任侠会・次頭若頭・大熊健三郎はその日の昼過ぎに病久しい組親の血獄釜に面会を強く求められた。
組親で在るから一言、組家に寄れだと言えば良いだけである。
だが然し、伝言を届けにきた組親父の世話係の若衆はやけに緊張気味でありモゴモゴとはっきりしない態度であった。
只、土産かわりに商店街の老舗[木村のオバちゃん屋の梅干し入醤油蜂蜜焼売]を買ってきて欲しいとも言う。
それも五箱である。
近年は年波にも勝てず胃の調子も芳しくないはずの組親父が梅干しが入った蜂蜜焼売を所望するとは心配の種である。
しかも個数まで指定している。誰か客人でも来るのであろうか。
昨今は帝都お上の懶怠者達への締付けはかなりきつくなり随分と住みにくくなったものでもある。
戦争で在るからそ其のしのぎも又厳しくも昔ながらの懶怠者は少なくもなり所謂、悪行きつくも徒党を組んで暴力を振るう輩が
多くもなってきている。其の間でひしめき合い一端の懶怠者として脚を進めるのも難しくなってもいる。
何処かの組と合併か。それとも親父の引退か、はてさて廃業か?大熊自身も身振りの末を考える時期なのかも知れない。
あれこれと頭を巡らせてもしょうがないと頭を上げれば古木創りの組家の前にたどり着く。
「あっ。若頭の大熊さん。組の親父が待ってます。こちらです。ご案内します。
あっ、あの・・・。それから御客様がいらっしゃるのでそのつもりでお願いしたいっす」
そうって道を譲るがどこか浮ついてるようにも感じる。楽しげとでも言うのだろうか
妙な言い回しである。組関係なら胸をはって客人が居ると只、言えば良い。
組言葉に照らせば客人と言われれば自分等を同じ穴の狢である。自分達と敵対する輩でも事情が絡めば客人とも呼ぶし
つまりは厄介事を示す言葉であるはずが其の若衆は態々に御客様と良い告げる。
君の関係者ではないのだろうか?それにしては態々懶怠者の大熊に会わせたい人物等居ると言うのだろうか?
春風久しい日差しに対に組親父も観念したのかとわけも分からず不安が残る。
「園路とまで行かぬが態々すまぬな。大熊よ今日はお前に用事があってな」
組親地獄釜十三蔵は遠慮がない。歯に者着せぬ所か物事をはっきりとずばずばと言う。
時に言い過ぎて場が荒れる事など毎日の事である。
「親父共も息災の様で何よりです。何より火球の件と聴きましたが・・・」
紫の座布団を尻の下に敷、上座に座る組親地獄釜十三蔵は深く息を吸い込み腹を十分に凹ませて間を貯めると一気に吐き出す。
「大熊よ・・・。
儂は懶怠者の道に入って今年で六五年の年を刻む。あれこれと悪さもしたし。ちょっと位は人様の役に立つこともしたつもりだがな。
戦にいって人を殺めたのは数しれず。勿論、今は悔いておる。帝国御上の言い訳都合の手のひらの上で踊ったとはば言葉が悪いが
事実でもある。随分と人道外れて好きな事をしたもので在る。あの頃の儂は若すぎて無鉄砲どころか戦車の大砲並の勢いであったな。
勢いと言えばほれほれ若さゆえの女遊びも欠かせない。それは戦帰りであっても変わらずだな。儂、モテたからな。むふふ。
そりゃもう。右から左。朝から晩まで女の股ぐらの前で腰をふっていたものだ。然し懶怠者の道に入ればそうもいかん
仁義を立てるのは当たり前。こっちを立てればあっちが立たず。そこを立てれば出来るものは出来るしな。
それに後には引けぬし引かぬのも懶怠者。自分の巻いた種は自分で狩るのはやはり仁義であろう?
それでもまぁ~なんだ。人生はままならずとも言うであろう?交通事故みたいな事はよくあるしな。
ウンウン。まぁそれで色々あったと言えばそうなのだが。まぁそういうわけでな。
・・・おっと[木村のオバちゃん屋の梅干し入醤油蜂蜜焼売]勝手来てくれたか?
すまないな。息子がどうしても食べたいと我儘を言ってな。幼子の時に勝手やったのが忘れられないと良いよる。
いやぁ~~。今まで大陸の北に留学に出しておったのだが成人も近いのでな。
儂もそろそろ脚を収めて隠居も違いと考えておるし。そう言うわけで息子の面倒見てくれ。大熊よっ」
仁義を重んじるが悪党然り巨漢を誇る懶怠者・組若頭大熊謙一。
その時大熊の頭はパンクした。
付き合いの長い組親父の血獄釜本来寡黙な漢である。
云々、とか。否とか重く一つの言葉を吐き捨てる事が多い。他に必要であっても最低限に抑え込む。
それがなんだっ。突然に饒舌に言葉を並べたと思えば早口であり何か都合の悪い事を勢いで誤魔化すと言うのか。
否、そうであろう。禄にも意味もたわいもない言葉をこれでもかっ、とばかり並べて捲し立て言い放った言葉の節に
何か大事な事をさらりと混ぜる。懶怠者ところか詐欺師のやり口に近い。
「む・・・息子さんって・・・確か・・・親父殿。姉様と三年前まで連れ添って・・・・」
長く縁を結んだ制裁の名前を出すのは憚れる。
「うぬ。清子とは縁がなかったのは認めよう。運も無かったがあいつとは子にも恵まれなかった」
正妻との夫婦生活は山も谷も富士山もあるが今は昔で離婚の末に相手は再婚したとも聞く。
「いや。ちょっと情報量おおくって・・・。親父、八十超えているのでは?息子さんはおいくつで?」
「うむ、今年で十と9つになるな。儂に似て生意気であるな。でもかわいいぞ。一目惚れ必須だな」
八十にもなれば孫の子供夫婦が孫を授かるのが当たり前であるが息子とは。
「十と9つって言えばおよそ二十年。親父はまだ姉さんと・・・大体、何時にそんな事。
はっ。親父。入院しましたよね。酷い盲腸で2週間位・・・、まさかあの時・・・・」
下船が言ったとばかりにポンと思わず手を打つと廊下を挟む障子がスラリと開いて人の気配がする。
「おお。やっと来たか。挨拶しろ。杖鼓。
こちらが御前の面倒を色々見てくれる大熊である。頼んだぞ。大熊。」
ひたひたと部屋に裸足で音を鳴らし畳の腰を折って畳の上にピンクの熊柄の座布団を置いて膝を付く。
「極東任侠会・次期当主血獄釜杖鼓と申します。御年十と9つで御座います。末永くお見知り置きを。
色々面倒見てくれるってアタシの性欲も含めててよね?強欲だもんね。
入れるのも好きだけどいれてもらうのも好き。でも穴狭いからきついかも?それに無理に入れるのが良い?
きゃ、変態。変態だわ。大隈さんって変態だったのね。好みだわ。相性も良さそうだけどお髭は剃ってね。
キスする時ジョリジョリは嫌なの。そっちの貴方もよ。身だしなみは大事なの。
あっ。食べて良い?木村のオバちゃん屋の梅干し入醤油蜂蜜焼売でしょ。子供の頃食べた味が忘れられなくってさ。
どこ見てるの?大隈さん。目線低いよ?おっぱい見てるの?この変態懶怠者。
大きいのはおっぱいだけじゃないわよ。ついてるもの。ぼく。漢の娘だからね。
でも入れるよりいじってもらうほうが好き。ちょっと形ちがうからさ。ボクの」
杖鼓と知った少女はよく喋る。其の喋り方は先程の父十三蔵と全く同じだ。
早口でまくしたてるし梅干し入醤油蜂蜜焼売をポンポンと刺し楊枝で突きながら口に運びながら
どことなく淫猥な咀嚼音を憚らず響かせながら妖艶に嗤って魅せるがやっぱり話の情報量が多い。
何より懶怠者大熊のめに映るのは今時の少女一人である。
任侠街道まっしぐらな漢世界には到底似合わない出で立ちで在る。
長く伸ばした髪を自然な色合いではない桃色ピンクに染め上げ黒いバンドでポニーテールにまとめる。
寒くないのかと思うがノースリーブのすこしだけ布生地が厚めであろう黒いキャミソールは目のやり場に困る。
自慢げも魅せて憚らない臍腹の下は下着がみえるやもと心配になる位ほどの丈の短いホットパンツ。
靭やかな腿を惜しげなくも魅せつけていると思えば真っ白はニーソックス姿である。
その姿のまま可愛げもなくも、実際は小顔で童顔でパッチリとした瞳に筋のとおった小鼻。
誰が見ても可愛と完全に言いきれるだろう唇の形と時に開くその隙間に見えて隠れる八重歯。
これを可愛いと言わず誰をかわいいと言うのだ?。
駄が然し。乳房を持ちながらも突然に自分の呼称をボクとよび。男性気がついていると言い切れば
穴が狭いとも言い放つ。一体何がどうなってると言えば良いのだろうか。
画して大熊の頭はパンクした。
「酒だ。酒を持って来い。それから辞書を持って来い。
紙と鉛筆もだ。誰か親父と杖鼓殿のをちゃんと理解出来てる奴を読んで濃い。
俺にはわからん。魚は鰊つけが良い。パンケーキじゃない。御前なにか考えてるだ。此のお馬鹿!」
懶怠者が本気で爆発すると手がつけられない。人騒ぎ起きるとは思っていたと組親父は言うがそれにしてもひどすぎる。
幾ら説明を聞いても頭に入ってこないというのが正解だろう。
事は一般常識では推し量れないし医療分野関係まで話が広がる。
「想像がつかん。不遇と言えばそうなのかもしれんが信じられぬやも」毛をそった頭を書いて大熊がぼやく。
「お風呂はいろ。大隈さん。一緒に。その方が早いよ」恥じらいを隠すも真顔で杖鼓が告げる。
「えっ?」素っ頓狂に大隈が顔を豆鉄砲で打たれる。
「いいじゃん。漢同士なんだから良いでしょ。面倒見てもらうならちゃんと知っておいて欲しい」
「そうは言っても」どう返事していいか分からぬ大熊の手を杖鼓が強く引く。
「はい。どいて。どいて。お風呂沸かしてくださいな。旅の埃を落とすのよ。のいてのいて」
杖鼓に太く丸い腕を引かれどすどすと木造りの廊下を歩けば中堅も若手も落ち葉を履かれて脇による。
はてさてどうしたものかと悩んでも杖鼓の決心は変わりないのだろう。
頭の中に無理に詰め込んだ知識を確かめべきも大熊は素直に手を引かれて楠木作りの風呂場へ潜り込む。
「んん。イイ・・・」
湯気貯まる檜作りの風呂桶の中で切なそうに強請る杖鼓の甘声が漏れて響く。
同ぢてこうなったと頭の中で自問を二度繰り返えしてもどうにもならない。事は眼の前で起きてる。
先には入る事になった大隈は複雑な気持ちであるも習慣通りに体の埃を洗い落とし
夕方と言えば少し早いかもしれぬが大きな風呂桶に肩まで身を沈める。
唸り声にも似た野太い声を上げるが気持ちよさからでもある。
それを頃合いと知ったのかカラカラと風呂戸を開けてピンクの長い髪を結い上げた杖鼓が四肢を滑らせて入ってくる
「ちょっと。恥ずかしいし。一人だと」少し身を屈めて腕で乳房を潰し隠すのは乙女の恥じらいだろう。
ただし肝心なところは白い腰巻きで大熊の視線を遮ってもいる。
驚いたのは杖鼓の後ろから若衆の相談役とも言える伊集院が堂々と四肢を晒し入ってきたことだ。
杖鼓の頼みと提案であろうが厄介な事情を理解するためとは言え大熊と一緒に風呂に入ってくるとは侠気さえ滲ませる。
大熊よりも先に面桶ししたのかすでに気心知れぬ仲と言うのか女同士の絡みとでも言えばよいのか
くすくす、きゃあきゃあと互いの四肢を石鹸泡をつけた手を滑らせ洗いっこに勤しむ。
御名子共の戯れの間。大熊は眉を目をきつく閉じ潜め杖鼓の四肢の事情をおさらいがてら頭の中で反芻してみる。
杖鼓は半妖半径である。両性具有であり医学的に言えば男性の性器・女性の性器の療法を有する。
医学的に言えばもっと面倒くさいのではあろうが丸めていえばこうなる。
人間の胎児は母親の体内でそだつが其の初期はまず女性として四肢が形成される。
そこに何かしらの要因で男性へと変化して漢児となる。
ところが極稀に女児から漢児への形成が上手くも行かず中法半端な形で形成が進むと半妖・半径と呼ばれる物に変化する。
これはそれぞれ症状と変化の状態が大きく違うために個人その人によって色々と違う。
譲渡の場合は半身のほぼ全てが女性の物でありチラリちらりと視姦すれば
思ったよりも大きくも貼りのある乳房が湯けむりの向こうで揺れている。
上半身だけでなく尻周りも漢児のそれとは違い柔らかくも膨らめば庭で掃き掃除をする若衆の視線の餌食に違いない。
問題は今は白布が邪魔する性器のそこであろう。
「もっと嬲って・・・」
先に湯船に入り立つ伊集院に身を預け火照る欲望の儘に杖鼓が強請る。
湯船に下から見上げる形になる大熊の目の前で繰り広げられる光景はどこか浮世離れしているとも見て取れた。
湯桶の縁にふくよかな熟れた尻をのせ未だ若い杖鼓の四肢を抱きしめつつも其の手は乳房の根本を絞り上げ
だらし無くも歪に歪ませる。突き出た乳房に指がぎっちりと深く食い込まば苦痛混じりに杖鼓が喘ぐ。
「乳首も捻って。引っ張って。伊集院姉様。もっと虐めて」甘える声が甘くも切ない。
「こうして欲しいの?乳首嬲られるのすきなのね。ほら。眼の前でいやらしい顔して大熊が観てるわよ。
乳首弄られてあえぐ杖鼓の姿。一物おっ立てて視姦してるわ」
「ああ。イイ。変態懶怠者が私が悶えるのたまらそうに見てる。一物おっ立てて視感してる。
もっと。もっと。気持ちよくして。私のも弄って・・・もっと・・・」
べちゃりべチャリとしたたる伊集院の唾液を舌で舐め取り杖鼓が喉を鳴らす。
なんとも言えぬ欲望の絡みに己の自身の一物も固くも猛る。
甘えて強請る言葉が消える前に抑えた腰巻きがはらりと湯面に脱げて落ちる。
よく知った物だとでも言うように風纏う如くに伊集院の白い手が杖鼓の漢竿を掴んで扱き出す。
「駄目。駄目。姉さん。そんなに激しく扱いちゃ駄目。ああっ気持ちいい」
既に高ぶる気持ちを抑えされないのは伊集院の方なのか。一物の棒竿を激しく至極き手が止まらない。
リズミカルに扱くその手の振動で欲望に火照る乳房がブルブルと激しくも揺れる。
「たまらない。気持ちイイ。気持ちいい。変態懶怠者に視姦されてなぶらるの気持ちイイ。」
年上の女性に好き勝手に乳房をなぶられ漢竿をしごかれ一物を勃起させる杖鼓。
少女のそれである四肢を震わせ歓喜に酔いながらも快楽を貪り続ける。
だが然し。否に確かに杖鼓は漢の竿を持つ。それは確かにあるし年上の手が扱けば溺れ声も上げる。
然し何かが違うようにも思える。時より上げる喘ぎが漢の感じ方とは少々違う。
「あん。あっ。そこはだめ。やだ。あっあっあん。イイ。だめ。入れちゃ駄目。駄目。あああ」
のけぞりあえぐも叫びに聞こえるも何が起きてるのかもわからない。
「解せぬ・・・」しびれを切らした大熊はざざっと湯の滝を作り立ち上がると驚き見上げる杖鼓の近づき
太腿の隙間を無造作に指を食い込ませて開きそのまま足首を掴んて股裂きの要領で大きく持ち上げる。
「嫌っ。嫌。視えちゃう。視えちゃう。変態懶怠者に観られちゃう。お願い辞めてぇ~~」
大きく豪勢な檜作りの湯船で片足で四肢を支えるが大熊の丸っこい手が杖鼓の足首をつかんで持ち上げる。
無理矢理大股開きに捺せられた杖鼓の股間には膨張し猛る一物を伊集院の手が扱く。
だがそれと知って大熊は目を見開く。
伊集院という女性はとても起用でありなんでもそつなく熟す。人妻であれば夜伽の態も玄人であろう。
片手で杖鼓の重い乳房の肉を弄びながら先端を嬲るももう片方の手で膨らみ猛る一物を扱く
更に良く見ると竿を握るのは人指し指とと中指だけである。棒を支えるのであるから反対側を親指を添えている。
残る薬指と中指はあろう事か漢竿の其の奥にぐちゃりとめり込んで居るように見えもする。
「ご自分で確かめてみたらよいのでは?」悪戯半分に口元を歪め伊集院が嗤う。
「駄目。それは嫌。オジサンのは嫌っ」はっきりとした拒絶には随分と弱々しい。
伊集院が抜いた指には濁る粘膜がまとわりつくならそれは杖鼓の蜜液だろう。
勃起する一物の置くを手で弄りぐぃっと太い指を入れてみる。
「駄目。痛い。やん。気持ちいい。あっあっあん。駄目。かき回さないで感じちゃう。
もっと奥で指まげて。ああ・・・駄目。癖になる。変態懶怠者のぶっとい指イイ・・・」
竿を扱く手先では置くまではさすがに入らないのだろう。大熊の太い指が遠慮なく突っ込まれると
大股開きのまま快楽に酔いしれ杖鼓はよだれさえ垂らして喜びあえぐ。
後でじっくりのぞかせてもらう事になったが今はそれなりに理解出来た。
半妖、半径、良性偶有の杖鼓の股ぐらには確かに漢の竿が生えている。
だが然し他の漢にはある漢丸がない。その代わり大きさは定かではないとしても女性性器がある。
漢竿の後置くに女壺がるのだ。これ故に漢とも女とも問わずに其の快楽を貪り尽くす。
「ああ、駄目。駄目。あん。グルングルンしないで。指まわさないで。もっと、優しく。強く」
自分でもわけがわけがわからないくらいに快楽に溺れると大熊の空いたてが杖鼓の乳房を嬲り始める。
人妻伊集院の力など及ばぬ程の力で乳房を嬲られれば堪らず悲鳴を上げるが直ぐにもっととねだり止まらない。
最初こそ抵抗をみせるが直ぐにとろんと目を曇られ快楽におボテ大熊の分厚い舌を受け入れてしまう。
その間も杖鼓の一物は伊集院が扱き続け杖鼓の雌壺にはじゅぶじゅぶと大熊の太い指が出入りする。
「舐めて上げるわよ。持っと気持ちよくしてあげる。杖鼓ちゃん」
「ウン・・お願い・我慢できなさそう・・・」虚ろな目を更に潤ませ杖鼓がいなずくと
伊集院が大熊の腕に手を添えて大き開いた杖鼓の脚をおろしてやる。
何をするかと思えば大熊の背を推し湯船の縁に尻肉を置か股を開かせて其の隙間に伊集院が滑りこむ。
恥ずかしいのだろうか少しソッポを向き顔を曇らせて杖鼓が吐き出す。
「あんまりこっちは得意じゃないの。その奉仕とか苦手たんだけど・・・いれてほしいから・・」
ちょっとだけ言い訳がましく苦く嗤うと或ろうことかも既に固くも猛る大熊の一物に手を添える。
長くたれ邪魔になる髪を手で鋤いて耳に掛けて整えると瞳も閉じずに唇を開いて舌を出し
大熊の一物の先端をちろりと舐める。
それだけで戦慄と快楽が背筋を走る。自分では上手くない言うがそれと違う。
こうして欲しいと漢共が願う欲望を杖鼓はよく知っていた。
細い指で竿を握りながらもパクリ一物の鬼頭までを含んだと思えば目を閉じて口中で味わい下側を舌で愛撫する。
れろれろと一物の味を確かめるとちゅるりと吐き出まし周りについたよだれと汗を舌で舐め取ると
気に入ったとばかりにニコリと嗤いずりゅっとばかりに又一物を口中に呑み込む。
今度は先程よりも深く飲み込んだと思うと頭と体を前後に揺らし少しづつ根本の方へと近づいて来る。
ずるりずるりと呑み込んでは一気に吐き出し鬼頭まで呑んで刺激も絶やさない。
飲みきれない根本のは方は手で輪っかを作って扱き大きく口と喉を開いては今度こ外ばかりに根本まで呑み込んで魅せる。
杖鼓が大熊の一物をしゃぶれば其の股ぐらで伊集院が杖鼓の一物をじゃぶりつくす。
こちらは作法もしきたり作法など全く無視である。
竿の根本を指で抑えてるものの添えてる程度だ。杖鼓の尻肉に爪を立てながらも根本まで一物を呑み込離さない。
杖鼓が大熊の一物を咥えシャブリ体を前後に揺らすたびに伊集院の喉の奥まで杖鼓の一物が入ってめり込む。
じゃぶじゃぶと汗に涎が混じり、んん~~~と濁った喘ぎに悶えるのが精々である。
それでも其の苦しさが快楽なのかもっと奥まで入れて欲しいと強請り杖鼓の股間にしがみつく。
「あたし下手だから・・・大隈さんに悪いし。姉さん手伝って・・・」
既に人妻伊集院にとって杖鼓の言葉は絶対なのだろう。杖鼓が与える刺激が強いのだろう。
「はい・・・」
杖鼓はともかくも伊集院には夫がいる。組にはパートで来ていると記憶するが願っても叶うはずもないことであるが
躊躇せずに伊集院は体を入れ替えると大熊の腿に手を当て二人分の空間を作ると全くの躊躇もなく一物に吸い付く。
先程まに時々杖鼓が手を止めて息を整えるわけを知って分かる。
伊集院の吸い上げは凄まじいのだ。端正な顔が醜くも歪むと口中で勢いもよく一物が絞らる。
「うぉぉっ」と思わず声を上げ風呂の縁に手を付き湯船の中で脚でも踏ん張らなければ持っていかれる。
なにか魂でも持っていかれる勢いで性を絞り取られている間隔に囚われる。
「姉さんだけずるい。私も混ぜてよ」意味深くもぼやくと体を曲げてしゃがみ込み一物を舐め回す。
少々生意気であろうとも黙っていれば端正な顔立ちの美少女杖鼓。
組に出入りするとはいえ熟れた人妻の伊集院が大熊の一本竿を取り合うように舐めて回す。
竿の横を両側から赤い舌をベロリと這いずり回れば大熊の手を追って乳房を嬲らせる。
伊集院が鬼頭から根本まで呑んで吸い上げれば、杖鼓が胸の漢首をチュウチュウと吸い上げて離さない。
少女と女の乳房を片方づつなぶれば物足りないと杖鼓が一物にしゃぶりつき頭を振り抜きピストンする。
それでもまだ誰一人満足など出来ずに快楽を貪れば抑えが効かない。
「入れたいけど。アタシの狭いから後ろの穴にして・・・。あたしもいれるから四つん這いになって。姉さん」
相当にその言葉を心待ちにしてたのだろう。満足に返事もせずに伊集院は立ち上がると身をかがめて縁に手をつき
ぐいっと大きな尻を杖鼓の前に突き出して揺らす。
子を一人孕んだといえどもまだ盛り降らずも熟れる白くも大きくも揺れる伊集院の尻に手をつくかと思えば
杖鼓は遠慮も躊躇もなく雌壺に自分一物を突き入れる。
「あああ。我慢できなかったの。欲しくてほしくてたまらなかったの」
「姉さんの雌壺気持ちいいよ。すごく良い」
「嫌。満って読んで。名字なんか嫌」杖鼓の一物を迎えいれながら首を振り強請る
「気持ちいいよ。満姉さん。もっと奥まで入れてあげる。大熊さんも入れて。アタシも欲しい」
満の雌壺を犯しながらもこちらに顔を向けうるんだ瞳でほしいと杖鼓が強請る。
男色の気がない大熊でも雌壺を犯すのは得意でも尻の穴となれば多少は躊躇する。
経験がないとは言わないし若気の至りで喧嘩空いたの学生に入れた事はあったやもしれん。
それでも懶怠者一筋舐められては行かぬとばかりに息を履きか細い杖鼓の腰をしっかり抑える
杖鼓の尻穴に鬼頭を擦り当てると一気に突き上げる。
「ぎゃぁぁぁ~~~~~、痛い。痛い。此の変態懶怠者。痛いってば」
「あああん。駄目。駄目。逝っちゃう逝っちゃう。これだけで逝っちゃう。もっと突き上げて」
気負ったせいか思ったよりも激しい動きで杖鼓の尻穴あを突き上げた。
否、貫いたと言うのが正しいのだろう。
後ろから尻穴を突き上げられ一気につらぬかれた杖鼓はそのままの勢いで今度は満の雌壺を突き上げる。
「あああ。もっと。もっと。突き上げて犯して。孕ませてっ」人妻満が涎で湯を汚し叫ぶ。
「最初はゆっくりなじませてでしょ。懶怠者の癖に漢の尻穴お貸した事無いの?練習してよ。大熊さん。
もう、いいから。動いて。早く溺れさせて。このウスラトンカチの変態懶怠者」
「何だとぉ。可愛い顔して漢の前に尻穴突き出してる変態少女の癖にぃ」
懶怠者が尤も気に気に入らないのがヘタレ者と面目を潰されることだ。
「いいから。突いて。突き上げてよ。早くぅ」動きが止まるのを嫌がり声を満が振り向き声を上げる。
風呂桶の床に脚を踏ん張り腰を突き出せば正にメリメリと一物に感覚が伝わり杖鼓の尻穴の奥まで入る。
「あああ・・・・。気持ちいい。気持ちいい、変態親父に尻穴犯されるの気持ちいい」
「あんあんっ。もっと、もっと。犯して杖鼓ちゃん。止めないで。奥まで入れて」
「うぉぉぉ。良い。これはたまらん。堪らんぞ。御嬢」
女の雌壺とその感触は違うが杖鼓の尻襞はきつくも一物を包み締め付ける。
我慢できずに激しく付きあげれば杖鼓が仰け反り唾飛ばして喘ぐ。
「ダメダメ。そんなに尻穴ほじくっちゃいや。おの変態親父。ああ・・快感だわ」
後ろから無理に抑えつけられ思いどりに動けないくせに尻を突き上げられる
そのままに更に人妻満の雌壺を杖鼓の一物が突き上げて犯す。
「あんあんあん。気持ちいい。旦那の極細なんかもういらない。杖鼓ちゃんのが良いの。あんあん」
自分の一物を杖鼓の尻穴でに打ち込めば其の下そのままの勢いと振動で杖鼓の一物が満を犯す。
「気持ちいい。ぶっといのに尻穴ほじくられるの気持ち良い」
「アタシもいい。気持ちいい。もっと頂戴。なんでも言うこと聞くから。もっと犯してぇ」
三位一体とも俗に世間で3Pとも言えるのであろうが思いの外気持ちよさに頭が痺れる。
突然にのそりと尻を杖鼓が動かすと大熊の腹を付き押し風呂の縁に座らせる。
雌壺からズルリと抜けた一物がぬめる儘に乱暴にも満の頭を掴んで膝をつかせる。
何を捺せられるかわかったとばかりに大きくも口を開け大熊の膨張する一物を手で扱く。
「ほらぁ、そろそろでしょう。体が大きい懶怠者は候と決まってるの。
出してあげなさいよ。人妻の綺麗なお顔にぶっかけて犯して上げなさいよ。ほら。早くぅ」
端正な顔の満が口を大きく開けて放たれる精液を飲み込もうと待ち構える。
ぐちゃりぐちゃりと激しく一物がしごかれ膨らむ。
「呑むのよ。全部。夫がいるくせに他人懶怠者の精液呑むんだよ。一滴でも溢したらお仕置きだからね」
年上の人妻・満の主人でも合うかのように振る舞う杖鼓はぐいと頭を押し下げ根本まで無理に飲み込ませる。
それでも許さず頭を掴んで上下に揺らし満の口で大熊の一物を激しく扱き続ける。
「うぉ。でる、出る。出るぅ」一物を人妻の口で無理にしごかれればたまらない。
「我慢しないで出せっているのよ。変態懶怠者のウスラトンカチ」杖鼓の罵倒が引き金となれば
「うぉぉっ」と唸りが上がって下腹に熱さが溜まり上ってくると感じれば一物の芯を通って精液が放たれる。
それと知る前に杖鼓は満の頭を無理に押し下げ根本までしっかり喉の奥まで呑み込ませる。
嫌々と小刻みに顔を降って拒んでも杖鼓の手は容赦なく頭を押さえつけてるから動けない。
喉の更に其の奥まで入り込んだ一物が野太い声を合図に膨らみ吠えて精液を吐き出せば
ごぼごぼと音がなりひびくと一物をくわえたままゴクリゴクリと喉を鳴らして満は大熊の精液を飲み干す。
体躯が大きいからかしばらくぶりなのかねっとりとした精液は喉に落ちて行かずに逆流するも
杖鼓のこぼすなと言う下知には逆らえず、貴方の精液を呑んでいますとばかりにしっかり大熊の顔を見つめたまま
ゴボゴボと音を立て一物をくわえたまま結局に一滴も漏らさず精液を呑んで魅せる。
「すっごく濃いの。あんなの雌壺に注がれたた妊娠しちゃう。はらんじゃう。はらむなら杖鼓ちゃんのが良いの
美味しゅう御座いました。大熊さん」快楽に溺れ頭をふらつかせながらも妖艶に嗤うと脚を踏ん張り
大熊に上半身を預けると性を解き放ち火照るが柔らかくも果てる一物を握ると脚を開いて雌壺に呑み込む。
「あん。これも良い。でも直ぐ固くして下さいよ。若頭さん」
見事にもうれた乳房を大熊の胸に押し付け腕を首に回して体勢を維持する。
大熊が脚を開けば其の上に満がまたがり脚を広げ大きな尻が中に浮く。
尻肉をグイと掴んで持ち上げれば大熊の一物を咥え呑んだままの雌壺の後ろに尻穴がぴくりとのたうつ。
「初めてなんでしょう?旦那さんにも許してないんでしょう?漢の娘のボクが犯してあげるよ。満姉さんのお尻の穴」
「そうよ。何度求められても拒んできたの。そんな所に入れるなんてどうしても我慢できなくって。
でも、杖鼓ちゃんなら良い。私の尻穴犯して。けつ穴処女奪ってぇ~~~」
妖艶と言うよりももはや雌に堕ちる満は杖鼓には逆らえない。
大熊に乳房を擦りつけ雌壺を一物を突き刺されながらも声を上げて尻穴を犯してくれと哀願する。
「ほらほら。もっと突いてあげなよ。どうせなら孕ませちゃえばいいのよ。こんな雌豚」
「ああっ。雌豚。私は雌豚ぁぁ~~~」名前も呼ばれずに蔑称に蔑まされているのにそれに快楽を見出し満は溺れる。
快楽に溺れうち揺れる尻肉を掴み指を食い込ませ押し開きさらけ出した尻穴に鬼頭の先をこすりつける。
「あっあっ。そこはお尻。違うの。入れちゃ駄目。入れないで。お願い犯して。奥まで犯して。
あっ。あっ。入ってくる。一物入ってくる。いやいや。めくれる。お尻の中捲れちゃう。膨らむ。ああ。駄目。
意地悪。味わないで。じっくり確かめながら入って来るの・・・ああ。犯される。お尻の穴犯さえる」
しっかりと大熊の首に手を回しずんすんと一物に雌壺を突き上げられれば快楽が湧き上がり
自分では制御できない姿勢のままに尻肉を広げられ引く付く穴に杖鼓の一物が冥婚で来る。
雌壺を犯されるとは違う強烈な刺激に頭も四肢もついていけずに震えが止まらない。
結構に大きな乳房を持つ癖にその本性は雄なのだろうか。雌の尻穴を制覇しゆっくりと根本まで犯すと今度は動き出す。
「駄目駄目、飛んじゃう飛んじゃう。前の穴も後ろのも穴も漢の一物入ってる。犯されてる。もっと頂戴。犯して。
バチンバチンと肉がぶつかる音が風呂場に響く。何せ体躯の大きな懶怠者が密かに思いめぐらしていた人妻の
雌壺に自分の一物を突き刺していれば快楽も気持ちも倍増する。
先程飲み干したはずの精液の僅かな残りが涎といっしょに垂れれば惚けた人形の様に嗤う。
女に穴が二つ在ると猥談混じりに言われても同時に本気で雌壺と尻穴を犯されるとなれば気も狂う。
「あぁ。逝く逝く逝くぅ。逝っちゃう。逝っちゃう。イクイクイクイクぅ」
二つの穴を同時に犯されれば快楽も響いて爆発する。耐えきれずにのけぞればバンバンと下から突き上げられ
二人の雄がそれぞれ違う手で片方づつに乳房をつかんで弄り乳首を引っ張り潰して舐る。
「駄目駄目。そんなひっぱたら痛い。いたいの。だめぇ。気持ちいいぃぃ」
感じる所を全部同時に責められると堪らずも嫌々と頭を降って快楽を貪る。
「満姉さんって結構、毛濃いよね。剃っちゃおうよ。アタシが剃ってあげる」
「いやぁ。そんな恥ずかしい。駄目。気持ちよくて頭回らない。杖鼓ちゃんの好きにして」
普段は銀縁の眼鏡を光らせ理路整然と物事を熟す満が快楽に溺れ口の間から涎を垂らして惚けてる。
それも必死に首を振り刻まれる快楽を貪り又溺れる。
バチンバチンと肉がぶつかりズルリズルリと雌壺に大熊の一物が出入りする。
もはや抵抗もなく襞が絡みつき捲れるが素直に杖鼓の一物を咥わえて尻穴が締め付ける。
「ヤダ、もうお尻穴のつかいかた覚えたの?満姉さん。ボクも逝きそう」
「頂戴。頂戴。熱い精液で私の尻穴汚して。尻穴ではらませてぇ~~」
もはや限界なのだろう。杖鼓もガクガクと脚を震わせるも踏ん張ると根本まで一物を尻穴に差し込み射精する。
「逝くぅ。でるでる。尻穴に出しちゃう。人妻雌豚の尻穴にだしてやるぅっ」
「出して出して。杖鼓ちゃん。尻穴にぶち撒けて。汚して。私お汚してぇ」
我慢できずに射精したのは杖鼓だけではなく一度は出したはずの大熊も勢いに任せて精を放ったのは確かである。
その後の事はあまり覚えてないかも知れない。
杖鼓の事情を肌で知るために誘われるままに風呂に入りはしたが
まさ人妻伊集院満とが入って来るとは思わずに図らずも戸惑う大熊の前で御名子二人がいちゃつけば
漢大熊も一物が猛る。興味本位と良く知れず杖鼓の足首を持ち上げて入れた指が狭くも雌壺があると知る。
その後は男女の営み然り、憚らずも二人が一物を扱いたと思えば杖鼓の尻穴を犯し挙げ句には
二人で満を犯した。正しいであろう記憶があったのは其のへんだ。
三人がのぼせて風呂から上がれば組の親父は後頼んだからと無理せず病院のベッドが恋しいと勝手にいなくなり。
はてさてどうした物かと悩めば夕飯に寿司とうどんと何故か赤飯が出てきたと思われる。
意外にも細身の小娘の如き杖鼓は酒が強く。下手にの比べになったと思えば酩酊となり
気がつけば柔らかくも温かい布団の上で胡座を欠いているかと思えば其の胸に人妻満が脚を開き
ケラケラとくすっぐたそうに声を上げて下半身を晒し其の向こうで安全かみそりを杖鼓がにぎっていた。
「寝ちゃいましたよ?杖鼓ちゃん」
「ねちゃったね。オジサン。私達の体。散々好きに弄んだで。自分だけ楽しんだのはずるいわね。
剃っちゃおう。ついでにつるつるにしちゃおう。むふふのふ」
「え?剃るって大熊さんのですか?」
「うん。だって。舐める時ごわごわするじゃん。お手入れは大事じゃん。不精はよくないの」
「そっそうですよね。ゴワゴワするのは嫌です。剃っちゃいましょう!」
ニヤリと顔を見合わせて嗤う。
その後の何かあった気がするようなとおぼろげである。股間に違和感があるかと思えば妙に爽快感があったり
無理に押さえつけられるような圧迫感があったかと思うと夢現に杖鼓が自分の上に跨って居るようでもあり
大きな尻を顔に乗せられ圧迫感に襲われたりと夢現に微睡み目が覚めるまでそれは続く。
朝に目が覚めるとガンガンと頭が痛いが人の隣で温もりがあるかと思えば杖鼓であり
「おはよ。変態大熊さん昨夜は楽しんでくれたみたいね。これからよろしくね」
意味ありげにも目を細めて微笑むが個々は組親父の息子らしく一瞥されれば距離を置くのが筋だろう。
ちょっとばかり羽目を外したとばかりに立ち上がればさすがに見知り腰骨が痛む。
酒をと言う水分を山程取れば尿意も貯まる。朝一番に用を足して頭をスッキリ避けようとすれば雄叫びが上がる。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~~。あの小娘~~~~なんで事を~~~~。
面目が儂の威厳が・・・・漢の威厳が・・・・おのれれぇ~~小娘仕返ししてやるぅ~~~~」
屋敷置くのトイレから絶叫吠えれば恨み節である。
昨夜好きに勝手に杖鼓の四肢を貪った仕返しとでも言うのだろう。
股間に屯と映える陰の毛がツルツルときれいさっぱりとなくなり剃られたと思えば未だましで。
結構毛深い大熊がある意味漢の誉と言って魅せる体毛のほとんど綺麗サッパリと剃られている。
陰の毛はもとより腹回りと通の女は好む胸毛。腕鱧取りすね毛までスッキリと剃られているが
杖鼓のセンスは図り知れず。大熊のほぼ全身の体毛を剃ってみせたが右の眉毛は慈悲で残してやると
随分と手の込んだ悪戯を寝ている間に勝手に施す。
「御嬢~~~~。杖鼓御嬢~~~~。どこ言ったぁ~~~。儂の体毛と威厳を返せ~~~~」
「や~~い。いろんな所がツルツルの変態懶怠者の若頭~~~~。お尻ぺんぺん。ウスラトンカチ~~」
朝一番から組家の廊下を少女と巨漢が走り回る。
こうして仲むずまじくも上下もあれば仁義も義理も確かにある信頼関係が二人の間に刻まれる。
「本当ですか?譲渡御嬢さんにあれついているっての」
「ふむ、本当だ。自分で確かめるのもいいぞ。但しあの人は強欲だからな。
次期頭領でもあるからな。覚悟は居るぞ?尻を差し出す覚悟な。
躾けられて飼われるの覚悟在るなら確かめるのもいいな。金剛。
その前に儂が味見してやろう。大丈夫だ。やさしくしてやるからな。こら。逃げるな。金剛く~~ん」
大見得きって杖鼓も半妖・半径だとは言わないし見た目が少女であればなおさらだ。
噂話はを確かめようと思っても相手が次期頭領と慣ればいずれは親になる。
配下の者には半身半疑で或ろうが簡単にはいないのも確かでもある。
本人に聞くわけに行かないしかわりに大熊にとえばなんとも異様な顔つきで睨まれる。
大熊自身はそうでもないと思っては居るが杖鼓にへたれと言われたのも気になるらしい。
素人相手に練習ともいかぬからまずは手近な若衆でもと手ぐすねを引いても
見の危険を感じる輩は逃げて回る。なんとも風変わりにも日々は流れる









置字
